春日武彦のレビュー一覧

  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    人の狂い方はせいぜい100種類しかないということだが、むしろそんなにあるのか!と驚いた一方で、世の中淡々と過ごすためには裕福であることが前提条件ということについては、なるほどその通りだなと。
    当たり前だけど医者も一人の人間なんだということが再認識できたことが一番の収穫。

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    2020年08月23日
  • 鬱屈精神科医、お祓いを試みる

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    ネタバレ

    前作「占いにすがる」より、はるかに読みやすかった。春日先生のこころもちとともに文章が穏やかになってきて、するっと受け止めやすくなったというのかな。

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    2019年08月03日
  • 待つ力

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    タイトル通り、「待つ」を主眼において考察された本。身近なところではラーメン屋、ディズニーランドのアトラクション等の行列、試験の結果を待つ行為、等々、人生において待てることと待てないことを理解することが大切なようだ。また、楽しみを待つことは、待っている時が一番楽しい時でもある。

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    2019年06月27日
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる

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    少し前に読んだ『鬱屈精神科医、お祓いを試みる』の前の本。
    ここで実家のリノベーションの話も出てきている。
    精神科医という職業の人間が占い師に会う。
    そこに至るまでの思考の道筋が、事細かに書かれる。
    自分の気持ちをつぶさに観察する客観的な視線と、
    反論やツッコミや皮肉な見方を先回りして、
    しかも誰よりも深く広く的確に想像できる冷静さ。
    自分の悩みにいちいち突っ込まずにいられないもう一人の自分。
    それを文章で読ませる面白さ。
    本が売れるかどうかという不安は、
    私が読んだ本がすでに4刷目であることで杞憂になったのではないか。

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    2019年04月24日
  • 鬱屈精神科医、お祓いを試みる

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    前作「鬱屈精神科医、占いにすがる」が、とても私にとって良かったので、今回も読んだ。
    マンションのリノベーション、実際にどんなのか見たかったらネットでどうぞとあったので、見てみた。とても素敵だった。こんな風に古いマンションをリノベーションできるっていいなぁ、やっぱりお金があるといいなぁ、いい建築家や工務店にお願いできていいなぁというのが、この本を読んだ一番の感想。

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    2019年02月25日
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる

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    ネタバレ

    やっぱり病人が病人を診ていたのか。
    春日武彦って吉野朔美の漫画に出てくるけど、吉野朔美の漫画の世界より、洒落た造りのハリボテのクリニックで喪黒福造にドーンってやられて、永遠に母親とトランプで占いする世界に行ければいいのにと思った。

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    2018年12月11日
  • 様子を見ましょう、死が訪れるまで 精神科医・白旗慎之介の中野ブロードウェイ事件簿

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    中野ブロードウェイっていうところが、絶妙でいい。

    灰田くんがなぜ記憶喪失になったのか、月村の正体は?
    続きが気になるから、続編を期待しています!

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    2018年06月02日
  • 秘密と友情

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    精神科医の春日武彦さんと
    歌人、穂村弘さんの対談集。
    
    春日武彦さんは知らなかったけど、
    穂村弘さんのエッセイはたくさん読んでて
    訳のわからなさ加減含め
    とても面白い文章を書く人。
    肝心の短歌は読んだことない(笑)
    
    穂村さんに関しては
    自意識と諦観が入り混じりつつ、
    どこか中2っぽい感じもするし、
    そういうのを演じてるような気もするなぁって
    漠然と思っていたけど、
    この本で初めて知った春日武彦さんは、
    穂村さんと精神年齢が近いのかな⁇って
    印象を受けた。
    
    世間に対するズレを感じながら
    地に足の着いてない不器用なお2人が
    18のテーマについて語り合って

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    2018年04月21日
  • 鬱屈精神科医、お祓いを試みる

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    春日武彦さんの本はわりと気に入って読む。
    読みながらこれは私小説的だなと思った。
    文章が読みやすくて、奇をてらったような書き方をしないのが好ましい。
    自分の中にある鬱屈した気分、母との関係、リノベーションで家を作る心理的な作用、
    患者とのエピソードや、他の作家の小説の引用、などなど
    今の時間から、頭の中で、過去に想像に妄想に、あちこち巡る。
    小説や評論であれば、もっと筋道や伏線など、
    計算された形で進むのだろうけど
    それがなくても心地よく読める本だった。
    穂村弘さんと同じニオイがするが、
    春日さんの方が自分に深く沈んでいくような感じ。
    前著も気になるので探して読んでみよう。

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    2018年03月06日
  • 鬱屈精神科医、お祓いを試みる

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    主人公は母親からの呪縛から逃れるために家をリノベーションすることにした。 ちなみに主人公は著者である。 そして、これはエッセイでもなく、医学本でもない、まぎれもない私小説なのだ!(本人曰く)
    タイトルが意味不明すぎて興味がわいた。
    「エッセイではない」と豪語しているせいか、逆にエッセイのような気もしたが、
    読み終わってみれば、確かにこれは小説なのだろう。
    若干支離滅裂ではあるが、著者は精神科医というだけあって文才もあり読みやすい。

    人は誰でも執着に支配されている。
    著者は1951年生まれの精神科医とのことなので現在66歳。
    未だに母親へのコンプレックスが強く、執着もかなり病的に強い。
    執着心

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    2017年08月26日
  • 様子を見ましょう、死が訪れるまで 精神科医・白旗慎之介の中野ブロードウェイ事件簿

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    下手なミステリよりもよっぽど面白いよ、春日さん。
    続編が読みたい(そればっかり)。
    灰田さんと月村がその後どう絡んでくるのか…

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    2016年08月03日
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる

