【感想・ネタバレ】残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法のレビュー

あらすじ

ワーキングプア、無縁社会、孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超など、気がつけば世界はとてつもなく残酷。だが、「やればできる」という自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

"自分自身をすべて肯定的にとらえて、自分にあった環境を選ぶことで、幸せに生きることができる。ということを、様々なこれまでの文献を引用しつつ論じたユニークな本。
「言ってはいけない」という著者が書いた新書とほぼ同じ内容。"

1
2018年11月23日

Posted by ブクログ

結構衝撃的な本です。しかし書いていることには一理あって、目からうろこが落ちました。世界は、残酷です。どうしようもなく、残酷です。でも、そこで生きるときにここに書かれていることが役に立つと思っています。




『伽藍を捨ててバザールに向かえ』

『恐竜の尻尾の中に頭を探せ』

このキーワードのもと「やればできる」から「やってもできない」という現実をうけいれて、それでも幸福を手に入れる、そのやり方がつづられています。

この本の中では勝間和代的な『努力をすれば成功する』的な生き方を香山リカさんとの対談を引き合いにして批判したり、俗に『マックジョブ』と呼ばれるような低賃金で誰がやっても同じことができる働き方が若者の仕事から高齢者たちの仕事にシフトチェンジしているというくだりには正直な話、

『あぁ、なるほどなぁ』

とヒザを打たざるを得ませんでした。

先日、マクドナルドに行ったときも、カウンターで注文を受けていた女性も確か年配の女性でした。そのときはさして気にも留めなかったのですが、この本を読んで、ああこういうことか、とうなずかざるをえませんでした。

最後のほうになる第4章の『幸せになれるか』というくだりでは、今まで『常識』として信じられていたことが次々と覆されていきます。いわく

『日本人は会社が大嫌いだった』

や意外と日本人は個人主義だったという現実には驚きを隠せませんでした。

そして、

『恐竜の尻尾に頭を見つけろ』

ということは本書を読んでいただけるとありがたいのですが、相場格言の中にある

『人の行く、裏に道あり、花の山』

に通じるものがありました。

「しあわせのかたち」

が多様化してしまった以上、この本に書かれていることに私やあなたにふさわしいニッチ探すこと。それが『オーダーメイド』の幸福を探す有用な方法の一つではないのでしょうか?
と僕は考えております。

※追記
本書は2015年4月10日、幻冬舎から『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)』として文庫化されました。

0
2024年07月10日

Posted by ブクログ

勝間和代と香山リカの討論から広がる
「恐竜の尻尾の中に頭を探せ」
「伽藍を捨ててバザールにむかえ」

性格や知能も遺伝で決まる
身体的特徴が許されているのに知能の遺伝はなぜ認められないのか
それは政治的に正しくないからである。政治問題になってしまう

貨幣空間、政治空間(友情空間)、愛情空間と3つに大別でき幸せに感じるかは後者ほど大きく感じるが、現代は貨幣空間と友情空間がつながりつつある(評価経済社会)
評判が集まる人が結果的に金銭も手にする。現代は「評価」獲得のやりあい
貨幣空間が合理的でシンプルでストレスが少ない、PTAなどの中間共同体の崩壊で政治空間はほぼなくなり貨幣空間に愛情空間が向き合う「友達のいない世界」が現代

インターネットによる民主化により全体の大きなショートヘッドの中に、細かいジャンルごとのニッチなショートヘッドが続くフラクタル構造が実現している。
比較優位性を考えれば自分の好きで得意な領域を探してその中のショートヘッドになることが残酷な世界で生き残る方法である

またその自分のニッチを見つけるためには伽藍を捨ててバザールに出向かなければいけない

0
2023年07月25日

Posted by ブクログ

著者の論理展開が好きだ。本書はまさに残酷だ。個々人の能力は持って生まれたもので、自己啓発には限界がある。そして自分というものを変えることも困難。ならば、周りを変えるしかない。その方法は……伽藍という閉じたムラ社会を捨て、バザールという開けた空間を目指すこと。情報化社会がロングテールに経済的な可能性を生み出したのだ。

0
2018年07月28日

購入済み

前に進むために

僕も同じく悩みと絶望を繰り返していた。
臭いものの蓋を開けて、戦況の悪さを見つめ直す。
落胆する為ではない、まず、今どんな状況に置かれているか把握する事が、前進の為に必要だと思わせて奮い立たせてくれます。

0
2016年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半は、別の本でも読んだなーって内容。
後半からが面白い。

