あらすじ
科学が急速に発展した今、残っているのは問題解決が新たな問題を生む、やっかいなことばかり。民主主義、愛国心、お金、家族や恋愛……。これらの“不愉快な出来事”を、「現代の進化論」をもとに読み解こうと思い立った著者。AKB48で政治を考え、『ONE PIECE』でフランス革命を論じる――意外な物事と結びつけ世の中を斬る。「週刊プレイボーイ」の好評連載をまとめたスリリングな社会批評集。
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Posted by ブクログ
世の中を取り巻く汚職や、いじめ、性差別やうつ病、貧困や格差等の社会問題について、科学的、論理的な視点から切り取る良書。大前提にあるのは、人間は不完全な生き物であり、原始時代に形成された思考・行動パターンを踏襲しているということ。それによると、恋人を失うよりも毎日長時間通勤をすることの方が不幸になるし、年金消滅や原発関連の権力闘争などは防ぎようがないのだ。ここで提起されるのは、すべてを市場のままに任せようとするリベラリズムでも、すべてを政府が管理するパターナリズムではなく、人間の認知的バイアスや行動パターンなどを前提とした、「おせっかいな自由主義」である。ユヌスがバングラデシュで実現しようとしたような、人間を動かすための仕組みを本気で実現しようとする姿勢が必要である。しかし、保身が前提となる人間の行動原則において、それは実現可能なのであろうか。
Posted by ブクログ
週刊プレイボーイの連載をまとめたもの。
恥ずかしながら、こんな連載があるとは知らず、
ほかの皆さんも同様なのか、増刷はしていないようだ・・・
テーマを据えてそれを論じるものではないので、
内容は深掘りするようなものではないけれども、
これはこれで、スラスラと読めて心地よい。
Posted by ブクログ
不愉快になる理由を進化論の立場から明快にせt明する。いつものように不都合な真実や言ってはいけないことを言いまくる。つい読んでしまうのは、自分自身がそれを正しいと感じているからなのだろう。そんな作者がコロナ禍を見たときどう思うのか?医療崩壊を招くから検査数を抑えている? 結局、誰がそのお金を払うことになるのかに触れず野党や与党が政府に対し給付要求合戦を行うのはなぜ?私権の制限は嫌だ、マイナンバーでの管理は嫌だ。でも効率よく移動は制限してほしいし給付金は早く欲しいという自分勝手な理屈をどう考える?聴きたいものだ
Posted by ブクログ
連載が開始されたのは2011年は、民主党政権下で東日本大震災や福島第一原発の事故があり、原発ゼロに代表される、本質的には解決不可能な問題に対する意見が世間には溢れていた。素人の集合知が専門家の判断よりも正しいということがわかっており、集合知を活かすには多様な意見が重要とされることから、本書は主流派と違う一見風変わりな意見を提示している。「不都合な真実」でもふれられた、ヒトの知能は遺伝が主要因で子育てなど環境の与える影響は相対的に小さい、ことも紹介されている。
週刊誌の連載をベースにしているので1話ずつが短くて読みやすい。紹介される参考文献の中にも面白そうな本が多い。
Posted by ブクログ
解決不能な問題が多く存在する現代、しかも「先延ばし」などで悲観論が多い。今の政治家は自己保守的立場だけで国民の目線に対峙していないことが多すぎるる為、不可解で国民は不愉快な思いをする。原発問題、年金問題、少子化対策、消費減税を含めた社会保障問題など、度あるごとに「源資」を言うが「給付金」など企業へは厚い盛りをする、だが、国民には人匙程度のものしか無い。また、ある記事「日本は北朝鮮のすぐ下の196位」と言う、これは2023年時点における対GDP比で、海外企業が日本国内で事業を展開したり、既存の日本企業株式の取得(一般的には10%以上)する割合が北朝鮮より低い、と言う。(東洋経済)政治家の役割は経済を活性化させることが主なのに税収と税金の使い方ばかりに傾いている様に感じるのは私だけだろうか。
本書にある気になる言葉「強いリーダーがいない日本」「日本の特殊性、縦社会・甘え・空気の支配」「日本では責任や権限が曖昧、言葉も「上から目線」を嫌う」「日本の高齢化社会とは他人に厳しいスピリチュアル社会」
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フランス革命が『ONE PIECE』だとすれば、「ひとつなぎの大秘宝」は、「自由」「平等」「共同体」が調和する理想世界のこと
「ワンピース」はこの世に存在せず、手に入れたと思った瞬間に、 蜃気楼 のようにむなしく消えてしまいます。これを〝奇跡〟と呼ぶならば、ルフィと仲間たちはその夢を永遠に生きることで、私たちを魅了してやまないのです
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世界の秘密が全て解けたというほどではないが、考えれば考えるほど深みにはまるような題材だという事は間違いない。
政治も経済も社会も人生も何もかもすべて自分の思うように動く世の中になったら楽しくてしょうがないと思えるのだろうか、それとも、まだまだ刺激が足りないと思ってしまうものなのだろうか。
理由を突き詰めた著者は果たしてこれを書いた当時に比べ今現在をどう感じているのか聞いてみたいものである。
Posted by ブクログ
原発、領土問題、ギリシアの破綻、いじめ…
誰しもが解決すべきと思っているのに、議論は膠着し、対策は進まない。そんな不愉快な問題が発生する原因と対策を、進化論の視点から述べている本。
経済学や政治学といった従来の学問ではなく、進化論の視点から考えられた意見は新鮮だが、納得させられる。
人類の遺伝子レベルの原因だと言われてしまうと、どうしようもなく感じるが、遺伝子レベルの思考回路を解き明かすことで、解決策への糸口を見つけることができそうだと希望を持たせる一冊でもある。
特に、「素人の大多数の直感で選ばれた解の中間値は、概ね正しい」という事実は、意外で驚いた。
進化論の知識は1ミリも持ってない私でも、面白くてサラサラ読めた。
Posted by ブクログ
極端な意見同士は相殺され、多様化した意見の平均は案外正しい。この主張を基軸に社会、経済、政治、人生について、思った事を論じていく。この著者、そのテーマ毎に論文や著作を引きながら議論を展開するだけで専門家ではなく、テーマも散漫なために、広く浅く、熱意が乗らないので、頭に入って来にくい。ただ、基軸となる主張というか、強く影響を受けた書物があって、例えば利己的な遺伝子をバイブルにしているような所があって、その視点での切り口が多い。
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進化心理学の視点から社会をみると、いろんなことがわかる。人は、人生の大半をシュミレーションで費やしている。だから何も考えるなということは無理。考えることにより不安が生じることもある。人の幸せは相対的なもの。常に他人の不幸を喜ぶ存在。社会では、主張の一貫性が重要視されるが、人間の言質はコロコロ変わるもの。議員は落選したらただのゴミだから選挙に必死になる。富は不正なくとも一か所に集中する。日本の財政は構造的な欠陥がある。なわばりを死守するのは本能的なもの。人は、自分の利益がなるように選択する(トレードオフの考え方)。日本は高齢者が多くなりこんご精神性を重視する社会になる。いじめは子供社会ではあたりまえ、退学の強制手段があると少なくなる。一度限りの苦痛よりも持続的な苦痛の方が幸福度下げる。