橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
連載が開始されたのは2011年は、民主党政権下で東日本大震災や福島第一原発の事故があり、原発ゼロに代表される、本質的には解決不可能な問題に対する意見が世間には溢れていた。素人の集合知が専門家の判断よりも正しいということがわかっており、集合知を活かすには多様な意見が重要とされることから、本書は主流派と違う一見風変わりな意見を提示している。「不都合な真実」でもふれられた、ヒトの知能は遺伝が主要因で子育てなど環境の与える影響は相対的に小さい、ことも紹介されている。
週刊誌の連載をベースにしているので1話ずつが短くて読みやすい。紹介される参考文献の中にも面白そうな本が多い。 -
Posted by ブクログ
橘節満載。面白い。
論点: 安倍政権の政策はリベラル政策。
世界は、急速にリベラル化している。今の保守層だって、その言動は、50年前の中間層よりもずっとリベラルより。
リベラルは、どの国の国内でも少数派だが、世界全体で見ると、他の国のリベラル層と連帯できるために多数派になる。保守層は、国内では多数は出会っても、ナショナリスト(自分たちの優位性を守りたい)であるために、他の国の保守層と連帯できず、国際的には少数派になる。
国内で保守層が強いのは、理論ではなく、感情に基づいた思想だから。人間の脳が進化の過程で獲得した性質が保守思想を生んでいる。
国内では、保守層に訴えかけ、国際的にはリベラルな政策をとっている安倍政権は、無敵。
きれいごとを言う人は、「道徳の勘定」効果により、自分のことになると道徳に反したことをすることに抵抗が少ない。このダブルスタンダードが批判される。
人の性格のかなりの部分(30%以上)は遺伝の影響を受けている(知能は、80%程度遺伝の影響)。 -
Posted by ブクログ
2016.11記。
本書は日本の経済あるいは社会の行く末を論じた本である。が、類書の大半とは異なり楽観論、悲観論を訴えたり、(リフレ派対財政規律派のような)学術論争にも関わらない。一貫しているのは「変化への備え」を提供しようという意志だ。
私が読んだところ、本書を読む上で最低限持っておかないといけない知識は以下の三つだけ(それも文中で説明はされている)。
① バランスシート(あと、できればレバレッジ)
② 現在価値
③ 分布(正規分布とロングテール)
さらにそれを要約するとおそらくこんな感じ。
「我々は自分の持っている資本(お金やあるいは自分の能力そのもの)を使って資産を大きくしていく必要がある(バランスシート)。
今我慢して後でもらうか、今稼いで後で楽するか、それは考え方次第だが常に現在のお金に換算すればいくらか(現在価値)、を意識する必要がある。そして環境変化の形(分布)、つまりはリスクをイメージしておかないとあてが外れた時に非常に生きるのがむずかしくなる。
だから働き方レベルで人生を考えた方がいいし、最低限の経済の仕組みは理解した方がいい。でも読書をする人は国民のせいぜい10%。全員がそうなるのは無理だよね」。
私なりに大胆に著者の思いを解釈するならば、現在の日本が「生き辛い」のは自由競争の結果ではない。むしろ自由競争を排除しようとする圧力の結果だ(例えば解雇ができない労働市場はかえって再就職を難しくしている)。あるいは自由競争の大前提である「スタートラインの平等」が脅かされている結果だ(その典型例が人口減と社会保障の肥大化による世代間格差)。
そして、自由競争のもう一つの前提である「とはいえ本当に例外的なことがおきたら助けてもらえる安心感」の欠如の結果だ(その例として、震災・津波により生活基盤を根こそぎ奪われた人たちに差し伸べられた支援の弱さ)。
著者の橘氏、以前からブログ記事が面白いと思っていた。書いてあること自体は、国内外の経済社会問題に普通の関心があればごく常識的なこともわかるだろう。しかしその整理は明快。これからも随時読み進む予定。 -
Posted by ブクログ
アベノミクスによって景気は回復していると言われるが、見通しは不明。
デフレは「良いデフレ」「悪いデフレ」はなく皆「デフレ」。
インフレは経済セ成長を伴う「良いインフレ」と伴わない「悪いインフレ」がある。
インフレになっても経済成長を伴っているかは別で、ここでアベノミクスの評価が分かれる。
国家破産(ハイパーインフレ)になった時に起こるのは、
1金利の上昇
2円安
3インフレ
最初の時期は預貯金で十分だが、さらに進めば
1国債ベアファンド
2外貨預金
3物価連動国債ファンド
*世界市場に投資 上場MSCI世界株
さらにさらにすすめば、
FX、金融先物オプション取引、株の信用取り引き
で辛酸を守るとともに、利益を得る。