橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説も新書も読んだのですが、この人の本は本当にわかりやすい。そして知っていれば本当に得する話というか、金融業界の裏事情、金融行政の至らなさが手に取るように分かります。大学の経営学部や商学部で教科書として用いられているのも納得。
銀行がどうやってお金を搾取しているか、なんていうのはなんとなく分かっていたわけですが、ここでは極めて具体的に綴られているし、身近な話題としてクレジットカードのポイントであったりリゾートマンションの値段の裏側にある事実とか、新聞や広告などの内容を鵜呑みにしているととんでもない目に遭ってしまうこともあるのだな、と。
最近、また面白い本を出されたようなので楽しみです。 -
Posted by ブクログ
新書なので淡々と書かれていますが、マネーロンダリングという一般人に取って雲をつかむような話題をぐっと身近に引き寄せてくれる一冊です。
特にバチカンのローマ法王の怪死のエピソードだったり、アフリカの虐殺の話など、現在の社会問題やら宗教問題、もちろんアルカイダの話も含めて現代史の複雑怪奇な部分までこの本からかなり読み取ることができてしまうという意味では珠玉の一冊。
途中のタックスヘイブンの使い方だったり、複雑な金融スキームを解説しているところは専門的な知識がないと挫けそうになってしまいますが、悪いことをやる人は儲かるんだな、ということと、簡単な儲け話なんてそうそうない、って言うことは端的にわかりま -
Posted by ブクログ
この方の本は読んだことがなかったんですが、愛読しているブログの著者がオススメしていたので乱読してみよう、と1冊目に選びました。
行動経済学とかゲーム理論とか、大学の授業でこういうふうに教えてくれればもっと興味を持って取り組めたのになぁ、と頷いてししまう一冊。内容的にリアリズムを求めてはいけないので、フィクションとして、理論を理解するための副読書としては非常に興味深いです。
ここまでエンタテイメント食を出しながら内容も伴っているということは、筆者のバックグラウンドの知識と筆力がたぐい稀なものであるとの証拠。推理小説以外で「早く続きが読みたい」と思った久々の本です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「行動経済学」を皮切りに、よくありがちなトラブルを抱えた人間の悩み解決を絡めて経済学を解説した、経済小説集。
めちゃくちゃ、わかりやすい!!
いや、シャブの売人の悩みも登場してるから、よくありがちな、とは言いがたいか・・・。SFっぽい描写も多い。割と重い悩みも登場するが、登場人物がコミカルに描かれているため深刻さはゼロ。ただ、ちょっとした描写がさらりとエグい。
話の展開も小気味良くて、読むのが楽しかった。ページをめくるのがもどかしいほど。しかし最終章は、いきなり家出した女子高生目線で物語が進むため雰囲気が変わる。私は第三者的目線で淡々と語られる方が楽しめたな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「自由」の理想系。
大手弁護士事務所のジュニアパートナーの座を目前にした主人公は、その身分をなげうって自由を手に入れる。
彼は「非居住者」としてオフショアを転々とし、どの国家にも納税しない、独立した個人だ。
冒頭の会話が秀逸。
バカンスでハワイのビーチにやってきたNYの弁護士ビルとの会話。
ひとしきりわが身の不幸をしゃべり散らしたあとでビルが訊いた。
「ところで君、なにしてるの?」
「海の見える場所を旅してるんだよ」
「それに何の意味があるんだい?」
「なにもないよ」
「どういうこと?」
「人生に意味があるとかないとか、そんなのうんざりだよ」
「なんてことだ!」ビルは叫んだ。「君は俺の人 -
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この本の著者である橘氏は、サラリーマンで生活するよりも、マイクロ法人化することで税金をコントロールすることで、可処分所得を大きくすることができるメリットを解説しています。
同様な考え方は、「金持ち父さんシリーズ」を書いたロバート・キヨサキ氏も述べていたと思いますが、橘氏は日本の税制に沿った、日本人に役立つ方法を述べています。
とは言うものの、彼の提案を実際に実現できる人は、限られているのではないかと私は思いました、このような偏見を持っている限り「自由人」になるのは難しいのかもしれませんが。
以下は気になったポイントです。
・若いときは人的資本で稼いで、年を取って働けなくなると金融資本と -
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不動産と保険の話。これらは人生設計の上で大切な要素ですね。両者とも金額が高い商品ど、この選択如何によって人生が大きく左右される…。ボクも30代半ばに差し掛かっているわけで、この問題に取り組まないわけにはいかないのです。
不動産についての著者の結論は
現在の経済環境下では賃貸が合理的。資産価値としては、コスト・リスクを考慮すれば、一般的な金融商品と比べ不動産は決して得ではない、と。さらには、結婚して子供を私学に通わせたいのであれば、賃貸の選択しかない、と。将来の経済的独立を叶えるには、かくも厳しいのか、と現実を突きつけられます…。しかし、こういったこと一つ一つに答えを出していかないと、後で大変