【感想・ネタバレ】新・貧乏はお金持ち――「雇われない生き方」で格差社会を逆転するのレビュー

あらすじ

【内容紹介】
なぜ我々は「ビンボー」から逃れられないのか。
◆減り続ける手取り
◆際限なく上がり続ける社会保険料
◆進むインフレ
◆正社員の崩壊

あなたの人生に「希望」はありますか?

人気作家・橘玲氏が、搾取され続けるサラリーマンに向けて
合法的に「国家に逆襲する」方法を徹底解説。
複雑怪奇な不条理国家・ニッポンを生き抜く
「新しい地図」を示します。

2009年に刊行し話題になったあのベストセラーを
完全アップデートした令和スペシャルエディション。
16年のあいだに「お金持ちになる法則」が
“あべこべ”になってしまった現実を前に、
あなたは驚愕する……!

【著者紹介】
[著]橘 玲(たちばな・あきら)
作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーに。06年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。著書に『「読まなくてもいい本」の読書案内』(ちくま文庫)、『テクノ・リバタリアン──世界を変える唯一の思想』(文春新書)、『スピリチャルズ「わたし」の謎』(幻冬舎文庫)、『DD(どっちもどっち)論──「解決できない問題」には理由がある』(集英社)など多数。

【目次抜粋】
■新版まえがき/奇妙な世界を賢く歩くための地図
■まえがき/グローバル資本主義を生き延びるための思想と技術

■PART1/楽園を追われて──フリーエージェントとマイクロ法人の未来
1. この国にはなぜ希望がないのか?
2. フリーエージェント化する世界

■PART2/もうひとつの人格──マイクロ法人という奇妙な生き物
3. ふたつの運命
4. 「ひと」と「もの」
5. 株式会社という「人格」
6. マイクロ法人をつくる

■PART3/スター・ウォーズ物語──自由に生きるための会計
7. 資本主義とデス・スター
8. 自由に生きるための会計

■PART4/楽園を追われて──マイクロ法人と税金
9. マスオさん、人生最大の決断
10. 節税と脱税のあいまいな境界
コラム:副業で節税できるか?

■PART5/生き残るためのキャッシュフロー管理──マイクロ法人のファイナンス
11. フラワーチルドレンのファイナンス革命
12. キャッシュフロー計算書で資金繰りを理解する
13. 奇跡のファイナンス
コラム:補助金を受け取る

■あとがき/「自由」は望んでもいないあなたのところにやってくる
■新版あとがき

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Posted by ブクログ

旧版から再読。
橘玲の全盛期とも言える筆致。
エンロンの事例、ダイエーの事例、現在から見たら古臭いとも言える事例が、むしろ新鮮に感じる。論の引き方が分かりやすく、文章にドライブ感がある。会計に関しては専門的な内容になるので、通常は分かりづらくなるものだが、文章の個々の接続がはっきりしているので、丁寧に読み込めば、理解できる内容となっている。
マイクロ法人を作って、税金をハック使用という趣旨は相変わらず目を引く提言だが、中小企業は優遇されているので融資を受けるべきという部分の方が目を引いた。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

従来の「安定した企業就職」という価値観が崩れた現代において、自立した人生設計を目指す人々に向けたガイドです。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりに橘節が聞き(読み)たくなり、購入。橘氏の言説はやや斜に構えながら本質を突き、現代をサバイバルするためのヒントに富むものが多い。本書では「非正規の若者がサラリーマンを目指さずに経済的に成功できる実践的な方法がないかを考えてみた」(あとがきより)結果、個人で法人を設立して資金繰りや税負担の軽減に活かすやり方が提案されている。確かに面白い発想だが、これを実践するには相当の知性と度胸が必要とされるだろう。筆者も述べていることだが、「収入自体はあくまでも自らの知恵と労働で市場から獲得してこなければならない」以上、そのハードルはさらに高くなる。万人に適用可能な安易なものではないけれど、有力な選択肢になると思われる。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

