春日武彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひぇー!
しょっぱなの、電車の下くぐろうとして轢かれ死んだおじいの話からおもろすぎる!だいすき!
著者が引用してくる題材もいちいち全部おもろくて参考になりすぎ!
遠丸立さんの「高所恐怖症=墜落願望という人間の原衝動に対する防衛的恐怖」っていう見解すげーな
「『人間には高所へのぼって見下したい願望』と『高所から墜落したいという無意識的な願望』が表裏一体の関係で存在している」
「人間の出産行為は、胎児が子宮から外部空間へまで墜落するということを意味するわけで、要するにそれは人間が『墜落したい』という衝動に身をゆだねる最初の行為にほかならない」
いったん恐怖症が出現してしまうと、いつしかそれは当 -
Posted by ブクログ
医師作家9人によるアンソロジー作品。
どの作品も50頁程なので、スピード感がある。
研修医 精神科医 救急医療 現場医療 研究者 認知症等 医療1つとってもジャンルが違い、心理描写の加減に手に汗握ってハラハラしたり、淡々と読み進めたり、一冊で何度も美味しい読み応えのある本でした。
医師(著者)が実際に経験しているであろうリアリティがそこにある。
認知症対応を生業としている身としては、何度も見た光景で「あーー大変さの中に、いくつも希望が見いだせるんだよ」「怒ったらダメダメ」と逆の意味でハラハラさせられた。
現代はサービスが揃っているので、抱え込まず使える手段を利用していくのがお互いの -
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Posted by ブクログ
とても面白い。知りたいことが書かれている。
患者に寄り添いつつ患者を突き放す。患者に嫌悪感を持ってはいけないが嫌はやっぱり嫌。エレガントな処方と増改築を繰り返したような訳のわからない処方。同じ薬しか処方しない医者、隠し味を加えるような処方をする医者。
そして極めつけは精神科医が望むことは2つ、治るか関係性を断ち切るか。究極のサービス業だと思う。傾聴しているように感じさせつつ、深入りしない。確かにそうしないと医者側が病む。担当医を思い出しながら、とても納得した。
精神科医を受診している人以外にも、誰が読んでも面白いと思う。文章が読みやすく好みなので、他の本も読んでみよう。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い
春日武彦氏の軽妙でちょうどいい塩梅の自虐を含めた語り口が本の没入感になってる。恐怖の諦観者ではなく当事者として立ってくれているので共感が湧き、様々な文学・映画からの恐怖の引用に共に考え納得することができる。5、6章から題材がよりヘビーになるが、むしろここがこの本の一番の醍醐味だと思う。恐怖と聞くとまず『死』を連想するがまさに恐怖と死についての見解を聞くことができる。死に恐怖し過ぎる人々に対しての巻末の考察はまさに長年の疑問を解消してくれたようで気分が晴れやかになった。この題材の本を読んで心が晴れるというのは意外に思うかもしれないが。 -
Posted by ブクログ
死に関する小説や著名人の死の間際の発言、詠んだ歌などを挙げながら、自分なりの「幸福」を想定できれば、「幸福な死」への第一歩になり得るのではないか、という展開が広がる本
印象的なフレーズ
「気がついたら、今週は 1回も信号で引っかかっていない」みたいな短歌を見たことがあってさ 。(中略)「この都合がいいことはありえない 実はもう死んでるんじゃ?」的な想像が働いてしまう。天国には青信号しかないみたいなイメージというか。
この本を読んで、死について詳しくなったということはないが、親の死に目に遭いたくないと思ってましたが、遭うのもありなのかもしれないと考えるきっかけになりました、 -
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Posted by ブクログ
自殺について知った気分になれる本
気分がすごく落ち込んで、とにかく死にたい、逃げたいと考えていた時にこの本に出会いました。その時はただ死に近づきたい一心で購入し、活字が読めるぐらい余裕ができた頃に読み始めましたが、この本を購入できて本当に良かったと思います。
著者自身が出会った自殺遂行者だけでなく、過去の事件や文学からの引用もあり、自殺の考察が幅広く、とても面白いと感じました。
読んでいる中で、著者の心情がちらちら出てきているのがとても楽しかったです。ただ考察するのではなく、著者の心情が入っているから読み物として面白くなっているのではないかと感じました。