あらすじ
東南アジアでもっとも成功した金融マネージャー北川が、シンガポールのホテルで転落死した。自殺か他殺か。同時に名門スイス銀行の山之辺が失踪、1000億円が消えた。金融洗浄(マネーロンダリング)、ODA、原発輸出、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ……。名門銀行が絶対に知られたくない秘密、そしてすべてを操る男の存在とは? 国際金融情報小説の傑作!
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Posted by ブクログ
7年ぶりくらいに読み返しましたが面白かったです。
淡々と謎が明らかになっていく感じで、ページを捲る手が止まらなかったです。
グローバルな金融事情についての学びもあります。シンガポールの料理やお店などの描写も好きです。行きたくなりました。
Posted by ブクログ
ミステリー小説としても楽しめ、勿論国際金融小説としても楽しめる一冊。金融メインだが主人公たちの人間模様の交錯も生生しくリアリティを感じさせる。
シンガポールが舞台の中心のため、数々の場所が登場し、行ったことのある人は情景が目に浮かび想いを馳せること間違いないと思う。マリーナベイサンズ、ラッフルズホテル、オーチャードロード、等
暑い季節だが、この本読んで、またシンガポールに行きたくなった!!
Posted by ブクログ
日本、韓国、北朝鮮、シンガポール、マレーシア、タイ、カンボジア。
東南アジアを舞台に数千億円が飛び交う国際金融小説。
マネーロンダリング、ODA、原発輸出、仕手株集団、政治家、殺し屋と。
タックスヘイブン、つまり租税回避地。法人税、所得税、資産税がないか、実効税率が著しく低い国や地域。
税の楽園とされたシンガポールに世界の富裕層が殺到する。
経済小説は数多いが、かなりの読み応え。構成からキャラ立ち、数年ぶりに☆5な一冊でした。
Posted by ブクログ
著者の小説2冊目。『マネーロンダリング』の金融小説から一歩進んで、北朝鮮を黒幕に据えた情報小説に進化していた。裏の金融ブローカー・古波蔵が、租税回避地シンガポールで起きた事件を中心に、銀行、政治家、ヤクザ……裏社会で暗躍する人間たちが絡んだ、命懸けの真相究明。ロマンス多めの筆致は、どこか007を思わせる。最後の柳と古波藏との対決は息詰まるものを感じた。
Posted by ブクログ
うーん、すごい怪作。ゲームを支配し相手より先に制するしかない。かっこいい!もちろん古波蔵も牧島タスクも紫帆もみんなかっこいい!私もタックスヘイブンを利用し…する特に資産無いわ
Posted by ブクログ
シンガポールの描写が早くもノスタルジーな気分にさせられた。それが無かったら全部読んで無かったかも。スパイとかマネーロンダリングの部分は全く理解できなかった。
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現代の日本や他国の法律の抜け道を突いた合法的な方法を使ったお金の動きを背景に繰り広げられる人間模様が面白かった。著者ならではの知識から生まれるストーリーが秀逸。
Posted by ブクログ
前回のマネーロンダリングはサスペンスドラマ感満載でしたが、今回は読物としての質が非常に高くなっています。金融犯罪小説として読んでいて楽しい一冊です。
物語は、友人が亡くなった旦那の相続を依頼される事から始まります。表に出せない桁違いの金の存在を感じとり、そこに群がる裏社会、検察、公安、国際銀行などの勢力を相手に、知識と権力を使いながら金の行方と犯人を追っていきます。最後に行き着く金の先は衝撃の一言。非常に上手く仕上げられていました。
著者の金融知識は相変わらず豊富で、惜しげもなく披露してますが、今回は非常に分かり易く書いているので金融知識が無くとも無理なく面白く読めると思います。
Posted by ブクログ
マネーロンダリング、聞いたことはあるけど中身がわかっていない人は多いんじゃないでしょうか。私もそのうちの一人でしたが、この小説を読むとなんとなくその全体像はわかった気になります。ストーリー自体も先の展開がなかなか読めず面白いです。
Posted by ブクログ
橘玲さんの小説は、「マネーロンダリング」以来、18年位振りに読んだ。 北朝鮮も登場して、手嶋龍一さんの「ウルトラダラー」を読んだ時の興奮が蘇る感じで楽しめた。隻眼の情報員の最後の告白が何とも陰鬱で、貧困は罪だと思った。
Posted by ブクログ
佐藤優氏の解説にあるとおり、金融、ミステリー、男女関係、非合法犯罪など様々な要素で楽しめる。
主人公コバの単騎無双振りが非現実的すぎる気もしたけど、続きが気になって一気に読んでしまった。
いかにも悪役っぽいキャラクターよりも、警察や公安のキャラクターが印象に残った。
所々に出てくる豆知識的な話の一つ一つがおもしろい。
Posted by ブクログ
国際的な裏社会を舞台にそれぞれのトラウマが絡み合う展開でした。
見ることのない裏社会を垣間見れた気がして面白かったです。
隠なる自分と陽なる自分が共存し、隠に溺れてながらも陽を求めるといった人間を感じました。
Posted by ブクログ
題材は金融が絡む内容ですが、ミステリー的な要素もあり、登場人物達の思惑が交錯してドキドキの展開でした。
男女の関係って複雑で怖い〜って思うこともあったりして(笑)
面白かったです!
