春日武彦のレビュー一覧

  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    ホラー好きとして面白く読めた。ただ「恐怖の正体」というタイトルはやや仰々しい印象で、どちらかというエッセイテイスト。引用元がホラー小説や古い映画が多く、ホラー好きの人が読むと個々人のなかのホラーウィッシュリストが増えること間違いなし。ブログを読んでいる感覚で読める筆致でとてもよかった。

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    2024年02月04日
  • 奇想版 精神医学事典

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    ・私が積んでおくのは辞書の類である。辞書とはさういふものである。 春日武彦「奇想版 精神医学事典」(河出文庫)もそんな辞書だと思つてゐた。最近、本を整理しようと思つてこれをみつけた。確かに辞書の形態はしてゐる。しかし「序」はかう始まるのであつた。「本書は事典としての実用性に乏しい。不便なのである。なぜなら巻末の索引を用いるといった『ひと手間』を経なければ目当ての項目には行き着けない」(3頁)。しかも配列は「『連想』に拠っている。(中略)すべて連想の連続によって見出し語が並べられて」(同前)をり、そのため「冒頭から順番に読んでいくのが、本書の正しい読み方である。」(4頁)といふ。だから「無人島へ

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    2024年02月02日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    恐怖の味噌汁。

    咄嗟に浮かんだタイトルだったがもちろん関係はない。
    精神科医師の、恐怖にまつわるエッセイみたいなもんだな。恐怖やグロテスクについての定義めいたものはあるが、それを評価軸として、筆者の感じる「恐怖」について語る感じ。
    それだけつっちゃそれだけなのだが、小説や映画などに造詣が深く、具体的にあれやこれや触れてくれるのが面白いかな。

    恐怖の瞬間には恐怖を感じない、と言うのはなるほどだな

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    2024年01月23日
  • 自殺帳

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    自殺きついてここまで考えたことがなかったので目から鱗だった。群発自殺についても記載がありとても勉強になった。

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    2024年01月03日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    かなり興味深い一作だった
    精神を病んだ人の家族(身近の人)も一種の精神病になり得るという事が恐ろしい
    それでは誰がそのサイクルや生活から助けられるのだろうかと思うと、今もそれに気づかないで生活している者は沢山いるんだろうなと思った
    ただ自覚症状がないだけで

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    2023年12月18日
  • 自殺帳

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    これを手に取った5日後
    小学中学仲良かった子が飛び降り自殺をしていたことを知った。
    彼女はどのパターンだったんだろう。
    重いテーマだが、たくさんの事例が淡々と進んでいく。
    深く刺さることはなかった。
    ただ、心のどこかにずっと残る本だった。

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    2023年12月14日
  • 秘密と友情

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    ネタバレ

    単行本「人生問答集」2009の文庫化で解題「秘密と友情」。
    おまけに「煩悩コンテンツリスト108」。
    解説は平松洋子。

    吉野朔実を挟んで超仲良しなのかと思いきや、その食事会以外ではあまり、らしい。

    ちょっと笑ったのはp98。
    わざと意識してゆっくり喋っているらしい。
    知らなんだ。あれが素だと思っていた。
    しかも石田衣良に「君のしゃべり方は不自然で気取っている」とマイルドに言われたんだとか。笑
    メディア露出の多い人は大変だな。
    p262あたりの大島弓子愛を論理的に語っている部分は、やはりよき。
    あと感じたのは春日武彦、結構親父との挿話を語ること。
    そして結構太ぇ野郎だな、というか、食えないオ

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    2023年12月06日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    ディテールが面白い。
    ということは文章が面白いということ。
    特にゴキブリに出遭ってしまったときの心理の詳述!



