橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
国内の銀行にドルでお金を預けたことがないので、コレスポンデント現行やコルレス口座なんて仕組みがあることは知らなかった。アメリカがテロ組織や北朝鮮のドル預金を凍結できるのもコレスポンデント銀行の存在によるものなのだ。資金凍結にはもっと複雑な仕組みがあるんだと思っていたけど、実際は国内の銀行に命令すればすむことだったんだ。
ドラマのタイトルで聞いたことがある程度だったプライベートバンクのことも知ることができた。そもそも個人所有(プライベート)の銀行であるからプライベートバンクと呼ばれるらしい。日本と海外ではプライベートバンクに違いがあるということもわかった。このあたりは20年以上前の本の情報であ -
Posted by ブクログ
新書ってあまり読んだ経験なく、ところどころ自分には落ちなかったが、想像以上に面白かった。
倫理的推理能力では、下位4分の1の学生は自分を過大評価、上位4分の1は過小評価しているらしいが、私は自分でダメダメ人間だと思っているので、もしかしたら自分って能力か高いかも?って思ってしまった(笑)
そのうえ、能力の低い人は自分が能力が低いことを正しく認知できてないらしい。これはホントにクセが悪い。
また、社会を動かしているのが高学歴のエリートばかりで、日本の人口の6分の1にあたる偏差値40以下の人たちは様々な公的機関での手続きさえ自力でできない。
それに、どれだけ投票率があがっても政治的無知な人が多けれ -
Posted by ブクログ
黒色人種は遺伝の影響で持って生まれたバネが違うから、短距離走で勝てないのは当然、などと普段耳にしていましたが、なるほど確かに身体能力について遺伝の影響が話題に上がることはあっても、知能については遺伝の影響だと話題に上がることはあまりありません。
「努力すれば東大に行ける」などと言いますが、「努力できるかどうか」も含めて遺伝で決まっていると言われると、最初から決まっているのかもしれない。
生物学を専攻していても、少し内容は難解でしたが、結局ほとんどが遺伝で決まってしまうという内容で、なぜかそれを声を大にして言うことはタブー視されている。でも、だからこそ、遺伝の影響は無視しちゃいけない、念頭に置い -
Posted by ブクログ
相変らず橘節炸裂で面白い。
特に最後の特別ステージの内容がよい。
自分も社会人になって立場が変遷するにつれて付き合う人達は変わっている。全員と付き合い続ける事は時間制約があり出来ない。そんなに全ての事にエネルギーを注ぎ続ける事は出来ない。合理性というのはそう言う事だ。そして最初から恵まれて金持ちからスタートするより、「成り上がり」の方が面白いのもその通り。
子供に理解出来るかどうかは分からないが、おじさんが読んでも面白い。
特別ステージ 人生で役に立つ7つの法則
☑これを知っているだけで人生は楽しくなる【レベル∞】
1 100倍の法則
2「奇跡(きせき)は起きない」の法則
3「君は友だ -
Posted by ブクログ
行動遺伝学の専門家の対談形式で話が進んでおり、かみ砕いて説明しているにしても頻出する専門用語と科学的なロジックを理解しながら読み進めるのに、かなりの労力を要する本であった。
知能やパーソナリティのかなりの部分は遺伝によって決するということや、遺伝子解析から個人の将来をある程度予測できるだろうという衝撃的な見解を、エビデンスを示して説明している。キリスト教が地動説を感情的に否定したように、行動遺伝学を感情論だけで否定や批判することの社会損失についても、合理的な説明がなされている。
結局は、人間の自由意志も遺伝の支配から脱却できないといわれると寂しくも感じるが、人間である以上その事実も含めて -
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Posted by ブクログ
「本当の自分とは何か」。この問いに答えを求め自己啓発やスピリチュアルに惹かれる人は多い。そんな「自分探し」の旅を現代心理学の視点から読み解く。
人はなぜ自己を探し求めるのか。心理学が明かすのは私たちの「自分」という感覚が脳の働きによって生み出されたものであり揺らぎやすい存在だということだ。
しかし不確かだからこそ人は意味を求める。宗教、神秘体験、自己啓発——そこには科学では説明しきれない「生きる意味」を見出そうとする人間の本能がある。
自分とは何者か。科学とスピリチュアルの狭間で揺れる私たちは8つの要素の組み合わせで決まる。人間理解に新たな視点をもたらしてくれる。