【感想・ネタバレ】全員“カモ”―「ズルい人」がはびこるこの世界で、まっとうな思考を身につける方法のレビュー

あらすじ

\ 「見えないゴリラ実験」で世界が騒然 /
\ 世界有数の認知心理学者、待望の最新作! /

「見えないゴリラ実験」とは、私たちが動画の中で人がバスケットボールを投げる回数を数えることに集中していると、意外にも画面の中でゴリラの着ぐるみが歩いていてもそれに気づかない、という現象を証明した(この実験はイグ・ノーベル賞も受賞)。

「見えないゴリラ実験」(著者ダニエル・シモンズのサイト)
https://youtu.be/vJG698U2Mvo?feature=shared

「社会科学におけるもっとも重要な研究の1つ」と称される実験だ。 また、ダニエル・カーネマン、キャス・サンスティーン、ナシム・タレブ、リチャード・ドーキンスといった有名著者たちの作品中でも大きく取り上げられている。 本書は、同著者の満を持しての新著である。

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かつてないほど
人間の頭脳と判断力が
あてにならない時代に備える!!

いつのまにか巻き込まれる
ズルい手法を徹底検証!!

◆知らずしらずのうちに……ズル賢い人が使う巧妙な手口
◆「なぜ私はこれに心当たりがあるのか」と自問せよ
◆意志決定者が気をつけるべき「3つの原理」
◆こうして「答えになっていない答え」にうっかり引き込まれる
◆相手の弱点を見破る「3つの質問」
◆世界的に有名な心理学の研究も「ウソ」だらけ

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Posted by ブクログ

タイトルが秀逸
誰でもだまされる、例外なく

騙す手口を知っておくことで、騙されない
その知識は、自分のために使う

本質を問う
これは本当だろうか
どうして本当と言えるのか

よく考えること
あらゆるパターンを瞬時に思いつけること
これが「知は力なり」ということなのではないか

だまされる前提で人生を歩んでいくのも楽しいだろう

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2025年01月29日

Posted by ブクログ

超衝撃。まさか名著「ファスト&スロー」(プライミング効果)に騙されていたとは。
テレビや新聞によって「これ以上国債発行したら借金が膨らんで日本は破綻する」という嘘を信じる日本人が量産されたのも、ちょうどそれがハビットでありかつフックになっていたと推察できるのかな。

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2024年06月06日

Posted by ブクログ

SNSやメールで毎日というほど詐欺と思われる内容が見受けられる。こんなのに騙される人はいるのだろうかとも思うが、中には騙される人もいるのだろう。自分が調べていて行き着いた先が詐欺だったり、信用できると思っている人の言葉が偽りだったりしたらそれは難しいのかもしれない。性善説を信じたいが、大谷も騙される昨今、この本の締めのように世の中を楽しみながらも、自問していくことは必要かもしれない。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

【334冊目】特殊詐欺がこれだけ社会問題になる中で、どうして人はだまされるのか知りたくて読んだ本。洋書の翻訳なのに珍しくスイスイ読めた。

 だまされてしまうのは人には認知的なハビットがあるから。4つのハビットは以下のとおり。
①集中…相手は何を隠しているのか
②予測…「期待外れ」を喜べ
③思い込み…判断を後回しにする←要は賢いフリや分かったフリするなってことだと理解しました。
④効率…相手の痛いところを突く←決断のときにもう少し踏み込んで調べたり質問したりすべきってことかと。

 詐欺師や政治家やセールストークが利用する4つの認知的なフックがこちら。
①一貫性…この世界は不合理だ←一貫性があるものを好みがちだけど、現実は不合理で、きれいすぎる一貫性は実は何らかの人為的な操作を示すサインの可能性があるってことですね。
②親近性…「これ知ってる」を疑え←見たことがあるもの、ちょっと齧ったものを真実や優れたものとみなしてしまいがちな性質。選挙カーが候補者の名前を連呼するのにも意味があるんだなあ。
③正確性…"数字"の落とし穴←具体的な説明がその物語を信ぴょう性高く見せてしまう。
④有効性…「奇跡」と「ドラマ」はない←劇的な有効性を示されると根拠の確認が乏しいまま信じ込んでしまうことがある。

 信頼とは思い込みの一形態である、という筆者の主張からは、騙されることをこの世から完全になくすことはできない。認知的バイアスはこの社会で生きていくためにある程度必要なことだから存在している。だから、筆者は、「少し受け入れ、多く確認する」ことを提案している。
 その他、本書の中にはだまされないために必要な多くの提案が記載されている。すべてを実践するのは難しくても、読んだことがあるかないかだけで今後の行動は変わるかもしれない。

