春日武彦のレビュー一覧

  • こころの違和感 診察室 しっくりこない自分と折り合いをつける方法

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    『一番苦手な患者は、このドクターなら、と信じ指名して受診する人。プレッシャーを感じる。』なんと正直なドクターなのだろうと思う。他の著書に比べ書き方がマイルド。

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    2025年01月16日
  • 心という不思議 何をやっても癒されない

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    世間からお医者さんってすごい、と思われるはずなのに、わざわざ自分から、そんなことないと告白するところが面白くて好き。詐病を見抜く方法、そうやってカルテに書くのか!と思った。セブンスター系統のタバコ、オムライスにドミグラスソース、しゃぶしゃぶのゴマたれが嫌い、風邪をひいたときの味だから、とあったが感じ方は人により違うのね、と。苦手をきちんと言語化できるのはさすが。

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    2025年01月14日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医療従事者でありながら小説も書く、凄い方々の短編集。どの話も知識と経験をもとに書かれているので、現実感アリアリ。「魚類譚」、「パイナップルがある光景」、「闇の論文」、「空中テント」が面白かった。

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    2024年10月14日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    なるほどそうきたか。

    怖いとか不気味とか感じる寸前の「違和感」を味わう一冊。
    モヤモヤしたまま、二三日後に急に情景が頭をよぎって、自分で自分にびっくりする。
    中国の陶器の枕とかね。
    あまりにも脳裏にこびりつくようなら、作者の思惑にのって、元の小説を読んでみてもいいかな、と思ってしまう。

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    2024年09月25日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    「恐怖」に関する分析もさることながら、筆者の嗜好や生育、体験から生まれてくる恐怖に関する叙述が、本当に興味深く、面白く読むことができました。

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    2024年09月15日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    <目次>
    第1章  恐怖の生々しさと定義について
    第2章  恐怖症の人たち
    第3章  恐怖の真っ最中
    第4章  娯楽としての恐怖
    第5章  グロテスクの宴
    第6章  死と恐怖

    <内容>
    哲学書のような、文学書のような…。怖くはない…。著者は精神科医(元産婦人科医)。結局恐怖を描こうとすると、実際の患者を描くことはできず、自分と体験者(その多くは文学者の著書)から分析するしか無いし、専門的すぎないように書くとこんな感じになるのかな?映像の話が加わるのが具体性が増しているか?ただしそれを描写すれば、結局は文字なんだよね…

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    2024年08月15日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    ネタバレ

    たまたま手に取り斜め読み。
    さまざまな知識満載、表現力の妙味、
    例えば、富岡多恵子の遠い空を、
    田舎を舞台にした気味の悪い小説である
    肥溜めに石を放り込んでみるような怖さと好奇心とに満たされている
    という感想。遠い空の紹介の前には、アメリカ西部劇やドラマに出てくる底なし沼のことが書かれており、とにかく引き出しが広く多く想定外の発想と結びつきの考察。面白いし、紹介されている本の内容も詳しいのでブックガイドとしても役立つ。

    遠い空の章がやはりなかなかよい。億劫であること面倒くさいという心性がもつ支配力、人を麻痺させる力。
    いい人は不精者。

    最初はおもろないと思ったが細かい考察表現法人間てしょう

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    2024年08月08日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    精神科医、春日武彦による「恐怖の一歩手前」「グロテスクの未然形」とでも言うべき不安や違和感に満ちた感覚をもたらす文学作品を題材にしたブックガイドとも文学評論ともエッセイともつかない読み物。
    文庫化にあたりボーナストラックとして描き下ろしで一章が追加されている。

    取り上げられている作品の中で明確にホラーといえるのはラブクラフトの「ランドルフ・カーターの陳述」ぐらい。しかも内容は結構な diss。
    多くは純文学系のしかも割とマイナーな短編が多く、百閒の「殺生」とラブクラフト以外はいずれも未読どころかタイトルすら知らない作品。しかし、どれも怖いというより不気味というか厭な感じの小説で面白そうではあ

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    2024年07月08日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    新書は学術的なエッセイだなとしみじみ感じた。恐怖というと動物的、本能的なものを連想していたけど、この本の中の「恐怖」はもうちょっと高次な感じだった。結構淡々としている。

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    2024年07月06日
  • 問題は、躁なんです~正常と異常のあいだ~

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    うつはよく聞きますが、躁はあまり聞いたことがありませんでした。

    事例を読みながら、躁の状態が少し分かったような気がします。

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    2024年06月30日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    著者が怖いと思っているもの(甲殻類、死自体)に対する恐怖が私にはあまりないので、そのあたりはあまりピンとこなかったけど、いろんな事件や映画、詩などについて知れたのは良かった。