現代社会が友情空間から貨幣空間へ移行しているのは実感できる。
人間関係面倒くさいから1人でもいいかーと考えるのは自然な流れなのかとちょっと安心した。
「評判」を重視する社会は岡田斗司夫の言う評価経済社会と類似する。

結論の「ショートヘッドは諦めてロングテールを狙え」はやっぱりある程度の能力のある人しか出来ないことなのではないかと思う。
ロングテールのニッチ分野のトップになる人も一握りなわけだし…

0
2024年09月13日

Posted by ブクログ

意外にも動物行動学の知見
 人間の本質は動物からさう変ってゐないことを、動物行動学の知見を交へつつ説明する。ロングテールも紹介されてをり、それがフラクタルを描くニッチ空間だといふ。
 10年前から橘玲は知能が遺伝することに言及してゐて、先進的だなあと思った。

0
2024年07月04日

Posted by ブクログ

勝間和代に始まる自己啓発の否定?疑問?からの書き出しは興味深かった。現代社会で幸せに生きるためにはどうすればいいのかを論理建てて解説。最終的にひとつの答えに続く。

0
2023年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでよかった。
橘さんの本を読むのは初めて。

幸せになる方法は、好きなことで周りからの評価を得る(稼ぐ)とのこと。
その際は、好きをビジネスにする仕組みを考えることが重要。
この仕組みを上手く考えられないと不幸になるかもしれない。

人は簡単に変われないことや、他人を変えることはできないことなどが書いており、とても勉強になった。

0
2023年05月01日

Posted by ブクログ

★特長
YouTubeの「本の要約」チャンネルで知り、みんなが心の中で思っているが、口に出せないことを言っているような気がして、確かめたくて手に取りました。

ありのままの「私」のままで成功できる哲学
「伽藍を捨ててバザールに向かえ。
恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。」
この謎を追っていく。

★魅力
この厳しい時代を生き抜くヒントを、いろんな論文をもとに書き表されている。

★感想
比較優位理論を知っていれば、
間違った努力をせず、
自分はどこを目指して努力すれば良いか、
分かりやすいと思いました。
伽藍を捨ててバザールに向かうことで、自殺も防げると思いました。

★オススメの人
自己啓発にハマったことのある方。
仕事や勉強、人間関係に悩んだことのある人。

■メモ
インディペンデントに生きるには、お金と能力(専門性)が必要。

社会進化論
 ダーウィンの進化論を人類社会に当てはめた
 アフリカ、アジア、新大陸の原住民は
 劣っている。
 進歩的自由主義者たるヨーロッパ人は、
 彼らを教導する義務がある。

アメリカ
 ヨーロッパからの入植者が、
 ネイティブアメリカン(インディアン)の土地
 を略奪し、アフリカから安価に輸入した奴隷を
 酷使して築いた人工国家。
 「自由と平等」とはほど遠い。

「適者生存」社会
 努力しない者に生きて行く資格はない。
 弱肉強食の市場原理主義。 

勝間
 誰もが大きな可能性を持っていること。
 その可能性を訓練(スキルアップ)によって
 開発できるという自己啓発理念。
 ひとも社会も「進化」するというポジティブ
 で理想主義的超越思想。 

身長体重など身体的特徴のみでなく、知能や学業成績のような認知能力も、環境より遺伝の影響が大きい。

遺伝で顕著
 こころの病
 統合失調症、躁鬱病の遺伝率は
 70〜80パーセント。
 精神障害者の子どもは精神障害になりやすい
 が、これを公の場でいうことは「精神障害者
 差別」として厳しく禁じられている。
 サイコパス(精神病質者)は脳の機能的欠損で
 明らかに遺伝する。

スポーツ、音楽や芸術の才能は生きていくうえで必須条件ではないが、
知能の差は、就職の機会や収入を通じてすべての人に大きな影響を与える。
知能は「政治的に」遺伝してはならない。

