橘玲のレビュー一覧
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「人生の攻略」という題名ではあるが、「お金の攻略」という感じであった。
子育て世代はまだやはり女性が大変な思いをして働いている方が多いと見受けるが、これからの時代は、「長く働く」「一緒に働く」がお金持ちになるためのキーワード。女性の生涯年収は2億5000万円から3億円。仕事を辞めてしまえば、すべてこれがなくなるのだから、「僕も子育てに協力するから一緒に頑張ろうよ」と結婚するのがよし…と、ここまで読んで、違和感が…。「女性の」生涯年収って言わなくてよくない?そして「子育てに『協力』」?あなたが主になって子育てしてもいいんですよ?たった5年前の本なのに、なんだか古臭く感じてしまう。
誰でも億万長 -
Posted by ブクログ
人生を攻略した後にあるのは「快楽主義と死」ではないのだろうか。
とか、そもそも攻略そのものが「生の歩み」ではないのか、など小難しく考えてみる。常に思考は自由だ。雑踏を散歩しながらも、私の脳内には立ち入れない。
お金、仕事、愛情や友情をステータスというかパワーゲージみたいに捉え、それの多寡で「幸福」を探ってみるのがこの本で、そのためにタイパとか、コスパとか、リスパなんて言葉を用いるし、面白い他人を言語化してみるというような事も紹介される。
サラリーマンが良いかとか、自営が良いかとか、幸福の本質は何かなんてことも考える。概ね、橘玲の他の著書を読んでいれば、同じメッセージが書かれているのだが、復 -
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☆3.5 前半までは小説版ナニワ金融道
1、2話はナニワ金融道小説版のほうが適切だらうか。小説に絡めて主要な経済学の理論を伝へる趣向。
前半まで小説としてのレヴェルはたいしたことはなく、ああ通俗と思った。
しかし、3話の小学生のいぢめをネットワーク理論とからめて語る話は納得させられる。みな、ネットワーク理論について、すこしでも齧ったほうがいいと思った。それに、リンレイがそのいぢめを解決する方法が奇想的グロテスクである。
そして最終話になると、今まで三人称だったのが突然一人称の「あたし」になり、話の展開も今までの登場人物が出てきて俄然おもしろくなる。ゲーデルの不完全性定理も出てくる。 -
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【目次】
■ 邦訳版への解説ーー合法的かつ効率的に私たちの脳はハックされている
橘玲
■ はじめにーー絶対にだまされるはずがない人たちがカモになる心理バイアス
【ハビット】
1 集中(フォーカス) ーー相手は何を隠しているのか
2 予測(プレディクション)ーー 「期待外れ」を喜べ
3 思い込み(コミットメント)ーー判断を後回しにする
4 効率(エフィシェンシー)ーー相手の痛いところを突く
【フック】
5 一貫性(コンシステンシー)ーーこの世界は不合理だ
6 親近性(ファミリアリティ)ーー「これ知ってる」を疑え
7 正確性(プレシジョン)ーー“数字”の落とし穴
8 有効性(ポテンシー -
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恋愛であったり、お金であったり、たいていの人が求めつつも遠く感じるものはある。
そういうものにいかに近づき、手に入れるか。
人間の脳には機械のように、こうすれば相手に親しみを感じるというプログラムがある。お金の流れにも、統計的な分析によって投資を確実にしたり、あるいは節税することで人より手元に残るお金を多くする手段がある。
それが、裏道だ。
なんて話が、さまざまな文献を逍遥しながら語られる。心理の勉強で出てきたNLPや、ミルトン・エリクソンがナンパ術の系譜に組み込まれて出てきたときは、ちょっとびっくりした。
まぁ実際、NLPは自分であったり、部下であったり、社会生活であっ -
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認知心理学。バイアスやヒューリスティックなミスから、騙されることへの警告。
わかりやすくて読みやすかった。具体的な事例を紹介する本ではなかったが、外国人研究者にありがちな、変に散文的で日常的な導入は少なかったし、簡潔。
いくつかのキーワードに沿って、説明してくれていて、読ませ方にも工夫が見られる。
それでいてというか、大きく騙されんのはアレやが、そうそうそういうのに巻き込まれるわけでもないので、中規模以上の騙しには注意するとして、日常のさくっとした騙しにはそんな目くじら立てんとこな、的な主張があって、腰砕でよかったな。
それにしても、答えになってない答えとか、親近感による選択とか、綺麗事 -
Posted by ブクログ
橘氏の著者はどれもすんなりと入ってくる。
初めて読んだのは小説『マネーロンダリング』だったが、小説以外も実に読みやすい。
巻末の推薦図書もありがたい。
解説の「宝くじも、生命保険も、住宅ローンも、投資家にとっては最低の商品だ」が記憶に強く残る。
また、著者の「子供が生まれたばかりの頃、六畳一間に小さな台所があるだけの古いアパートで、子供の寝顔を見ていた。いつの間にか日が暮れて、玄関を開けると雑草の生い茂る庭に銀色の雨の匂いがした。そんな些細なことを覚えているのは、その時、人生は美しいと知ったからだろう」も著者の作品を読むと感慨深い。
日本の生命保険、不動産、教育の項については
感情論 -