●2025年5月26日、東京大学・書籍部にあった。セッションで寄った日。

雇われないからいいって、私みたいだなと思いピンときた。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

代数世界の黄昏は、来るのだろうか。もう既にトランプによって来たのだろうか。

マイクロ法人、複素数の世界っぽいかな。あべこべになった、ってことなら、対数の底を打ったってことでいいんか。
スケールの飽和に到達したんかな。

自由と無責任の同舟が、資本の現在なのか。前世紀までは、責任との同舟だった気がする。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ベストセラー作家である著者が、2009年に刊行された内容を2025年の現状に合わせて新しくした一冊。
著者はこれまで鋭い観察眼で世の中の問題点を指摘し続けており、何冊も読んできました。
巻末で、「この本で書いたことはとても単純だ。国家に依存するな。国家を道具として使え。」と述べているとおり、うまく制度を利用することで、負け組・勝ち組が逆転する、そんな方法を述べています。大企業に就職できれば安泰という時代は過去のものとなり、フリーエージェント化やマイクロ法人設立という手法を紹介しながら、実際の会計の流れなどを詳細に解説しています。もし自分がそういう立場だったら半信半疑ながら、真剣に考えさせられる内容です。
スターウォーズやサザエさんの例えを出しながら面白く表現していますが、難しい面もあります。今後の社会経済体制を考えるなかで一つの考え方として参考にしたい一冊です。

▼アメリカがグローバル経済の実験場である以上、そこで起きた変化は時間をおいてより保守的な他の世界に波及していく。経済格差や都市と地方の二極化が社会問題となっている日本も、アメリカ社会の体験を忠実に辿っている。そうであれば、次に待ち受けているのはフリーエージェント化の大潮流だろう。
▼組織に雇われていないひとが億万長者になる割合はサラリーマンの四倍と推計した。フリーエージェントになることは、金持ちへの第一歩でもある。
▼彼らフリーターや派遣社員の数を一夜にしてゼロにする方法がある。しかも、一銭の税金もかからない。そんな馬鹿な、と思うかもしれないが、その方策はとても簡単だ。彼らに無料で法人登記させてあげればいいのだ。
▼官僚制の本質は非人間性にある。これは言い換えれば、国家は国民を無差別に扱わなくてはならないということだ。生活保護の申請を受け付ける際に、自治体職員が一人ひとりの「人間性」を判断していたら現場は大混乱に陥るだろう。職員の善意や悪意とは無関係に、提出された書類に基づいて機械的に処理するのが正しい行政のあり方なのだ。
▼国家もまた、法人の一種だ。ひとであってひとでないものに過度な愛情や幻想を抱いても、それに応える人間的な感情など持ち合わせていないのだから、いずれは裏切られて落胆するだけだ。
▼わたしたちは自由でいるために、自分の行動に責任を持たなくてはならない。自己責任は、自由の原理だ。それを否定するならば、残るのは無責任か連帯責任しかない。
▼高齢化社会では既得権を持つひとたちの絶対数が増えていくのだから、この差別構造は容易なことでは変わらない。だったら「正社員」という見果てぬ夢を追うよりも、別の道を進んだほうがずっとマシだ。
▼マイクロ法人は、国家を道具として使うための有効な方法だ。若者たちは、これまでずっと不公正な労働市場で搾取されつづけてきた。彼らには、国家を搾取する十分な権利がある。もちろん若者たちだけではなく、すべてのひとに国家という道具は開かれている。

<目次>
新版まえがき/奇妙な世界を賢く歩くための地図
まえがき/グローバル資本主義を生き延びるための思想と技術
PART1/楽園を追われて──フリーエージェントとマイクロ法人の未来
PART2/もうひとつの人格──マイクロ法人という奇妙な生き物
PART3/スター・ウォーズ物語──自由に生きるための会計
PART4/楽園を追われて──マイクロ法人と税金
PART5/生き残るためのキャッシュフロー管理──マイクロ法人のファイナンス
あとがき/「自由」は望んでもいないあなたのところにやってくる
新版あとがき

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2025年05月16日

Posted by ブクログ

橘玲さんの新作かと思いきや新装版。とはいえ学びがあるだろうと思ったものの、内容はほぼオリジナルのままで、たまに現在の視点で補足があるくらい。
個人で納税するより法人で納税するほうが経済合理性があるのは抽象的には理解できたが、それはほとんどの人が気づいていること。やっぱりこの論点はHOWが一番重要だが、「本書では解説しない」と言い切っており、あまり実用的ではなかった。

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

経済ニュースが散りばめられていて、興味深いと思った。でも、難解で簿記知識が無いと読んでて辛いところもあったので、そこは読み飛ばした。
終身雇用と正社員に拘らず、マイクロ法人、助成金、業務委託、小規模企業共済、iDeCo、NISA等税金対策をしつつ今の世の制度を活用していけたら良いなと思った。

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2025年04月13日

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