あらすじ
グローバル資本主義の台頭とともに、楽園を追われるようになったサラリーマン。望むと望まざるとにかかわらず、すべてのものがフリーエージェント化していく。残酷なまでに自由な世界を、どう生き抜くべきなのか? 「雇われない生き方」とそのための「ファイナンスの技術」を描いたベストセラー!
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Posted by ブクログ
マイクロ法人という考え方を広めたとともに、発売されて15年経った今でも類書が出ないほど価値のある本。
マイクロ法人作りたいんだけど、やりたい事業内容がないんだよなー。
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サラリーマンとして安定と集団帰属意識を享受する生き方を選ぶ人が、国民の大多数を占めている。しかし、日本国の制度を深く理解すれば、個人に加えて法人というもう一つの人格を設立するだけで、税制上の優遇を大量に受けることができる、年収1000万のサラリーマンでも実質的な手取りを300万円程度増やすことも可能になる。本書は、日本の税制の抜け道や、投資キャッシュフローの構築方法等の入門的説明を踏まえて、雇用に捉われないマイクロ法人としての生き方を案内している。これを受けて、日本人のファイナンシャルリテラシーが向上し、国に搾取されて来たサラリーマン達が自由に生きていく方法を模索していくことを祈っているようだ。何回も読み直すことで、新しい発見があると思われる良書。
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マイクロ法人設立方法。
サザエさん一家がマイクロ法人を設立したという仮定でかいてありわかりやすい。
創業時や、中小企業が資金繰りするための制度がのってる。
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マイクロ法人設立のススメの本です。
10年前の本ですが、十分実用に耐えそうです。
↓↓↓
中小企業は、税法上かなり有利に位置している。
節税用の法人を設ける事は可能。
また、低利融資を受けるための法人を設ける事も可能。
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著者の論旨は明快である。だが、日本社会でサラリーマンが会社に従属するのではなく、自営業者として業務委託契約を締結して勤め続けることは難しい。それでも、正社員を採用せずに、人件費圧縮のために非正規雇用を採用する企業や公的機関が増えているので、そう遠くない将来、本書に例示されているような働き方が可能になるかも知れない。収入の目途が立てば、雇われない生き方に憧れる。
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2025年25冊目。満足度★★★★☆
2009年に新刊で読んだ本が2011年に文庫化されたものを再読。橘玲の本はこの頃が面白い。
なお、本書を読んでいる最中に、3月にアップデート版が発売されたので、これから読む人は最新版を読むことを推奨
Posted by ブクログ
☆3.5 日本の労働市場を端的に表した指南書
意外と的を射てゐておもしろい。日本の経済停滞の原因であるメンバーシップ型雇用がいまだ存置してゐることに、おどろきを禁じえない。
ただ、そのためにサラリーマンがマイクロ法人化するための解説なので、バランスシートなどの予備知識はあるほうがいい。
Posted by ブクログ
少し古い本だが国の制度や融資をうまく利用して賢く自由に生きようという本
現在の資本主義の考察や財務諸表の見方、法人化のメリットなど、ファイナンスについて広く語られており、実際にマイクロ法人を作るかは別としてもとても勉強になった
定期的に読み返して、国を上手く利用するという考え方を忘れないようにしたい
Posted by ブクログ
自由とは。あー、理想の社会的弱者になりたーい。めちゃくちゃ面白いけどめちゃくちゃ難しい。とても初心者向けとは思えぬw( ꒪⌓꒪)マイクロ法人について勉強したい人は必見。
Posted by ブクログ
マイクロ法人のメリットは、国家が弱者共済のために施すサービス(ファイナンス]いかに有効活用かすると言う1点に尽きる。区町村により享受できるメリットに差異があるので、法人登記の場所はとても重要である。
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納税と言うトピックについて徴収する側と徴収される側の目線で理解した方が良いことについて詳細を記載した良書。
