あらすじ
アベノミクスはその端緒となるのか!?
大胆な金融緩和→国債価格の下落で金利上昇→円安とインフレが進行→国家債務の膨張→財政破綻(国家破産)…。
そう遠くない未来に起きるかもしれない日本の最悪のシナリオ。
その時、私たちはどうなってしまうのか?
どうやって資産を生活を守っていくべきなのか?
不確実な未来に対処するため、すべての日本人に向けて書かれた全く新しい資産防衛の処方箋。
恐れる必要はない! しかし、備える必要はある!
作家・橘玲が贈る、生き残りのための資産運用法!
※2018年1月19日 改訂文庫版発売にあたり、タイトル、内容を一新して再発売しました。
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Posted by ブクログ
国家破産はこわくない 日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 改訂版 2013/3/14
日本の財政がたとえ破綻に向かっているとしても、当分は金融資産は 普通預金でもっていればいい
2015年7月25日記述
橘玲氏による著作。
題名にあるように日本の財政破綻の混乱から自分の資産を守るには何をしたら良いのかを示している。
①日本の財政がたとえ破綻に向かっているとしても、当分は金融資産は普通預金でもっていればいい。
②日本の財政が破綻したとしても、手近にある金融商品だけで資産のかなりの部分を守ることが出来る。
③たとえ「海外投資」をする必要があるとしても、ネット銀行の外貨預金で十分だ。
今、国と地方の借金が1000兆円を超えている。
(2000年では500兆円ほどだった)
今までの所、深刻な事態にまではなっていない。
しかしこのまま永遠に国債を発行し続けることは出来ない。
どこかの段階でこの体制は行き詰まらざる得ない。
構造的な問題は現実化するのだ。
本書ではアベノミクスの楽観、悲観、破滅(1~3)ごとに今後のシナリオを設けてそれぞれどうしておけば良いのかというと破滅シナリオの第一ステージまでは普通預金が最強の資産運用なのだという。
財政破綻ときくと円が紙くずになりそうなイメージがある。しかし本書にあるようにある朝、目覚めたら日本円が紙くずになっていた、などということは絶対にない。
あと地味に重要なのは変動金利での住宅ローンはしないということ。
必ず固定金利でローンを組むことだ。
第一ステージ:国債価格が下落、金利が上昇する。
第二ステージ:円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる。
破滅ステージ:日本政府が国債のデフォルトを宣告、IMFの傘下に入る。
どう転ぶか分からない第一ステージでは、普通預金が最強の金融商品。
第二ステージに入れば、以下の三つの対策。
●国債ベアファンド (日本国債が下がると、利益を生まれる)
●外貨預金
●物価連動国債ファンド(インフレになるほど、価格が上がる)
可能性は極めて低いが、「預金封鎖」「新円切り替え」などが起こる
破滅ステージでは、以下の対策を挙げている。
●日本国債ベアETF
●海外銀行の外貨預金
ただ個人的には一日中PC前で色々している事は難しいと思う。
混乱期は会社や家庭でやらないといけないこともきっと多いはずだ。
現実的に出来そうなのは第二ステージなら外貨預金。
破滅ステージでの海外銀行(HSBC等)の外貨預金くらいかな。
あとがきでも著者が指摘しているように、資産運用に成功する黄金率は「金融機関が熱心に勧誘するウマそうな話は全て無視する」ことだろう。
日本の財政破綻を気にしてよくわからない金融商品を買ったりしない事も資産防衛に必要な事に違いない。
2021/12/26(日)記述
