橘玲のレビュー一覧
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橘節満載。面白い。
論点: 安倍政権の政策はリベラル政策。
世界は、急速にリベラル化している。今の保守層だって、その言動は、50年前の中間層よりもずっとリベラルより。
リベラルは、どの国の国内でも少数派だが、世界全体で見ると、他の国のリベラル層と連帯できるために多数派になる。保守層は、国内では多数は出会っても、ナショナリスト(自分たちの優位性を守りたい)であるために、他の国の保守層と連帯できず、国際的には少数派になる。
国内で保守層が強いのは、理論ではなく、感情に基づいた思想だから。人間の脳が進化の過程で獲得した性質が保守思想を生んでいる。
国内では、保守層に訴えかけ、国際的にはリベラルな政策 -
Posted by ブクログ
2016.11記。
本書は日本の経済あるいは社会の行く末を論じた本である。が、類書の大半とは異なり楽観論、悲観論を訴えたり、(リフレ派対財政規律派のような)学術論争にも関わらない。一貫しているのは「変化への備え」を提供しようという意志だ。
私が読んだところ、本書を読む上で最低限持っておかないといけない知識は以下の三つだけ(それも文中で説明はされている)。
① バランスシート(あと、できればレバレッジ)
② 現在価値
③ 分布(正規分布とロングテール)
さらにそれを要約するとおそらくこんな感じ。
「我々は自分の持っている資本(お金やあるいは自分の能力そのもの)を使って資産を大きくしていく必 -
Posted by ブクログ
著者の「幸福の資本論」を若い女性向けにした本でした。
昔,とても口汚い言葉で専業主婦をバッシングした本が,世間をにぎわせたことがあり,それぞれの立場から,互いを罵り合うというテレビ番組を見たことがありました。
私は,その様子を,どんな人生でもその人が選んだこと,他人にあれこれ言われる筋合いはないのにと思いながら見ていました。
そのときに,この本が出版されていたら,もっと建設的な,冷静な実のある議論ができたであろうにと思います。また,女性の社会進出も進み,今よりもっと働く女性に優しい社会になっていたかもしれません。
何が自分にとって幸せなのかは人それぞれであり,他人があれこれ口出しできるもので -
Posted by ブクログ
アベノミクスによって景気は回復していると言われるが、見通しは不明。
デフレは「良いデフレ」「悪いデフレ」はなく皆「デフレ」。
インフレは経済セ成長を伴う「良いインフレ」と伴わない「悪いインフレ」がある。
インフレになっても経済成長を伴っているかは別で、ここでアベノミクスの評価が分かれる。
国家破産(ハイパーインフレ)になった時に起こるのは、
1金利の上昇
2円安
3インフレ
最初の時期は預貯金で十分だが、さらに進めば
1国債ベアファンド
2外貨預金
3物価連動国債ファンド
*世界市場に投資 上場MSCI世界株
さらにさらにすすめば、
FX、金融先物オプション取引、株の信用取り引き
で辛 -
Posted by ブクログ
人生設計、生命保険、年金、医療、教育、不動産、資産運用、市場経済というテーマについて、身もふたもない真理を淡々と指し示す40のエッセイから成る本です。
タイトルは、梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波新書)にもとづいているのでしょうが、アカデミシャンの梅棹の本にある種の熱量がこもっているように感じられるのとは対照的に、本書はきわめてクールな現実の認識が、読者にあててそっと差し出されています。とはいうものの、ほんとうはだれもが薄々感じていながらも正面から目を向けることを怠っていた「幸福」のための技術をはっきりと提示した本書には、「知的生産」のための技術があるという、当時としては破天荒な主張を展開 -
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この人はどんな人なんだろう??
橘氏の著作を読むたびに思う。
本書では、海外投資の一つの形として、
マネーロンダリング(資金洗浄)を説明する。
カシオの詐欺事件をはじめとして、
マネーロンダリングに関する
ノンフィクションとしても楽しめる。
コレスポンデント口座の話などは、勉強になった。
正直言って、すべてを理解し切れたとは言い難く、
従って、マネロンの指南役にもなれないのだが、
こういう世界があるのか、と感心させられる本だった。
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(目次)
はじめに 山口組の指南役になった日
第1章 世にも奇妙な金融犯罪
発端
計画
流出
隠蔽
第2章 プライベートバンクの憂鬱
プ