あらすじ
億万長者になって王侯貴族のような生活を送ることは誰にでもできるわけではない。だが自分と家族のささやかな幸福を実現することは、難しくはない。必要なのはほんの少しの努力と工夫、人生を設計する基礎的な知識と技術だ。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』の著者が、激変する状況のクールな認識から人生設計を再構築する方法を凝縮!
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日本は世界でもっとも豊かな社会の一つである。たいていの場合、残された家族は、夫婦どちらかの実家や親族の経済的援助で、これまでと同レベルの生活を維持できるだろう。遺族年金や死亡退職金も含めれば、こうしたケースでは生命保険はほとんど必要ない。
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百万ドル(約一億円)の資産があれば、世界中のどの国でも富豪の仲間入りができる。日本はもうすぐ、ミリオネアでなければ生きていけない国になるらしい。 人々がふたたび年金制度を信頼するまで、この荒唐無稽な 法螺 話が効力を失うことはないだろう。不安ビジネスの黄金時代はまだまだ続くのだ。
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不動産の購入とは所有権を手に入れることだ。あらゆる権利には義務が伴うが、このことはあまり知られていない。
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管理費や修繕積立金は物件所有者の債務であり、登記と同時に支払い義務が発生し、第三者に所有権を譲渡するまで続く。勝手に支払いを止めると管理組合に訴えられ、資産を差し押さえられても文句は言えない。
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年金問題もその一例で、受給額に関係なく人生を謳歌できる資産があれば「問題」そのものが消滅して
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いずれ、社会の 歪みを一人ひとりが孤独に背負う時代が訪れるだろ
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人生を経済的側面から語るなら、その目的は何ものにも依存せずに自分と家族の生活を守ることのできる経済的独立を達成することに
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匿名性は個人の生活に大きな利益をもたらすから、それを失うにあたっては、リスクを上回る十分なリターンがなければ帳尻が合わない。芸能人やスポーツ選手など、プライバシーの放棄が前提となる職業が高額の報酬に値するのは、成功の代償として失うものがあまりにも大きいからだ。私の場合、それほど有名になれるわけでもなく、経済的利益も微々たるものなので、プライバシーという大きな財産を手放す気にはなれそうも
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制度を批判することはあっても、それを担う個人を批判しないこと。匿名の人間が、実名で社会生活を送る人に言いがかりをつけるのはやはり公平性を欠くだろう。
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人生をあっけなく終えてしまった友人を見送った頃、「経済的独立Financial Independence」という言葉を知った。国家や会社に経済的に依存していては真の自由はない、という主張には心を揺さぶるものがあっ
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現在の日本では、豪邸を構え、ベンツに乗り、銀座のクラブで豪遊するのはサラリーマンではほぼ不可能だ。このような生活を望むのであれば、自営業者や会社オーナーなど、税引き前の収入を受け取る立場を目指すしか
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「個人の資産運用という観点から見れば、地価の変動に対してリスクを負わない賃貸の方に経済合理性がある」というのが私の
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人生の経済的な側面に自覚的であれば、必ずやゴールという最高の報酬が与えられるに違い
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橘さんの著書は以前読んだことがあるのだが、それほどの印象は残っていない。しかし本著は多くの魅力的な言葉を盛り込んだ人生論の好著。現代において生きていくうえで必要な「お金」の問題を様々な角度から「生き方」に結びつけて論じている。それもよくありがちな財テク本とは異なり、世の中への皮肉を込めた哲学的考察を詩歌的文体で書き上げているのが特徴。また現実的な問題についての考え方をQ&A方式で綴っている「よくある質問とその回答」も出来がいいし、取り上げている参考文献も興味深いものが多い。著者は経済学者か投資コンサルタントだと思っていたのだが、実は作家だったというのはちょっと意外だった。
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・サラリーマンの人生は定期預金に似ている
・人生にはリセットボタンはない。旅はいつかは終わり、戻るべき家はない。
・人生の選択肢を幾つ持っているか?
・未知の海への航海は、安全だけれども単調な一本道を歩むより、ずっと魅力的ではないだろうか?
