橘玲のレビュー一覧
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行動遺伝学の専門家の対談形式で話が進んでおり、かみ砕いて説明しているにしても頻出する専門用語と科学的なロジックを理解しながら読み進めるのに、かなりの労力を要する本であった。
知能やパーソナリティのかなりの部分は遺伝によって決するということや、遺伝子解析から個人の将来をある程度予測できるだろうという衝撃的な見解を、エビデンスを示して説明している。キリスト教が地動説を感情的に否定したように、行動遺伝学を感情論だけで否定や批判することの社会損失についても、合理的な説明がなされている。
結局は、人間の自由意志も遺伝の支配から脱却できないといわれると寂しくも感じるが、人間である以上その事実も含めて -
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Posted by ブクログ
「本当の自分とは何か」。この問いに答えを求め自己啓発やスピリチュアルに惹かれる人は多い。そんな「自分探し」の旅を現代心理学の視点から読み解く。
人はなぜ自己を探し求めるのか。心理学が明かすのは私たちの「自分」という感覚が脳の働きによって生み出されたものであり揺らぎやすい存在だということだ。
しかし不確かだからこそ人は意味を求める。宗教、神秘体験、自己啓発——そこには科学では説明しきれない「生きる意味」を見出そうとする人間の本能がある。
自分とは何者か。科学とスピリチュアルの狭間で揺れる私たちは8つの要素の組み合わせで決まる。人間理解に新たな視点をもたらしてくれる。 -
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◯感想
人的資本に関する考え方は非常に実践的で、特に若年期に自分の強みを極め、一極集中する重要性が説かれており、キャリア形成において有益な視点を得ることができた。
全体的に有益な情報が多いが、時折冗長な表現が目立ち、その結果重要な内容がやや曖昧になる印象を受けた。もっと簡潔に表現されていれば、より深い理解と洞察が得られるだろう。
◯幸福の土台の3つの資本
1.金融資本
•資産運用は「ほったらかし投資」で簡素化。
2.人的資本
•若いときは体験に投資し、経験を重ねる。
•好きなこと・得意なことに集中し、自分の強みを極めるエッセンシャル思考が鍵。一極集中でライバルに勝てる。
•高度化した知識社会 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【読書の動機】
・現状の働き方や社会構造を客観視し、幸福度を最大化する人生戦略の参考にするため。
【感想】
・現代の労働環境や社会について独自の視点で分析されており、多くの参考になる考えがあった。
・高度な知的社会ではプロフェッショナルになることの重要性を再認識できた。
・一方で、著者の他の作品同様、トピックが多岐にわたり、構造的に整理されていない点が少し読みづらく感じた。
【行動変容】
・人生100年時代を見据え、好きなことや得意なことを再定義し、尖った人材を目指す戦略を立てる。
・その過程で、戦略的に適度な転職を行う可能性も視野に入れる。
【印象に残った内容】
◯今後の人生戦略におい -
Posted by ブクログ
進化論みたいなもので、成功者はたまたま運が良かっただけ、という考え方もある。だが、実業の成功は行動しなければ果たし得ないし、同事業が他所と同居するようなやり方では大ヒットはしない。つまり、「行動すること」と「差があること」が成功法則の最低条件となる事は予想できる。従い、受け身で構えて高得点を狙う〝傾向と対策“型の優等生に出番は来ない。しかし、日本の経営者は〝社内制度“の覇者だから、流動性が上がらぬままプロ経営者、アントレプレナー精神が不在という状況、この量産化や再生産という構図が変わらないならば、外部変化が早くなるほど、多くの日本企業には困ったものである。
以上は読む前の感覚だが、本書もそん