金融関連本の著者というイメージが合ったので、橘玲さんはこんな本も書くのか、と思わず読み終わった後に著者経歴を見直してしまった。
男女の差異がデータに裏付けされた研究結果をもとにまとめられていて非常に参考になったし、面白かった。
かなり生生しいものもあったが、面白かったものを列挙すると
①魅力的だと思う異性の年齢は、女性がどの年齢層でも自分と同じくらいの年の人である一方、男性はどの年齢層でも20~25前後である
②父子の血縁関係を調べた結果、”実子であることを確信している”グループでは1~3%、”実子であることを疑っている”グループでは15~40%の割合で托卵
③結局、外見とカネ
④女性が活躍...続きを読む できる環境作りにはプレッシャー(本書ではセクハラ、パワハラが言及されている)を抑えることが重要
⑤男性は子どもの存在が野心を高めるが、女性にとって子どもの存在は野心を弱める(被験者はアメリカ地方議員)
⑥主観的な”勝ち”が見えた場合、男性より女性の方が野心が高まる(女性は戦略的に競争するか否かを考え、慎重に行動する傾向がある)
⑦男性は外見が魅力的な女性からの意見に協調する傾向にある
など・・
私自身は30代前半で独身女性で配偶者を持ったり、子どもを産んだりする選択肢がある。その立場からでも、⑤に関しては多くのキャリア女性が子どもを持つことを躊躇する、少子化の原因の一つであると思う。一方、子どもがいること・女性であることは、現状は出世優位になりやすく、⑥を促す環境でもある。例えば私のいる外資系企業であれば男女比率のターゲット数値が決まっているため、多少の能力・経験の差があったとしても、男性より女性を積極的に昇進させている。今は過渡期であり、これまで男性優位であったことを考えると多様性が定着するまでこの方針は問題ないと私個人的には考えている。
あくまでもデータに裏付けられた傾向として上記の結果を受け入れ、”ステレオタイプの内面化”と同様、消極的インプットとならないよう意識したい。