    特に印象に残ったのは映画『人間魚雷回天』について。
    これはあとがきも合わせてかなりインパクトがあった。
    あとは、亡くなったおじいさんを火葬したらお腹から胎児が飛び出してきた話もなかなかすごかった。

    結局人間がやることの残酷さが私は一番怖い。

    帯の文は京極夏彦。

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    2024年06月29日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    屋根裏に誰かいたり、声がしたりと脳内で何かが起きてるから、そうなっているのか!と理解が難しいですが、受け取る側になったら「そうなんですね」しか返答ができないかもしれません。

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    2024年06月24日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    各章に挟み込まれる筆者自身のエピソードが「どうだ不穏だろう不気味だろう」と露骨に仕掛けているように感じてしまい、いまいち乗れなかった
    紹介している作品の著者の顔をイジったりするのもなんだかな

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    2024年06月21日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    流石全員医師だけあって、医療現場の描写は迫力あるし、過労死ライン超過等の働き過ぎ問題や様々な課題が浮き彫りにされているが、小説としての上手さや完成度は、やはり久坂部氏以外は然程でもない。南杏子氏は出版社勤務から医師になった変わり種らしく、文章のセンスはなかなかだった。

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    2024年06月19日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    自分はビビリである。
    世の中に、好んでジェットコースターに乗ったり、ホラー映画を喜んでみる人がいるというのが信じがたい。
    そういうわけで、「恐怖の正体」に何らかの回答が得られるのではとの期待をして本書を読んだ。

    この本では、恐怖を以下の三要素によって説明する。
    ・危機感
    ・不条理感
    ・精神的視野狭窄

    しかし、単純には語り切れないらしい。
    例えば「恐怖症」の人たちにとっては、実際には直面していないにも関わらず恐怖を感じる。
    むしろ、漠然とした不安を、わかりやすいものによって形を与え、そこに恐怖を感じるメカニズムがあるらしい。

    恐怖の最中にある人が、どんな風に時間を意識するかが語られるあたり

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    2024年06月09日
  • 無意味なものと不気味なもの

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    感想
    意味を与えられない。人は物怖じしてしまう。だから無理に解釈しようとする。そこにただ存在しているだけ。その事実は受け入れられない。

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    2024年05月23日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    なぜ人は「それ」に恐怖を感じるの。虫の大群や集合体、先端恐怖症、閉所恐怖症などを精神科医である著者が分析している本
    甲殻類恐怖症である著者のエッセイっぽい文章にもなっており、恐怖を感じることを因数分解して細かく刻んで「恐怖の正体」を解説していく。
    おおむね、ほうほうと納得する内容のなかでも恐怖症のところではなぜピンポイントでその対象(高所恐怖症で言えば高いところ)だけがダメなのかという点については
    単純な因果論だけでは説明が難しく心理学や精神病理学では扱いきれない領域で文学的な面からも取り扱うべきだと言っているところが目から鱗であった

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    2024年05月13日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    恐怖について、小説や映画、産婦人科を経て精神科医になった著者の臨床経験などを踏まえ、幅広く論じてくれる。映画にしろ小説にしろ知らないものも多く、この作品は観てみたい、読んでみたいというものもあって刺激的だった。印象に残るのは、映画「人間魚雷回天」をめぐる父とのエピソード。著者はこの作品を子どもの頃、お父上とみて心底怖かったと思うが、父は平気な顔をしていたという。その謎解きが、本書の末尾で語られる。恐怖のような感情の体験は、自身の経験と密接につながる者なのかもしれない、と思ったね。俺が心底怖いと思うものは、なんだろう。

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    2024年05月05日
  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    ホラー物に目がないので興味津々で読んでみた。なるほどと思う部分もあり、ところどころ印象深いエピソードもある。猿を擦る話や光の吸収率がものすごい黒絵の具はゾゾっと来て良い。紹介されているホラー映画も参考になった。ただ、恐怖について体系的に何か掴めるといった内容ではなく、恐怖をテーマにしたエッセイを読んでいるような読後感ではあった。

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    2024年04月19日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    ●=引用

    ●幻の同居人の存在を訴える老婦人たちは、なるほど天井に向かって「そこから出ていけ!」と怒鳴ることもあろう。(略)だがそのいっぽう彼女たちには、過剰に侵入者個人を意識するといった点おいても、あまりにも被害内容が生活に密着し具体的である点においても、またどこか危機感が希薄な点においても、さらには迷惑を訴えても恐ろしさや不安感を訴えぬ点においても、なにがしかの屈折した親近感を屋根裏の某へ抱いているような気配を指摘し得るのである。(略)天井裏の侵入者は、実は老婦人の孤独を癒すべく彼女と不思議な交流を実現していると考えることも出来るのである。
    ●ひっそりと一人暮らしを営む老女たちにとって天井

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    2024年02月17日