橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1960年代、平和で豊かな時代が続いた中、アメリカ西海岸で「自分らしく生きる」というリベラルな社会の新たなルールが生まれ、世界中に浸透する。そのなかで社会的・経済的に成功したものが評判と性愛を獲得するという困難なゲーム(無理ゲー)を一人で攻略しなければならない。誰もが知能と努力で成功できるという建前ではあるが、上下の格差が大きくなった社会が生まれている。
[無理ゲー社会とは超格差社会のこと]
この本で描かれている無理ゲー社会とは大きく広がった格差社会のこと。昔から格差は存在しているけれども、現在はその格差が上下で大きく開いている。ここでは格差として知能格差社会、経済格差、性愛格差としてそれぞれ取り上げられている。
まず知能格差社会では、「能力主義」と訳すメリトクラシーを中心に、その背景として「教育によって学力はいくらでも向上する」「努力すればどんな夢でも叶う」という信念がある。これらの考えは「リベラルな社会」を成り立たせる最大の神話となっているけれども、不平等の原因として是正措置が検討されている。最近話題となった遺伝ガチャという言葉だが、昔から遺伝ガチャだとは思うものの、ここでは多くの日本人は日本語読解力が低いことを指摘されている。
次に、経済格差ではアメリカの白人の大卒と非大卒とを比較して、非大卒の自殺の多さを取り上げ、特にアメリカでは学歴によっては経済的な苦境に陥ることが分かる。日本における非大卒の経済的苦境と、非大卒が教育に期待しなくなってしまったことを挙げられている。
最後に、性愛格差として、男が競争し、女が選択する、という状況の中アルファと呼ばれる社会的・経済的地位の高い男に圧倒的に優位な恋愛市場となっていること、貧乏な男はモテないという現実が描かれている。 -
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以下、目次と要約メモ。
<はじめに>
「リベラル」が嫌いなリベラリストへ
筆者の立場
リベラリズム
パトリオティズム
世俗的進歩主義
進化論
統計学・ゲーム理論・脳科学
自由>文化・伝統
非武装中立論
侵略に対しては降伏?
市場経済・自由貿易に対するスタンス
従軍慰安婦問題の誤報
<パート0 「リベラル」の失敗>
「沖縄『集団自決』裁判」とはなんだったのか
小さな島の悲劇
「歴史」と「記憶」をめぐる争い
人間としてつぐなうにはあまりにも巨きい罪の巨塊
極限状況での「弱者の運命共同体」
軍紀に違反した大量殺人者
25年目の「同窓会」
覆される「通説」
将兵と“玉砕”した朝鮮人慰安婦
「軍命」と援護法
生き残ったロミオとジュリエット
勝てるはずのない裁判
あべこべの世界
45年前の「失敗」
市民を守らない「軍隊」
<パート1 不思議の国のリベラリズム>
「民主主義」をやめることから始めよう
安保法制を議論する前にやるべきことがある
集団的自衛権の行使に反対するひとたちはなぜ空洞化するのか
ジコチューには集団的自衛権はわからない
国民のエゴイズムによって平和な時代はつづく
「戦後民主主義」から訣別できなかった朝日新聞の蹉跌
国内の歴史論争で勝って、海外の人権で完敗した慰安婦問題
慰安婦問題を「最終的で不可逆的」に解決するために
“加害者”が責任を追及する不思議な世界観
安倍談話を批判する日欧米メディア
中国の“デタラメ”にも理由がある
日本だけが加害の歴史を原爆・敗戦という被害で相殺していることへの批判
ギリシアがドイツの「戦争責任」を問題にするのはなぜ?
冷戦下の国際政治状況と過去のいきさつが関係ないので・・・
日銀の「約束」はどうなった?
物価上昇のコミットメントは空約束となった
マイナス金利で「不思議の国のアリス」の世界がやってくる?
お金を借りると利息が貰えるが、預金を減らすのは現実には難しい
軽減税率は「信者」のためのもの?
公明党の強硬な主張で導入される
あまりに情けない軽減税率論議に、民進党ができること
同性婚に「日本の文化」で反対する自虐的なひとたち
安保法制もTPPも予定調和で決まっていた
“進歩的”似非リベラルからまっとうなリベラルへ
集団的自衛権+自衛隊を国軍として明記+シビリアンコントロールの徹底
日本的雇用の改正+同一労働同一賃金+定年制廃止
政治の役割は進化論的な歪みを正すこと
差別と暴力の抑制
<パート2 日本人の働き方はこんなにヘン>
理屈をいう前に、まずは保育園の送り迎えから
「派遣」をめぐる議論はなぜいつも下らないのか
”奴隷労働”をしながら「残業代ゼロ」を批判する不思議なひとたち
「残業代ゼロ法案」に反対するほんとうの理由
革命家の理想から「ブラック企業」は生まれた
ブラック企業問題は市場原理が解決する
女性管理職の割合が上昇しない不都合な理由
安倍内閣はなぜ「女性大臣」で失敗するのか?
「女性が輝く社会」はまず官公庁から
新卒一括採用という「年齢差別」はもうやめよう
「同一労働同一賃金」が都合が悪いほんとうの理由
「差別のない明るい社会」を目指してほしい
<パート3 テロと宗教>
なぜイスラームだけが風刺されるのか?