文庫版(2018)も出ており、殆ど内容は2015年の書籍と同じなのだが、コラム欄などでいくつかの内容の追加があり、その中でもコラム9世界市場に効果的に分散投資する方法の項目は注目に値する。
特にETFで1554上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本というETFを紹介しており、個人の金融資本を日本国のリスクから完全に切り離した上で、なおかつ世界市場の成長に賭けることができるのです。と紹介している。
この1554のETFが出てきたのは2011年。ただしETFはごく一部を除いて自動積立投資ができない。面倒でも手動で再投資をしていく必要がある。これは小さいところだけれども、人間は面倒くさいことや下落時に平常と同じように積立投資ができるほと強くはない。
その点も踏まえると近年だとインデックスファンドという投資信託を積立投資していくことが最も合理的な投資と言える(橘玲氏もマンガ 投資のことはなにもわかりませんが、 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください2020)の中でインデックスファンドを推薦していた。1554のETFと同じような全世界株式(除く日本)や、S&P500や全米株式に投資するインデックスファンドも1554と値動きはほぼ同じである。その意味において本書が登場した時以上に日本国の財政破綻への備えをする為の金融商品は増えたと言える。もちろん幸運にも日本国の財政破綻はしないまま20~30年後を無事迎えた場合であったとしてもインデックスファンド投資をすることで金融資本を大きく増やす事につながるので、とりあえずはこのインデックスファンド投資はやってみると良い。
普通預金とインデックスファンドで金融資産を構成するのが現段階における日本国の財政破綻に備える個人にできることではないだろうか。銀行の外貨預金は手数料が多すぎるので外貨預金よりもインデックスファンド投資が良いと個人的には感じる。
印象に残った点
日本の財政が破綻すれば深刻な金融危機が起き、国内の株式市場は大荒れとなって日本株は暴落するでしょう。日本はGDPで世界第3位の経済大国ですから、その経済が大混乱に陥れば世界の株式市場も大きな影響を受けることは間違いありません。そんなときに株式に投資するのは自ら進んで損をするようなものではないか、そう思う人も多いでしょう。しかし、世界の株式市場が大きく下落するときこそ投資の絶好の機会かもしれません。
もちろん2008年のリーマンショック後は株価が50%も下落しましたから、「ACWIを買えば必ず儲かる」などということはありません。ただ「世界の株式市場の時価総額に合わせて通貨を分散投資する」などということを個人で(機関投資家でも)やろうとしても不可能ですから、それを勝手にやってくれるACWIはやはり画期的な金融商品なのです。
さらに2011年3月、東証に「上場MSCI世界株」(1554)が上場されました。これはACWIから日本市場を除いた株価指数に連動するETFで、日本の個人投資家のニーズに最適化されています。(日本人投資家はたいてい日本株を別に保有しているので、ACWIでは日本株の比重が高くなってしまうのです)
これまでACWIに投資するには、アメリカの証券会社に口座を開設するか、日本のオンライン証券などで外国株取引をするほかありませんでした。以前に比べれば格段に敷居が低くなったとはいえ、大半の人にとっては外国の金融機関を利用したり、外貨建てで投資をするのは不安かもしれません。その意味で、日本株と同様に円建てで取引しながら世界市場に投資できるこのETFは、金融資産をグローバルに分散したい個人投資家にとって究極の金融商品ともいえるものです(円をドルに替える手間が不要なうえに為替両替コストがきわめて低く、ネット証券を使えば売買手数料も格安です)。