1.申告納税制度はすべての納税者が税に対する完全な知識を有し正しく納税する意思を持つことを前提としている。よって税務調査では申告税額が本来の税額より少ない場合は納税者の意思を確認する必要がある。
①納税者の理解が不十分だった場合は税務署は指導し、過少申告加算税と延滞税を貸す。
②税金を払う意思がない場合は国民の義務を怠っているため罰則として重加算税40%貸す。
2.納税者の行動
①説明できない事はしない
②説明できるものは全て経費として計上する。
③その上で税務調査で否認されたものだけ訂正する。
3.赤字のマイクロ法人には税務調査ができない,なぜならそもそも赤字のため、利益を上回るだけの経費を否認しなければならないため。
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もう 10 年くらいの本。記載されている制度などについては多くが変わっているのだろう。ただ、根底にある「独立」についての考え方については、まだまだしばらくは変わらないのだろうな。
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お金の本質は何なのか。お金は信用されている分の価値が高いだけに、人はみなそれを欲しがるのですが、欲に憑かれた人たちの実例を交えながら、我々がどのようにすれば不満もなく行けるのか。読みながら考える一冊。内容は少し専門的な所もあり、読み手によっては退屈を感じるかもしれません。
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個人で企業に雇用されるのではなく、マイクロ法人として個人を法人登録することで、可処分所得も向上するし、格差を乗り越えることができる手法の一つだと著者が解説した本。
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・派遣切りや新卒の内定取り消しが相次ぎ、街には失業者が溢れ、どこを見ても暗い話題しかないけれど、
そんなニュースばかりじゃますます暗くなるだけだ。
朝から晩まで「不景気だ!」と騒いでいたって景気はよくならない。
みんなが好きな仕事に就けて、毎年給料が上がっていって、会社は一生社員の面倒を見てくれて、退職すれば悠々自適の年金生活が待っていて、病気になれば国が下の世話までしてくれる
──そんな理想郷を勝手に思い描いて、その夢が裏切られたと泣き喚くのはそろそろやめよう。
そんな都合のいい話があるわけないって、幼稚園児だって知っている。
世界はもともと理不尽なものだ。
みんなの都合のいいように神さまがつくってくれたわけじゃない。
そんな〝ディストピア〟で、一人ひとりが前向きに生きていく道を探さなきゃいけない。
「生まれてきた意味」って、そういうことじゃないのかい?
・サラリーマンをつづけるべきか、脱サラするべきかがよく問題になる。でもこれは、設問の仕方が間違っている。原理的に言うならば、私たちはみんな企業家で、意識しているかどうかにかかわらず、常に人的資本を最大化するような選択をしているのだ。
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マイクロ法人設立のために何が必要で、どうすべきかを具体的に記した1冊。会計の知識とファイナンスの知識を武器に、「法人」としての人格と「自然人」としての人格を上手に使い分けることにより、サラリーマンをしながら会社経営をできるといったことが書かれている本。「社畜が理想の人生」ということに疑問を持つ人なら、一考の価値があると思います。また、株式投資を行うときに役立つ財務諸表を見ると思いますが、財務諸表のカラクリをとても分かりやすく理解できるような説明をしてあります。
Posted by ブクログ
マイクロ法人の教科書とも言える本。
本章では4.磯野家の節税、コラム「会社を設立しよう」「法人税を申告する」「事業所得を使ったサラリーマンの節税」「公的融資制度を利用してみよう」「節税とファイナンス」「担保と連帯保証」が秀逸。
特に会社を設立しようでは、実際の手続きを順に要点を説明されていたので、大変判りやすかったです。
Posted by ブクログ
一人又は家族とマイクロ法人(零細株式会社又は合同会社)を設立した場合の節税、融資を受ける方法を具体的に紹介している。
年功序列、サラリーマン、年金等日本の従来制度が立ちゆかなくなることを証明したあと、マイクロ法人の節税方法を具体的に紹介し、後半で超低利子で融資を受ける方法を説明している。
印象に残ったのは4点。
