橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まえがきに『古代社会では、不幸な知らせを伝えた使者は斬首された。これはいまでも同じで、集団にとって不愉快なことをいう者は疎んじられ、排斥されていく。みんな見たいものだけを見て、気分のいいことだけを聞きたいのだから』とあるのだけど、この本では、そんな不都合で不愉快な、みんなが見たくもない、気分が悪くなるようなデータや論が、「遺伝」「容姿」「教育」の3テーマに分けて、これでもかというほど語られます。
例えば「馬鹿な親から生まれた馬鹿な子どもは、遺伝的にどんなに教育しても馬鹿なままですぜ」とか、「犯罪者の子どもは犯罪者。精神疾患者の子どもは精神疾患者。遺伝は止められねえぜ」みたいなことを、さまざまな学説や実験データをもとに突きつけてくるのです。
「容姿」の章になると、個人的には筆者のペンもノリノリで走っているように感じて、本当にメインで書きたかったのは「容姿」の部分だったんじゃねえの?と思ってしまうほどで、 ただ「美男美女にはプレミアム、ブス・ブ男にはペナルティ」とか「ブスには社会保障を」とかをのっけから書くとさすがにやりすぎだから、まだロジカルで賢い系のテーマである「遺伝」を最初にもってきてカモフラージュしたんじゃね?と疑いたくなるほど、面白かったです
ゴリラは一夫多妻制で、交尾に至る前にオス同士の勝負がついているからペニスが小さい。ボノボは乱婚制で、自分の子どもを残すために睾丸がめちゃくちゃデカい。といった生物学的な話も相当良かった。
『容姿によって人生が左右されることは誰でも知っている。美男や美女は誰からも愛され、ブス、ブ男は無視される。だったら美貌の経済効果はどのくらいだろうか。--こんな疑問を思いついたのが経済学者のダニエル・ハマーメッシュだ』
「そう、ハマーメッシュだ!」じゃねえよ、と思わずツッコミを入れたくなる、と同時に、世の中には面白い研究をしている人がたくさんいるのだなと、不思議と頼もしい気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
ネトウヨやPTSD、下方比較など、人間の様々な「汚い」部分を科学的に解説してくれる本。
記憶はハードディスクのように綺麗に事実を保存するものではない。全ての記憶は「ニセモノ」のようなもので、5000兆以上のニューロンの結合によって合成される(繋がりやすい事象は頻繁につながり、それが記憶として現れる。また、進化論的に脳は良い出来事よりも悪い出来事を強く記憶するよう「設計」されている)
それだけでなく、「認知的不協和(矛盾した二つの考えを同時に抱く不快感)」から逃れるために、人は認知を勝手に書き換える。
つまり我々人間は、自分が過信しているほど完璧な存在ではない。生き残るために認知を歪めて、時には他者を貶めながら生きている。
他者への理解、愛情なんかも自分が生き残るための生存本能だったとは。ちょっと恐ろしい。。
→人は社会的な動物としてしか生き残れないので、愛情や忠誠心、他者への理解を発達させてきた。一方、性愛を獲得するためには他者を蹴落としていなければならない。そんな複雑なゲームを強いられてきた我々だから、綺麗事だけでは説明できない、様々な邪悪な行動や認知の歪みが生まれる。。
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•脳にとって劣ったものは報酬で優れたものは損失である→だからホームレスや転落話は人気がある
•妊娠中はオキシトシンが大量に放出される事で、母とこの愛情が「生物学的に」作られる -
Posted by ブクログ
幸せは目的ではなくて生存或いは繁殖のための道具。何となく、味覚と似ているなー、と思いながら読み進めると、QAの章にまさにそう表現されていました。
あと、幸せは金属探知機のブザーみたいなもので、鳴りっぱなしがいいわけじゃなくて、ちゃんと過去の幸せは忘れてこそ、新しい幸せを感じることができるという。高額宝くじが当たった幸せすら、1年後には幸せ度にあまり影響がない、と。当たったことないから分かりませんし、ホントかなと疑いたくもなりますが。
お金=幸せではないけど、お金を必要以上に重要視してしまったり、これも味覚で言うと人工甘味料みたいなことかもしれないけど、自分が幸せを感じることをしっかりと理解して、それを大事にしていくことができれば生き物としての目的も、そして個人としての幸せも達成できるのではないかな、と思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ性別や人種=本人には選べないしるし
社会主義=誰もが自分らしく生きられる社会を作ろうという解釈
リベラル化のデメリット
知識社会の能力には個人差が出る