ここで改めて確認しておくと「上場MSCI世界株」は円建てで取引されていても、すべての資産が外国株で構成されています。(逆に円高で株価が下がります)これによって、個人の金融資本を日本国のリスクから完全に切り離した上で、なおかつ世界市場の成長に賭けることができるのです。
リスクを取りたくなければ普通預金、リスクを取るならシンプルに株価指数ETFに投資
それと当時に、日本人はあまりにも「合理性」を軽視しています。ネットでもマスコミでも、日本中のあちこちに「合理的なものは不愉快だ」と叫ぶ人があふれています。もちろん合理性は幸福な人生を約束しませんが、その一方で、(ギャンブルで一発当てるような事を別にすれば)市場では合理的な行動からしか富がもたらされないことも確かです。
投資の世界では、感情だけで動く人は”カモ”と呼ばれます。日本という国の経済的リスクが顕在化したときに、感情でしか考えられないひとたちが真っ先に犠牲になっていくでしょう。私はこれは、ある意味、仕方のないことだと考えています。日本人の全てが正しいフィナンシャルリテラシーを持つようになる、などという荒唐無稽な理想を掲げても意味がありません。
インフレ対策なら金を買えばいいのではないかと考える人もいるでしょうが、金投資についての私の考え方は、ウォーレン・バフェットやジム・ロジャーズと同じです。すなわち、金は鉄や銅などの金属と違って工業用としてはほとんど用途がなく、地中から掘り出されて退蔵されるだけで、株式や債券のように配当が得られるわけでもありません。
金に価値があるのはひとびとが「金に価値がある」と思っているからで、貨幣と同じでその実体は共同幻想です。この幻想が続く限り価格は上昇するかもしれませんが、人々が王様は裸だと気づけばただの石ころになってしまうでしょう。
金投資は純粋なギャンブル(投機)なのです。
Posted by ブクログ
国家の財政破綻と言っても、戦争などと違って突然起きるものではなくある程度時間がかかるので、以下のような対応をすれば良いということです。下にごく簡単に要約的なものを書きましたが、私のレベルでは内容的に結構難しいので、本当にこういう状況が来たら改めて読み直さないといけないと思いました。
第1ステージ ・・・・・ 国債価格が下落して金利が上昇する
→ 普通預金:現在がデフレ状態なので、実質的金利はプラス。リスクはほぼ0で
何かあったときの自由度の高い。
第2ステージ ・・・・・ 円安とインフレが進行し、深刻な金融危機が起き、国家債務の膨張が止まらなくなる
→ ・国債ベアファンド:国債価格が下がると価格は上がり、上がれば下がるが、
現在の金利が非常に低いので、下がる余地は小さい。ただし金利が変動
しないと、長期的には価格は下がっていくので、投資タイミングが重要。
・外貨MMF:米ドルが一番無難。
・物価連動国債ファンド:物価が上がると価格も上昇するが、逆にデフレに
なると下がってしまうので、その点は注意が必要。
第3ステージ ・・・・・ 日本政府が国債のフェフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る
→ ・海外銀行に口座を開いて外貨預金。日本人にはHSBCが一番メジャーで、
香港に行けばパスポートと住所証明で口座が開ける。
・米国の証券会社で、日本国債ベアETF(JGBS、JGBD)を購入する。
また海外投資に最適なのは、ACWIやACWIから日本株を除いた上場MSCI世界株1554などのETFとのこと。ただし1554はまだマイナーで売買数が少ないのが難点とのことです。
Posted by ブクログ
国家破産時に何が起こるか予想し、リスクをヘッジする方法が述べられている。
経済初心者にも読みやすく、丁寧に書かれている。字も大きく、難しい計算式も使っていない。
