橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初めてハッキングやマネーロンダリングを扱った小説を読んだ。映画ではハッカーもの好きでよく見ていたけれど、小説で触れる機会はほとんどなかったので、今回が初めて。
最初は専門用語が多くて、仮想通貨やネットの裏事情に疎い自分には全部読み切れるのか不安だった。
でも難しい用語は斜め読みにしつつ読み進めていくと、序盤が終わるあたりからかなり引き込まれてしまい、気づけば2日で読破していた。
最近、こうして面白くて止まらなくなる作品に出会えることが多くて、作家さんたちに本当に感謝。
主人公はハッカーとしての才能と地頭の良さからまとまったお金を持ち、東南アジアで悠々自適に、でも退屈に生きていた。そんな中で憧れの人と出会い恋をし、危険な仕事を通して生を実感しながら、自ら命懸けの道に進んでいく。
そこで繰り広げられる騙し合いがまさに映画を見ているようなワクワク感で、次の展開が気になりすぎて目が離せなかった。
東南アジアの情勢や戦争の裏取引、仮想通貨の知識などもふんだんに盛り込まれていて、読みながら何度も調べてしまうほど。
初の作家さんだったが、新書も多数出しているだけあって、そうした部分の深掘りも丁寧で、知的好奇心も刺激される一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ複雑な思考にはエネルギーが必要なので人間は本能的に帰納的な事実に即した判断よりも演繹的に結論ありきの思考法に快感を覚える。さらに現代では様々な情報が広く共有されているため明らかに答えの出る問題には既に解答が得られている。即ち今の社会で議論されているのはほとんどが解決が難しいものや原理的に解決できない問題がほとんどである。
ウクライナとロシアの戦争は善悪二元論で捉えられがちだが、このような場合でさえも例えばロシア侵攻以前のウクライナの内戦のような多面的な視角がある。逆に善悪二元論にこだわって正義を追求することにより現実的な休戦協定が結べないという負の側面もあるのは事実だと思う。
一般的に戦争をやめるにはDDという煮え切らないままの状態で停戦するのが現実的である。その意味で平和とは必ずしも平等を意味しない。ある国が他国を搾取していたとしても、その状態を是正するために戦争を起こすのは本末転倒だと思うが、言い換えれば解決策は例えば人権抑圧を黙殺するか戦争をしかけるかという二択から選ばなければならないのが現実である。
多様な視点が求められ善悪二元論が成り立たなくなった社会では、インディアンを制圧する西部劇などのドラマは作れなくなり、スター・ウォーズのような人間以外の敵を作り上げ勧善懲悪の物語を作ろうとした。だがそれでも敵のキャラクターを一方的な悪として描くことは難しいと感じられるほどに世の中の視点は多様化している。
弱者によるテロリズムの大多数は若者から中年にかけての男性によってなされる。そのような層に対する格差は構造的に存在していて、現時点で格差は広がり続けているので、テロリズムの可能性も上がり続けている。
エロス資本という概念は定量化すると莫大な金額になり得る。しかしこれをマクロで考えるかマイクロで考えるか。マイクロで個別のケースを考えると、エロス資本をマネタイズするのは社会的、法律的、物理的など様々なリスクを抱えている
なぜ振込詐欺の文章はあまりに稚拙なのか→メールを送るコストはほぼゼロだが、そこから金を回収するところに人的コストがかかる。例え綿密なメールで注意深い人を騙せたとしても実際にその人に金の振り込みをさせるのは難しい。そういう意味では非常に稚拙なメールを送り、そんなメールにさえも引っかかるような標的に照準を合わせたほうが効率的である、
特定の人間がコミュニティの人間を監視するというシステムはコストが高くスケーラブルではないが、一方で道徳警察による相互監視、または人間の自己家畜化というシステムは非常に低コストで効率よく機能する。ただしそのためにはコミュニティが安定して存在していることが前提となっており、特に道徳による管理は日本を含む東アジアで顕著である。ただし道徳の規律の厳しい社会では不道徳な行為に対して人々は不寛容であるため、不道徳な行いを明かさず隠れる傾向がある点も留意が必要である
以下の点に関しても著者の考えがロジカルに述べられていて、必ずしも同意しないが理解はできた。
死刑制度廃止、マリファナ解禁、戸籍制度廃止、安楽死容認、世代間格差、学校制度の限界、多数派と少数派の安定、マイナカード及び行政手続のデジタル化推進、ジャニーズ問題におけるマスメディアへの断罪 -
Posted by ブクログ