専門知識やスキルを有する人が社会で有利になるため格差が大きくなる
環境の格差は減るが遺伝によるものは大きい
共同体が無いことで孤独し、他者とアイデンティティが衝突する
人間は何かにアイデンティティ融合することで快感を得てきた。
かつては国や部族が対象だったが、平和になった背景から自分らしいアイデンティティ融合が可能となり、アイドルなどの推しに対する個人へのアイデンティティ融合の傾向がある。
今のリベラルな社会に対する確実な解決策は存在しないが、最低限できることとしては個人を批判しないことにある。
最後には誰もが自由で理想的に生きられるリベラルにとって理想的な解決策が将来的にあるとするならば、政府の干渉が存在しないサイファーパンクではないかと述べられていた。
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Posted by ブクログ
橘玲さんの本なので難しいだろうとかまえていたが、すごくわかりやすくて面白かった。
大橋さんが素朴に率直に直球で質問してくれて、要所要所にわかりやすいイラストと短い章ごとにまとめが入る親切設計。
投資は「S&P500」か「オルカン」(山崎元さんと同じ!)、
持ち家より賃貸でお金を投資に(マイホームの購入は不動産市場への投資で、得することもあるが、インデックスファンドのほうが儲かる可能性は高そう(p161))というのも良かった。
1億円貯める具体的な方法、としては最後にちょっと大橋さんの考えがのっているが、基本的にはお金との付き合い方全般という感じ。
全部正解が書いてあるともいえる。
橘さんと大橋さんのそれぞれが成功されるまでの経緯がかなり詳細に書かれているのも興味深かった。
余談:
直観(ファスト思考)ではなく論理的思考(スロー思考)(p36)を、というのが初めの方に出てきて、そのとおりだとは思うが、直観を磨く、という考え方とは真逆・・・
p51
お金持ちになる方法
資産形成=収入を上げるー支出を減らす+運用して増やす
p64
「S&P500」と「オルカン」と呼ばれるインデックスファンドを買うことです(中略)オルカンは約6割が米国株なので(中略)長期投資では大きな差は出にくい
p68
株価は「ブラウン運動」という物理法則と同じような動き(中略)
ランダムな運動は「この範囲に何パーセントの確率で存在する」というように確率的にしか予想できない(中略)
株価が期待リターン(長期的な傾向)とリスク(値動きの激しさ)で説明できる(中略)
複数の株式を組み合わせると、株式同士がリスクを打ち消し合う(中略)
つまり、株式を分散して保有すると、期待リターンは変わらず、リスクだけを減らすことができる
p75
長期的に見れば年間で平均7~10%程度のパフォーマンスで上がり続けてきました
p83
円と基軸通貨であるドルの資産(S&P500など)を半々で保有していれば、実質資産価値は変動しにくくなります
p86
もっと、株のことを勉強して、大きく儲けることはできないんですか?!(大橋)
時間の無駄です(橘)
p88
『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』という映画
p89
資産運用でもっとも大切なのは、資産運用を考えないこと
p91
(NISAは)国家の大盤振る舞いと言うべき制度
p110
宝くじの購入代金のうち賞金に使われるのは半分だけ(中略)「愚か者の税金」
p118
期間10年の定期保険では手数料率が6割を超えると言われているものもあり、宝くじより割の悪い”ギャンブル”
対面販売をしないネット保険や共済保険は、その分だけ保険料が安いので、その中から自分に適した商品を探すほうが良い
p123
いまでは元本保証の「個人向け国債」でも金利が1%を超えています
p123
掛け捨て保険のほうがいい
p126
仮に100万円の手術を受けても1か月当たり約9万円(年収が約600万円の場合の概算)、70歳以上は毎月4万4000円が自己負担の上限
入院しても家計が維持できる人に医療保険は不要
p127
年金受給者になったら、医療保険は必要ありません
(入院日数の平均は)2020年代には15日程度まで短期化(中略)
がんや心疾患でも16日~22日で、入院日数が1か月を超えるような病気は脳血管疾患(約80日)や精神疾患(約300日)
p130
生命保険は子だくさんの低所得者だけが必要
ネットの保険会社で掛け捨て型に
p133
「店舗の地代やスタッフの人件費はどこから出ているのだろう?」(中略)
コストがどうなっているかをまず考える
全ての営業を無視する(中略)本当に儲かる投資機会があったなら(中略)自分で投資するはず
p136
「マイホームが得か、賃貸が得か」というのは、えんえん議論されてきましたが、そもそもこの問いには意味がありません
p137
