橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書のカバーを見ると、同じ新潮社から出ている『言ってはいけない 残酷すぎる真実』 (2016年、新潮新書)の続編に見えるが、つながりはない。『言ってはいけない』は、月間『波』連載されていた「残酷すぎる真実」に加筆・改変したものである。
一方、本書『バカと無知』 (2022年、新潮新書)は、『週刊新潮』に連載されていた「人間、この不都合な生きもの」に若干の加筆・修正し、付論2編を加えたものだ。作者が同じなので、続編と捉えても違和感がないが、出自は違う。
本書の章立ては下記のようになっている。
第1章 正義は最大の娯楽である
第2章 バカと無知
第3章 やっかいな自尊心
第4章 「差別と偏見」の迷宮
第5章 すべての記憶は「偽物」である
本書には一冊を通した大きなテーマはない。強いて挙げれば、「人間」ということになるが、これではあまりに広すぎる。話題は、キャンセルカルチャー、皇族、人種差別などの時事ネタに関連したものが多い。
読んで理解をすれば、人間に対する理解力は上がる。たとえば、「バカは自分がバカであることに気づいていない。なぜならバカだから」ということ。次のリストに書かれていることにも驚かされるのではないだろうか。
1.日本人のおよそ3分の1は「日本語」が読めない
2.日本人の3分の1以上が小学校3~4年以下の数的思考力しかない。
3.パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。
(p81)
いくら説明してもわからない人たちが、多くいるということを理解していれば、腹を立てたり、無駄な言い争いをせずに済むかもしれない。 -
Posted by ブクログ
【近づく現実インフレ】
ー インフレに強い -
現金はインフレにもっとも対抗できない金融商品となります。
インフレが起きると商品の金額が上がるため、実質お金の価値は下がります。1000円で買えた商品が1200円を払わなれば買えない状況となります。
インフレになると不動産やゴールドの価値も上がりますが、株式がもっとも顕著に上がる金融商品です。インフレ対策として株式を保有することは理にかなっています。
ー 信用取引 -
信用取引は素人がしてはいけない投資と言われています。
レバレッジを利かしたFX、先物取引、株式の空売りなどがあり、資金を持っていなくても大きな取引ができてしまいます。そのため、儲けも大きくなりますがマイナスになったときの損失も大きくなります。
住宅ローンでマイホームを購入する行為も信用取引と同じで、頭金なしで4000万円とか5000万円の取引ができてしまいます。
FXでレバレッジを利かして5000万円の取引をしたら資産を一瞬にして無くす可能性があり、バカ扱いされます。しかし、同じように頭金なしで5000万円のマイホームを購入してもバカ扱いされることはありません。
やっていることは同じで、しかもマイホームは金額的にも何千万という大きな金額になり、リスクとして人生を狂わすほどリスクを追うことになります。
ただ、だれもそれには警笛を鳴らしません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今までのデフレ時代は終わり、これからはインフレが進むので、株や不動産などの資産形成をしましょうという本。資産形成=贅沢に暮らすためくらいな感覚だったが、これからは資産形成してないと生きていけなくなる。
資産形成ってした方がいいのって思い出した人は早く読んだ方がいいと思う。
あとは、自分用の備忘であるが、インフレ時代の最適なポートフォリオは、
インフレを懸念では、
・日本株
・国内不動産
金利上昇を懸念では、
・国債
円安を懸念では、
・外貨預金(ドル)
・米国債
インフレと円安懸念では、
・海外株式(インデックス)
・金
とのこと。 -
Posted by ブクログ
内容は全体的に示唆に富むが事実と異なる記述があり、そのため本書全体の説得力信頼性を下げている。
またそれほど読んでいて面白いと思うものではない。
事実と異なる例:
9
日本も北欧のように大学を無償化しろ」と主張するひとがいますが、北欧の大学で行なわれているのは実学(職業教育)で、人文系の学問は「趣味」として自費で勉強すればいいとされている
印象に残った部分
9
メンバーシップ型の日本企業は、ジョブがなくなった正社員を異動させ、他のジョブをあてがっています。こうして、「営業から総務部へ」という異動が当たり前のように行なわれるのですが、これを聞くと欧米のビジネスパーソンは腰を抜かすほどびっくりします。ジョプとは「専門とする仕事」のことで、異動で別の仕事をさせられたらキャリアが途切れてしまうからです。その結果、日本のサラリーマンはみな「我が社」の専門家で、自分の専門分野については素人になってしまいました。