 個人的には、自分が選んだトランプのカードが実際になくなるトリックに驚いた…

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

キャッチーな邦題だが、中身は比較的堅実。原題は”Nobody’s Fool: Why We Get Taken In and What We Can Do about It(誰にも騙されない(抜け目のない)人:なぜ我々はだまされるのか、どうすれば防げるのか)”。
著者のダニエル・シモンズは心理学者。クリストファー・チャブリスは認知科学者。
2人は2004年、「見えないゴリラ実験」でイグノーベル賞を受賞している(イグノーベル賞2004年受賞者(英語))。「白と黒の2チームがあります。白いTシャツを着ている人たちがボールをパスをする回数を数えてください」と被験者に求めると、彼らは課題に集中するあまり、画面をゴリラが横切ったことに気づかない、というものだ。ちょっとしたフックで、人は見えるはずのものが見えなくなりがちであるということになる。2人はベストセラーとなった『錯覚の科学』の共著者でもある。

「世に盗人の種は尽きまじ」ではないが、本当に犯罪のニュースは尽きない。特に昨今、よく耳にするのは詐欺で、投資詐欺、ロマンス詐欺、還付金詐欺、よくもまぁ次から次にいろんな手を考えるものだと呆れるほどである。
こうした詐欺にあう被害者の方も、どこか隙があったのではないかと思われがちだが、果たしてどうだろうか。手口が巧妙化している中、傷ついている被害者に自己責任と言い放つのもいささか冷たい。実のところ、明日は我が身かもしれないのだ。それなら敵の手の内を知り、お互い、なるべく騙されないようにしよう、というのが本書の肝。

重要なのは、「心理バイアス」である。先入観や思い込みが意思決定や判断に影響を及ぼすことはままある。
人の思考には意外にクセがある。詐欺師はここに目をつける。
予想通りの結果が出ると大して疑わずに信じてしまう。数字が細かければ細かいほど信頼性が高いと感じる。誤った記憶に固執する。うまい話につい乗ってしまう。何度も見かけた馴染みのあるものを受け入れる。自然素材なら人工のものよりよいと思ってしまう。
別段、取り立てて愚かでなくても、多くの人が多かれ少なかれ、先入観を持って生きている。何でもかんでもまっさらな状態で判断していたら効率が悪すぎる。大概のことは、それまでの経験に基づいてさっさと処理して先に進んでいる。
本書では、こうした「心理バイアス」に基づく詐欺の事例を、参考文献をあげながら紐解いていく(最近の翻訳書ではよくあるように、注は書籍版には収録されず、ホームページからPDFの形でダウンロード可能)。

具体的な事例は本書に譲るが(何しろ数が多いので)、「結論」で、ではどうすればよいかがコンパクトにまとめられている。何か高額の、しかし魅惑的な提案をされた際には、一呼吸置いて、自分に問いかけてみること。客観的な判断が難しいときには、第三者の意見を聞いてみること。
さまざま実用的なアドバイスがあるが、おもしろいのは最後に“「たまにだまされる」人生を楽しむ”とあることだ。疑心暗鬼になって何でもかんでも疑う人生というのも淋しい。常に収支が黒字でなくたっていいじゃない。たまには損したりだまされたりするのも人生の彩りだ。破滅的な損害でなければ。

ところで、邦訳版のタイトルに添えられた「世界最高学府で教える人心操作の授業」という文言。本作、特に授業の講義録というわけではないのである。ただ著者2人とも、過去にハーバード大学で教鞭を取った経歴がある。それを匂わせているということかもしれないが、少々あざとい感じがする(「ハーバードで教える〇〇」的な)。何だかこのキャッチコピー、本書で扱う心理操作の実例みたいに見えるのだが、逆に読者が気付くことを狙った仕掛けなのだろうか(いや、それは考え過ぎかな)。
また、本書は「人心操作」を行う指南書ではなく、「人心操作」に踊らされないようにという注意喚起である。この辺りもこのキャッチコピーからはわかりにくいように思う。

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2025年03月24日

Posted by ブクログ

騙す手口、騙されるときに陥りがちなポイントを軸に様々なバイアスについての解説がされていたが、訳書なので要旨や対策がわかりにくかった。




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2025年02月15日

Posted by ブクログ

内容は悪くないと思う。ただ翻訳のせいか文章が読みにくい。例に出される詐欺などもアメリカでのことなので分かりにくいところもある(他の翻訳本ではそんなに気にならないので注釈の問題なのか?この本には注釈がないのだが)
参考文献はサイトからダウンロードしないと見られないのもちょっと不便。そのわりにページ数が多い。もう少し簡潔にまとめ、言い回しも簡単なものにしてあるとよかった。