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    私小説であるならば、なんたる重度な鬱屈ぶりだろう。自らの容姿に底知れぬ劣等感を抱き、生じる自己嫌悪は両親への責任転嫁で逃れんとする。もっとも、ご本人は自分を医師としても作家としても二流以下と申されるが、文才、筆力は相当なレベルに違いない。占い師の世界観とそこへの誘導なんぞ、実に端的かつ明瞭に説かれている。されど、占い師巡りったってさほど冴えない占い師がチョロっと登場する程度で、すがったというのは過剰表現でしょう。物書きネタで体験したってのが穿った見方ではあるまいか。今後、精神科医を振りかざすことなく作家業に精進されるなら、化ける資質を感じるんだけどなあ。

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    2016年04月09日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    本著には実にさまざまな精神科医(の類型)があ登場する。つい、くすりと笑ってしまう人物もあれば思わず眉を顰めてしまうような人物もいる。エピソードのあとに挿入される人物描写は、シニカルで、流石という不思議な感想をもつ。そして著者のことばによれば、100人登場する精神科医のうち、その2/3は著者自身だという。むすびにて、「人間誰しもフランケンシュタインのようにパッチワークで出来上がっておりツギハギなのだからほころんだり矛盾したり不連続であるのは当然のことで…」とかかれているが、人間ほんとにそんなものだよなあ。と思わせる本でした。春日先生の本が好きな方は好きなはず。

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    2016年03月07日
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる

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    春日先生、何だか最近お姿見かけないと思ったらこんな所にいらしゃったんですね‥それが占い師の所だったという感想です。
    まさか精神科の医者が占いによすがを求めるなんて!という意外性はありますが、よくよく考えると物語りが患者の精神世界を彩る精神科の領域にあっては、それもありなのかとも思えます。逆に占いは統計的な要素が下地にあるので型に当てはめてスッパリ切って貰える小気味よさが、筆者の求める救いに繋がるのかともおもいます。
    初老の年齢に差し掛かり、今までに経験したことのない不安感や不全感や迷いに戸惑う筆者ですが、うつ病でもないしと自身を診断してしまう哀しさもあり、様々な理由をあげてああでもない、こうで

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    2016年02月27日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    精神科医を100のタイプに分け、精神科医と患者との関係、そもそも精神医療において「治る」とはどういうことかといった問題を取り上げる。
    医者はクライアントに対して診察中は真摯に対応しつつも、常に一定の距離を保って客観的に病状を捉える必要がある。その“客観的”な部分の内容が綴られているので、内容はものすごく冷静かつ淡々とした印象。でも多くのクライアントを担当するゆえに、これくらいの冷めた視点というのは精神科医には必要なのかもしれないとも思った。

    腹の底で何を考えているか「語る」というより、終始「吐露する」といった様子。口語的な文章は読みやすかった。
    精神科医のタイプ、クライアント、姿勢を覗き見し

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    2015年04月11日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    春日武彦"精神科医は腹の底で何を考えているか"を読む。

    都立病院の精神科部長を務めた著者が豊富な臨床経験から、患者を通じて見た精神科医の内面に迫ったもの。身も蓋もない語り口がいっそいさぎよく、好感が持てます。

    精神問題で倒れる人が続くような場合、その周囲にパーソナリティ障害の攻撃者が存在するように思います。

    【精神障害の類型について】

    ◯パーソナリティ障害の一部、たとえば境界性パーソナリティ障害といったものの特徴のひとつとして、とにかく周囲を振り回し飜弄するといった行動様式がある。しかも、はっきりとした思惑などないまま、ひたすら他人を操り糸を引きたがる。他者を玩弄す

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    2015年02月08日
  • 健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体

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    内田樹と春日武彦の対談です。おおむね内田のほうが春日の専門領域にアクセスを図りつつみずからの思想を語っているという印象です。

    精神の病に逃げ込むことで「低値安定」してしまう人びとが増えていることへの危惧が語られ、身体に基づく知の衰えを嘆くなど、かなり思いきった発言が飛び交っていて、刺激的な議論でした。

    春日の著書にはかなり「とんがった」言葉が散見されるのですが、本書ではむしろ内田のラディカルさがストレートに出ている印象です。内田にしてはややバランスを欠いているような気もするのですが、こういう思いきった言葉が聞けるのも、対談本の醍醐味かもしれません。

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    2017年12月23日
  • 問題は、躁なんです~正常と異常のあいだ~

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    うつ病に対して取り沙汰されることの少ない躁病について書かれた本。
    過去に起こった事件の犯人を躁病という観点から紹介する項目は、それはちょっとこじつけなのでは…?と思ったところもあったけど、中島らもや有吉佐和子のエピソードは面白かった。あとゴリラ少女については思春期の黒歴史の一幕としてほっといてやれよwと思った。
    確かにうつ病に比べ躁病は病気なのか個性なのか判断がしづらいし、本人が病気と感じていないところが治療の難しいところだと思う。

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    2018年05月11日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    患者に共感し思いやる労りをもちながらも、別の視点から事態を整理し、デキることと出来ないことを見極め、なすべきことの優先順位を冷静に判断するのが精神科医。本書には多種多様な百人の精神科医をモデルに彼らが実際のところ、どう考えどう行動しているのかをデリケートな分野にまで一歩踏み込みんで語られている。

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    2014年06月10日
  • 様子を見ましょう、死が訪れるまで 精神科医・白旗慎之介の中野ブロードウェイ事件簿

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    精神科医白旗信之介、記憶喪失の助手灰田砂彦・手首に触ると欲望が見える。食人、アイドル、覗き見、盆栽、エレベーターのかごの上。美容整形外科医、人面犬、月村蟹彦。

    結構沢山の死人がいるのに解決もなくシュールに話は進む。中野ブロードウェイを知っている人が読むとまた違った風景に見えるのでしょう。

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    2014年05月31日