橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「格差社会」をさらに絶望的に(?)今どきの表現を使って表現したタイトル。個人の責任で片付けられない、「どう頑張っても上にいけない」人達が出てしまう社会の構造を分析した本。
資本主義、あるいは社会主義でも独裁体制の中で広がる格差を経済面とともに、人が持つ本能や欲求の面からも掘り下げている。時折偏った見方が見えなくもないが、本能に切り込んでいるところは興味深い。しかし、実際にあった事件や、「生きる意味がないから自死したい」人の話題など、全体的に明るい話はない。
最後は動物の繁殖方法も例に出し、人間社会での格差縮小の解決策のひとつを提示しているが、なんだか現実味はなくそれで解消できる感はない。それだけ社会に根付いてしまった格差は解消しようがないということか。それでも弱肉強食の自然界に比べれば、生存のための秩序ができている方だと思うべきか。 -
Posted by ブクログ
作家である著者が合理的な生き方について
金融資本、人的資本、社会資本という3つの資本の観点から解説した一冊。
タイパやマルチタスクなどについての効用についても解説されていることや睡眠と散歩についての効果や幸せの定義など私たちの生活において感じる疑問を本書を読んで多くの研究結果などから知ることができました。
またギャンブルが割りに合わない理由やソックパペットなど本書で知ったこともありました。
金銭資本ではF X、ビットコイン投資の真実など著者でしか知り得ないことも知ることができました。
また不動産や保険についてもどのように向き合うかも理解することができました。
また、人的資本では高い専門性を持ってそれを仕事にすることや1万時間の法則の真実、認知を変えるより環境を変えること、オンリーワンの場所を見つけることなどを知り、人間関係である社会資本では5人の法則や男女での友情の違いや友だちと仲間の違いを理解することができました。
本書を読んで完璧な選択を目指すのではなく自分が満足できる選択をすることを目指して人生を魅力的にする方がいいということを感じました。
本書での知識を活かして自分が輝ける場所を見つけて合理的に生きていきたいと感じた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
本書を一言でまとめると、「遺伝は通常思われている以上に私たちに影響を及ぼしている」といったところだ。
【1】努力は遺伝に勝てないのか
【2】あまりに残酷な「美貌格差」
【3】子育てや教育は子どもの成長に関係ない
本書は上記の3章からなっている。しかし、章ごとのテーマを突き詰めているわけではない。それは、本書が月間『波』連載されていた「残酷すぎる真実」に加筆・改変したものだからだ。便宜上、章立てにしているが、実際はそれぞれが独立したテーマで、以下の13からなる読み物である。
I 努力は遺伝に勝てないのか
【1】遺伝にまつわる語られざるタブー
【2】「頭がよくなる」とはどういうことか――知能のタブー
【3】知識社会で勝ち抜く人、最貧困層に堕ちる人
【4】進化がもたらす、残酷なレイプは防げるか
【5】反社会的人間はどのように生まれるか
II あまりに残酷な「美貌格差」
【6】「見た目」で人生は決まる――容貌のタブー
【7】あまりに残酷な「美貌格差」
【8】男女平等が妨げる「女性の幸福」について
【9】結婚相手選びとセックスにおける残酷な真実
【10】女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?