国家破産や不況のときこそ、株や土地など資産価格の値動きが激しく、儲けるチャンスもある。
これをきっかけに、本格的に経済を勉強しようと思わされた。
Posted by ブクログ
日本がもし国家破産することになったら?を題材にどのように投資すべきかが学べる本。世界は成長し続けるを信じて、先進国インデックスファンドを買うことしか信じてない私にとっては参考になる内容。債権の仕組をあまり知らなかったのでその辺も勉強になった。騙されないためにも読むべき本
Posted by ブクログ
タイトルはおどろおどろしいが中身はまとも。
1.国家破綻は急には起きない。ゆっくりと進む。
2.当面は普通預金で十分。
3.破綻が進んできても、手近な金融商品(国債ベアファンドなど国債の下落をスワップする商品、FXなど円安をヘッジする商品、日経平均オプションなど株価下落をヘッジする商品)で十分
4.海外投資をするとしても、ネット銀行の外貨預金で十分
Posted by ブクログ
国家破産がどのようにくるかは分からないが、明日突然くるわけではないから備えができる。必要な備えは、高金利対策=国債ベアファンド、円安対策=外貨預金、インフレ対策=物価連動国債ファンド。
Posted by ブクログ
アベノミクスによって景気は回復していると言われるが、見通しは不明。
デフレは「良いデフレ」「悪いデフレ」はなく皆「デフレ」。
インフレは経済セ成長を伴う「良いインフレ」と伴わない「悪いインフレ」がある。
インフレになっても経済成長を伴っているかは別で、ここでアベノミクスの評価が分かれる。
国家破産(ハイパーインフレ)になった時に起こるのは、
1金利の上昇
2円安
3インフレ
最初の時期は預貯金で十分だが、さらに進めば
1国債ベアファンド
2外貨預金
3物価連動国債ファンド
*世界市場に投資 上場MSCI世界株
さらにさらにすすめば、
FX、金融先物オプション取引、株の信用取り引き
で辛酸を守るとともに、利益を得る。
Posted by ブクログ
アベノミクス後のシナリオは
楽観 景気回復、躍進
悲観 デフレの継続
破滅 財政破綻、ハイパーインフレ、国債暴落
どのケースにしても現状最も有利なのは普通預金
破滅ケースが現実化してきた場合に有用なのは
JGBベアファンド、外貨預金、物価連動国債の三つ
さらに日本に政治的リスクが出てくれば海外金融機関での外貨預金、JGBベア
説明は平易でわかりやすく中立的に思える
Posted by ブクログ
アベノミクスにかかわらず、いつか訪れる財政破綻がおきるまでの日本経済がどのような様相となるか、それにどう対処するばよいか、平易に解説されている。
第1ステージ(国債価格下落→金利上昇):普通預金(円高ならさらに有利)
第2ステージ(国債下落、円安と物価上昇スパイラル):日本国債ベアファンド、外貨預金・外貨MMF、物価連動国債
最終ステージ(日本国債デフォルト):海外銀行の外貨預金、日本国債ベアETF
円高局面では「上場MSCI世界株(1554)」がよい?
Posted by ブクログ
円の普通預金と米ドル預金を進めている。ファンドのたぐいは運営会社が危うくなるリスクから勧めていない。金投資はギャンブルと言い切っている(工業需要が少なく、貨幣と同じように皆がGOLDに価値があると思っているうちしか価値がないしろものだと主張している)。
Posted by ブクログ
ユダヤ賛辞に終始するユダヤ本が多い中、この本は現場でリアルにイスラエル企業と仕事をしてきたビジネスマンならではの視点で書かれた本。著者は東芝のエライ人で、何度も『お客さん』という言葉がでてくるのが印象的だった。イスラエル企業は研究開発はすぐれているがエンドユーザーのことを全然考えていないことが多く、そこが世界一厳しいクレームに鍛えられた日本企業に比べて未熟なところだと痛烈に批判している。東芝の本部長がいうと説得力がある。
