春日武彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の死への好奇心が詰まった一冊。とはいえ、軽薄なものではなく、死にたいする尊厳と畏怖が随所に感じられた。
第2章については共感した。永遠など、まったく不要。どんなに幸せな状態でもそれは刹那的なものだから価値があり、永遠に続くとなれば必ず虚しさに襲われると思う。それが辛い状況ならなおさら永遠などごめん被りたい。
私自身の病気、母の死を迎えて、死が非常に身近なものになった。それでも、だからなにができるわけでもない。自分が死んでも毎日は続いていく。死ぬ前になにがしたいとか、名を残したいなどもない。ただそこに自分がその瞬間にあっただけ。病気と共に不安と安堵を繰り返しながら、ただひたすらにその瞬間 -
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Posted by ブクログ
ネタバレたまたま手に取り斜め読み。
さまざまな知識満載、表現力の妙味、
例えば、富岡多恵子の遠い空を、
田舎を舞台にした気味の悪い小説である
肥溜めに石を放り込んでみるような怖さと好奇心とに満たされている
という感想。遠い空の紹介の前には、アメリカ西部劇やドラマに出てくる底なし沼のことが書かれており、とにかく引き出しが広く多く想定外の発想と結びつきの考察。面白いし、紹介されている本の内容も詳しいのでブックガイドとしても役立つ。
遠い空の章がやはりなかなかよい。億劫であること面倒くさいという心性がもつ支配力、人を麻痺させる力。
いい人は不精者。
最初はおもろないと思ったが細かい考察表現法人間てしょう -
Posted by ブクログ
精神科医、春日武彦による「恐怖の一歩手前」「グロテスクの未然形」とでも言うべき不安や違和感に満ちた感覚をもたらす文学作品を題材にしたブックガイドとも文学評論ともエッセイともつかない読み物。
文庫化にあたりボーナストラックとして描き下ろしで一章が追加されている。
取り上げられている作品の中で明確にホラーといえるのはラブクラフトの「ランドルフ・カーターの陳述」ぐらい。しかも内容は結構な diss。
多くは純文学系のしかも割とマイナーな短編が多く、百閒の「殺生」とラブクラフト以外はいずれも未読どころかタイトルすら知らない作品。しかし、どれも怖いというより不気味というか厭な感じの小説で面白そうではあ