    内容説明
    うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、密集したブツブツの集合体、鋭い尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体―。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な謎に、精神科医・作家として活躍する著者が迫る。恐怖に駆られると、なぜ時間が止まったように感じるのか。グロテスクな描写から目が離せなくなる理由とは。自らの死を考えるときの恐ろしさ等々、「得体の知れない何か」の正体に肉薄する。

    目次
    第1章 恐怖の生々しさと定義について
    第2章 恐怖症の人たち
    第3章 恐怖の真っ最中

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    2023年12月06日
  • 「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ

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    春日氏を辿って本著にたどり着いたが、平山氏は昔読んだあの人かと思って読み進めるとなんとまぁ癖が強い。

    メンタルヘルスの社員研修としての対談、と冒頭で触れていたため最初の2章まで読んだ限りこんな居酒屋トークみたいなのでいいのかと思ったが、一応3章が件の内容に沿ってはいる。

    そうかといって、ややもすると老害の一言で済まされそうなそして下世話な会話であるが、あけっぴろげな前者のトークのほうが読み物としては面白かったりはする。好き嫌いははっきりしそうだが、著者たちの人となりについては色々と見て取れた。

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    2023年12月02日
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと

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     個人的な考えである「死」について、正解はないのだけれど、春日、穂村両氏の考え、対談中に紹介される人物の言葉や書籍から、自分にとって「死」をどう捉えているか、を改めて考えた。
     0(生)→100(死)といきなり飛んでしまうイメージや、一発逆転の賭けよりも、家でどら焼き食べている生活がいいという考えに共感した。

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    2023年11月28日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    ふとした瞬間に感じる、鳥肌が立つ程の恐怖や目を背けてしまう程の恐怖。
    その正体を探るべくあらゆる切り口で考察する本書はなかなか興味深い。
    私自身、想像できるからこそ怖い時と理解できないから怖いと感じる時がある。
    でもまさか恐怖症やグロテスク、死について考える日が来ようとは。

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    2023年11月24日
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと

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    ネタバレ

    初読みの対談集
    ゆるい感じで進んでいき、時々クスッと笑えます
    死に方について、苦しいのは嫌だっていう気持ちはすごく理解できるけど、猫が可愛すぎて死ぬ、って云うのには笑いました
    死因、猫死
    この絵が抜群です

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    2023年10月04日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    いつの頃からか読むようになった春日先生の本。最近は読み終わると、これでもう読まないかも、と思うんだけど、やっぱりまた読んでしまうんだよなあ。

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    2023年09月24日
  • あなたの隣の精神疾患(インターナショナル新書)

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    ボランティアで相談事を受けているけど精神疾患がある人が多い(そのように見える)と思っていたのでこの本は興味深く読めた。特にクレーマーの話はとても腑に落ちた。

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    2023年09月06日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    会社の人からのおすすめで。思ったよりエッセイのような感じ。

    精神に疾患のある人がよく言う屋根裏に誰かいるんですよ。をテーマに語られている。
    実際にあった事件や昔の話まで(知的障害の兄弟を屋根裏に隠して過ごしている話など)興味深い話もあった。

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    2023年06月04日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    日常に隠れている不穏と屋根裏の不気味さを上手く絡めて精神機能にもたらす影響を考察している。屋根裏に関する事件が数多く引用されており、面白かった。人と生活環境を見る時、頭の隅に入れておきたい内容。孤独と不安がささいな偶然、記憶違いで妄想の種を育てる。

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    2022年11月27日
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと

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    なんだか説得力のあるタイトルは表紙の通り元ネタあり。本文中にもあるけど、春日先生と話してたら自然にカウンセリングになっちゃいそう。でも患者さんに言うことは別物らしい。お医者さんていろんな意味で特殊な職業だと思う。

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    2021年09月12日
  • あなたの隣の精神疾患(インターナショナル新書)

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    「病名」と治療法がはっきりしないケースが多く、「パターン」別に経験を積みながら対応しているのが実態。

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    2021年08月30日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    お医者さんは頭が良くて優しくて、ニコニコしてて尊敬している。という方は読まれないほうが良いでしょう。そういう医師もいらっしゃるかと思いますが、この本には載っていないようです。

    興味深かったのは第7章でした。不幸な環境から脱するのではなく、そこで安定と維持を試みるのは女性にありがちかもしれません。

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    2021年04月23日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    臨床の精神科医が、主として患者との関係においてどのようなことを考えながら治療に当たっているかを、主に本人の経験を通じて若干シニカルに100人の精神科医のパターンとしてエッセイ風に触れており、そのことによって相対する「患者」が実にバリエーションに飛んだ人々が存在するのかも浮かび上がらせている。
    特殊な症例が多いので、「ふつう」の患者に対して医師がどう考えているかはあまり分からないかも。

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    2020年10月24日