Posted by ブクログ
日本国債が暴落した場合にどうしたらよいのかが、書いてあった。
国債下落に備えて
日本国債ベアファンド
外貨預金、外貨MMF
物価連動国債
などなど
デフォルトしたら、海外銀行の外貨預金
日本国債ベアETF
Posted by ブクログ
○作家で金融・経済論に詳しい橘玲氏の著作。
○アベノミクスで浮かれる現在の日本の経済情勢を分析し、最悪のパターンを迎えた場合の対応策などを紹介している。
○分析が面白く、平易な表現で読みやすい。
Posted by ブクログ
アベノミクスによる景気回復が出始め、今後の日本経済と自分の財産の行方が気になる人にはもってこいの本である。アベノミクスが成功し景気が回復する場合、失敗して円高そしてデフレが継続する場合、金利が高騰して日本財政が破綻する場合の3つに分けて、個人の財産をどう運用すればいいかを具体的に説明する。
例えば、国債ベアファンドだったり、外貨預金だったりと、その特徴すなわちもくろみが外れた場合の損失がどうなるかも説明してくれる。
まさに今、本書をしっかり理解して心構えを備えておくべきだろう。財テクに詳しい人でも、考えを整理するに適していると思う。ずばり題名どおりの内容だ。
Posted by ブクログ
「リアルすぎて怖い」そんな近未来小説から物語がはじまります
その最悪の状況(ミニ)を考え、その中で最善の行動(マックス)を提案しているのが今回の内容です
「あとがき」には本書のメッセージが書かれています
①日本の財政がたとえ破綻に向かっているにしても、当分は金融資産は普通預金で持っていればいい。
②日本の財政が破綻したとしても、手近にある金融商品だけで資産のかなりの部分を守ることができる。
③たとえ「海外投資」をする必要があるとしても、ネット銀行の外貨預金でじゅうぶんだ。
今回の作品も橘玲ワールドが満載で著者の言葉の使い方がたまらなく好きで文中で書かれている投資手法を真似することはなくとも関心ある中身です
コラムではわかりづらい金融の話題も難しい言葉や難解な数式を用いない著者の解説は頭に入ってきます
疑問点をいくつか・・・。
文中では「国債ベアファンド」が登場していますが[長期的に減価していく仕組み]のリスクを書かれていますがもうひとつ[高コスト]という問題もあります
右肩下がりのファンドを買い待ちするのはまったくおすすめ出来ません
文中にもあるように宝くじを当てに行くようなものです
もうひとつコラム9では世界市場に効率的に分散投資する方法として「上場MSCI世界株」を紹介していますが説明のところで
『「上場MSCI世界株」は円建てで取引されていても、すべての資産が外国株で構成されています。』
・・・とありますが実際の「上場MSCI世界株」は投資対象の大半が現物株ではなく指数先物中心の運用を行なっています
新たに登場するiシェアーズのETFがJDR(日本型預託証券)形式で東証に上場したのでそちらも大きな選択肢となりそうです
つくづく金融商品は日進月歩なんだな・・・と思い知らせれます
Posted by ブクログ
決して日本の国家破産を煽る本ではなく、
万が一の万が一に日本の国家破産が起こるとしたら、
どのような資産設計・投資戦略をとれば、
われわれは生き残っていけるのか?
をテーマに具体的に解説している本。
著者は橘玲で、まぁ最近の本はだいぶ内容がかぶっている感も否めないけど、
目先を変えたコンセプトで飽きさせずに読ませてくれるので全然悪くない。
日本が財政破綻する際には必ず、
・金利の上昇
・円安
・インフレ
が起き、日本は大混乱に陥いる、、、
そして・・・
という具合に話は進んでいきます。
当面は実は普通預金が一番良い選択肢なんだとか、
それで日本の破綻が見えてきて
さすがに金利が上がってきたら色んな金融商品にも手を出してみたら?