III 子育てや教育は子どもの成長に関係ない
【11】わたしはどのように「わたし」になるのか
【12】親子の語られざる真実
【13】「遺伝子と環境」が引き起こす残酷な真実
一つ一つが完結しているので、どこから読んでもいいし、興味のあるところだけ読んでもいい。そういう点で読みやすい本である。
私は、橘玲氏の本は割と読んでいる方なので、いつもの橘氏らしさを感じる読みやすいものだった。同著者の『「読まなくてもいい本」の読書案内』も読んでおり、既知のことも少なくなかった。そのため、「残酷すぎる真実」というほどのものではなかった。
まえがきには、「本書で述べられていることはすべてエビデンスがある」と書いてある。
ただし、そのエビデンスが必ずしも正しいとは限らないところが、科学的であることを標榜している読み物の注意点である。エビデンスにはレベルがあり、たった一人の専門家の意見でもエビデンスになるからだ。「エビデンスあり=真実」ではない。
その辺を考慮して読めば、誰もが楽しめる本である。先に挙げた目次のうち一つでも興味が沸くものがあれば、一読する価値はあるだろう。 -
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☆3.5 政治問題の決着のなさのなさ
双方の主張する善悪二元論が対立し、相対的な視点を失った論争に終りはない。ガザ、イスラエル、原爆、従軍慰安婦…… そのいづれにも犠牲者意識ナショナリズムは存在し、加害の歴史を無視し犧牲者たらうとする。
文学でもやたら原爆小説や原発小説が評価されるきらひがある。みづからが正義だと信じて疑はない者の多いこと。(その点、筒井康隆は谷崎賞の選評のとほりでえらい。)
さて、この本の内容自体は、日本の社会問題にたいしてリベラル観を問ひただすものだ。
それぞれ利害があって口にできないこと。それを橘さんは言ってのける。なかには首をかしげるものもあらうが、議論を深めるためには良い。
教育問題や親子問題などもあり、近代化によって旧弊な学校システムや戸籍制度がいつまでも持続してゐるのは、日本にとって良くないとわかる。先輩・後輩文化で過剰な媚びへつらひも、年齢差別。 -
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トランプ氏が次期大統領として再選された。過激な発言で物議を醸してきた反面、その考え方に支持の広がりが見られた結果であろう。その背景には、アメリカ社会の行き詰まりや閉塞感、進路への重大な示唆が感じられる。
起業家として成功を重ね、超富裕層に昇り詰めたイーロン・マスク、エネルギッシュな行動や思想から、トランプ新政府での役割を期待する人々と危惧する人々がいる。アメリカは建国以来の自由主義に対する解釈が分化してきて、中央集権的な仕組みを嫌い、本来の自由に回帰するリバタリアニズム(自由原理主義)が台頭してきた。ギフテッドでありリバタリアンである人々に焦点をあてながら、この新しい兆候を分析している。年功序列や終身雇用という制度が、個人の活力をそぎ、社会の新陳代謝を遅らせる結果になった日本、失われた30年からの再生へのヒントがあるか。 -
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先にジャレドダイアモンドの『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』を読んでいたので内容としては既知のものが多い。同じ内容に対して心理学的な実験やホルモンなど生物学的なアプローチでデータを出しているところが異なっている。その点で読みやすくより雑学的な軽い気分で読める。
内容のまとめとして、生物学的な理由により男女は異なるのは事実であり女は男の劣化版というわけではなく別物であること、ホルモンが原因で男は若い頃から性欲の面で女性の100倍くらい猿であり雌をめぐって水面下で熾烈な競争を繰り広げていること、女はそんな勝ち抜いたアルファ雄を落とすためにまた別の競争をしていること。異なる戦いをしているのだから互いに分かりあえないのは当然であり、女性の場合は時間と共に失われていく若さが最大の武器であり妊娠があることからより厳密に相手を選ぶ必要があるため選ぶ責任がうまれる。男が同性間で争った後の上澄みを女性が争って選びとるという仕組みであろう。
男性の方がリスクをとりやすいが女性は勝算を冷徹に観察しているだけで勝算が高まるとリスクを取る。だから女性枠も意味があるそうだが、試験のような定数評価にはいらないと思う。つまり機会平等は担保されるべきだが選挙のようなある種の定性的な惰性で先が見えてる結果平等的な場面では女性枠は有効かも。ceoのようなプレッシャーがかかるようなものは女性はなりたがらないがアナウンサーとかレポーターのようなプレッシャーが低めのところは男性上に活躍するらしい。だから適材適所であり下駄はかせてまで無理につらい職業やらせなくてもいいしやりたいなら男性とバトって勝ち取ればいいだけである。平等をめざすならば。 -
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自分にも善悪二元論のような0か1かのバイナリー思考のクセがあって、多面的なモノの見方が重要であることはよくわかった。ただ絶対悪とされるものを擁護したいばかりに、無理やりな感じが否めない。単なる天邪鬼と紙一重。
ウクライナ戦争の背景は初めて知ったが、ドンバスにおける地方の勢力争いの域を出て首都キエフの一般市民をミサイルで無差別攻撃し、政権転覆を狙うのは「どっちもどっち」ではないだろ。京アニ事件にしても大阪のクリニック放火殺人にしても全く擁護しようのない凶悪犯罪であり、「どっちもどっち」でも「善悪つけられない問題」でもない。後半になるとますますDD感がなくなってきて、もはや何が主題の本なのかわからなくなる。Part4に至ってはDDと言うよりDY(どうでも良い)だ。