マイホームの購入は「投資」
p144
賃貸なら、リスクを負わずに済みます
本来なら月額30万円くらいするマンションに、月額15万円くらいでずっと住んでいる人がたくさんいます
p144
選択肢は、「マイホームを購入して不動産に投資するか」「賃貸で暮らしながら株式市場に投資するか」
p216
日本のサラリーマンの生きづらさの原因は長時間労働ではなく、専門性の欠如(中略)うつ病を診断されれば休職の理由ができ、「実は仕事ができない」という”真実”がバレずに済みますから
p220
職場には5%程度モンスターがいる
p221
「終わりの見えない嫌なこと」は、気持ちを切り替えることができない
p229
60歳で退職する時点で、持ち家と5000万円の金融資産が必要
p229
60歳まで生きると、平均余命は男が84歳、女が89歳
p248
基礎控除とは「生活に必要なお金には課税しない」という制度です。原則62万円(中略)※2026年および2027年については、所得税の非課税ラインを178万円
p255
家賃の8~9割が経費として認められます
p256
役員報酬は大橋さん自身が決めて、人件費として経費になります
p266
法人は設立時に20万円程度、毎年、税金が最低でも7万円かかります。そこまで売上が期待できないのであれば、個人事業主から始めてもいいかもしれません
p270
『新・貧乏はお金持ち「雇われない生き方」で格差社会を逆転する(プレジデント社)』
p299
自分の「強み」を活かせる別の分野である「ニッチ」に活動の場をずらすことで成功を手に入れられる
p303
シグナルになるのは「褒められる」ということ
褒められれば自ずと好きになっていくはずです。なぜなら、人間の欲求のうちもっとも大きなものは人に認められることだから
p306
自分の専門性を確立するには、人的資本を分散するのではなく、1つの分野にすべての時間を投入すべき
p329
仕事を通じて収入を得ることは、経済的な面だけでなく、精神的な充実にもつながる大切な要素
p332
みなネガティブだからこそ、動いた人が有利になります
うつ病が日本、中国、韓国など東アジアの国に多いのには遺伝的な理由がある(中略)日本をはじめ東アジアの国々では、S型の遺伝子(不安を感じやすい)が70~80%を占めます
p333
日本では行動を起こした人が有利になる
p334
日本では優秀な人たちが一生懸命、快適な社会インフラを築いてくれている
p338
失敗しないで早く成功する人生は、それほど良いとは言えません
p340
イーロン・マスクは事業が軌道に乗って刺激がなくなると、「うつ」に吞み込まれてベッドから起きられなくなるといいます
挑戦してうまくいかなかったとしても、「勝手に幸福になれるチケット」を手に入れているようなものです。そう考えれば、幸福な人生を送るという最終的な目的を達成するために必要なのは「最初の一歩を踏み出す」という、ちょっとした勇気だけなのかもしれません
p351
「好きなこと」というのは、やってみて、「これいいな」とか、「これ違うな」と感じて、徐々にわかっていくもの
p352
暫定1位の好きなことをやってみる
ハマらなかったら、また別のものをやってみる
p353
何か褒められる経験をするのが近道
p357
面倒くさがる体を動かすには、体の内側に燃えたぎる何かが必要
p362
ドロップアウトは、「自由」を手に入れることでもある
最近ではNISAが「一般化できる成功法則」 -
Posted by ブクログ
この著書は2020年に書かれたものだが「言ってはいけない事」の多くが未だ引きずった日本の環境だと感じた。一つは、知識高度化社会において日本はかなりの理解力(知性)がないと行政が要求する文章を素早く理解することは難であり、申請書等は個人で作成することが難しい、ということ。その背景には、社会が複雑化するに従って様々な利害が対立、だからどこからも文句が出ない異様で複雑怪奇な文章を作成せざるを得ない現実である。その結果、国民は行政の文章が複雑で手間がかかり興味が薄れ、伝わらない現状を生み出している。
若い層では、知識社会の高度化によるドロップアウトが増え、学力競争から脱落、無気力となり、「落ちこぼれ」から「引きこもり」などの社会現象を生み、さらに場合によっては「不良化」へと進むのは避けられない現実となっているのは頷ける。若い男の層が「一攫千金」の夢から詐欺事件に巻き込まれる現象だ。であれば解決策は至って簡単、公文章においては誰もがわかる文章、説明文を作成することである。米国では2010年から公文書における法律があり、中学生〜高校生レベルの言葉を用いることとしている。実際大統領等の演説もその法の下に書かれている、と言う。米国法(Plain Writing Act:Federal Plain Language Gidelines)