1 まず小額の融資を受け、それを期限通り利子を払い完済することで信用を買い、1,000万円を利子0.37%で借りる方法(1,000万円を定期預金に入れた場合の当時の利子は1.1%)という不思議な中小企業優遇制度とそのからくりの説明。知っていて損はないはず。
他の3点は本旨とは関係ない点だった。
2 近所に最近出来た若い夫婦が営む和食カフェに、ある時黒服の男たちが集まり、翌日に閉店していた。このように若い人が飲食店や雑貨屋を開くことが多いが、ほとんどが数年で力尽きて閉店していく。著者は正しいファイナンス方法を知っていれば閉店せずに済んだのに、と言うが、ファイナンスでは実質的な収入を増やすことはできないので、そもそも著者のアドバイスを駆使しても、ほとんどのマイクロ法人には厳しい現実が待っているのではないかと思ってしまった。
3 地方の中小企業副社長からRJRナビスコのCEOにまで上り詰めた
ロス・ジョンションは、「長ったらしい会議をすべてキャンセルし、「良いアイデアと赤ん坊は夜にしか生まれない」と信じて毎晩町に繰り広げてて仲間と議論していたとのこと。」飲み屋で愚痴ばかりこぼすのではなく、酒と笑顔でクリエイティブな話をするというのはとてもうらやましい。
4 ジャーナリストのデイビッド・ブルックスの定義したBOBO(Bourgeois Bohemians/夫婦ともに高学歴で、リベラルな都市化その郊外に住み、経済的に恵まれているもののブルジョアのようなカビな暮らしを軽蔑し、かと言ってヒッピーのように体制に反抗するわけでなく、最先端のハイテク技術に囲まれながら自然で素朴なものに最高の価値を見出す人)という概念は面白かった。アメリカ発祥の概念だが、LOHASと通じ、日本に多いのでないか。また年経済学者のリチャード・フロリダが発見した事実として、ゲイが集まる都市にハイテク産業が集中する一方同性愛者に差別的な地域が経済的に停滞するということの紹介も面白かった。国家の品格にも似たような事が書いてあった。文化の多様性に惹かれて教育水準の高い人が集まってくるのが理由としているが、産業のみが発達しても、文化的に魅力がなければ発達は持続しないということなのだろう。人は仕事がしやすいだけでは満足しないのだ。
本書の対象者は、かなり明確に独立を考えている人だろう。私を含む「独立ってどうなんだろう」というぐらいで読み始めた人にとっては多くのページが具体的な話すぎて少々読むのに疲れるが、いざ独立すると決め手からは、バイブルになるような、そんな本だと思う。
Posted by ブクログ
この本の著者である橘氏は、サラリーマンで生活するよりも、マイクロ法人化することで税金をコントロールすることで、可処分所得を大きくすることができるメリットを解説しています。
同様な考え方は、「金持ち父さんシリーズ」を書いたロバート・キヨサキ氏も述べていたと思いますが、橘氏は日本の税制に沿った、日本人に役立つ方法を述べています。
とは言うものの、彼の提案を実際に実現できる人は、限られているのではないかと私は思いました、このような偏見を持っている限り「自由人」になるのは難しいのかもしれませんが。
以下は気になったポイントです。
・若いときは人的資本で稼いで、年を取って働けなくなると金融資本と年金で生活する、というのが一般的なパターン(p11)
・サラリーマンとそれ以外の企業家において、ひとつ決定的な違いは、サラリーマンが企業活動の主要部分(会計・税務・ファイナンス)を会社に委託してしまっていること(p14)
・もともと「成果主義」は、年功序列制度を維持しつつ、若手社員の人件費を抑える手段として導入された、なので若者は会社に見切りをつける(p46)
・日本企業には減給制度がないので、実質インフレをマイナス2%とすると、定年まで雇用が保証されて毎年2%昇給していくのと同様、サービス価格が値下がりするのに人件費が変わらないので企業利益は流出する(p54)
・日本で派遣労働がこれほど急速に普及したのは、解雇規制が強すぎて容易に社員を雇えない、中高年を解雇して若手を中途採用すると違法とされる(p56)
・大統領選挙のたびに指摘されるように、アメリカは共和党を支持する南部・中西部の「赤いアメリカ:進化論否定の原理主義」と、民主党を支持する、東部・西部の「青いアメリカ:リベラルでカナダと協力」に分断される(p75)
・19世紀半ばまでは、産業資本家は電力確保のために工場の近くに工業用水や蒸気機関の設置が必要であったが、半世紀後にはすべて廃棄可能であった、効率的な発電技術と送電ネットワークの完成による(p82)
・10年間海外を放浪してきた若者が職を求めにやってきてもネガティブであるが、その若者が会社社長の名刺をだしたのであれば、ポジティブにとられる可能性はある(p107)
・アメリカのフリーエージェントがマイクロ法人を設立する一番の理由は「有限責任」、日本ではそれを認めていたら正常な市場経済が成立しないので、中小企業は融資を受ける際には社長等が連帯保証人になる(p119)
