橘玲のレビュー一覧

  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    久しぶりの満点レビュー。
    橘さんの本は、いつもインフォーマティブで良いのだが、時に身も蓋もないことがある。この本では、もう少し常識人よりの安藤先生との対談の形をとっているので、いつもながらの的確な情報提供をしつつも、多少常識よりの結論に落ち着くことが多いのがよい。
    最先端の研究者との対談でも、ぜんぜん位負けしないところは、さすが橘さんと思わせるが、それに対して実に誠実に議論を進めていく安藤先生も、尊敬に値する。
    帯の煽り文句は、煽りすぎ。売れるかもしれないが、品位を落としていると思う。
    タイトルの「運は遺伝する」というフレーズは、この本の中心的な話題である「知性が遺伝する」というのとはズレてい

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    2024年02月28日
  • 80’s エイティーズ ある80年代の物語

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    大学卒業後の1982-1995までを中心にした、橘玲の自伝。(彼が元編集者だと知らなかった)
    当時の出版業界の勢いや破天荒さが面白い。
    そして過ぎ去った時代に対するノスタルジーも心地良い。

    今のスーパー売れっ子の彼がどうできたかが興味あったが、大学卒業までは適当であり、その後出版業界で多くの経験を積んだことで成長したようだ。
    かなり仕事に打ち込んでいたようだ。
    でもそれまでの仕事の経験と、彼の処女作『マネーロンダリング』やその後の著作に強い関係性があるわけではなさそうであった。つまり、その後の読書と執筆の生活によって数多くのヒット作を生み出したのである。
    長い間の編集生活によるスキルはあるだ

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    2024年02月23日
  • 上級国民/下級国民(小学館新書)

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    ネタバレ

    上級国民/下級国民と言うと抵抗を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、これは2019年に池袋で発生したひき逃げ事件をめぐり、ネットに飛び交った言葉だそうです。
    本書は社会学系の本で、日本やアメリカに限らず全世界的に等しく起こっている、持つ者と持たざる者の分断について解説しています。
    著者曰く、その引き金となったのは「リベラル化、知識社会化、グローバル化」の3つでした。

    最後まで読み進めると、なぜ(数々の問題行動や問題発言があってもなお)トランプ氏が人気なのか、反日・嫌韓・反中を謳う人はいったい誰なのか、といったことが感覚的に理解できるようになります。

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    2024年02月15日
  • 世界はなぜ地獄になるのか(小学館新書)

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    ネタバレ

    リベラルがリベラルであるが故に他の主張と対立してリベラルでなくなってしまう
    この本を読んで気付いたのは、情報が溢れかえる世の中ではタイパを重視せざるを得なくなり当事者置いてけぼりでキャンセル活動が行われるということ
    私自身研究分野にフェミニズムが含まれ、ネットでの主義主張で引っかかる言動が多々ありモヤモヤしていたがこの本でその原因がよくわかった。
    研究を進める際は、この本を参考にして論じたいと思った

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    2024年02月08日
  • 「読まなくてもいい本」の読書案内 ──知の最前線を5日間で探検する

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    「はじめに」にある通り、読むのが大変そうな名著たちの触りをさらりと知ることができる。各章末のブックガイドに挙がっている入門書は読んでみたいものばかり。またいろいろな豆知識も得ることができた。「キューバ危機」って単語としては知っていたけれど、本当に核戦争一歩手前まで行っていたこと、そして、アメリカ側の当事者がジョン・F・ケネディであること。フォン・ノイマンがすば抜けた記憶力を持つ人物だったこと。「新車をもっとも安く買う方法」「プロスペクト理論」。

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    2024年02月04日
  • 残酷すぎる人間法則

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    徐々に言説はボルテージを上げ、本書のクライマックスでは「人生の意味」に辿り着く。ミッシングリンクをまた一つ見つけたような気分。または、人類の設計図の1ページを手に入れたような興奮が得られた。

    ホモサピエンスが自分たちより優秀なネアンデルタールに勝ち得たのは集団化する力であったとか、人間には利己的な合理主義だけではなく、最後通牒ゲームに象徴されるような非合理性も持ち合わせているとか。孤独は身体に悪いとか。つまり人間は、社会関係構築を前提に作られて(あるいは、そうした性質が生き残り)、良好な関係性や作用は、人に生きがいを齎すのだ。

    生きがいにまで踏み込んで解説したのは、私にとっては本書が初めて

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    2024年01月31日
  • 人生は攻略できる

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    若者向けの文体ではあるが、その分内容は理解しやすい。
    幸せとな何か、3つの資本をベースに図解を用いて分かりやすく解説なされていた。

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    2024年01月14日
  • 働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる

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    内容:これからの働き方。年功序列・終身雇用(日本企業)→成果主義評価→企画単位での離合集散(プロスポーツ)→全員フリーエージェント(無社員)→全機械化。
    学び:日本企業はイエ重視の不適材不適所、内輪的。これからはできる人が出来ることをやる。管理者や会社も機械化する未来。そのために個人はスキルアップの為の転職などを。

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    2024年01月14日
  • 人生は攻略できる

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    僕が転職するきっかけとなった、恐ろしい本です。
    転職本というわけではないし、「サラリーマンなんか辞めろ」とは一言も書いてありません。
    ただあらゆる角度から、筆者なりの「これからの世界での生き方」が書いてあるので、読む人が読むと絶大な影響を受けると思います。

