春日武彦のレビュー一覧
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自分はビビリである。
世の中に、好んでジェットコースターに乗ったり、ホラー映画を喜んでみる人がいるというのが信じがたい。
そういうわけで、「恐怖の正体」に何らかの回答が得られるのではとの期待をして本書を読んだ。
この本では、恐怖を以下の三要素によって説明する。
・危機感
・不条理感
・精神的視野狭窄
しかし、単純には語り切れないらしい。
例えば「恐怖症」の人たちにとっては、実際には直面していないにも関わらず恐怖を感じる。
むしろ、漠然とした不安を、わかりやすいものによって形を与え、そこに恐怖を感じるメカニズムがあるらしい。
恐怖の最中にある人が、どんな風に時間を意識するかが語られるあたり -
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●=引用
●幻の同居人の存在を訴える老婦人たちは、なるほど天井に向かって「そこから出ていけ!」と怒鳴ることもあろう。(略)だがそのいっぽう彼女たちには、過剰に侵入者個人を意識するといった点おいても、あまりにも被害内容が生活に密着し具体的である点においても、またどこか危機感が希薄な点においても、さらには迷惑を訴えても恐ろしさや不安感を訴えぬ点においても、なにがしかの屈折した親近感を屋根裏の某へ抱いているような気配を指摘し得るのである。(略)天井裏の侵入者は、実は老婦人の孤独を癒すべく彼女と不思議な交流を実現していると考えることも出来るのである。
●ひっそりと一人暮らしを営む老女たちにとって天井 -
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・私が積んでおくのは辞書の類である。辞書とはさういふものである。 春日武彦「奇想版 精神医学事典」(河出文庫)もそんな辞書だと思つてゐた。最近、本を整理しようと思つてこれをみつけた。確かに辞書の形態はしてゐる。しかし「序」はかう始まるのであつた。「本書は事典としての実用性に乏しい。不便なのである。なぜなら巻末の索引を用いるといった『ひと手間』を経なければ目当ての項目には行き着けない」(3頁)。しかも配列は「『連想』に拠っている。(中略)すべて連想の連続によって見出し語が並べられて」(同前)をり、そのため「冒頭から順番に読んでいくのが、本書の正しい読み方である。」(4頁)といふ。だから「無人島へ
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ネタバレ単行本「人生問答集」2009の文庫化で解題「秘密と友情」。
おまけに「煩悩コンテンツリスト108」。
解説は平松洋子。
吉野朔実を挟んで超仲良しなのかと思いきや、その食事会以外ではあまり、らしい。
ちょっと笑ったのはp98。
わざと意識してゆっくり喋っているらしい。
知らなんだ。あれが素だと思っていた。
しかも石田衣良に「君のしゃべり方は不自然で気取っている」とマイルドに言われたんだとか。笑
メディア露出の多い人は大変だな。
p262あたりの大島弓子愛を論理的に語っている部分は、やはりよき。
あと感じたのは春日武彦、結構親父との挿話を語ること。
そして結構太ぇ野郎だな、というか、食えないオ -
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ディテールが面白い。
ということは文章が面白いということ。
特にゴキブリに出遭ってしまったときの心理の詳述!
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内容説明
うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、密集したブツブツの集合体、鋭い尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体―。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な謎に、精神科医・作家として活躍する著者が迫る。恐怖に駆られると、なぜ時間が止まったように感じるのか。グロテスクな描写から目が離せなくなる理由とは。自らの死を考えるときの恐ろしさ等々、「得体の知れない何か」の正体に肉薄する。
目次
第1章 恐怖の生々しさと定義について
第2章 恐怖症の人たち
第3章 恐怖の真っ最中
第 -
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