春日武彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ずっと、読んでみたかった人の本。いや別に読もうと思えばすぐに読めたんだけど、なんとなく避けてたかもしれない。でも、今回読んでみて思っていた以上に読みやすくて、分かりやすくていい本だった。精神科医の著書というのは沢山あると思うが、最近はこういう、あまり偉そうに語らない人が流行っているのだろーか、とか穿った見方をしてしまうあたしであるが、どうか。
普段、何気なく行動している先々で、案外沢山変な人がいる。いろんな人が居て、ちょっと関心を持って観察してみると、本当に見ていて飽きない。人間を観察している、なんてちょっと嫌らしいというか、なんか感じ悪いような気もするが、しかし人間観察ほど興味深い事は無い -
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Posted by ブクログ
ネタバレ個人的メモ。
p26 ものごとを単純化し過ぎる、矮小化簡略化し過ぎる態度というか精神状態は、自殺の危険に直結します。自殺者は、自分なりに考えに考え、ついに死ぬしかないと結論を下すわけですが、そのプロセスに身も蓋もない単純化が介在してしまうからそんな結論に至る。
p34 どうこう言っても、猫に不自然な生活を強いているのは確かなのです。一生、他の猫と遊んだり喧嘩をしたり交尾することはない。広い場所を存分に駆け回ることもできないし、鼠を捕まえる機会もない。我が家の猫は猫らしさを奪われているわけで、たとえ安全で快適な環境を提供しようとも、それが猫の幸福に直結している可能性については判断がつかな -
Posted by ブクログ
人にはそれぞれ恐怖を感じる対象がある。怖がりという言葉が何に対してどの様な恐怖心を抱いているか、時には他人には理解できないこともある。大半の人は幽霊などの現実世界には無い様なものを恐れるだろうし、極端なスピードで高速や一般道までをも走る車、包丁を持って近づいてくる人がいれば、有無を言わさず恐怖するだろう。私は幼い頃に高い木から落ちた経験からか、高いところが苦手、所謂、高所恐怖症だ。今世の中を見れば恐怖で溢れ返っている。街中や通勤電車内で刃物を振り回したり、ビルから包丁や人が(歩行者を狙ったのか)落ちてるくる、強風で飛ばされた農業用テントやら看板が電車にぶつかって人が亡くなるなど、自分に降りかか
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Posted by ブクログ
仕事柄、車を運転する機会が多くて、おかしな動きをする車がマジで怖いです。
初心者またはペーパードライバーなのか、公道でなんらかのチャレンジを行っているのか、もしかしたら脳に欠陥があって恐怖心を感じない人なのか知りませんけど、そういうのを見ると反射的に警戒モードになります。
恐怖は、人間が備えた防衛本能であると同時に、恐怖症や不安障害のように人間を追い詰めて弱らせる自滅システムのような一面もある。
あってもなくても困るし、人によって対象も程度も違う。
改めて複雑な感情だなぁと思いながら読みました。
この本は精神科医である著者が、小説や映画のワンシーンを引用しながら、様々な角度から恐怖という感 -
Posted by ブクログ
著者の死への好奇心が詰まった一冊。とはいえ、軽薄なものではなく、死にたいする尊厳と畏怖が随所に感じられた。
第2章については共感した。永遠など、まったく不要。どんなに幸せな状態でもそれは刹那的なものだから価値があり、永遠に続くとなれば必ず虚しさに襲われると思う。それが辛い状況ならなおさら永遠などごめん被りたい。
私自身の病気、母の死を迎えて、死が非常に身近なものになった。それでも、だからなにができるわけでもない。自分が死んでも毎日は続いていく。死ぬ前になにがしたいとか、名を残したいなどもない。ただそこに自分がその瞬間にあっただけ。病気と共に不安と安堵を繰り返しながら、ただひたすらにその瞬間 -
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