知能の70パーセントは遺伝で決まる。

知能
 記憶力(レベル1)
  すべての人種に共有

 概念理解(レベル2)
  白人とアジア系が、黒人やメキシコ系
  (ヒスパニック)より高い。
  白人よりもアジア系の方が優秀。

 黒人の子ども
  特別学習プログラムを提供しても
  知能を上げるのは難しい。

行動遺伝学
 「やればできる」ことはあるかもしれないが
 「やってもできない」ことの方が多い。
 適正に欠けた能力は学習や訓練では
 向上しない。

比較優位の理論
 他人より優れている必要はない。

自由な労働市場
 能力競争で1番にならなくても、
 比較優位を活かすことで、
 みんな仕事を得られる。

シンボリックアナリスト(クリエイティブクラス)
 象徴を操作する人
 独創的なアイデアや技術、高度な知識を
 グローバル展開できる専門家や芸術家。

「投資の成功は儲けた金額の大きさで決まるわけではない」
異なるリスクの投資は、利益という結果だけでは評価できない。
「労働と投資は同じ」

「人的資本理論」
 人は誰でも働いてお金を稼ぐ能力を持っている。
 私たちはみんな人的資本を労働市場に投資
 して利潤(報酬)を得ている。
 様々な働き方をリスクとリターンの関係で
 一律に評価できる。
 ハイリスクのベンチャー企業家は、
 成功すれば大金持ち。
 ローリスクの地方公務員は安定しているが、
 かつかつの生活になる。
 それぞれの価値観の問題。

 ひとの働く価値=「学歴」「資格」
    「経験(職歴)」の3つで評価できる。

0
2023年04月15日

Posted by ブクログ

ひととひとが弱い絆でつながる貨幣空間でものをいうのは、関係の近い者より弱い絆の紹介であるという。確かに自身の過去を振り返るとそうだった。すでに関係のいい人とばかり一緒にいがちで、交友関係を広げるのがおっくうと感じていたがゆるく顔をだしておくのもありなのかもしれない。

0
2022年05月07日

Posted by ブクログ

主に進化心理学や行動心理学などの面から資本主義の現在を生き抜くための残酷な真実を紐解く。

努力をすることが能力向上になるのかはたまた無駄なのか?
遺伝子が能力に大きく関わることがわかる。現在は言語・数学的論理能力が優れた遺伝子を持ったものが評価される時代であるため、その遺伝子を持たざる者はその努力をしても無駄である。無駄なことに努力するのであれば、やってもむだ、と割り切り受け入れて他のことへ力を注いだ方がよいと。
また、幸せとは資本主義社会に合わせてお金を稼ぐことよりも、無償であっても評価を得られることの方が喜びや幸福を感じるように進化してきている。

優秀な遺伝子持ちとは競わず、小さなステージ、環境、分野であったとしても、自分の得意で好きなことを行い、その範囲で上位となること。まずは自分が輝ける環境を見つけてそれをマネタイズしていく工夫をすべきなのだ。

0
2021年03月13日

Posted by ブクログ



コロナ蔓延により、リモートワークが拡大し、働き方も今後変わってくるだろうな。

進化心理学では、人間の脳は進化的適応環境(EEA=Environment of Evolutionary Adaptedness)に最適化されると考えられている。EEAは、大雑把には狩猟採集の石器時代のこと。
社会環境は物凄い勢いで変化してゆくが、進化の速度はおそろしくゆっくりだ。その結果、我々はDNAに刻まれた、石器時代のこころを持ったまま、情報が光速で飛び交う超近代都市のアスファルトジャングルで暮らさざるを得なくなった。

標高5000メートルの高地にも、深さ6000メートルを超える超深海にも生き物は暮らしている。生物は自分に適したニッチ(生態的地位)を見つけることで、過酷な進化の歴史を生き延びてきた。
70億の人間が織りなすグローバル市場も、地球環境に匹敵する複雑な生態系だ。

さあ、ニッチを見つけましょう。

0
2020年04月24日

Posted by ブクログ

自己啓発というフレームワークは何故誕生したのかを考察した本です。

↓↓↓


自己啓発は現代社会においては、財を稼ぐための技術であるが、残念ながら全員が可能な手段ではない。
何故ならば、現代社会では、評価させる能力が限定されており、その能力の低い人はその恩恵を受けにくいからだ。

現代の仕事は3つに分かれる。
1.稼げる仕事
2.誰にでも出来る仕事、マックジョブをして生活をする
3.自分の好きを仕事にして、生活する

稼げる仕事に就けなければ、マックジョブか、好きを仕事にするかの二択となってしまう。
これは残酷な世界である。

0
2019年07月09日

Posted by ブクログ

頑張れば成功するというのは夢物語で、ある程度は遺伝で人の能力は決められているので頑張ってもしょうがない。

そんな残酷な世の中を、どのように生きていけばよいか。
ということが書いてあるのかと思ったが、あまり関係なさそうなことが語られ続けたりもしていて。。。

後半などは、この本なんの本だったっけ?と道しるべがなくなっているような気配も漂いました。

タイトルは、ある意味つり広告のようなもので、キャッチーにつけてあるのだろう。

色々な雑学というか薀蓄というか、経済的な理論などが小気味よく、紹介されている。
本当は難しい内容なのだろうなというものや、話題になっているような本の内容が、簡単に分かりやすく紹介されているのが魅力だろう。