・当時の有限会社法(1940年)は、一般事業者に有限責任を与える代りに、1万円(現在時価で2000万円)の高額最低資本金が設定された、株式会社にはその規定はなかった(p121)
・現在で株式会社を設立したい場合には、最低でも20万円(定款認証手数料:5万円、登録免許税:15万円)かかるが、合同会社は6万円の登録免許税と雑費のみ(p134)
・エンロンは大胆なM&Aで巨大企業になったが、巨額の利払いに苦しむことになり、虎の子の天然ガス井を売ってしまい、ネットワーク(パイプライン)のみを有する会社になった(p164)
・エンロンがイノベイティブであったのは、経済活動のすべての領域にシンプルなビジネスモデル(インターネット上で巨大な私設市場を取引する)を支配しようとしたこと(p165)
・中小企業には30万円未満の資産を一括して経費処理できる特例が認められているので、これを利用すれば、自宅用のテレビなども法人経費となる(p220)
・自宅を事務所として利用する場合、家賃相当分の2分の1までは原則として認められる(p247)
・白色申告では、所得合計が300万円以下では、記帳の義務が免除される、すなわち領収書も帳簿も不要ということ、確定申告の際に「収支内訳書」を書くのみ(p250)
・毎年100万円を株主に配当する会社は、毎年100万円の賃料を生み出す不動産物件と同じ(p305)
・Sクラスベンツの4年落ちを600万円で購入、耐用年数まであと2年なので、定額法では年間300万円を損金、中小法人の実効税率を30%とすると、年間90万円、2年間で180万円の節税、さらに6年落ちのベンツが中古市場で300万円で売られていたとすると、含み益が300万円となる(p315)
2011年9月11日作成
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現代(2025)においても、個人の働き方として選択肢を増やす手段として現行の精度においても充分に通用できる切っ掛けを示し提案する書である。
マイクロ法人は誰でも少しのお金があれば株式会社でも合同会社でも簡単に設立できる。マイクロ法人で個人が享受出来る恩恵は考え方によっては計り知れない。自身で会社を立ち上げ、知らないことから税務関係を税理士に丸投げではなく、どういう仕組みでどのような形で経費として認められ、給与に掛かる税金は個人と法人とで両方にどの程度掛かるのか。多くの士業と連携しながら手堅く運営していくと良いだろう。資産管理会社が最適解の一つと考えられるだろう。自身の資産を会社へ譲渡し、税金を払いそして、法人として資産運用していく。やっている人は多い。
デメリットもある。法人の維持にはお金が掛かるということだ。会社を解散させるにもお金は掛かる。恩恵があるのであれば、弱点もあるのは世の常だ。だが、それを差し引いても私やあなたの人生において、良い学びと税務上の知識、労使の管理運用、事業収益とは何か、経費とは、赤字とはを理解し、更なる理解を深めることが出来るだろう。
つまり、節税や資産管理の効果は大きいものの、法人設立・運営に伴う費用・手間・税務・責任の増加は無視できない負担を受け入れつつ、自分の事業を始めればいい。合わせて、法人化は状況に応じて慎重に判断し、事前に税理士や専門家への相談が推奨する。
一見、難しいように見えるが全部一人でやるわけではない。事業収益を稼ぐという意味でも法人格で出来ることは多い。当初とは異なる結末になるのも楽しいし、同時にリスクもある。だからと言って目的があって何かを始めるなら、そういう選択肢もあるということだけでも知っておくと人生において大きく有利に働くだろう。
本著は2011年の書ではあるが、現代(2025)以降も充分に通用し、会社とは何か、どういう手続きと費用が掛かるのか、何かを知る、行動する切っ掛けとなる良書であろう。
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サラリーマンから税金を搾取するということが、これからも続くだろう。できるだけ、スキルや人脈をつけて、フリーランスになった方が幸せになれるという。
ただ、独立もリスクが多いと思った。
成功とリスクはトレードオフ。
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現代の資本主義を生き抜くための指南本? 現実をそのまま受け入れて最も効果が期待できる対策を取る。企業にしがみついても未来はない。それならフリーエージェントとして法人を立ち上げ使える限りの特典を利用し尽くす・・ そのためには税制と会計学をかなり真面目に勉強する必要がありそうです。脱税すれすれの方法もあるようですが、それにしても何を売るフリーエージェントになるか・・ 誰にでも使える方法ではなさそうです。例によってネオリベに対する批判は全くなし。ノーガードで受け入れています。