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    2023年12月20日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    正に夢の対談。
    そしてお二人の造詣の深さに感銘を受ける。
    敢えて断定的に話そうとする橘さん。
    「それでも解釈の余地があるよ」と余白を提示してくださる安藤先生。
    お二人のキャラクターのバランスが見事な一冊だった。

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    2023年12月05日
  • 残酷すぎる成功法則 文庫版

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    はじめに から意訳して下記を紹介する。

    "科学的に正しい行動や手順をおこなえば一定の確率で成功を期待できるが、誰でも確実に成功するわけではない"

    これに尽きる。
    しょせん当てはめる自分はn=1である。
    そして "私の人生に何が必要なのか" は皆違う

    しかし、効果の出やすいとされる良質な事例をエビデンスベースで紹介している。

    純粋に読物として楽しい。
    後半の方が面白いね。

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    2024年09月02日
  • 「読まなくてもいい本」の読書案内 ──知の最前線を5日間で探検する

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    勉強になる本が紹介されてる本。実際に紹介されている本を読むと面白かった。ただし、難しい本も多いので、入門として紹介されている本から読むのがおすすめ。順番に読んでます。

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    2023年10月31日
  • 新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ

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    # 丁寧に説明された、カネに関する本

    ## 面白かったところ

    * 出版業界の例を挙げて、新書がどの本屋さんにも並ぶ理由が具体的に説明してあるところ
    * 簡単にカネを生み出す方法に関するリスクと、築き上げた資産を守る方法が割と現実的に書いてあるところ

    ## 微妙だったところ

    * 仕方無しかもしれないが、かなり抽象的な温度感で書かれており、ピンと来る人にしかわからない書き方をしている

    ## 感想

    橘玲先生の特徴として富者と貧者の対比が印象的だが、当書ではそのような描写が少ない。

    若かりし頃の先生が奮って筆を走らせた本だからかもしれないが、とにかく制

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    2023年10月14日
  • 人生は攻略できる

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    若者向けに書かれた本。お金について書かれた部分は、分かりやすく、素晴らしい。人生設計のような大きなテーマで書かれている。さすが橘玲氏。有益な本だった。

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    2023年10月16日
  • 人生は攻略できる

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    若くもないオッサンなのに、橘玲さんの新作を書店でたまたま目にして購入。
    いつもながらの切れ味鋭い文章を楽しませていただきました。
    こういった「攻略法」と言うと言いすぎですが、知っておいたほうがよい情報は、若い人に届くといいなぁと思いました。

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    2023年10月11日
  • 人生は攻略できる

    購入済み

    これまでにもあった著者の主張(金融資本、人的資本、社会資本について)を広くまとめ直した内容。
    特に若い人むけの最初の一冊として好適。そういう人には強く勧めたい。
    既刊書と内容の重複が多いのですでに色々読んできている読者は読む必要ないかも。

    #タメになる

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    2023年10月09日
  • 世界はなぜ地獄になるのか(小学館新書)

    購入済み

    世界も日本もリベラル化の巨大な潮流の中にあるというのは著者が近著のなかでくりかえし指摘してきたことである。今回はこの「だれもが自分らしく生きられる社会」を目指す社会正義の運動が、「キャンセルカルチャー」という異形のものへと変貌していく現象を考察している。
    いつもながら論旨の切れ味がすばらしい。PART3に出てくる会田誠の話は、私が実際にこの個展を見ていたことからとりわけ興味深く読めた。

    #タメになる

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    2023年08月26日
  • 新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ

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    一つひとつのテーマで内容の濃く、とても具体的且つ再現性の高いものだった。抽象性を極限まで低く書かれている印象。
    再現性高く圧倒的に資産を築くためには、サラリーを受け取る側ではなくオーナーになる必要がある。

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    2023年08月19日
  • 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

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    勝間和代と香山リカの討論から広がる
    「恐竜の尻尾の中に頭を探せ」
    「伽藍を捨ててバザールにむかえ」

    性格や知能も遺伝で決まる
    身体的特徴が許されているのに知能の遺伝はなぜ認められないのか
    それは政治的に正しくないからである。政治問題になってしまう

    貨幣空間、政治空間(友情空間)、愛情空間と3つに大別でき幸せに感じるかは後者ほど大きく感じるが、現代は貨幣空間と友情空間がつながりつつある(評価経済社会)
    評判が集まる人が結果的に金銭も手にする。現代は「評価」獲得のやりあい
    貨幣空間が合理的でシンプルでストレスが少ない、PTAなどの中間共同体の崩壊で政治空間はほぼなくなり貨幣空間に愛情空間が向き

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    2023年07月25日
  • 残酷すぎる人間法則

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     多くの事例研究を元に〝幸せ〟になるには対面の人の繋がりに身を置くことでのみ得られるとした。
     人生を幸福にするものは、①個人としての成長、②愛に満ちた人間関係、③コミュニティへの貢献。
     現代の成功は、努力して個人的能力を高め、お金を稼ぐ事、裕福な生活を送る事、と考えがちである。しかし、私達の体は数百万年の原始時代の経験でできており、そこには他者と協力する事が我が身を生かすのに最も重要であり、それに繋がる出来事に快楽・幸せを感じるようにできている。
     友人のグループを持つこと。これを継続する努力をすること。これを意識して生活したい。反対にこれ以外の要素(例えば、仕事の良し悪し、お金の損得)は

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    2023年07月23日