橘玲のレビュー一覧
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テクノリバタリアンというか、デジタル至上主義的な思考というのは、効率性追求社会において徐々に当たり前の考え方になってきており、これは一面では、「アナログを馬鹿にして、その社会に着いてこれない人間を置き去りにするような」現代の優生学的ムードだと思う。教育の普及、識字率が高い事が前提だが、しかし、アプリケーションの基礎的リテラシーに欠くため、その認知レベルの狭間で、気付かぬ詐欺的な搾取、思想誘導の被害にあっていくのだ。
いわば、「デジタル寡頭制」ではないか。
そしてそのプラットフォーマは、資本主義的な錬金システムとも相まって覇権を広げていく。
本書はそうした構造的な話を個人単位まで落とし込み、 -
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ひとは自由に生きるのが素晴らしい
これに対して、リベラリズムは若干の修正を加える。
ひとは自由に生きるのが素晴らしい。しかし平等も大事だ
自由主義に対抗する思想として「共同体主義(Communitarianism: コミュニタリアニズム)」があるが、それとても「自由」の価値を否定するわけではない。彼らはいう。
ひとは自由に生きるのが素晴らしい。しかし伝統も大事だ
たったこれだけで、現代の政治思想の枠組みが説明できてしまった。アメリカの共和党と民主党が典型だが、二大政党による政治的対立というのは、「自由」をどのように修正するのか(あるいはしないのか)のアイデンティティ闘争な -
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なんかあったのかな、、と思わされるほど辛辣でストレートな言い方。性質への理解はできたが、バカ、という表現以外で表せたらいいなあ。認知の欠如、とか、バイヤスがかかってる、とか、硬直マインドセット、とか。。
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人間がなぜ愚かな行動をとってしまうのかを、進化心理学や脳科学の視点から解き明かす本。
* 「バカ」と「無知」の違い:
* 無知: 単に知識がないこと。学べば解消できる。
* バカ: 自分がバカであることに気づいていないこと。客観的な事実を提示されても、それを正しく理解できないため、自分の評価を修正することができない。
* ダニング=クルー -
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上級国民という言葉が世に出てから久しい。
3部構成で、第一部はバブル崩壊後の平成の労働市場がどのように下級国民を生み出したのか。
第二部は「上級国民/下級国民」が「モテ/非モテ」につながることを論じる。
第三部は日本だけでなく先進国を中心に世界中で、「上級国民/下級国民」の分断が進んでいる背景を論じる。
良くも悪くも、団塊の世代が全てあの世に行ってからが、日本の後期近代の始まりとなるか。
第三部からが非常に興味深い。
明確な数字を元に表を見せられると、究極のリベラル化した世界もあながち夢物語ではなくなるのだろうか。
人工知能が人間の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)は2045 -
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ネタバレ期待して読んだが、面白かったが何を学べたのかわからない印象。
【旧版】ティッピング・ポイントの3原則(2000)
1. 少数者の法則(The Law of the Few)
社会的感染を引き起こすのは、ごく少数の「特別な人物」である。
この「キーパーソン」は以下の3タイプに分類される:
Connectors(コネクター):多数の異なる社会圏をつなぐ人
Mavens(メイヴン):知識の豊富な情報通
Salesmen(セールスマン):人を説得する力のある人
2. 粘りの要素(The Stickiness Factor)
情報が拡散するには、「人の記憶に残る」「再生されやすい」特 -
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マイクロ法人の入門書。
橘玲氏の本は、十数冊かそれ以上、かなり読んでいる。本書で提案されているマイクロ法人の概念は、氏の本で何度も読んできたが、本書が一番詳しく載っている。
内容は、現行の仕組みを的確に利用することで、惜しみなく奪われているサラリーマンより、有利になるといもの。現在個人事業主で、法人化を考えている人は一読の価値がある。
本書を読んだからと言って、「雇われない生き方」ができるようになるわけではない。節税がメインテーマであり、ビジネスのアイデアが得られるものではないからだ。本書は実践ガイドではない。マイクロ法人という概念が得られるだけだ。それは本書のあとがきにも書かれている。
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DD論の定義が最初に分かり易く書いてあるので、まず読む前にこの本はこの位の気持ちで読み進めばいいのか、と目安になる。
発刊当時の時事ネタについて、引用も多く、少し時間が経った現在からすると、そんなこともあった、とかいつまんで把握できた。
さて、DD論。どっちもどっちは、ほんまそれ。
使い古されている表現だが、置かれた立場から見た、考えた、その景色からの評価、考え方、認識でしかない。
と、みんながみんな思えればいいけどね!
その当人にとっての、その場の平和的解決方法がその言動であり、
その時点を離れたらまた複数の選択肢が現れる。
多数の人間が集合することで、様々な知が入り乱れ、統率は難しく