新浪社長が「45歳定年制」でいいたかったのは、会社に滅私奉公しているだけではこれからの時代を生き延びていけないから、45歳までにどの会社でも通用する専門性を身につけるべきだということでしょう。
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ウィルキンソンとピケットの研究は格差に反対するひとたちが飛びつきそうですが、なぜか日本ではほとんど話題になりません。その理由は、図表8を見れば一目瞭然です。「各国のもっともゆたかな20%のひとびとは、もっとも貧しい20 %のひとびとの何倍ゆたかか?」を格差の指標にすると、OECD諸国のなかでもっとも経済格差の大きいのがシンガポール、次いでアメリカで、もっとも格差が小さいのが日本になっています。
図表9(176ページ)は所得格差と「健康および社会問題インデックス」の相関を示したものですが、グラフ(回帰線)はきれいな右肩上がりになっていて、所得格差がもっとも大きなアメリカが健康度がもっとも低く、所得格差がいちばん小さな日本が健康度がもっとも高くなっています。
女性の地位などいくつかの例外はあるものの、ほとんどの指標において格差の小さな日本の状況は先進諸国のなかではずっとマシな部類に入ります。
世界中の格差を研究したウィルキンソンとピケットによれば、日本は北欧諸国と並ぶ「最優等生」なのです。
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会社が存在する根本的な理由のひとつは、市場参加者が必要に応じてその都度集まるやり方では完備契約が結べないことにあります。
現実の世界では、将来想定外の事態が起きたとき、誰がどうするかが決まっていないということはしばしばあります。会社が資産を所有していれば、不完備契約であいまいなことについて残余コントロール権を行使できます。会社は、契約に明示されていないすべての決定権を経営陣に与えることでやっかいなホールドアップ問題を回避しているのです。
未来世界で管理職はいなくなるのか?
会社(法人)は個人と異なって、恒久的に存続します。どれほど信用力が高くても巨額の契約を個人と結べないのは、当事者がいつ死んでしまうかわからないからです。これでは長期プロジェクトや長期投資をすることができません。
さらに会社(とりわけ株式を公開している会社)は明示的なルールに縛られていて、行動の予測可能性が確保されています。それに対して個人は、きまぐれで (あるいはなんらかの精神疾患のために)すべての契約をいきなり反故にしてしまうかもしれません。
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3 会社や管理職はなくなるのか?
こうして、デジタル・エコノミーの時代でも会社はなくならないばかりか、少数のプラットフォーマーが大規模化していきます。その一方でフリーエージェントやマイクロ法人(個人事業主の法人化)のように「組織に所属しない働き方」 も一般的になり、彼らはプラットフォームを使って自らの専門性と仕事をマッチングさせ、さまざまなコンテンツを流通させていくようになるのです。
マカフィーとブリニョルフソンは、会社と同様に管理職もなくならないといいます。
管理職は1998年にはアメリカの労働人口の12・3%を占めていましたが、 2015年には15・4%に増えています。これは一見奇妙なようですが、働き方が「二極化」していると考えれば理解できます。デジタルエコノミーでは、フリーエージェントと管理職がともに増えるのです。
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この現象は、「ルーティンワークのスキルに対する需要は大幅に減ったにもかかわらず、調整、交渉、説得、社会的認識能力などの「ソーシャルスキル」に対する需要は高まった」からだと説明されます。全職種を通じてソーシャルスキルを 「必要とする仕事は24%増えたのに対し、統計や分析など数学的スキルの方は1% 増にとどまっているのです。
管理職のソーシャルスキルとは、「部下なり同僚なりの感情や欲求を察知し、 気持ちよくいっしょに働けるようにする能力」のことです。管理職が必要とされるのは、3つの理由があるとされます。
①世界がひどく複雑になり、変化のペースが速くなったこと。このような世界で生き抜くには調整やすり合わせ、根回しが重要となるが、それを全部ソーシャルメディアで代替することはできない相談で、橋渡し役となるミドルマネージャー(トランスミッションベルト)がどうしても必要になる。管理職は、小さな問題を解決し、大きな問題を上司にあげ、上の指示を噛み砕いて下へ伝え、 下の言い分をうまく上に伝え、交渉し、討論し、その他諸々のソーシャルスキルをあちこちで発揮することで、組織の仕事をスムーズに回し、つっかえたり滞ったりしないように気を配る。
②大方の人間は数字やアルゴリズムだけでは納得しない。たいていのひとは、無味乾燥な数字よりも、説得力のあるストーリーやエピソードに心を動かされる。これは消費者だけでなく従業員も同じで、賢い企業は顧客に対してだけでなく社員に対しても高度な説得術を駆使する。
