春日武彦のレビュー一覧

  • 自滅帳

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    自滅的な小説の感想とそれから連想される著者の記憶が並行して展開する文芸評論とエッセイの中間のような構成。自滅とあるけれども紹介される本の全部がそうとも言い切れない。自分には、魔が差してしまった人たちの話と思えた。

    「わたしにとって常に関心があるのは「連想」という心の働きである。いや、連想するときのイメージの飛躍距離に興味がある。距離が短すぎれば、それは当たり前・月並みということになる。距離が遠すぎれば、もはや意味が分からない。そこそこに遠い距離だと、ときに意外性や詩情、発見や驚きが生じる」
    「他人の連想を自分のものと比べたり玩味してみるのはきわめて妙趣に富む作業ではないだろうか。もしかすると

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    2026年01月07日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    ひぇー!
    しょっぱなの、電車の下くぐろうとして轢かれ死んだおじいの話からおもろすぎる!だいすき!
    著者が引用してくる題材もいちいち全部おもろくて参考になりすぎ!

    遠丸立さんの「高所恐怖症=墜落願望という人間の原衝動に対する防衛的恐怖」っていう見解すげーな
    「『人間には高所へのぼって見下したい願望』と『高所から墜落したいという無意識的な願望』が表裏一体の関係で存在している」
    「人間の出産行為は、胎児が子宮から外部空間へまで墜落するということを意味するわけで、要するにそれは人間が『墜落したい』という衝動に身をゆだねる最初の行為にほかならない」

    いったん恐怖症が出現してしまうと、いつしかそれは当

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    2025年12月01日
  • 自殺帳

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    著者による自殺の7つのタイプ。

    1.美学・哲学に殉じた自
    2.虚無の果てに生ずる自殺
    3.気の迷いや衝動としての自殺
    4.懊悩の究極としての自殺
    5.命と引き換えのメッセージとしての自殺
    6.完璧な逃亡としての自殺
    7.精神疾患ないしは異常な精神状態による自殺

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    2025年11月09日
  • あなたの隣の精神疾患(インターナショナル新書)

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    不謹慎かもしれないが「面白い」。精神科医という職業でありながら精神病を問う、その構図も面白い。著者のブラックさもいい。ちょうど笑えるラインで私は好き。

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    2025年11月07日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師作家9人によるアンソロジー作品。
    どの作品も50頁程なので、スピード感がある。

    研修医 精神科医 救急医療 現場医療 研究者 認知症等 医療1つとってもジャンルが違い、心理描写の加減に手に汗握ってハラハラしたり、淡々と読み進めたり、一冊で何度も美味しい読み応えのある本でした。

    医師(著者)が実際に経験しているであろうリアリティがそこにある。


    認知症対応を生業としている身としては、何度も見た光景で「あーー大変さの中に、いくつも希望が見いだせるんだよ」「怒ったらダメダメ」と逆の意味でハラハラさせられた。


    現代はサービスが揃っているので、抱え込まず使える手段を利用していくのがお互いの

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    2025年11月05日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    どれも共感する。
    これから医師として働く自らの身に降りかかりうる未来と考え、深くしかしながら一瞬のうちに読破した。

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    2025年06月04日
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと

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    ゆるく死を語る本。
    ある程度大人が読むとしっくりくると思われるが、読書のための教養的な面もあるので幅広い人にオススメしたい。
    ミーム感のあるタイトル、カバーを外した表紙の良さ(河鍋暁斎)なども良いアクセントで、所有する楽しさもある。

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    2025年05月29日
  • 自殺帳

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    自殺親和性 という言葉が、読み終わってから時間が経った今でも心に残っている。
    へえ、こんな理由で人は死を選ぶんだと 漠然と
    死が身近な概念になったな。

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    2025年02月15日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    精神科医である筆者が幻の同居人、座敷牢、ゴミ屋敷など奇妙な住宅エピソードを紹介するエッセイ。妄執の果てに安寧であるはずの空間が胡乱に変容する様は病理とはいえ恐ろしい。屋根裏に関するカルチャーガイドとしても秀逸。類例や研究書を読んでみたくなりました。

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    2025年01月11日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    とても面白い。知りたいことが書かれている。
    患者に寄り添いつつ患者を突き放す。患者に嫌悪感を持ってはいけないが嫌はやっぱり嫌。エレガントな処方と増改築を繰り返したような訳のわからない処方。同じ薬しか処方しない医者、隠し味を加えるような処方をする医者。
    そして極めつけは精神科医が望むことは2つ、治るか関係性を断ち切るか。究極のサービス業だと思う。傾聴しているように感じさせつつ、深入りしない。確かにそうしないと医者側が病む。担当医を思い出しながら、とても納得した。
    精神科医を受診している人以外にも、誰が読んでも面白いと思う。文章が読みやすく好みなので、他の本も読んでみよう。

