橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカを代表するリバタリアン(自由原理主義者)であるウォルター・ブロックによって1976年に発表されベストセラーとなった『擁護できないものを擁護する』を、現代(初版は2006年)に合わせ超訳した本。
今日、世界は強大なテクノロジーの力を手に入れ、限られた一部の選ばれし者が、自由競争の理論のもとで莫大な利益を手にするという時代に突入し、経済的に裕福な生活を手にするか、貧困に陥るかは本人の努力次第という自己責任の考え方が広がりつつある。
そのような中で、かつて自由原理主義者のバイブル的な存在だった本書を読むことで、次第に存在感を増している自由原理主義者の論理に触れ、好む好まざるにかかわ -
Posted by ブクログ
知らず知らずの内に脳がハック(誰かの思い道理にコントロール)されている現実を教えてくれる本。
個人的に好きなフレーズは、
・現実は攻略不可能な「無理ゲー」だが、イカゲームはわずかだか攻略可能性(希望)があるのだから。
・ストレスが高いときの人間の行動が一番予測しやすい。直情的に行動してパニックになるからだ。
・SNSの一見矛盾する結果は、脳の報酬系をハックしつつも、それを治療する向精神薬のはたらきもするマシン・ギャンブリングを思い出させる
また、
SNSは特に人間が歴史上味わってこなかった快感を脳に与えるという言葉にゾッとしました。
特にすぐに実行して成果が得られる手法は書かれていないが、 -
Posted by ブクログ
橘さんが、知人のオーストラリア人から交通事故に関する保険金トラブルの相談を受けたことから物語は始まる。
A損保とは、あいおいのこと、T海上とは、東京海上のことだと推察される。
Aの担当者が保険金を支払いたくないがために、巧妙な嘘をついて、保険金請求を諦めさせようとしたことが事の発端。
コンプライアンスがこれだけ重視されている現代において、こんなことが起きたなんて信じられない。
この担当者はきちんと処分されたのだろうか気になるところ。いずれにしても社内では相当な問題になっただろうから、出世街道からは外れたことだろう。
まだ若いみたいだから、これから心を入れ替えてやり直して欲しいと願う。
たかが -
Posted by ブクログ
橘さんのデビュー作にして代表作の小説。
金融の知識は難しくて理解できずほとんど読み飛ばし。
物語の大筋としては面白かった。
50億ものお金が絡めば当然ヤクザも出てくるし死人も出る。
人の一生を台無しにする破壊力が十分な金額である。
お金に色はついている、汚い金に手を出すと必ず報いを受けるという大富豪の言葉は心に響いた。
本当の幸せはお金では決して買えない。
でもお金がない生活は不幸である。
ほどほどのお金で家族仲良く暮らしていくこと以上の幸せはないと今の私は確信している。
主人公とメイは全てを忘れて、新たな人生を新たな地でやり直してほしいと願う。