何か大きなテーマを中心に語っているというよりは、筆者の興味のあることを、さくさく話してもらって、スーッとわかった気になる。
人に話したくなりそうな、話題がたくさん。
※サラリーマン向けの小ネタ集という感じも。

とにかく、何でも因果関係やロジックで説明できそうな雰囲気。
それでいて、自分の主張は、様々な権威の概説の紹介など、ほとんどが二次情報が根拠であり、読者側に何か問題を投げかけるでもなく、筆者が全部答えを教えてくれるようなところがある。

読者としては、あまり考え込むこともなく、世の中の心理が「分かる気がする」ので非常に便利な本だとも思うのだが。

一番違和感があったのは、筆者が小説家だというところ。
私の小説家のイメージは論理で割り切れないようなモヤモヤしたことを回りくどく、それでいて核心に迫って描き出すものと思っていたから、こんな直接的な言葉で、資本主義社会バリバリ勝ち組のような内容を理路整然と表現する人が、なぜ小説家なんだろうとも思った。
(でも、実際、書かれた小説も読んでいないのに、こんなこと言うのもいけないですね。小説家だって百人百様なんだし。)

経歴みたら元編集者ということでもあり、それなら、なるほど。と。

この本で輝いていた部分は、一次情報というか、筆者の経験が書かれているところだた。(マックのバイトの話、赤尾敏のインタビューの話)
こんな雰囲気の内容が小説に書かれているのなら面白いんだろうな。

2
2018年09月02日

Posted by ブクログ

多分、橘玲さんという人はおびただしいほどのインプットをしてきた人なんだと思う。知識の幅広さと、徹底的に考察してみようという好奇心が素晴らしい。

1
2020年12月02日

Posted by ブクログ

私は自己啓発本が好きで、本気で夢が叶うと思いませんが、やってみよう挑戦しようと気になります。(2~3日だけ)
しかし、この本は自己啓発本とは真逆で「努力すれば夢は叶う」の幻想を砕き、最適な人生設計を促す本です。
読んでみて大きな夢は持てませんが、人の幸せのメカニズムや好きなこと仕事することなど小さな希望となる知識もあるので読んでみて損はないかも。

1
2017年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに引っかかって読んでみたけれども、内容はいたって冷静でフラットな調子だった。

自己啓発系の教えに嫌気がさす人に、というよりも一度そっちを通ったあとナンカ違うなと感じていた人に刺さる内容に思われた。

あと、自分が子供のころから政治空間が苦手な理由がわかった気がして安らかな気持ちになれた。

以下、内容抜粋

スポーツや音楽と同じで自己の能力開発には努力ではどうにもならない生まれ持っての特性があるのだから、誰もが同じようなスキルアップして皆豊かになる、というのは幻想にちかい。

だから能力アップ戦略が難しいなら、自分の特性を生かして死なない程度の豊かさを得ることを目指すのが良い。今の時代では、それは諦めた戦略ではなく、幸せに近づける可能性があるものである。

人間のまわりには近い方から愛情空間、友情空間、政治空間、貨幣空間、があり近い方から指数関数的に得られる幸福が大きい。

前者2つは後から構築不可能。物理的に一緒にすごすことで形成されるもの。

学校や会社は政治空間にあたる。富豪の集まりもそう。そこには逃れられない固定メンバー、空間、ルールでの評判合戦、格付け世界がある。政治空間はシンドイ空間でメリットがないなら出たほうがよい。

もともとサッパリした世界である貨幣空間は、ITによって垣根が取り払われ、広大な空間での評判システムにより立場を築きやすくなっている。そのため幸せを得やすくなっている。

貨幣空間で特性を生かして評判を得て生存し幸せになる、という戦略を選ぶことが今の時代の適正ある選択ではないか。

1
2017年05月10日

Posted by ブクログ

自己啓発本というものがどうにも好きになれなかった私にはしっくりくる内容だった

わたしは変えられない
やってもできない
だから「伽藍を捨ててバザールへ向かえ」
環境に自分を合わせるのではなく、
自分に合った環境を探す
そして自分の好きなジャンルでショートヘッドになる