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    2025年01月09日
  • 死の瞬間 人はなぜ好奇心を抱くのか

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    死の瞬間、死後の世界、死との対面というものに我々はどう接するのかを論じる。小説・漫画・映画のワンシーンを交え語られる考察は死というテーマでありながら面白い。人間の根源ともいえる感情に迫るダークなカルチャーガイドだ。

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    2024年12月25日
  • 自殺帳

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    患者の希望による夜の診察を断った結果翌日に失踪し結果として自殺体が発見されるという話の輪郭が異様に見えたという話のインパクトが強い。自殺パターンを7項目くらいに分けて述べられているが不謹慎ながらどれも面白い。
    毒舌というわけでもないけど独特の語り口に引き込まれる。後書によると医業引退の旨が書かれており率直さが胸を打つ。

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    2024年12月16日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    めちゃくちゃ面白い
    春日武彦氏の軽妙でちょうどいい塩梅の自虐を含めた語り口が本の没入感になってる。恐怖の諦観者ではなく当事者として立ってくれているので共感が湧き、様々な文学・映画からの恐怖の引用に共に考え納得することができる。5、6章から題材がよりヘビーになるが、むしろここがこの本の一番の醍醐味だと思う。恐怖と聞くとまず『死』を連想するがまさに恐怖と死についての見解を聞くことができる。死に恐怖し過ぎる人々に対しての巻末の考察はまさに長年の疑問を解消してくれたようで気分が晴れやかになった。この題材の本を読んで心が晴れるというのは意外に思うかもしれないが。

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    2024年11月29日
  • 死の瞬間 人はなぜ好奇心を抱くのか

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    死について著者の経験やカルチャーなど様々な視点からその輪郭について紐解いていく本。
    重すぎず、ときにユーモアを交えて死について語られていく。
    死というのは結局現象でしかなく、それをどう捉えていくのかは生きた人間なのだが、いつか自分にも訪れる、或いは他者の死についてどのような距離感を持つべきなのか考えるヒントや材料になるような示唆に富んでいる。
    春日先生の書く文章は楽しいので読み物として面白い。

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    2024年11月23日
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと

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    死に関する小説や著名人の死の間際の発言、詠んだ歌などを挙げながら、自分なりの「幸福」を想定できれば、「幸福な死」への第一歩になり得るのではないか、という展開が広がる本

    印象的なフレーズ
    「気がついたら、今週は 1回も信号で引っかかっていない」みたいな短歌を見たことがあってさ 。(中略)「この都合がいいことはありえない 実はもう死んでるんじゃ?」的な想像が働いてしまう。天国には青信号しかないみたいなイメージというか。

    この本を読んで、死について詳しくなったということはないが、親の死に目に遭いたくないと思ってましたが、遭うのもありなのかもしれないと考えるきっかけになりました、

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    2024年11月17日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    フィクションなんだけど
    現実にあってもおかしくないくらい
    リアルなストーリーばかり。

    医療は全てが完璧じゃないから
    理想と現実にギャップがありすぎて
    理不尽過ぎることを言われることもあるし
    誰のために頑張ってるのか
    よく分からなくなることもある。

    だけどこの本を読みながら
    自分の捉え方次第かましれないとか
    もう少し頑張ってみようかなぁとか
    前向きに考えられるような気がしました。

    背中を押してくれる本って素敵ですよね。

    医療に関わる人も関わらない人も
    ぜひ読んで欲しい1冊です。

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    2024年08月15日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    最後の短編は感動致しました!素晴らしい。
    題名は、峠を越えてきた命、です。皆さんもぜひお読みになって下さい。

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    2024年07月14日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    奇妙で気味の悪い小説がある。この本ではそのような小説を自身の体験と重ねて語る。作品も気になるが精神科医としてのエッセイも面白くすらすらと読めた。私たちが恐れるもの、不気味だと思うものはなんなのだろうか。小説で知る事は出来るのだろうか。

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    2024年06月24日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    現役の医師たちが綴る医療小説ということでどれも手に汗握るような臨場感で溢れていた。
    まだ読んだことのなかった作家の方も含まれていたので、また読みたい本が増えて嬉しい。

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    2024年06月16日
  • 自殺帳

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    自殺について知った気分になれる本

    気分がすごく落ち込んで、とにかく死にたい、逃げたいと考えていた時にこの本に出会いました。その時はただ死に近づきたい一心で購入し、活字が読めるぐらい余裕ができた頃に読み始めましたが、この本を購入できて本当に良かったと思います。

    著者自身が出会った自殺遂行者だけでなく、過去の事件や文学からの引用もあり、自殺の考察が幅広く、とても面白いと感じました。
    読んでいる中で、著者の心情がちらちら出てきているのがとても楽しかったです。ただ考察するのではなく、著者の心情が入っているから読み物として面白くなっているのではないかと感じました。

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    2024年03月13日