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2025年01月24日

Posted by ブクログ

多種多様な事例を論拠に「騙されるのはこういう人間の性質や考え方があるから」「騙されないためにはこうすればよい」が解説されている。なるほど、と思う部分もあったが、ほとんどが「そりゃそうだよね」という内容が多かった。

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2025年01月09日

Posted by ブクログ

まず疑って視る
世の中はデタラメで装った情報が氾濫し詐欺に発展している、それが真実だと評価することが難しいからでもある、と言う。「専門家によると」「研究機関によると」など詐欺師は「あらゆる情報を握っている」として最初から疑問を持って自分自身に問うことだ。「なぜ私なのか」「情報は正確なのか」など詐欺師の金を引き出す手口を疑って視ることだ、と言う。中々わかっているがいざとなるといつの間にか騙されている、という現実がある。騙されない為にはまず周りに相談してみる事、ネットで検索、正確さを確認する事などだろうか。

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

『誰でも、たまには何かにだまされる』

カモられるのは脳の仕様、避けられない

実はカモられてるけど、気づいてないだけなのかも

大怪我するような詐欺を回避できるようになる本

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2024年09月15日

Posted by ブクログ

最初の橘さんのコラムが面白かった。
いきなりのトランプのトリックには引っかかってしまった。。

ただ、その後の300ページは、それほど「なるほどー」という新たな発見や気づきは少なく、少し退屈な感じだった。。

目を引くすごいタイトルだったので、余計に残念でした。。

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2024年08月09日

Posted by ブクログ

【目次】
■ 邦訳版への解説ーー合法的かつ効率的に私たちの脳はハックされている
橘玲  

■ はじめにーー絶対にだまされるはずがない人たちがカモになる心理バイアス  

【ハビット】
1 集中(フォーカス) ーー相手は何を隠しているのか
2 予測(プレディクション)ーー 「期待外れ」を喜べ
3 思い込み(コミットメント)ーー判断を後回しにする
4 効率(エフィシェンシー)ーー相手の痛いところを突く
【フック】
5 一貫性(コンシステンシー)ーーこの世界は不合理だ
6 親近性(ファミリアリティ)ーー「これ知ってる」を疑え
7 正確性(プレシジョン)ーー“数字”の落とし穴
8 有効性(ポテンシー)ーー「奇跡」と「ドラマ」はない

結論ーーそれでも、賢く、したたかに生きる

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

人には真実バイアスがあるから、一旦立ち止まってちゃんと確認しようねという話。表紙と帯は煽りすぎている感じがする。

人に備わっている4つの信じてしまう習性(ハビット)ー集中・予測・思い込み・効率と、フックと表現している4つの信じてしまうきっかけ(?)一貫性・親近性・正確性・有効性を説明している。

凄く読み辛く頭に入り難く感じた。
各章の初めにまとめ的なのがある。
そこが一番分かりやすかった。

フック8。有効性のところは
意外・・・というか衝撃だった。

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2024年06月22日

Posted by ブクログ

認知心理学。バイアスやヒューリスティックなミスから、騙されることへの警告。

わかりやすくて読みやすかった。具体的な事例を紹介する本ではなかったが、外国人研究者にありがちな、変に散文的で日常的な導入は少なかったし、簡潔。

いくつかのキーワードに沿って、説明してくれていて、読ませ方にも工夫が見られる
それでいてというか、大きく騙されんのはアレやが、そうそうそういうのに巻き込まれるわけでもないので、中規模以上の騙しには注意するとして、日常のさくっとした騙しにはそんな目くじら立てんとこな、的な主張があって、腰砕でよかったな。

それにしても、答えになってない答えとか、親近感による選択とか、綺麗事についてのコスト、まあ例えば研修への費用というか利権の中抜きというか、どこかのお国の、あああいつがやってることかみたいな顔が浮かぶのが、洒落にならん感じで、笑う。

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

人がいる限り、詐欺はなくならないんだろうなと思いました。自分自身もいろいろなことに騙されていることに気づきました。騙されないで生きていくことは難しいと思うので、うまく付き合っていきたいと思います。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

簡単な、だれもがすぐに怪しいと感じるような詐欺に騙される人がいる。なぜなんだろうといつも不思議に思っていたが、本書を読んで納得した。
私も騙されないと思っていたが、今後騙される可能性があるし、すでに騙されている可能性だってある。
本書に書いてあるように、もっともらしく語られる話ほど、慎重に検証する必要があることを念頭に置き、なるべく大きな買い物をしないよう気を付けたい。
GAFAMも法律の範囲内で消費者の脳の脆弱性を利用して消費者をだまそうとしている中で、騙されないのは至難の業かもしれない。

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2024年05月12日

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