0
2025年03月25日

Posted by ブクログ

ガランを捨ててバザールへ向え。
恐竜の尻尾の中に恐竜の頭を探せ。

知識社会で重視される、言語的知能や論理数学的知能に恵まれない人々は、努力によってそれらの知能を向上させることはできないので、諦めて好きなことをマネタイズできるニッチな市場で自分の生きる場所を探せ、という主旨。

橘玲さんの他の著作も色々と読んできたので、内容が重なる部分も多く、理屈ではよく理解できた。
ただ、知識社会に適応できないレベルの知能の人が、自分自身で自分の好きなことをマネタイズできるか?というと甚だ疑問。それもできなければマックジョブに人生を捧げるしかない、というのは残酷ながら真実かも。

とはいえ、このような本をきっちり読み込むような読者層の多くは知識社会に適応できていると思われるので、あまり自分事として捉えることはないのかもしれない。

0
2024年02月28日

Posted by ブクログ

単行本に対して一部加筆した版でした。
要は「好きなことを仕事にして小さく生きていく」という感じの提言で、これはシニアの生き方にぴったりなのではないかと思いました。

人間の進化が現在の社会に進化(コミュニケーションの進化やデジタル化等)の速度に追い付いていない、ということがよくわかりました。

赤ちゃんが本能的に慣性の法則から外れた動きに驚く、という話が面白かったです。
(フレーズに引用しておきました)

0
2023年09月03日

Posted by ブクログ

フェルミ大学の要約動画を見て本書を手に取ったが中盤読みづらくて読むのを挫折しそうにもなった…。だけど最終章に至るところから結論までがドラスティックで面白かった。我々は自分を変えることは出来ないのでインターネットを使って戦える場所に移動し見つけたニッチ産業で戦うんだ!ま、ツィッター的に面白いのは大脳の快楽スイッチに磁気を当てるくだり…かな?w

0
2022年12月14日

Posted by ブクログ

「言ってはいけない」と重複する部分が多いが、7年前に書かれたものとしては面白い。カツマーとカヤマーの論争、囚人のジレンマ、ミルグラムの実験、チャルディーニの影響力の武器等、おなじみのネタだが、わかりやすく解説されている。

0
2019年01月20日

Posted by ブクログ

どこかで読んだような話のつなぎ合わせではあるものの、自己啓発そのものに疑問を呈し、人間の本質は変わらないというところから話を起こしていくところは、非常に共感できる。
ただ、最後の結論への持って生き方はやや唐突な印象を受けた。