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正社員とはサラリーマンであり、即ち社畜のことだろう。驚くべきことにこの国では、いつの間にか社畜=奴隷こそか理想の人生になってしまったのだ。 慨嘆する 世に蔓延する「社畜礼賛」が薄気味悪いだけだ 「自由」は空疎なお題目ではなく、「人生を選択できる経済的な土台(インフラストラクチャー)」のことだ。 玉石混淆の自己啓発本が溢れていて 羅針盤も海図もなく徒手空拳で市場の荒波に乗り出していく 刻苦勉励こつくべんれい 日比谷公園の野外音楽堂が薄暮に沈む頃には 戦犯を見つけて批判する勧善懲悪の単純な手法は 巷間流布している「格差社会」の処方箋は殆ど役に立たない 七〇年代のハーレムやブロンクスが一般人の近づかない犯罪地域になったことからもわかるように 大リーグに移籍した日本人は、日本ではなくアメリカに納税している。 郊外の瀟洒な住宅地 安価な輸入品 中内㓛いさお 一代の梟雄は無一物に近い姿で世を去った 中内ダイエーの産業再生機構入りは、「中内が握って離さないものを、国家が腕ごと切り落とした凄まじい瞬間」だった チッソは水俣病の原因企業として四〇年近くにわたって被害者への賠償を続けている 西原理恵子「脱税できるかな」(『できるかなV3』〈扶桑社ふそうしゃ〉所収) ランボルギーニは経費になるか 説明できる(アカウンタブルな)ものはすべて経費として損金計上する。 伊丹十三の『マルサの女』で知られる国税局査察部は、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及する為の組織で、強制力(令状)を持った税務調査を行う。それ以外にも年数回、有名人の脱税がマスコミを賑わす。 国税庁は話題になりそうな事件を選んでメディアにリークし、「税務署はこわい」というイメージを維持しようとしているのだ。 何故なら彼等は住所がないので、行政上に「弱者」になれないのだ。 厳しい解雇規制によって経営が破綻するまで彼等を若い労働力と交換することは許されない 近代社会は、「自由」に至高の価値を見出すことによって成立した。だが私達は、実は心の底で自由を憎んでいる。社畜礼賛の風潮を見れば明らかなように、人は元々自由になど行きたくないのだ。 この国を覆う閉塞状況を変えるものがあるとすれば、それは理想主義の空虚な掛け声ではなく、少しでも得をしたいという普通の人々の欲望である。
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ストーリー
あなたの人生に「希望」はありますか?
税金ゼロで利益を最大化! 合法的に国家から搾取する方法
あのベストセラーが待望の文庫になって登場! グローバル資本主義の進展とともに快適な「楽園」を追われるようになったサラリーマン。正社員はもはや希少種となり、あらゆる人が望むと望まざるとにかかわらず、フリーエージェント化していく……。残酷なまでに「自由」な世界を生き抜くにはいったいどうすれば? サラリーマンだけが知らない、「雇われない生き方」で不条理なニッポンに希望を掴み取る「ファイナンスの技術」!!
Posted by ブクログ
前半は読んでて眠くなるので、読み飛ばしてくことをオススメします。
法人化のメリットや方法について知りたい場合は、先ずは105ページくらいまでは読み飛ばしていいです。
個人的にはスターウオーズの例え話とか要らんと思いました。そもそもあんまり観たことなくて知らないし。知らんことで例えられても余計分からん。
Posted by ブクログ
これまで節税や金儲けに全く興味のない人生を生きてきたが、家族を養うのにフリーランスになる道を模索しているために読んだ。
格差社会の原因と現状、「法人」や「ファイナンス」の詳細な解説を経て、サザエさん一家をたとえにしたマイクロ法人節税の実践と言うストーリー仕立てです。その道を考えている人にとっては必読書のようであり、世の中のお金の流れを全く知らない私にとっては大いに有益であった。
ただ、文章(書かれている内容ではなく文章のセンスや面白さ)は読みごたえに欠けた。サザエさん以外のたとえ話はむしろたとえにせずにストレートに簡潔に書いてくれた方が読みやすいのになと、随所に感じた。
国家や会社に依存せずに生きていく道を模索するのは私たちの世代(いわゆるロスジェネ世代)の宿命かもしれない。常に20年先、30年先を見据えて、今を謳歌しなければならない。うへぇ。