春日武彦のレビュー一覧

  • 無意味なものと不気味なもの

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    ネタバレ

    たまたま手に取り斜め読み。
    さまざまな知識満載、表現力の妙味、
    例えば、富岡多恵子の遠い空を、
    田舎を舞台にした気味の悪い小説である
    肥溜めに石を放り込んでみるような怖さと好奇心とに満たされている
    という感想。遠い空の紹介の前には、アメリカ西部劇やドラマに出てくる底なし沼のことが書かれており、とにかく引き出しが広く多く想定外の発想と結びつきの考察。面白いし、紹介されている本の内容も詳しいのでブックガイドとしても役立つ。

    遠い空の章がやはりなかなかよい。億劫であること面倒くさいという心性がもつ支配力、人を麻痺させる力。
    いい人は不精者。

    最初はおもろないと思ったが細かい考察表現法人間てしょう

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    2024年08月08日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    精神科医、春日武彦による「恐怖の一歩手前」「グロテスクの未然形」とでも言うべき不安や違和感に満ちた感覚をもたらす文学作品を題材にしたブックガイドとも文学評論ともエッセイともつかない読み物。
    文庫化にあたりボーナストラックとして描き下ろしで一章が追加されている。

    取り上げられている作品の中で明確にホラーといえるのはラブクラフトの「ランドルフ・カーターの陳述」ぐらい。しかも内容は結構な diss。
    多くは純文学系のしかも割とマイナーな短編が多く、百閒の「殺生」とラブクラフト以外はいずれも未読どころかタイトルすら知らない作品。しかし、どれも怖いというより不気味というか厭な感じの小説で面白そうではあ

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    2024年07月08日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    新書は学術的なエッセイだなとしみじみ感じた。恐怖というと動物的、本能的なものを連想していたけど、この本の中の「恐怖」はもうちょっと高次な感じだった。結構淡々としている。

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    2024年07月06日
  • 問題は、躁なんです~正常と異常のあいだ~

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    うつはよく聞きますが、躁はあまり聞いたことがありませんでした。

    事例を読みながら、躁の状態が少し分かったような気がします。

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    2024年06月30日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    著者が怖いと思っているもの(甲殻類、死自体)に対する恐怖が私にはあまりないので、そのあたりはあまりピンとこなかったけど、いろんな事件や映画、詩などについて知れたのは良かった。

    特に印象に残ったのは映画『人間魚雷回天』について。
    これはあとがきも合わせてかなりインパクトがあった。
    あとは、亡くなったおじいさんを火葬したらお腹から胎児が飛び出してきた話もなかなかすごかった。

    結局人間がやることの残酷さが私は一番怖い。

    帯の文は京極夏彦。

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    2024年06月29日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    屋根裏に誰かいたり、声がしたりと脳内で何かが起きてるから、そうなっているのか!と理解が難しいですが、受け取る側になったら「そうなんですね」しか返答ができないかもしれません。

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    2024年06月24日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    各章に挟み込まれる筆者自身のエピソードが「どうだ不穏だろう不気味だろう」と露骨に仕掛けているように感じてしまい、いまいち乗れなかった
    紹介している作品の著者の顔をイジったりするのもなんだかな

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    2024年06月21日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    流石全員医師だけあって、医療現場の描写は迫力あるし、過労死ライン超過等の働き過ぎ問題や様々な課題が浮き彫りにされているが、小説としての上手さや完成度は、やはり久坂部氏以外は然程でもない。南杏子氏は出版社勤務から医師になった変わり種らしく、文章のセンスはなかなかだった。

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    2024年06月19日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    自分はビビリである。
    世の中に、好んでジェットコースターに乗ったり、ホラー映画を喜んでみる人がいるというのが信じがたい。
    そういうわけで、「恐怖の正体」に何らかの回答が得られるのではとの期待をして本書を読んだ。

    この本では、恐怖を以下の三要素によって説明する。
    ・危機感
    ・不条理感
    ・精神的視野狭窄

    しかし、単純には語り切れないらしい。
    例えば「恐怖症」の人たちにとっては、実際には直面していないにも関わらず恐怖を感じる。
    むしろ、漠然とした不安を、わかりやすいものによって形を与え、そこに恐怖を感じるメカニズムがあるらしい。

    恐怖の最中にある人が、どんな風に時間を意識するかが語られるあたり

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    2024年06月09日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    感想
    意味を与えられない。人は物怖じしてしまう。だから無理に解釈しようとする。そこにただ存在しているだけ。その事実は受け入れられない。

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    2024年05月23日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    なぜ人は「それ」に恐怖を感じるの。虫の大群や集合体、先端恐怖症、閉所恐怖症などを精神科医である著者が分析している本
    甲殻類恐怖症である著者のエッセイっぽい文章にもなっており、恐怖を感じることを因数分解して細かく刻んで「恐怖の正体」を解説していく。
    おおむね、ほうほうと納得する内容のなかでも恐怖症のところではなぜピンポイントでその対象(高所恐怖症で言えば高いところ)だけがダメなのかという点については
    単純な因果論だけでは説明が難しく心理学や精神病理学では扱いきれない領域で文学的な面からも取り扱うべきだと言っているところが目から鱗であった