0
2015年07月25日

Posted by ブクログ

東京と高尾を結ぶ中央線はいまや自殺の名所 ダイヤは始終混乱している ほんの些細なきっかけで金銭も愛情も失ってしまえば、あとは彼ら(ホームレス)の隣人として生きていくほかはない。それと同じ恐怖が、いまや日本中を覆っている。それについて僕が何かを語れるとしたら、その匂いを知っているからだ。経済評論家・勝間和代(カツマー)と精神科医・香山リカ(カヤマー)のバトルが社会現象になった 「年収600万円以上を稼げること」という具体的な数字をあげて読者に「自立(インディペンデント)」を迫った 失敗と自己懲罰の果てしない蟻地獄に落ちていく、こうして、勝間本を素直に信じた真面目な女性たちがこころを病んでいくのだと香山は批判する。 啓蒙的で進歩的なアメリカ知識層に強力な免罪符を与えた お伽話に魅了されたアメリカ主流派白人の一人に過ぎなかった。 貧しい階級や劣った人種は生物学的に適者ではないので、慈善家が彼らを救済することは社会の進化を妨げることになると主張した。ここから、「適者」でない者に子孫をつくらせないことで進化の促進を目指す優生学が生まれた。 「適者生存」の社会では、努力しない者に生きていく資格はない。 状況を改善する可能性があって、その目標に到達できるのに、それをやろうとしないのは自分や社会に対する裏切り行為 自己啓発のイデオロギー(観念体系)は、僕達に自己実現という神の宣託を告げる。喉が渇けば水を飲むのが当たり前なのに、「水を飲みたくない権利を認めろ」という人が現れたら誰だって戸惑うだろう。 時間も資源も限られているのだから、仲間との競争に勝って異性を獲得し、自分の遺伝子を残そうと思えば、もっとも得意なものに資源を集中するのが最適な戦略なのだ。 一卵性双生児の再会 「知能に低い親からは知能の低い子供が生まれる可能性が高い」「態度が悪いのは遺伝だから俺のせいじゅねえよ」と言われたら教育自体が成立しない 「遺伝」が科学ではなく政治問題だからだ 知能が遺伝で決まるというのは不平等を容認するのと同じことになる。政治家が国会で、行動遺伝学の統計を示しながら、「バカな親からはバカな子供が生まれる可能性が高く、彼らの多くはニートやフリーターになる」と発言したら大騒動になるだろう。すなわち、知能は「政治的に」遺伝してはならないのだ。知能の70%は遺伝で決まる 子供の成長に子育ては関係ない 「もしも自由や平等や道徳や愛情など、大切な価値のすべてが''こころは遺伝しない''という仮説に拠っているのなら、この仮説が科学的に否定されてしまえば、人類はすべての価値を失ってしまう。だったら''こころは遺伝する''という事実を認め、そのうえで公正で平等な社会の仕組みを考えたほうがずっといい」 労働者版自由貿易の理論とは、簡単にいうと次のようなものだ。グローバルな市場で労働規制が撤廃されると、貧しい国々の膨大な数の人達が比較優位を活かして今よりずっといい暮らしができる。その一方で、アメリカやヨーロッパや日本の高賃金の労働者は、賃下げやリストラで酷い目に遭う。世界が幸福になったかどうかを知るには、貧しい国で増えた幸福の総量と、豊かな国で増えた不幸の総量を差し引きすればいい。もしも幸福のほうがずっと多いのなら、地球社会全体でみれば、能力主義と市場原理主義は良い事だ。あなたがどうなるかは知らないけど。能力主義は差別のない平等な社会を築く為の基本インフラ マックジョブ 最終的には旅行(パックツアー)や自然体験(RVで過ごすキャンプ場)など、日常の合理性から逃避する為のルートまで合理化され、人々は合理性という「鉄の檻」に閉じ込められ、その中で生きるほかなくなるだろう。 グローバルな能力主義の世界では、夢を諦めてしまえば、マックジョブの退屈な毎日が待っているだけだ。だからリップスには、夢を諦める事が許されない。死ぬ迄ロックし続ける以外に生きる術が無いからこそ、滑稽なまでに必死になれるのだ。 重力ピエロの泉水(加瀬亮)と春(岡田将生まさき)はスプリング繋がり 小日向文世こひなたふみよ ''遺伝的に正しい''オスの戦略は、できるだけ多くのメスと性交して自分の子孫を残すことだ。それに対してメスの最適戦略は、自分と子供たちを養う保証をオスから獲得することにある。好むと好まざるとに関わらず、一夫一婦制は嫉妬を基礎につくられているのだ。強い相手が攻撃の姿勢を見せれば、歯をむき出して服従の態度を示す(これが笑顔の原型だ)自分より格下だと思えば、横柄な態度で威圧する。 ジモティ=地元民 どこにもない友情のユートピア 草野球とビールの国のピーターパン 「お前、友だちいないだろ」がいじめの常套句になる 人類史上はじめて「友だちのいない世界」が出現した 「死ね」はいじめのもうひとつの常套句だ 洗脳(分離・移行・統合)メスカリン(ペヨーテサボテンに含まれる幻覚物質)アンフェタミン(覚醒剤)幽体離脱は側頭葉の癲癇が原因 「自分は特別」という妄想 1989昭和天皇崩御 ヤクザも魚も縄張りを守る 一見対等のように見えても、僕達は無意識のうちに支配と被支配の関係をつくりだす。それは、ヒエラルキーのなかでしか生きられない社会的動物の宿命みたいなものだ。僕達の一生は、自由と服従に引き裂かれているのだ。 ダーウィンの思想は、一言で言えば次のようなものだ。「あらゆる生物は、遺伝子を後世に伝えるように最適化されている」進化心理学 社会環境は物凄い勢いで変わっていくけれど、進化のスピードは恐ろしくゆっくりだ。その結果僕達は、石器時代の心を持ったまま、情報が光速で飛び交う超近代都市のアスファルトジャングルで暮らさざるを得なくなった。 リナックス ハッカー 日本的雇用が生み出す自殺社会 カウチサーフィン 伽藍を捨ててバザールに向かえ。 恐竜の尻尾のなかに頭を探せ! 標高5000メートルの高地にも、深さ6000メートルを超える超深海にも生き物は暮らしている。 君に相応しいニッチ 腐りつつある伽藍のなかで幸福や希望を探すのは無駄だ。そこから抜け出す道を見つけ出した者だけが、この残酷な世界で生き延びることができる。たとえそれが、残酷な真実だとしても。

0
2015年06月06日

「学術・語学」ランキング