あらすじ
ワーキングプア、無縁社会、孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超など、気がつけば世界はとてつもなく残酷。だが、「やればできる」という自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である。
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Posted by ブクログ
教養がないと自覚している人は中盤の教養ラッシュに面食らう可能性があります。
でも結論は好き。
初版が15年前ということで仕方がないですが、現在ではロングテールの中のショートヘッドが無限に増殖しすぎて逆に辟易としている感もあり。誰も口にしないけど、皆の心のなかでは大元の巨大なショートヘッドをこっそり欲していたり...
Posted by ブクログ
前半は、別の本でも読んだなーって内容。
後半からが面白い。
現代社会が友情空間から貨幣空間へ移行しているのは実感できる。
人間関係面倒くさいから1人でもいいかーと考えるのは自然な流れなのかとちょっと安心した。
「評判」を重視する社会は岡田斗司夫の言う評価経済社会と類似する。
結論の「ショートヘッドは諦めてロングテールを狙え」はやっぱりある程度の能力のある人しか出来ないことなのではないかと思う。
ロングテールのニッチ分野のトップになる人も一握りなわけだし…
Posted by ブクログ
読んでよかった。
橘さんの本を読むのは初めて。
幸せになる方法は、好きなことで周りからの評価を得る(稼ぐ)とのこと。
その際は、好きをビジネスにする仕組みを考えることが重要。
この仕組みを上手く考えられないと不幸になるかもしれない。
人は簡単に変われないことや、他人を変えることはできないことなどが書いており、とても勉強になった。
Posted by ブクログ
タイトルに引っかかって読んでみたけれども、内容はいたって冷静でフラットな調子だった。
自己啓発系の教えに嫌気がさす人に、というよりも一度そっちを通ったあとナンカ違うなと感じていた人に刺さる内容に思われた。
あと、自分が子供のころから政治空間が苦手な理由がわかった気がして安らかな気持ちになれた。
以下、内容抜粋
スポーツや音楽と同じで自己の能力開発には努力ではどうにもならない生まれ持っての特性があるのだから、誰もが同じようなスキルアップして皆豊かになる、というのは幻想にちかい。
だから能力アップ戦略が難しいなら、自分の特性を生かして死なない程度の豊かさを得ることを目指すのが良い。今の時代では、それは諦めた戦略ではなく、幸せに近づける可能性があるものである。
人間のまわりには近い方から愛情空間、友情空間、政治空間、貨幣空間、があり近い方から指数関数的に得られる幸福が大きい。
前者2つは後から構築不可能。物理的に一緒にすごすことで形成されるもの。
学校や会社は政治空間にあたる。富豪の集まりもそう。そこには逃れられない固定メンバー、空間、ルールでの評判合戦、格付け世界がある。政治空間はシンドイ空間でメリットがないなら出たほうがよい。
もともとサッパリした世界である貨幣空間は、ITによって垣根が取り払われ、広大な空間での評判システムにより立場を築きやすくなっている。そのため幸せを得やすくなっている。
貨幣空間で特性を生かして評判を得て生存し幸せになる、という戦略を選ぶことが今の時代の適正ある選択ではないか。
Posted by ブクログ
「伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜のしっぽの中に頭を探せ」
自己啓発、能力向上を促す思考法、実践法が本屋で平積みされているが、個人の能力は遺伝に大きく左右されるという科学的事実が示されている以上、努力で能力を伸ばして夢を叶えるという幻想にすがるのは酷である。
才能のない人間はこの「残酷な世界」でどのように生存戦略をとるべきか。
筆者が示すのは「伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜のしっぽの中に頭を探せ。」という2つの考えである。
1.伽藍を捨てて、バザールに向かえ
会社などの従来の閉じた評価空間から抜け出し、ネットの開かれた評価空間に出て戦うこと。
伽藍(従来の終身雇用の会社、地域のムラ社会などの閉鎖的共同体)では、相互監視と規律によって支配され、一度悪い評判がつくと逃げることができない硬直的な「閉鎖空間」である。
一方バザールはインターネットや市場原理に基づき、貨幣を介して自由に「価値」が取引・交換される「開放空間」だ。
あなた自身の可能性は「伽藍」の枠組みにおいてはローカルなルールやヒエラルキーによって抑圧されるが、グローバルかつ自由な「バザール」では、フラットかつフェアな評価軸で試すことができる。
2.恐竜のしっぽの中に頭を探せ
「自分の中で比較的マシなこと」に特化すること。
個人の戦略として「好きなものこそ上手になれ」を徹底することで、社会における全体の生産性があがることは、経済学者デヴィッド・リカードの「比較優位」の概念が裏付けしている。
クリス・アンダーセンはインターネットの普及によって「ロングテール」と呼ばれるニッチ商品に人々がアクセスできるようになり、その売り上げが無視できないものになっていることを示している。このようにインターネットやSNSによって、自由に低コストで情報発信ができる現代では、ブログやYoutube、instagramなどのプラットフォームを活用することで、ニッチにおけるナンバーワン(ロングテールにおけるショートヘッド)になれる可能性がある。
競争に勝つことよりも、競争の土俵を選び直すこと。中心で輝くスターになることよりも、周縁で必要とされる存在になること。本書は、残酷な世界を「どう変えるか」ではなく、「どう渡っていくか」を教える実践書である。
中盤以降、橘氏の他の著作でも見受けられる様々な知見がつまみ食い的に示されるため、本としてのまとまりとしては少し散漫な印象である。本書が10年以上前の著作であるためか、今読んでみると、すでに新鮮味が薄れているが、考え方がすでに当たり前になったとも言えるのかもしれない。