みたいな感じで、
内容的には、経済初心者でも大丈夫なくらいわかりやすく、
日本が破綻していくステージごとに有効な投資戦略ってのを解説しています。
読んでて
なるほど、フムフム。実践的で勉強になります。
ただし全体を読み終わって、
一番印象に残ったのが、
30歳の、家族も車も家も持ってない若造が
投資だ何だ考えても無駄だな~ってことが一番だったかもしれない。(なんと元も子もないww)
本の中に書かれているのですが、
一般的な40歳のサラリーマンの資産構成ってのは、
不動産:純資産2000万円(家を持っている場合)
人的資本:1億3000万円
ということらしい。
要するに40歳からの残り20年のサラリーマン生活で得られる、
給料の原資となる自分の労働力こそが、実は最も重要な資産となっているそうだ。
いわんや
30歳の自分の資産構成なんて、
90%以上が人的資本となっていることで間違いない。
※日本のサラリーマンの場合、この人的資本の価値の源泉が、
会社の終身雇用保証とイコールになってしまっていることが往々らしい。とても悲しい現実。
※その場合、今の自分が取るべき最適戦略は、
投資なんて忘れて朝昼晩、社畜となって会社のために駆けずり回り一日でも早く出世することだ。
(あたらずもとおからず。現実になおさら悲しくなる。)
もし、日本が破綻していくことを考えるんだったら、
今の仕事先が潰れても資本価値が毀損しないほどの、
日本に依存しないグローバルのスキルを身に着けていくしかないということになるのでしょう。
一方で
65歳の定年後の男性の資産構成を比べてみると、
金融資産:1500万円
年金:3000万円
不動産:2000万円
となっているそう。
つまり、40歳で1億円以上あったトータルの資産価値は、
6000万円まで減っている分、
なんとか貯め込んだ金融資産(貯金)と、
住宅ローンを払い終わった不動産価値という、
人的資本ではなく目に見える資産が貯まっている。
ここのステージになってようやく、
投資の巧拙がその後の人生に大きな意味をもってくる。
下手なことすると日本の破綻は自分の死と
イコールになってしまうかもしれないのだ。
まず年金制度が破綻すれば資産の半分は吹っ飛ぶし、
仮に大きくインフレになれば金融資産も大きく目減りする。
不動産も金利が上がれば価格が下る可能性が高いようだ。
そして、そんな自分自身の人的資本はほぼ0円だ。
投資で失敗しても労働市場で挽回することはできない。
リスクだらけで恐ろしいとしか言い様がない。
ということで、
この本はまもなく定年を迎える日本の中高年が手にとるべきなんだろうね。
橘玲の実際の読者もそのへんがボリュームゾーンなのかもしれないがどうなのでしょうか?
と、つらつらと書きましたが。
面白く読めてお勉強にはなる相変わらずのクオリティであることは間違いないので
★★★★
Posted by ブクログ
橘玲( @ak_tch )氏著。
守るべき資産なんかないけど、金利、株、不動産、為替等のいい勉強になります。
現状把握にもいいと。
橘玲さんのフォロワー、1万人以下とは…
Posted by ブクログ
【知識として必要】
日本が国家として破産することが、ありえなくもないような状態になってきたと感じます。知識として、知っておく必要のあることが書かれています。
本書の中で株式等の「売り」から入る説明はすばらしいです。いままで「売り」から入るイメージがつかめていませんでしたが、すーと胃の中に入るような感じで理解できました!
今、アベノミクスでインフレ策が講じられています。しかし、経済はどうしてもやり過ぎてしまいます。ちょうどいいところでは終わらないものです。
株価も○○ショックが発生したら、必要以上に下がります。下がり過ぎます。それが買い時ではあるのですが。。。
インフレもちょうどいいところでやめることができません。行き過ぎてしまいます。経済は基本的に効率的に動いているのですが、ときどき集団心理的な感情的な動きを見せます。不思議です。
だからヘッジをしておく必要があるのですね。(←自分で納得)
Posted by ブクログ
橘さんの新刊。
アベノミクスによる日本政府と日本銀行の政策転換で、今後何が起きるかは誰にも分からないという状況の中で書かれた本。
「日本の国家破産」とは非現実的で仰々しいタイトルですが、将来は不確定なのだから、万が一そのような状況になっても大丈夫なようにリスクヘッジをしましょうという本。そしてリスクヘッジの具体的方法がTPOに合わせて詳しく書いてある実用書です。