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    2024年05月13日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    恐怖について、小説や映画、産婦人科を経て精神科医になった著者の臨床経験などを踏まえ、幅広く論じてくれる。映画にしろ小説にしろ知らないものも多く、この作品は観てみたい、読んでみたいというものもあって刺激的だった。印象に残るのは、映画「人間魚雷回天」をめぐる父とのエピソード。著者はこの作品を子どもの頃、お父上とみて心底怖かったと思うが、父は平気な顔をしていたという。その謎解きが、本書の末尾で語られる。恐怖のような感情の体験は、自身の経験と密接につながる者なのかもしれない、と思ったね。俺が心底怖いと思うものは、なんだろう。

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    2024年05月05日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    ホラー物に目がないので興味津々で読んでみた。なるほどと思う部分もあり、ところどころ印象深いエピソードもある。猿を擦る話や光の吸収率がものすごい黒絵の具はゾゾっと来て良い。紹介されているホラー映画も参考になった。ただ、恐怖について体系的に何か掴めるといった内容ではなく、恐怖をテーマにしたエッセイを読んでいるような読後感ではあった。

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    2024年04月19日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    ●=引用

    ●幻の同居人の存在を訴える老婦人たちは、なるほど天井に向かって「そこから出ていけ!」と怒鳴ることもあろう。(略)だがそのいっぽう彼女たちには、過剰に侵入者個人を意識するといった点おいても、あまりにも被害内容が生活に密着し具体的である点においても、またどこか危機感が希薄な点においても、さらには迷惑を訴えても恐ろしさや不安感を訴えぬ点においても、なにがしかの屈折した親近感を屋根裏の某へ抱いているような気配を指摘し得るのである。(略)天井裏の侵入者は、実は老婦人の孤独を癒すべく彼女と不思議な交流を実現していると考えることも出来るのである。
    ●ひっそりと一人暮らしを営む老女たちにとって天井

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    2024年02月17日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    ホラー好きとして面白く読めた。ただ「恐怖の正体」というタイトルはやや仰々しい印象で、どちらかというエッセイテイスト。引用元がホラー小説や古い映画が多く、ホラー好きの人が読むと個々人のなかのホラーウィッシュリストが増えること間違いなし。ブログを読んでいる感覚で読める筆致でとてもよかった。

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    2024年02月04日
  • 奇想版 精神医学事典

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    ・私が積んでおくのは辞書の類である。辞書とはさういふものである。 春日武彦「奇想版 精神医学事典」(河出文庫)もそんな辞書だと思つてゐた。最近、本を整理しようと思つてこれをみつけた。確かに辞書の形態はしてゐる。しかし「序」はかう始まるのであつた。「本書は事典としての実用性に乏しい。不便なのである。なぜなら巻末の索引を用いるといった『ひと手間』を経なければ目当ての項目には行き着けない」(3頁)。しかも配列は「『連想』に拠っている。(中略)すべて連想の連続によって見出し語が並べられて」(同前)をり、そのため「冒頭から順番に読んでいくのが、本書の正しい読み方である。」(4頁)といふ。だから「無人島へ

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    2024年02月02日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    恐怖の味噌汁。

    咄嗟に浮かんだタイトルだったがもちろん関係はない。
    精神科医師の、恐怖にまつわるエッセイみたいなもんだな。恐怖やグロテスクについての定義めいたものはあるが、それを評価軸として、筆者の感じる「恐怖」について語る感じ。
    それだけつっちゃそれだけなのだが、小説や映画などに造詣が深く、具体的にあれやこれや触れてくれるのが面白いかな。

    恐怖の瞬間には恐怖を感じない、と言うのはなるほどだな

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    2024年01月23日
  • 自殺帳

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    自殺きついてここまで考えたことがなかったので目から鱗だった。群発自殺についても記載がありとても勉強になった。

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    2024年01月03日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    かなり興味深い一作だった
    精神を病んだ人の家族(身近の人)も一種の精神病になり得るという事が恐ろしい
    それでは誰がそのサイクルや生活から助けられるのだろうかと思うと、今もそれに気づかないで生活している者は沢山いるんだろうなと思った
    ただ自覚症状がないだけで

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    2023年12月18日
  • 自殺帳

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    これを手に取った5日後
    小学中学仲良かった子が飛び降り自殺をしていたことを知った。
    彼女はどのパターンだったんだろう。
    重いテーマだが、たくさんの事例が淡々と進んでいく。
    深く刺さることはなかった。
    ただ、心のどこかにずっと残る本だった。

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    2023年12月14日