Posted by ブクログ
買ったのはずいぶん前で積読状態だったが、コロナ引きこもりでついに読みました。
コロナ感染拡大で今までの金融市場の価値観すら一変しそうだけど、少なくともここ最近までの金融業の光と影が描かれていて楽しい。また、少し前にシンガポールに行ったため、物語に出る地名が自分の記憶と鮮明に紐づいてイメージできたのもより入り込めた理由かもしれない。
世の中には本当に一般市民が知り得ない様々な利権が渦巻いているんだと思う。経済をネタにした小説を今後も定期的に読み、感覚を研ぎ澄ましたいと思った。
Posted by ブクログ
金融と裏社会がつながったドロドロの事件…
そこに愛情やら友情やらが絡み合ってすごい小説。
金融犯罪を題材に、印象としては裏社会の怖さを前面に感じる一冊でした。終始ハラハラが止まりません。
Posted by ブクログ
あんまり好きじゃないけどすごい楽しかった!
自分ではぜったいに読まないジャンル。金融小説というか、金融や政治ネタ満載という感じで、ひたすら週刊誌をばーっと流し読みしてるような読感があった。
「お金がすべて」みたいな価値観を押し付ける内容なのかな?と思ったけど、金融を客観視している視点もあったのが興味深かった。金融ビジネスが新しい価値を創造できない、と言っていた若者の言葉。まさに、金融って有効なビジョンや将来図を示すことができない、過去にしがみついた業界なんだな、と読みながら思っていたので、おお、と思う。
女性が男に惚れるところの文脈が不明すぎて、アイリスの朝チュンで吹き出してしまった。女性観が古い。でも人間の側面という意味では、間違っちゃいない。労力をかけずにお金を作ろうとする男と、労力をかけずに生活を安定させたい女と、価値観が似てるんだろうと思う。ここで男女の論を持ち出すことは有益でないのでしない。でも、男性として育てられた人間が特に感じやすい「勝ち組、負け組」の感覚は、男女差が激しいほど強くなると思う。競争は疲れる。走り続けなければいけないと思っている男性、走らせている女性、この図は社会全体が疲れるだけだから、変える方向に動くべき。誰にもメリットがない。男女の優劣を論じるのではなく、双方にメリットがあるようにするための、仕組みを論じたい。
最後のオチが、なんか国家や国家間の競争やいざこざが黒幕だったのも、面白くて金融の問題と似てるところだと思った。国だって誰かが作ったものだから絶対じゃない。国が正義じゃない。最近思うのは、なぜ国同士が争う必要があるのか、ということ。みんな抱えている問題なんて似たり寄ったりなんだから、頭を揃えて知恵を出し合えばいい。国のなかに他国の介入が必要なら、奪いあうのではなく補いあうようにすればいい。やってることは同じで、姿勢の問題なんだったら。私はその方が効率的で楽しいと思う。でもそうじゃない方が効率的で楽しいと思う人もいるのかもしれない。そういう価値観こそ、戦わせたらいい。でも他に方法を知らないだけだったら悲しい。
この本は、自分と違う価値観が味わえたのが面白かった。夜の動物園のシーンで、シカの描写で高級革が作られる、という何気ない説明が出てきて、そんなこと私なら書くことすら思いつかない!と思って面白かった。動物の気持ちとか表情とかを書くと思う。でも動物の革の方が気になる人だっている。モノやお金ではない、その人が世の中をどう見るかが、圧倒的にその人の人生を左右するのだと思う。
Posted by ブクログ
読み友さんにもらった本。
面白かったけど、難しい〜!!