「イスラームと『イスラム国』は無関係」ってホント?
「信仰」だけがなぜ特別扱いされるのか?
「表現の自由」を定めた憲法21条は削除したらどうだろう
「ひとが嫌がることをする表現の自由はない」なら、映画を観ることすらできない
「自己責任」は自由の原理
国家に母性愛を求めるのは気持ち悪い
「理想」を実現しても、なにもかもうまくいくとはかぎらない
テロとのたたかいに「理性」が役に立たない理由
理性の本質は自己欺瞞→原理主義は説得できない
福祉国家は「差別国家」の別の名前
ヨーロッパの難民は「理想」が生み出した
自爆テロの中核には「信仰」がある
<パート4 素晴らしい理想世界>
覚醒剤じゃなくても、みんななにかに依存している
危険ドラッグ問題を解決するもうひとつの方法
地方創生にはカジノより大麻特区を
12才の子どもでも安楽死を選べる「自由」な社会
「終活」とは自殺合法化を考えること
障がいのある胎児の中絶をどう考えるか?
ピーター・シンガー:障がいのある乳児の安楽死の是非
「フィンランドがベーシックインカム導入?」の結末
知識社会は”人種ポピュリズム”から”リベラルなポピュリズム”へ
アメリカの反人種差別デモに、白人はなぜいないのか
「教育と格差」をいい立てるうさんくさいひとたち
→知能は遺伝するという不都合な真実を隠しているひとたち
誰もが不道徳を知っているが、誰もそれを説明できない
道徳は文化によって異なり、時代によって変化する
他人を不道徳と非難するのは最大の娯楽のひとつ
プレゼンテーションで他人を支配するのはかんたん?
「中国産食材」は国産より安全?
「オッカムの剃刀」と不愉快な世界
より単純な説明が正しいが、「政治的」には・・・
<エピローグ まっとうなリベラリズムを再生するには>
正義の基準
反転可能性
フリーライドの禁止
ダブルスタンダードの禁止
従軍慰安婦問題
アジア女性基金の誇るべき意味
憲法9条
絶対平和主義:抵抗はデモ・ゼネストなど非暴力手段を取るべき
現状は既に解釈改憲:自衛隊+日米安保
削除して徴兵制の導入
天皇制
「リベラル」はリベラリズムを率先せよ
<あとがき> -
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法律をすり抜けながら金を海外に移す方法が、合法的なやり方から非合法のものまであらゆる手法が紹介されている。著者はどのようにしてこうした知識を蓄積したのかが気になる。
読み初めは、金持ち達が節税や脱税に精を出し、真面目に税金を払うコトがバカらしくなってくる。しかし、スリリングな展開を追って読み進むにつれ、金に翻弄され人生を狂わされ身を滅ぼす者、精神を病む者、更には命を落とす者達の姿が非情なまでに描かれ陰鬱な気分へと変わる。精神状態が不安定な時は読まない方がいいだろう。
金には色がついている、という登場人物の富豪の言葉通り、黒い金は所詮黒く、黒い人間達が寄ってくるという事である。
誰もが人生をやり直す事ができる訳ではない。だが、努力する事は誰でも出来る。 -
購入済み
世の中の不条理と向き合う
読んでいるうちに何についての本なのか忘れかけるくらい各章ごとに違った切り口で人生のHackを語っていて、純粋に各トピックで扱うテーマが面白かった。恋愛、金融、テクノロジーなどの一見すると別々の話が、人間の合理的行動がもたらす変化という点でつながっているのかなと。淡々と海外の論文や歴史的事実を積み上げて語る語り口は、悲観的な印象を残しつつも客観的信頼性を増している。
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納税と言うトピックについて徴収する側と徴収される側の目線で理解した方が良いことについて詳細を記載した良書。
1.申告納税制度はすべての納税者が税に対する完全な知識を有し正しく納税する意思を持つことを前提としている。よって税務調査では申告税額が本来の税額より少ない場合は納税者の意思を確認する必要がある。
①納税者の理解が不十分だった場合は税務署は指導し、過少申告加算税と延滞税を貸す。
②税金を払う意思がない場合は国民の義務を怠っているため罰則として重加算税40%貸す。
2.納税者の行動
①説明できない事はしない
②説明できるものは全て経費として計上する。
③その上で税務調査で否認されたものだけ訂正する。
3.赤字のマイクロ法人には税務調査ができない,なぜならそもそも赤字のため、利益を上回るだけの経費を否認しなければならないため。 -
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橘玲の本はたくさん出ているので、何冊か読んでいれば、焼き直しに感じる部分も多いが、書かれている内容が同じでも勉強になる部分はある。
本書の肝は、“これからの資産運用は、儲けることではなく、労働市場から富を獲得できなくなったときの保険だと考えるべきだ。”
“日本のように豊かな国では、ほとんどの人は金融資本よりも人的資本の方がはるかに大きいので、金融資本の運用よりも先に人的資本の運用を真剣に考えなければならない”と言うことであろう。
利殖法について語った本の結論が、経済合理性に適ったまともな結論であるのは安心できる。
資産運用の初心者が、ネット情報を元に安易に投資してしまう前に、読むことをおすすめしたい本である。