橘さんの主張の明確で分かりやすい文章は、ついついどんどんと読み進んでしまい、本が売れるのもよく理解できます。
私もこの本を読んで、金融資産のポートフォリオを見直そうと思っています。
資産は儲けるツールではなく、将来の生活を安定させるための大切な財産と思っている方にお薦めします。
Posted by ブクログ
これからの経済見通しを著者の考える3つのシナリオ(楽観、悲観、破滅)を想定し、日本の国家破綻に備えるための方法が記されている本。
楽観、悲観シナリオでは預貯金が有効だとしています。
財政破綻は国債暴落により金利上昇し、地価や株価の下落、住宅ローン破産、企業倒産、失業率の増加などが予想され、対策をすべきとの主張です。
「日本の国家破産」については、随分前から沢山の著者が指摘していますが、それらの著書に現実的で具体的な対策が記されていることは少ないと思います。この本はタイトルのとおり「マニュアル」であり、分かりやすく書かれています。ただ、私が思うに、このような対策ではなく、外貨を生み出す何か(米国株や海外の収益不動産など)を手に入れるほうが良いと思います。簡単に出来るかどうかは別ですが。
Posted by ブクログ
・楽観・悲観・破滅のどのシナリオでも普通預金が最強
・日本経済が破綻しても、手近にある金融商品だけで
資産のかなりの部分を守ることができる
・海外投資するにしても、ネット銀行外貨預金のみで問題ない
Posted by ブクログ
この人の著作も出来・不出来の差が激しいが、今回はなかなかよかった。
日本の破綻、終末論というのが一定の人気を博しているが、仮にそうなったとしても普通の人にはすることもないし、慌てる必要もない、というごもっともな意見。ただ、正論なだけにつまらない、この内容を本にして出そうというのはやはりそれなりの見識と自信の現れか。著者も言うように、日本人の平均(中央値)の流動性資産は所詮、退職金の1500万程度。そのうち500万を株に回して10%の利益があっても50万。定期預金で2%もらうとして10万。差額の40万は、はたして取りに行く価値のあるリスクか?ほとんどの人にとっては普通預金で十分。いわゆる「危機本」に右往左往する前に、ゆっくり考えてみる必要がある。
まず、国債の発行が限界に達すると、金利が上昇する。金利が上昇すると、そのごく初期には通貨は高くなるが、裁定が働き、長期的には安くなる(円安)。
・国債ベアファンドであるJGBS(レバレッジ1倍)とJGBD(3倍)が使える。先物はロールオーバーにコストがかかるし、限月の際に利益が出ていると税金がかかるなど不利な点も多い。
Posted by ブクログ
課題図書。
序破急で、日本がどのように崩壊していき、どのタイミングでどんな運用をして資産を守るかシンプルに書かれてある。導入としては読み易い。結局、「理論上は」という内容なので、一情報として自己判断材料の一つにすればいいと思う。どうせうまい話なんて、人に教えるわけもなく。そこをカバーできるほど印税が入るわけでもないだろうしね。シンプルで国家崩壊の危機についてわかりやすいので、導入本としてはいい。
Posted by ブクログ
日本経済の未来は楽観シナリオ,悲観シナリオ,破綻シナリオの3つの可能性が考えられるというが,国家が市場をコントロールできず政治家が選挙第一で財政再建ができない現在,先行きを考えると暗澹たる思いにかられる。救いを求めこの本を手に取った。リスクはヘッジできるので資産に対し最適なヘッジをかけさえすればいいしその方法を示して入るが,素人に果たしてそれができるのか…
Posted by ブクログ
人類は放射能を安全に管理する科学技術を持っていません。だとすれば、「核」はもともと手を出してはならない禁断の果実だったのです 財政破綻のインフレでは地価も株価も下落する 金投資はギャンブル 日本人の海外投資に最適なETF「ACWI」 内容的に難しいと感じる 腰を据えて取り組む必要あり 2013.3の出版
Posted by ブクログ
国家破産がもし起きたら、、、のために書かれた1冊。
この人の小説はおもしろかったと思って読んでみましたが、やっぱり金融のことは理解できず。
覚えているのは、朝起きたらいきなりお金が紙くずになってるなんてことはなくて、緩やかに悪化していくということでしょうか。
国際価格の下落(金利の上昇)→円安→インフレと進むようですが、今がそうでないことを願うばかりです。