コバはカッコいいね!
ホントは好きであろう女性にも、友人と結ばれた方が平穏で幸せだろうと背を向けちゃう。
確かに、惚れ合ってても一緒になるとダメってことはあるしねー。
ある程度大人になったら、平穏が一番かもねw
…ってことで、やっぱりコバはいい男だわ〜♥
Posted by ブクログ
アジアを主な舞台にして、租税回避の攻防や表と裏の金の行方にからむ男と女とゆすり、たかり、殺しとが、目まぐるしく展開する。
この面白さは文庫版の解説が、佐藤優であることが信頼性を高めている。
Posted by ブクログ
佐藤優が評価するように、いろんな楽しみ方ができる小説。取り分け気に入ったのは、本著に登場する固有名詞は実在するもので構成され、よりリアルに近い物語になっている事だ。ハードボイルドインテリジェンス小説とも言おうか、また登場人物も格好良い。確かな知識とスパイスとしてのワル。誰が何のために動くのか、我々の日常とは異なるスケールで進化する物語は痛快だ。
Posted by ブクログ
橘さんと言えばTwitterで有名な人、という印象がある。
この人が書籍を執筆しているの知ったのは、つい最近のこと。そして小説を書かれていたのを知ったのは、この本を手に取った時。
果たして、すごい小説なのだとは思う。
単なる学校の教科書的な知識だけでは、こういう本は絶対に書けない。
海を超えたマネーロンダリングのお話。関係者は、証券マン・警察・政治家・裏社会の人物…など。
すごいものを読んでいるなぁと思いながら読んだけれど、正直なところ難しさはあった。
少し時間を置いて読んだためか、内容に理解できない部分はあった。
このひとは知識量はすごいと思うんだけど、ストーリーテラーかと言えば微妙かもしれない…。
一流の小説家のような、読み手をワクワクさせたいという心意気は感じられなかった。この人の世界を覗いているような感じ。ただ、見せられているような感じ。
それから、女性の描き方がちょっと典型的というか… 男性作家だなぁと感じさせられる。
総評としては星3つくらいになる。
面白さはあるのだけど、人におすすめできるかと言われたら、うーむ…
Posted by ブクログ
作者の豊富な金融知識と綿密な取材があったのだろうなと伺えた。
私にはスケールが大きすぎて本当にこんなことが世の中起こっているのか全く実感がわかないけどね。
物語としてはとても面白く、強すぎる主人公(コバ)が爽快な反面、男に頼るしか能がない美女が魅力的な女性として描かれているのが残念。
Posted by ブクログ
タックスヘイヴンが題名だが、「マネーロンダリング」ほどテクニカルなスキームの詳細が無く、シンガポールを中心にして東南アジアの歴史や観光地、グルメを紹介する観光小説みたいで、元駐在員としては映像が浮かんできたので、それはそれで面白かった。ヘマが多い殺し屋や、行動が不可解なヒロインが気になってしまった
Posted by ブクログ
金融インテリジェンス小説として興味深く読みましたが、インテリジェンスが強すぎ、また登場人物の関係も複雑で、私には難しかった感じです。残念でした。
Posted by ブクログ
シンガポールが舞台の金融、ヤクザ小説。面白かったけどマネーロンダリングほどグイグイ引き込まれなかったのが残念。少し難しかった気も。コバと榊原での続編を期待。
Posted by ブクログ
国際的な裏社会の闇を描く金融小説。
ミステリのようなスパイもののような。徐々に事件に迫っていく展開に引き込まれて読みました。
金額の単位が大きくて麻痺してきますが、こういう世界もあるんだなあ。
Posted by ブクログ
複雑で難しかった。私の理解力が足りないだけかもしれないけど。
『マネーロンダリング』はドキドキハラハラするような展開があったけど、本作ではそれがあまりなかった気がする。
Posted by ブクログ
橘玲のフィクションを初めて読んだが、あのいつものビジネス本の知識から繰り出される物語はリアリティがありかつ具体的な勉強になる事例も含まれ、二度面白い。