無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
前書きで著者が言うように、確かに「後味の悪い読後感」がある。不安感と言葉に変換しがたいおそろしさと…。それでも、その内容を読み取りにかかってしまうあたり、著者がこの本に記したことが一つの真実であると証明しているみたいだ。
不幸になりたがる人は存在する。社会人になってはじめて、その色が濃すぎる人物に会った。その人物に対してずっとずっと嫌な感じがあったのだが、適当な表現が見つからずモヤモヤし続けていた。止まらない微妙な違和感、常識外の世界観、言葉が通じていない感覚、成立しない意思疏通、思考不足で怠惰な依存性。得体が知れないのだ。不可解で不快極まりないのだ。苦手だからあまり関わらないようにしようとか、嫌いだから考えないようにしようとか、迷惑だから接点を少なくしようとか、そういう自分の能動的な意志でコントロールできないのだ。これがノンフィクションであることが怖い。
けれど、この本でかなり理解できた。つまり“そういう”性質が強い人なのだと。人間に潜在する性質であるからこそ、本人はその気はなくとも、「生・進歩・向上」とは真逆のそれを何も考えずに表に出し続けているのを見るのは、とても不快なのだと。受動的で言いなりで特に何か思ったり考えたり自ら行動することもなく人からのアクションをただ待ち続け漫然と生きている人のことは、私には理解できないのかもしれない。そして、できることならばもう関わりたくないのが本音である。
不幸になりたがる人たちについて書き記されたもう終盤の184頁、「危うい芽が自分の内面にびっしりと植わっているような気がして、私は息苦しくなってくる。」という文を読んだ時、昆虫や爬虫類が枝や葉に隙間無く植え付ける大量の小さな卵のようなものが自分の皮下にびっしり広がっているグロテスクな想像が浮かび、まるで体の内側に鳥肌が立つような気色の悪い感覚を覚えた。本当に読後感はよくない。
ただ、いかにも現実離れしたホラーやサイコサスペンスより、よほどおそろしいし興味深い、と思う。
Posted by ブクログ
この本には世間にまぎれこんでしまったちょっと「グロテスク」な感覚、あるいはそれをもった人についての著者の考えが例を引いて述べられていて、いろいろな点でたいへん興味深かったです。扱う範囲はたぶん狂気とか精神病なんだけど、著者の書き方からまったく病的なものと境界にあるものとの見極めをだいぶ丁寧にやっているような印象を受けるので、けっこう説得力があるのですよ。個人的には文学への言説―「月並みなドラマチックなものがもたらす『判りやすさ』」が、グロテスクへの傾向がしばしば面倒くささとか呆気なさによるものと説明した上で、読者と作者の馴れ合いだという指摘に、はっとしました。それで「自虐指向と破滅願望」というサブタイトルが適切なのかというと、ちょっと迷ってしまう。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