こういったことはすごく苦手分野で、本当はあまり考えたくないけれど、そんなことを言っていたらサラリーマンである私は国家に搾取されるばかりだとわかっているので、なんとか少しでも勉強しようとたまに手を出すテーマの本です。
さすが橘玲さんで、わかりやすかったのですが、私の脳が拒否反応を示すため(笑)、少しずつしか読み進められませんでした。時間をかけてダラーと読んでしまっていつも後悔することは、話の主軸がわからなくなること。一章一章(というか、もっと短い単位)では、書いてあることが理解できるのですが、それが本全体を俯瞰した時、どの地点で何を主張しているか、わからなくなってきます。本書もそれを繰り返しながら、例えば石原慎太郎が都知事の時の新銀行東京について、「あれはそういうことだったのか!」と今更ながら理解したり、税務調査での税務管との微妙な取引に「へぇ~」と勉強になったりしながら、基本的には常に「へぇ~。へぇ~。」と思いながら読みました。
あとがきを読むと橘玲さんの主張はすんなり理解できました。そうそう、「マイクロ法人」がいかに有用か、だ。マイクロ法人を作って、「国家を道具として利用する」ことについてその方法が解説されているのでした。自分で稼ぐ術を持っている人は、マイクロ法人を活用しない手はないのではないかと思います。残念ながらまだ組織に縛られる方が稼げそうな私はすぐには実行できませんが、こういったことを知っているか知っていないか。その両者には大きな違いがあると思うので、読んで良かったと思います。
それからもうひとつ大事なこととして、税金のこと、社会保険料のこと、財務会計のことなど、ファイナンスリテラシーは必須だということを痛切に感じました。サラリーマンだから、源泉徴収されているから知らなくてもいいでしょ、という時代は終わったのだと思います。
これからもどんどん社会の在り方、稼ぎ方、仕事というものの在り方は変わっていくでしょう。常に知ろうとする姿勢を持っていなければいけませんね。 -
Posted by ブクログ
この本は1章の未来小説的な部分と、2章の現状認識的なもの、3章以降の金融商品の説明で構成されています。1章の小説部分は、極端な脅しなので、真に受ける内容ではないですが、流し読みで適当に読むのでは少し危機感が足りないと思います。
3章以降の金融商品紹介は、著者の他書物でも読むことができます。要するに、著者が今まで主張してきた内容を繰り返しているだけなので、彼の著書を初めて読む方以外は、楽に読めるものになっています。
4章5章が資産運用について書かれていますが、お金をどう守るかを真剣に考える人にとって必要最低限の内容です。
彼の著書の中では、比較的良書になると思いますから、星は4つです。 -
Posted by ブクログ
大好きな橘玲さんの『もっと言ってはいけない』をようやく読んだ。個々の主張に必ず科学的なエビデンスが示され、一見してネガティブなようでいて実は日本人の長所や利点が強く読後に残る。「置かれた場所で咲くのではない、咲ける場所に行きなさい」とのポジティブなメッセージが込められていた。
知能の遺伝はタブーだが科学的に証明されている。遺伝による知能の差は成長に伴い大きくなる。自身を振り返って納得感があった。一方、行動遺伝学によると性格の遺伝率(約50%)は知能の遺伝率(約80%)より低く、その分だけ環境の影響を受けやすい。つまり性格は訓練によって知能よりも伸ばしやすい。親が子どもの教育に貢献できるとしたら、やっぱりこの、いわゆる「非認知能力」なんだな。 -
Posted by ブクログ
バカは自分がバカであることを知らない。
俺はさすがにバカではないと思ってたがもしかしたらバカなのかもしれない、それを知ることは自分である以上知ることができないそう思わせる本だった。
印象に残った点は自尊心についてだ。人は自分より優れてるものは損失、劣ったものを報酬と捉える。なので自分より優れたものを何がなんでも引きずり落とすことで自分の自尊心を保つのだ。よくある事例が週刊誌での芸能人のスキャンダルが炎上することだ。逆に自分より劣ってる物を報酬と考えるのは最貧困やホームレスなどの転落話がストーリーとして人気になることである。これも自分より下の人間を見ることで自分の自尊心が保たれ、それが娯楽となるのだ。生物学的に自分の自尊心を保つことで生き延び、子孫を残してきたのだ。
またもう一点印象に残ってるのは集合知を実現するにはある一定の知能を持つものだけで話し合わないとできないということだ。簡単にまとめるとバカと話し合うことで良い選択を出来なくなるということだ。これは現在の政治にも結びつけることができ、民主党であるアメリカと独愛生である中国を見ると明らかである。