・生命保険はギャンブルとしては救いがたいほど魅力がないが、抽選に外れたということは自分がまだ生きているということなので、文句を言う客はいない。
・豊かな社会では、生命保険の必要性は低下していく。
・持ち家と賃貸ではリスクの所在が異なる。不動産を所有することで、そのリスク及び成果を一身に負うこと。
・持ち家から賃貸に戻ることは困難だが、その逆はいつでもできる。人生をマイホームに従属させない。
・老後は誰もが投資家になる。金融市場についての知識が必要になる。
・借金はタイムマシン
・プライバシーは一旦失えば二度と取り戻すことはできない貴重かつ希少な資産。
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福祉国家とは、発展途上国からの移民を閉ざす差別国家である。
福祉国家を目指せば、必然的に差別を内包する。
福祉とは、国家権力をもって、社会的弱者と認定した者に対して、制度の歪みを作用させる事で金銭を与える事である。
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人生設計、生命保険、年金、医療、教育、不動産、資産運用、市場経済というテーマについて、身もふたもない真理を淡々と指し示す40のエッセイから成る本です。
タイトルは、梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波新書)にもとづいているのでしょうが、アカデミシャンの梅棹の本にある種の熱量がこもっているように感じられるのとは対照的に、本書はきわめてクールな現実の認識が、読者にあててそっと差し出されています。とはいうものの、ほんとうはだれもが薄々感じていながらも正面から目を向けることを怠っていた「幸福」のための技術をはっきりと提示した本書には、「知的生産」のための技術があるという、当時としては破天荒な主張を展開した梅棹の本に匹敵するラディカルさがあるように感じられました。
Posted by ブクログ
橘氏のエッセンスが凝縮された美しいエッセイです。
これまでお金にまつわる様々な著作を発表されてきた著者ですが、本書はそれらのエッセンスをまとめたものです。
もとは、日経に連載されていたものとのこと。
それに加えて、氏の思想のバックボーンとなっている思想が紹介されているので、とても興味深く、それらも読んでみたくなります。
解説をKBSの小幡先生が書いていることも、目から鱗でした。なるほど。
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経済的自立を達成するには経済合理的に行動すればいい
橘玲の著作の核心部分です。日本人の行動基準は確実に合理的になっています
。以前は「コスパ」なんて言葉は広く使われていませんでしたが、
今はあらゆる場面(人間関係、付き合い等でも)でコスパを基準に行動する人が増えました。
社会は、潔癖主義(社会常識に照らして白黒つけたがる)になっていますが、
利便性と合理性を追求する社会では仕方ないのかもしれません。
全ては自己責任になっています。
内容自体は少し古びていますが、10年以上も前に氏が提起したことを考えても、
その先見性には脱帽します。
Posted by ブクログ
何度か改訂はされているものの、実質的には十数年前の本。にもかかわらず内容に古さは感じられず、むしろその当時指摘した通りの状況になっている。
その当時は色々異論もあったのかもしれないが、今やそんな人もおらず、現実を淡々と受入れているように見える。
Posted by ブクログ
医療費の増大や年金問題など社会問題についてのエッセイ。
暴論と言われてもおかしくない意見を提示して、あなたならどう考えますかと問いかけてくる。
現代社会が孕む矛盾が浮き彫りになっています。
テレビを降板させられた某本アナウンサーと似たような意見も出てきますが、問題にならないのは品の有無でしょうね。
#読書 #読書倶楽部 #読書記録
#知的幸福の技術
#自由な人生のための40の物語
#橘玲
#2016年91冊目
Posted by ブクログ
橘玲が得意とする厭世的なハナシで世の中の不具合をバッサリと切っていく。
民主主義と資本主義は並立しているが、前者は1人1票、後者は1株1票。積立不足分を厚生年金が補充する国民年金ほど優れた商品はないから、その点を社会保険庁は宣伝すべき。国民のプライバシーを侵害しなければ確定しない所得税より、人頭税の採用を。
例によって、身も蓋もない露骨な表現だが、説得力は充分。「知的幸福」につながる、誰もが知っておくべき情報だ。ただし、読んでいて気分が良いかどうかは、別の問題。
で、なぜ著者がこうしたバッサリ論を振りかざすような人間になったのか、自身の過去を理由にあげている。珍しく自分語りをする著者。興味深いけど、それを信じるかどうか、読者を試しているような気がしなくもない。
