春日武彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はたから見ると、自分から破滅への道を辿っているような人や、自分からより悲惨なもへ突き進んで行くようにしか見えない人たちがいる。
なぜ彼らは、不幸になりたがるのか?
春日氏は精神科医という仕事柄、かなりの奇人変人を診てきているのだが、自分もどこか一歩道をそれれば、そんな「おかしな」彼らと同じような道を辿ってしまうのでないかと心配になるそうである。
その気持ちは私にも結構覚えがあって、親がテレビで異常な事件を観ていて「なんでこんなことするのかわからない」「人間じゃない」などと言っているのを聞くと、「自分の娘(私のことです)も一歩間違えばそうなるかもしれないのに、のん気な人たちだなぁ」なんて思って -
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[ 内容 ]
虎に喰われたかったのに熊に喰われて昇天してしまった主婦、葬式代がないからとアパートの床下に妻の遺体を埋めた夫、電動式自動遥拝器を作ってただひたすら「供養」する男などなど―世の中にはときどき、不幸や悲惨さを自分から選びとっているとしか思えない人たちがいる。
しかし彼らは、この過酷な人生を生きてゆくために、奇妙なロジックを考えだし、不幸を先取りしなければ生きてゆけなくなった人たちなのだ。
あなたの隣の困った人たち、それはもしかしたら私たち自身の姿なのかもしれない…。
[ 目次 ]
第1章 理解しかねる隣人たち(不自然な人たち ああ、そうですか 大晦日の電車 ほか)
第2章 奇妙な発 -
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[ 内容 ]
生きづらさを、晴れやかに解き放つヒント。
「閉じられた心の世界」を打ち破る精神科医と、「身体からの信号」に耳を澄ます仏文学者の説教ライブ。
[ 目次 ]
第1章 世代論に逃げこむな
第2章 「自分探し」はもうやめよう
第3章 人間は、わかり合えっこない
第4章 個性とこだわり幻想
第5章 健全な肉体に狂気は宿る
第6章 まずは身体に訊け
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参っ -
Posted by ブクログ
いい先生だなぁと思う人の本ばかり読んでいたので、ちょっと毒な部分を覗いてみた。
いろいろな精神科医がいるものだ。人格を疑う人もいた。
日常の出来事に著者はこんなことを思ってしまうだったり、見聞きした他の精神科医の話。
中島らもは強い副作用が出ているにもかかわらず、ほぼ十年、同じ処方だったらしい。
処方の内容はかなり強いもので、あまり意味をなさない組み合わせだったりするらしい。
恐ろしいね。
この著者は、普段カルテに記している病名はせいぜい6つで、おおよそ事足りるらしい。
それぞれの病名において、パターン(普遍性のあるバリエーション)は10〜20くらいで、
つまり全部で100ぐらいらしい。 -
Posted by ブクログ
ウツほど身近ではないと思われがちな「躁」、実際ど真ん中「躁病」の患者は少ないらしい。
しかし、一見ただの騒がしい人、怒りっぽくせわしない人、勘違いしてるナルシストなどを「軽い躁」「躁的な傾向を示す人格障害」「躁に近い性格の人」と考えれば、不可解なその行動が理解できるようになる(こともある)というのが著者の主張。
本文は著者の考え(思いつき)を、例を挙げて述べてゆくスタイルなのだが、その例がやけに多い。
「躁」というベクトルを読者によりよく理解させるため、また「躁」の人が持つ週刊誌的・夕刊フジ的な面をフックにして読者をひきつけようという試みだと思うけど、あまりに矢継ぎ早に出てくるそれらが、実例な