あらすじ
マーケティングの口コミ理論を確立した
あの伝説の米ミリオンセラーを
丸ごと書き直し!
アイデアや商品は、どうすれば流行するのか?
小さな変化が大きな流れに変わる
「ティッピング・ポイント=転換点」の理論。
25年前に世界を熱狂させた名著が帰ってきた
――時代を読み解く新しいルールとは?
今やソーシャル・エンジニアリングを知らずして
成功理論もマーケティングも語れない!
世の中を裏で動かしている
「3分の1の魔法」とは?
情報と流行が
「操作される時代」を
生き抜く必読書!
橘玲 解説!
“「社会的伝染」が新しい視点で論じられ、
不都合なルール
が鮮やかに明かされる。”
山口周推薦!
“戦略における最重要論点=「WHEN=いつ?」を見極めるために
本書は必読だ。”
【本文より】
“ティッピング・ポイントとは限界点だ。絶対に動かないと思われていたもの、何世代にもわたって変わらなかったものが、あっという間に別の何かに変化する瞬間である。
ティッピング・ポイントが意図せずに達せられることもある。たまたまティッピング・ポイントを超えてしまうこともある。伝染病はその容赦ない感染力によってティッピング・ポイントに達する。
しかしここからの数章では、ティッピング・ポイントがさまざまなかたちで意図的に操作されるケースを見ていく。では、あなたがその魔法の起きる限界点を正確に把握していたらどうだろう。あるいはもっと都合の良いことに、集団のサイズをティッピング・ポイントのちょうど上、あるいはちょうど下に調整する方法を知っていたら?”
25年前の三原則
1少数者の法則/2粘りの要素/3背景の力
↓
新しい三原則
1空気感/2ソーシャル・エンジニアリング/3スーパースプレッダー
全米ベストセラーがいよいよ日本上陸!
【もくじ】
序章 受動態
1 責任を避ける人たち
2「社会的伝染病の原則」を追い求めて
第1部 三つの謎
第1章 犯罪がブームになるとき、ならないとき
第2章 マイアミの問題
第3章 理想から外れることが許されない学校
第2部 ソーシャル・エンジニアリング
第4章 三分の一の魔法
第5章 ハーバード大学女子ラグビーチームの謎
第6章 新型コロナウイルスについてなぜか語られないこと
第3部 空気感
第7章 「ホロコースト」という言葉が使われるようになるまで
第8章 目の前にある大転換点ほど目に見えない
第4部 結論
第9章 空気感、スーパースプレッダー、集団構成
解説 橘玲
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『ティッピング・ポイント』とは、社会が大きく変わる転換点のこと。小さな変化の積み重ねが、突然大きな変化を引き起こす。2000年に出版された同書では、「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」の三原則が働いており、複雑系の世界ではそれが重要な要素だ、という話。
2025年に出版された本書『超新版 ティッピング・ポイント』、原題は『Revenge of the Tipping Point』では、世の中を動かす裏の三原則として、「空気感」「スーパースプレッダー」「ソーシャル・エンジニアリング」が提唱されている。
それぞれの詳細について、面白エピソードと科学的エビデンスで説明される。
最後に、
「第4部 結論
第9章 空気感、スーパースプレッダー、集団構成」でアメリカのオピオイド危機を例に取り上げて、社会的伝染病がいかにして起こるかを、裏の三原則を引き合いに出して解説している。
まず、アメリカの州ごとにオピオイド使用にかなりの差があることを見ていく。異なる医療政策(三枚複写かそれ以外か)がそれぞれ別の空気感を生み出した。
p.350「空気感はとても重要だ。それは人間が生み出すことができる。広く拡散することがある。協力で、数十年にわたって持続することもある。」
そしてほんの一握りの医師が、スーパースプレッダーとなって、大量のオピオイドの処方箋を書いた。「圧倒的少数者の法則」が、オピオイド危機という社会的伝染病を引き起こした。
p.376「社会的伝染病には原則がある。境界がある。伝染病は空気感に影響を受けるが、その空気感を生み出すのは私たち自身だ。