Posted by ブクログ
いままで考えてもみなかったものの見方を提示してくれる。そういう本に出会う頻度は、読書を進めていくうちにだんだん減っていくものだ。この著者の本は、本質をついているがゆえに、ちょっと鼻につくところもあるかもしれないが、楽しめる。良い本だと思う。
Posted by ブクログ
一般的に幸せと思われている社会福祉制度や人生設計を冷静に分析し、わかりやすく提示してくれる。
身も蓋もない乾いた文体が読んでいて気持ちいい。
哲学や心理学も大事だが、快適に生きるための実戦的知識として経済の仕組みを知っておくべきと感じた。
Posted by ブクログ
日経新聞へのコラムをまとめた本らしい。著者のリバタリズムへの考え方や、現在の経済状況に対しての効率的な生き方など、エッセンスがつまっており非常に勉強になる。知的好奇心を刺激される本。
Posted by ブクログ
”世界”をこういう斜めから切り込んで意見を述べる人って純粋に面白いと思う。
基本的には経済についての記述であるが、こ難しい理論などではなく、純粋に”橘さんの意見”。
価値観に触れるという意味で、オススメ出来る。
”人生”や”自由”、”国家”・・・
私たちの”生き方”は、多様なのです。
Posted by ブクログ
経済合理的に生きましょう!って本。
・サラリーマンの人生は定期預金に似ている。
・人生は、日々の積み重ねの延長線上にある。
・未来への言い知れぬ不安。それを人は「希望」と呼ぶ。
・自分と家族の幸福を守るために生きている。
「自分のことは自分でやるから放っておいてくれ」
と言える基盤を作りたい。
Posted by ブクログ
著者独特の立ち位置は前書きのポスターの話によく現れている。
みんなと同じようにはいられない。みんなが当たり前のように受け入れているようには世界を、自分は当たり前には受け入れられない。みんなのように天真爛漫には生きられない。
そんな立ち位置からのシニカルなお金の話、社会の話、人生の話。
解説は二元論の弊害がよくわかる実例。世界は二つに分けられる。二元論と、それ以外だ。いくら世界を二つに分けたところで、的外れな二つの概念を持ってたら何の意味もない。重さの話をしてるときに、白か黒かなんて色の概念を持ってきてもどーしよーもないように。
Posted by ブクログ
世間ではなんとなく常識だと思われている家や保険。
違う角度からの様で、真ん中から本質をついている話。
この考えを、行動で貫くのが難しいほど、
世間の常識というやつは引きずり込んでくる。
周りの意見に左右されず
自分でしっかり決断し続けることが大切。
Posted by ブクログ
著者らしい語り口で、40の話をサクサクと読んだ。
頭の体操といった感じで、経済についての考え方の訓練ができる。
part2の「正しさの問題」は、リバタリアニズムの思想を著者なりに翻訳したものである。
Posted by ブクログ
橘氏の著者はどれもすんなりと入ってくる。
初めて読んだのは小説『マネーロンダリング』だったが、小説以外も実に読みやすい。
巻末の推薦図書もありがたい。
解説の「宝くじも、生命保険も、住宅ローンも、投資家にとっては最低の商品だ」が記憶に強く残る。
また、著者の「子供が生まれたばかりの頃、六畳一間に小さな台所があるだけの古いアパートで、子供の寝顔を見ていた。いつの間にか日が暮れて、玄関を開けると雑草の生い茂る庭に銀色の雨の匂いがした。そんな些細なことを覚えているのは、その時、人生は美しいと知ったからだろう」も著者の作品を読むと感慨深い。
日本の生命保険、不動産、教育の項については
感情論がなく非常に理解しやすいと感じました。
Posted by ブクログ
オーディブル2023.09.02
「借金とりは債権者に対して道徳を説く」は笑える。
しかし実際そうなのだろう。
借りたものは返さなきゃいけない。まぁ道徳ですな。
Posted by ブクログ
エッセイ集
生命保険は、負けても怒られない宝くじ
厚生年金は不利だが、国民年金は圧倒的に有利な明朗会計
教育投資にどれだけの優先順位をつけるべきか
マイホームというオカルト投資
長期分散投資は確実に有利だが、実施する人は少ない
儲かる商売はあるが、他人の承認を得られない人生に人は耐えられない
市場の歪みを利用して設けるのは難しい。市場の歪みはすぐに消えてしまうから。
社内の歪みを利用して設けるのは比較的に容易。社会の歪みは、政治的理由により、なかなか是正されないから。
Posted by ブクログ
2015年18冊目
タイトルは40の物語とあるが、実際は著者 橘氏の世の中に対する評論的な要素が強い。
人生設計
生命保険
年金
医療
教育
不動産
資産運用
市場経済
の切り口に分かれている。
橘氏らしい自分の頭で考えた冷静な分析がいいです。