③会社(組織)が存在するいちばんの理由は、人間というものはいっしょに働き、助け合うのが好きだからだ。社会がどのように変わったとしても、大多数のひとは、どこかに集まって「みんなで」働きたいと思うだろう。だとすれば、誰かが仕切り役を買って出て、うまく意見をまとめてみんなに分担を割り当てなくてはならない。 -
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エロス資本に依存するしか無い女性達から生きる方途を奪う「虐待」だ 私達は遺伝子の複製の為のヴィークル(乗り物)に過ぎない 生存と生殖はトレードオフなのだ 貧困層が「インスタントな幸福」を手に入れようとジャンクフードに依存し 9歳から15歳の間にテストステロン・レベルは20倍に急増する 男性は射精(オーガズム)によってバソプレッシンが分泌される。これは「メイトガード(配偶者保護)のホルモン」で、愛する女性を守り、独占したいという強い衝動を齎す。恋する男が嫉妬に狂うのはバソプレッシンの影響だ。 「托卵」は、長大な進化の過程で編み出された、男(雄)の「浮気」に対する女(雌)の対抗戦略なのだ。 進化のプログラムが対称性の高さを「良い遺伝子」の指標にしているなら、均整のとれた男とセックスした女が(無意識に)オーガズムに達し、その子供を産もうとしても不思議は無いだろう 子宮を吸引ポンプのように収縮させるオーガズムがその為の進化の仕組みだと考えれば 人は元々「乱婚」で、女が喘ぎ声で男を惹きつけ、男は亀頭冠のある長いペニスで政治競争をする。女だけが連続してオーガズムに達する事が出来るのは、一人の男と繰り返し愛し合ったからではなく、複数の男と次々とセックスする為なのだ。 洋の東西を問わず、現実にはあり得ない「一妻多夫」がAVに頻出するのは、現代人の性意識の古層に「乱交」が刻印されているからではないだろうか。 チンパンジーは弱小の群れに遭遇すると、雄と乳児を皆殺しなして(その肉を食べ)、雌を自分達の群れに迎え入れる。何故乳児を殺すかというと、授乳中の雌は妊娠出来ないからだ。乳をやる赤ん坊がいなくなると、雌は再び女性器を腫らして発情するようになる。 間男を避ける最も確実な方法は、自分の女を独占し、ライバルの男を暴力によって排除する事だ。浮気を疑って妻や恋人に暴力を振う事や、殺人事件の殆どで男が男を殺している事は、人類が「一夫一妻」に進化した事の”弊害“なのだ。 WHR0.7という厳しいハードルをクリア出来るのは思春期かり10年程度の短い期間で、この時女性の性的魅力(エロス資本)は最大になる。 美醜による選り好みは、生得的なものである可能性が極めて高い。遺伝子のプログラムを教育で修正するのは困難で、文化的な抑圧は反感を煽り社会を分断させるだけだ。 人の性がどれ程多様だとしても、突き詰めれば、脳の快楽中枢が刺激されるかどうかの話になる。マゾヒストは辱められる事で快感を得るが、これは屈辱を感じた時に興奮する脳の部位が性的快感の領域と重なっているからだ。SM愛好家が珍しく無い事を考えると、こうした「混線」は良く有る事らしい。 この心拍数の上昇を脳が性的興奮のサインと「誤読」しているのだ この「刷り込み説」はあまりに単純だと思うかもしれないが、フェティシズムの対象は思春期迄に固定し、その後は変わらない事が分かっている(30代や40代になっていきなり”足フェチ“になる事は無い)。 一旦エロスの標的がロックされると、脳の報酬系は只管追い求めるようになる。パラフィリア(性倒錯)とは、エロスの対象が社会的に認められているものから大きくずれてしまう事だ。 依存症というのは、アルコールやドラッグ、ギャンブル等、社会的にも本人の人生にもマイナスにしかならない事に脳の報酬系が囚われてしまう事を言う。そのメカニズムはパラフィリアも同じで、「性依存症」という報酬系のトラブルだ。
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Posted by ブクログ
『PLURALITY 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来(サイボウズ式ブックス)』でPLURALITYと対立する概念としてのテクノ・リバタリアンに興味を持った。どちらも中央集権を嫌い、テクノロジーを社会変革の手段として活用する点は共通する。PLURALITYは多様性・多元性を最大化しつつ、少数意見を汲み上げて合意形成を図る。テクノ・リバタリアンは市場原理を最も優先する。テクノ・リバタリアンの中には不動産の私有権を制限してすべてコスト(賃料)に還元すると、売買価格の1/3で住めるという意見がありらしい。古典的なリバタリアニズムにもそのような思考実験があったそうで、市場原理主義の行き着く果てが共産主義なのかと興味深い。市場の歪みを排除していくと共産主義的になるのかもしれない。