伝染病がティッピング・ポイントに到達すると、規模や様相が一気に変わるが、ティッピング・ポイントにいつどこで到達するか予測できる。伝染病は様々な人が拡散させるが、彼らを特定することは可能だ。伝染病をコントロールするための手段はある。私たちの手の届くところに。それが不道徳な輩の手に渡ることもある。だが、私たちが手を伸ばし、より良い世界を作るために活用することができるのだ。」
前作では、ティッピング・ポイントの法則をビジネスに活かせば大流行を生み出せていいね!という感じだとすると、本作では、パンデミックやオピオイド危機や自殺の流行など、起きてほしくない伝染病を防ぐには?または介入して被害を抑えるにはどうするか?という観点がメインだろう。
本書は、社会的差別解消など、より良い社会を目指す人々にも価値ある洞察をもたらしてくれる。
Posted by ブクログ
著者の『逆転』は10年くらい前に読んでいて、ダビデとゴリアテのように逆転劇はどのように成し遂げられるかについてなどあり、企画書に使わせてもらっていた。本書は、25年前に書かれてヒットした前作を同じタイトルながら、全く書き直している。いかにマイナーなことがメジャーになるかについてさまざまな事例を挙げながらそのポイントを解説しているが、25年前は「少数者の法則・粘り・背景のチカラ」だったが、本書では「空気感・集団構成・スーパースプレッダー」と説く。登場する事例が面白く、銀行強盗だったり、コロナだったり、麻薬だったりする。ちょっと馴染みがない事例も多いがデータを踏まえていて納得させられる。今の言葉でいうとバズらせる方法なので、仕事でも参考になるかも。
Posted by ブクログ
期待して読んだが、面白かったが何を学べたのかわからない印象。
【旧版】ティッピング・ポイントの3原則(2000)
1. 少数者の法則(The Law of the Few)
社会的感染を引き起こすのは、ごく少数の「特別な人物」である。
この「キーパーソン」は以下の3タイプに分類される:
Connectors(コネクター):多数の異なる社会圏をつなぐ人
Mavens(メイヴン):知識の豊富な情報通
Salesmen(セールスマン):人を説得する力のある人
2. 粘りの要素(The Stickiness Factor)
情報が拡散するには、「人の記憶に残る」「再生されやすい」特性が必要。
内容の魅力、構成、繰り返しなどによって“粘り”が高まり、行動喚起力が生まれる。
例:セサミストリートの構成要素の微調整で学習効果が大きく変わった。
3. 背景の力(The Power of Context)
人の行動は、個人の内面や性格より**状況(文脈)**によって強く左右される。
小さな環境の変化(例:割れ窓、落書きの除去)が犯罪率の劇的な変化を引き起こす。
新板の3原則
1. Overstories(メタ物語/空気感)
社会やコミュニティを動かす背後にある物語的構造を重視。たとえば「ホロコースト」という言葉が使われるようになった背景には、1978年のテレビ番組の影響があったと分析。
2. Superspreaders(超拡散者)
COVID-19、オピオイド危機などでは、少数の人物が大規模な感染拡大を引き起こす。実際に2人が全体の86%以上のウイルスを拡散した研究などを引用。
3. Social Engineering(社会設計)
社会を動かすティッピングは意図的に“設計・操作”できるという視点。
“Magic Third”(グループにおいて約3分の1の構成が役割アップに寄与する)やハーバード大学の女子ラグビーのケース、住民分布を人為的に調整したカリフォルニアの都市実験などが紹介される
個人的なメモ
私なりにまとめると以下となる。
①少数者の法則・Superspreaders(超拡散者)
ごく一部の人の拡散により社会変化は起きる
②粘りの要素(The Stickiness Factor)・Overstories(メタ物語/空気感)
わかりやすい特徴・シンボリックな行動が拡散する
調整要因(mediator)として、モノカルチャー的な文化が拡散を助長する
③Social Engineering(社会設計)・背景の力(The Power of Context)
社会的影響は操作可能である
1/3, 1/4程度を含ませること