橘玲のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
少し古い本だが今でも面白い
五菱会事件やライブドア事件といった具体例を交え、地下経済に蠢くアングラマネーの実態と、資金洗浄という金融システムのバグを鮮明に描き出した実用的ルポルタージュ。
高度にグローバル化し大衆化をも遂げたマネーロンダリングのメカニズムを、道徳的な是非論を排して冷徹に解剖する著者の手腕は素晴らしい。
国家の厳格な規制網とそれを巧みにすり抜ける国際租税回避のいたちごっこを目の当たりにし、絶対的なルールというものの脆弱性を痛感した。社会の歯車として働き始めた身として、綺麗事だけでは回らない資本主義の裏構造を知ることは、コンプライアンスの形骸化や経済事象の奥底にある真の意図を嗅ぎ分けるためのリテラシーに直結 -
購入済み
闇は深いが面白い
誰もが自分らしく生きることを強制される現代社会が、いかにして残酷なメリトクラシーへと変貌したかを暴く一冊。
知能格差や遺伝という身も蓋もないファクトを提示し、自己実現というイデオロギーが引き起こす絶望の構造を解剖していく手腕は容赦がない。
同期との能力差や評価の壁に直面し始めた身として、この知識社会が知力による無理ゲーであるという主張には妙に納得してしまった。理不尽な現実を前に自己責任論でメンタルを削るより、そもそも勝てない土俵では戦わないというドライな処世術を持つ方がコスパが良い。仕事への過度な期待を捨て、ほどほどに生き抜くための免罪符をもらった気分になる -
購入済み
ダークな世界を知りたい方へ
転売屋や高利貸しなど、社会から指弾される存在を、自由市場と自発的取引の観点から徹底的に擁護する異色の経済学書。双方が合意した取引は必ず双方に利益をもたらすという大原則を感情論を排除して論理の極限まで突き進む構成は、極めて知的挑発となっている点が面白い。論理的な思考を好むものにとって、世間の道徳的な価値観を冷徹な論理で解体していくアプローチは痛快です。
表面的な善悪や同調圧力に流されず、その行為は本当に誰かを搾取しているのかと根本から疑う視点と、社会現象の隠れたメカニズムや真の因果関係を見極め、常識に囚われずに意思決定するための強力な思考を身につけたい人におすすめです。 -
Posted by ブクログ
誰にも言及されない、したくないような嫌悪感を感じる
学説・論文を取り上げてまとめた書籍であり、
社会構造の基礎・原則を知るための一助となりえる本。
橘先生の本はとても面白く読める。
本の締めには「これらの事実(著者が言うには)を基に
差別をしたり人を分けるのではなく、真の公平や平等に向けて
全人類が幸せになるためにはどう考えるべきか」を問う文面がある
まさにその通りで、差別的にも取れる学術論文を「1つの科学的事実の可能性」
として検証し、互いの幸福を求めるための制度に変貌させていくことが
人類の共存における進化として正しい考え方ではないのか?と思った。
しかし、だとしても読み手にとっては非 -
Posted by ブクログ
■人間のサガ
・自分より優れたものは「損失」、自分より劣っているものは「報酬」
・人間は本能的に、上の存在を引きずり下ろしたい、下の存在を見てバカにしたい
・ネットで芸能人の不倫が叩かれるのは、「正義」をかざしてマウントできるから。つまり「報酬」を感じてる
・「芸能人と正義」が一番ネットでアクセスを集める
→これは人間が徹底的に社会的な生物として進化してきたから。
■バカの限界
・バカは自分がバカだと気づかない、なぜならバカだから。
・ダニング・クルーガー効果と言われるもので、バカほど、楽観主義バイアスが強い。
・例えば テストを受けさせて下位1/4の人は、自己評価が異様に高くなり、他者の -
Posted by ブクログ
めちゃめちゃいい本だと感じた。
もちろん、科学をベースにしながら、
作者の推論だったりまだ未確定な部分も多分に含んでいる。
ただ、十分に「私とは何か」に関して大きな示唆をくれるほんだと思う。
# ポイントメモ
- FBの「いいね」から、機械学習で、配偶者の理解度ぐらいのレベルであなたがわかる。(選挙戦などで利用された。)
- ビッグファイブで
Openness(開放性)
Conscientiousness(誠実性)
Extraversion(外向性)
Agreeableness(協調性)
Neuroticism(神経症的傾向)
でわかるあなたの性質
- 本書では、「協調性」を -
購入済み
現実が小説を追いかける
最近ニュースで、ミャンマー軍がタイ国境近くのミャワディにある国際詐欺グループの建物を破壊する映像が流れました。
ちょうど読み終えたばかりの小説「 HACK 」をなぞる内容で、まるで現実が小説を追いかけているかのようです。
「 HACK 」には、暗号資産、マネーロンダリング、謎のハッカーなどが登場し、舞台は東南アジアや日本を行き来します。
著者の橘玲さんは、ハウツー指南やノンフィクションでも優れた著作が多数。にもかかわらず今回は小説という形式を採用したのは、フィクションだからこそ語れる情報があると判断なさったのでしょう。
まさに今の時代だからこそ読むべき小説です。