あらすじ
おどおどしてしまう、誤解されがち、嫉妬深い、ぶれる……ままならない自分と折り合いをつけるには? 精神科医による丁寧な考察とアドバイス。こんなはずじゃない!と思ったときに読む33章。
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Posted by ブクログ
すごくよかった。ただ、とてもしんどい時に求めて読む本では無いので注意です。
なんだかモヤる〜な気持ちの折り合いの付けかたを春日さんの感性的なものを織り交ぜつつ書かれています。短編小説やエッセイを読んでるような感覚です。私はこの本で春日さんのこの文章のセンスがとても好きになりました。他の本も読んでみようと思っています。
精神的なモヤモヤがすぐに読んでぱっと晴れるわけではないけど、俯瞰で自分を観察しつつ、なるほどなぁと思わせる内容でした。“うつ病を〜が〜”というタイトルの本にもうなんかお腹いっぱいだなぁと思えた時にオススメの一冊です。
Posted by ブクログ
□焦る
□生きるのが辛い
□嫌なことを忘れられない
□うしろめたい
□運が悪い
□おどおどしてしまう
□傷つきやすい
などなど。
生きているとさまざまなネガティブな感情、状態に苛まれる場合もあります。
そんな感情を精神科医でありエッセイスト、作家でもある春日武彦さんが分析。
一緒に対処法を考えます。
──と書くとちょっと違うんだよな。大筋ではまちがっていないと思うけれど。
春日さんの魅力が漂白されてつまらなくなってしまう。
ずばり、わたしにとって春日武彦の文章の魅力とは、「素敵に口が悪い」こと。
そもそも、口が悪い、いい、って何だろう、と云う気もしますが、春日さんの文章は「あーあ、言っちゃった」感に満ちていて、癖になるんです。
いや、文章が、ですよ。
御本人じゃなくて。
もしかして、「あーあ、言っちゃった」感なんて言ってるわたしのほうが口が悪いのかもしれないですね。
自分のネガティブな部分を、むろん、加減してでしょうが、臆面なく出し、そこにユーモアと確かな知識や知恵が伴っていて、人間味のある素敵さがあります。
対処法も、地に足をつけた、地道なものなのも、肩透かしを食らうとともに納得。
ネガティブ感情をパッと消す魔法も薬も存在しないのです。
春日さんは「この本は、読者に役に立つことを願って書きました。」と、はじめに、に書かれています。
興味あるトピックをつまみ読みするのも良し、通読して春日節に浸るのも良し。
こころに軽い違和感を感じたら、この診察室に飛び込んでみてはいかがですか?
Posted by ブクログ
個人的メモ。
p26 ものごとを単純化し過ぎる、矮小化簡略化し過ぎる態度というか精神状態は、自殺の危険に直結します。自殺者は、自分なりに考えに考え、ついに死ぬしかないと結論を下すわけですが、そのプロセスに身も蓋もない単純化が介在してしまうからそんな結論に至る。
p34 どうこう言っても、猫に不自然な生活を強いているのは確かなのです。一生、他の猫と遊んだり喧嘩をしたり交尾することはない。広い場所を存分に駆け回ることもできないし、鼠を捕まえる機会もない。我が家の猫は猫らしさを奪われているわけで、たとえ安全で快適な環境を提供しようとも、それが猫の幸福に直結している可能性については判断がつかない。いや、つくはずがない。
p58 マラソンランナー円谷幸吉について。この方の事は全く知らなかった。心情を想像するだけで胸が苦しくなる。婚約者と別れさせられるとことか。どれだけ追い込むんだよ。腹が立つ。
p145 イメージ的にうつ病の人は、項垂れたまま暗い表情で部屋の隅にじっとしているような印象を持っている読者が多いのではないでしょうか。でも特に老人のうつ病患者では、焦燥感やパニックで泣いたり騒いだりと落ち着かないケースが散見されます。取り越し苦労の行き着く先のようにも映ります。
p166 映画メランコリア ネタバレくらったが見てみたい。