ただ、こうすれば良いという見解はまったく書いてませんので、
こうしたらいいんだ、などの答えを求める方には不向きです。
Posted by ブクログ
これまでの橘氏の主張を総括したもの? なのでしょうか…これまでの氏の著作を読んできていないので何とも言えませんが…
ヽ(・ω・)/ズコー
ま、国家に依存するのじゃなく、自分の身は自分で守れるよう、ある程度知識をつけておきましょうね♪ ということでしょうか…なかなかに勉強になる著書でした。おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
国家にも企業にも依存せずに自分と家族の生活を守ることのできる経済的基盤をもつことを「経済的独立」とし、「経済的独立」をより早く確立することが人生のゴールとした場合の観点から、日本の社会制度や多くの人が経験するであろう保険やマイホーム購入といった金融イベントの仕組みを分析する。
『臆病者のための株入門』と重複する部分もあったが、こちらは法や社会制度も対象として捉えていてためになる。
『自由に生きるために一定量の貨幣が必要なら、与えられた資源を有効活用し、最短距離で目標に到達することで人生はより豊かになるはずだ。経済合理的に行動すべき理由がここにある。ーー』P142より
Introduction 運転免許試験場のポスター
PARTⅠ The Rules of Happiness 幸福の法則
人生設計 Life Planning
生命保険 Insurance
年金 Pension
医療 Medical Care
教育 Education
不動産 Real Estate
資産運用 Investment
市場経済 The Rules of the Market
FAQ
PARTⅡ Welfare in Japan : What is Right? 正しさの問題
年金制度を廃止しよう
国家に国民を保護する義務はない
貧しい者がより貧しい者を搾取する生活保護
介護保険は必ず破綻する
自殺志願者に安楽死を
公務員は障害者に席を譲れ
財政再建は麻薬合法化で
所得税は憲法違反である
ニューヨークのホームレス
福祉のない豊かな社会
参考文献
あとがき
Posted by ブクログ
橘玲が綴る40の物語。
厳しい現実を淡々と、クールに、気持ちいいくらいビシビシ突きつけてくれます。
マイホームご購入、生命保険加入を検討中の方にご一読頂きたい。
どちらも考えてないけど、年金がもらえるのか心配な方も是非。
名言だと思った部分を一部抜粋。
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・生命保険というのは、身も蓋もない言い方をするならば、宝くじの一種である。保険料は宝くじ代金の分割払いであり、自分が死ぬと保険金という名の当せん金が支払われる。
さらに、一般の宝くじと同様に、生命保険の場合もほとんどの人が損をする。おまけに経費率が高いので、ギャンブルとしては救いがたいほど魅力がない。だが、抽選に外れたということは自分がまだ生きているということだから、文句を言う客はいない。
・保険とは損をすることに意味のある宝くじなのだ。
・全財産百万円に加えて四百万円を銀行から借り、五百万円を一つの銘柄に投じる人がいる。資産運用理論からすれば彼のやっていることは狂気の沙汰だ。不思議なことにこの国は彼のような危険な投資家であふれている。
五千万円のマイホームを購入するのに、ほとんどの人は一千万円の自己資金しか用意しない。残りの四千万円は住宅ローンで借りるからだ。誰もが当たり前と思っているが、やっていることは不動産を投資対象とするハイリスクな信用取引と変わらない。
・米国では目の前に理想の病院があっても、ほとんどの人がその恩恵を被れない。最高の治療を受けるためには金が必要なのだ。
・だが、私たちにも、十分な治療を受けるために必要なものがある。それは時間だ。・・・・・・・日本では暇な人ほど質の高い医療を受けられる。金で患者を差別するのは不平等である。では、時間による差別は何と呼ぶのだろう。
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この本はあくまで橘エッセンスを集めたものだと思うので、『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』とかもっと厚めの本で勉強しないとちゃんとは理解できないかな。復習せねば。。。
Posted by ブクログ
2004年に出版された「雨の降る日曜は幸福について考えよう」を書名を変えて文庫化したもの。2009年出版にあたり、情報は更新されている。
3ページ程度の短い文章で、明快に、世の中の経済的落とし穴を語っていく形式。人生を乗り切るための経済的アドバイスは、時に苦い薬のようだけれど、読んでおくといいかも。