橘玲のレビュー一覧
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橘玲氏の投資本を初めて読んだ。2007年頃書かれた単行本に、2011年に加筆して文庫化されている。2017年の現在読むと、既に変化してしまっている部分もあるが、幅広い海外投資商品に言及してあるので、参考になる。日本で働いている以上、生涯賃金を人的資本として日本に投下しているので、日本株を買うなどして資産ポートフォリオに日本を組み込むのは愚策だという作者の視点は面白い。
ターゲット読者としては、中級個人投資家と思われる。上級者には物足りないだろうし、投資初心者には不案内な言葉もたくさんあるに違いない。
中級個人投資家の私が個人的に面白いと思ったのは、各種ETF商品の紹介や、ミセスワタナベの戦略、 -
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ネタバレ富裕層ははっきり言って、
相続税をまともに払えば
崩壊してしまう事態になるわけ。
結局のところ税を納めてもらうチャンスは
それだけなくなるわけ。
マネロンの手法を詳しく解説する本。
かの有名なライブドアの事件も
ここでしっかり解説されています。
まあ、複雑な手法を持って
莫大な金を生んだわけですよ。
(ン十億ですってよ!!)
結局匿名の部分を悪用したり
他国の法律の穴をかいくぐっているので
結局のところ犯罪がなければ
そこを突くことは不可能です。
犯罪に使われたとて
早急に何とかしなければ
そのお金は悪しきものの手に渡るわけですよ。
そう、テロ組織とかね。
たぶん、マネロンに関しては
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身の回りの経済のことが分かりやすく示された良書。
給料明細の見方、国民年金、健康保険、税金、住宅、子育て、車、生命保険…
資産形成=(収入−支出)+(資産×運用利回り)だから、支出を減らせばお金は溜まる。
インフレ
①貯金の多い人は不利
②借金の多い人は有利
デフレ
①貯金の多い人は有利
②借金の多い人は不利
「経済的な独立」の達成。
経済的な独立に必要な資金=f(年間生活費、運用利回り、余命)※fは関数
65〜90歳まで年間500万の生活費=7200万
65〜90歳まで年間240万の年金受け取り=3500万
65〜90歳まで年間360万の生活費=1600万
借金について
クレジット -
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おじいちゃんの遺産が 20億円。
行方不明のお父ちゃんの借金が 150億円。
その孫へ おじいちゃんは 税金を払わないで、
孫に 20億円を譲りたいと言う。
このスキームを 恭一は どう達成するのか?
150億円は 債券化されて、菱和債権回収がもっている。
BVI ブリティッシュヴァージンアイランズ。
カリブ海のタックスへイヴンの国。
そこの ケーエイチコーポレーションが 菱和債権回収から
1000万円で購入している。
ケーエイチコーポレーションは 堀山の会社であった。
行方不明のお父ちゃんは、ハワイでレストランをやっていて、
そのレストランを 堀山に 売った。名義はそのままだった。
それ -
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橘玲は 実に欲張りな作家かもしれない。
相続税回避の方法、税金のかからない方法など、
実にたくみに 取り込みながら、
シベリア抑留者だった祖父、バブルで儲けたが失敗し逃亡父親、精神を病む孫。
母親は、惨殺され犯人が不明と言う 話題満載のなかで、
20億の遺産を 孫に 税金を払わずに遺産相続させるという仕事を
引き受けた 元弁護士 恭一。
この男は、なぜ?という疑問をもちながら 生きている。
この仕事を引き受けるにも、なぜなのか、分からない。
設定が 盛りだくさんで、カネ狙いの亡者が 絡み付いてくる。
盛りだくさんすぎて、説明が多すぎるのが、目につく。
それにしても、恭一、まゆ、智子 それぞれ -
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ネタバレ・派遣切りや新卒の内定取り消しが相次ぎ、街には失業者が溢れ、どこを見ても暗い話題しかないけれど、
そんなニュースばかりじゃますます暗くなるだけだ。
朝から晩まで「不景気だ!」と騒いでいたって景気はよくならない。
みんなが好きな仕事に就けて、毎年給料が上がっていって、会社は一生社員の面倒を見てくれて、退職すれば悠々自適の年金生活が待っていて、病気になれば国が下の世話までしてくれる
──そんな理想郷を勝手に思い描いて、その夢が裏切られたと泣き喚くのはそろそろやめよう。
そんな都合のいい話があるわけないって、幼稚園児だって知っている。
世界はもともと理不尽なものだ。
みんなの都合のいいように -
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橘玲が得意とする厭世的なハナシで世の中の不具合をバッサリと切っていく。
民主主義と資本主義は並立しているが、前者は1人1票、後者は1株1票。積立不足分を厚生年金が補充する国民年金ほど優れた商品はないから、その点を社会保険庁は宣伝すべき。国民のプライバシーを侵害しなければ確定しない所得税より、人頭税の採用を。
例によって、身も蓋もない露骨な表現だが、説得力は充分。「知的幸福」につながる、誰もが知っておくべき情報だ。ただし、読んでいて気分が良いかどうかは、別の問題。
で、なぜ著者がこうしたバッサリ論を振りかざすような人間になったのか、自身の過去を理由にあげている。珍しく自分語りをする著者。興 -
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元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生は余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫まゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとき、かつてシベリア抑留者だった麻生に殺人疑惑が浮上した。
まゆは幼い頃に母を殺された未解決事件にまだ苦しんでいた。アメリカで失踪した悠介の居場所はつかめない。麻生の死期は迫る。真鍋には時間がなかった。そもそも麻生はなぜ無税の相続に拘るのか?そして、まゆが何者かに誘拐された―。人間の欲望と絶望、金と愛情、人生の意味までを、大胆かつ繊細に描ききった新世代の『