【感想・ネタバレ】恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまでのレビュー

あらすじ

うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、おぞましいほど密集したブツブツの集合体、刺されば激痛が走りそうな尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体――。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な謎に、精神科医・作家ととして活躍する著者が迫る。恐怖に駆られている間、なぜ時間が止まったように感じるのか。グロテスクな描写から目が離せなくなる理由とは。死の恐怖をいかに克服するか等々、「得体の知れない何か」の正体に肉薄する。

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ひぇー!
しょっぱなの、電車の下くぐろうとして轢かれ死んだおじいの話からおもろすぎる!だいすき!
著者が引用してくる題材もいちいち全部おもろくて参考になりすぎ!

遠丸立さんの「高所恐怖症=墜落願望という人間の原衝動に対する防衛的恐怖」っていう見解すげーな
「『人間には高所へのぼって見下したい願望』と『高所から墜落したいという無意識的な願望』が表裏一体の関係で存在している」
「人間の出産行為は、胎児が子宮から外部空間へまで墜落するということを意味するわけで、要するにそれは人間が『墜落したい』という衝動に身をゆだねる最初の行為にほかならない」

いったん恐怖症が出現してしまうと、いつしかそれは当人のアイデンティティー(その人らしさ)として当人が無意識のうちに認識してしまい、そこで恐怖症はなおさら強固なものとなっていく

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2025年12月01日

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めちゃくちゃ面白い
春日武彦氏の軽妙でちょうどいい塩梅の自虐を含めた語り口が本の没入感になってる。恐怖の諦観者ではなく当事者として立ってくれているので共感が湧き、様々な文学・映画からの恐怖の引用に共に考え納得することができる。5、6章から題材がよりヘビーになるが、むしろここがこの本の一番の醍醐味だと思う。恐怖と聞くとまず『死』を連想するがまさに恐怖と死についての見解を聞くことができる。死に恐怖し過ぎる人々に対しての巻末の考察はまさに長年の疑問を解消してくれたようで気分が晴れやかになった。この題材の本を読んで心が晴れるというのは意外に思うかもしれないが。

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2024年11月29日

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ネタバレ

面白かった
引き込まれる文章で想像力が掻き立てられる〜今まで意識してなかったのに私まで甲殻類恐怖症になりそうです!笑
タイムリーな話題もあって楽しかった
あとがきで泣いてしまいました

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2024年03月13日

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精神科医が医学というより多くの書籍から引用した人それぞれの恐怖の対象を分類し語る。背筋の寒くなる部分が多いのが刺激的でいつもとは一風変わった読書が楽しめる。

筆者は甲殻類恐怖症だという。本書を読むと自分は集合体恐怖症のようで、考えただけでゾクゾクする。

映画、小説から多くの引用があり筆者の博識の高さが本書を奥深い物としている。新書ならではの知的な遊戯が魅力。

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2024年02月15日

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中平卓馬の「赤ん坊がはじめて見る世界」のような写真がどんなものか気になって検索したらちょうど今日から大規模な回顧展が始まるらしい。たまたますれ違った車のナンバが自分の誕生日と同じ、よりも確率の低そうな偶然である。
怖くはないけど。
先日、美の巨人たちで立原道造とヒヤシンスハウスを見て、篠田真由美の「風信子の家」を読み返したと思ったら、本書でも言及されていて、こっちもちょっとした符号を感ずる(単に過去の経験があるからそこに引っ掛かっただけかもしれないけど)。

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2024年02月06日

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いつもは物語ばかり読むがタイトルが気になり読んでみました。

たくさんの恐怖症がこの世にはあります。

私は周りにはきっと理解されない不安を持っています。
例えば重量を考え不安になる。
この部屋は何キロまで耐えられるのか。
劣化していけばどうなるのか。

怖くなり眠れなくなる時もある。

でも、恐怖に思う理由を、考え紐解くと全て同じ理由に結びつく。

無知程怖いものは無い。

そう思わされる本でした。

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2025年11月20日

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 本書のタイトルに心惹かれた方は多いのではないだろうか。恐怖は現実として避けたいと思う反面、「怖いもの見たさ」、むしろ「楽しい」という理由で遊園地のお化け屋敷や絶叫マシンなどの列に並ぶということも珍しくないだろう。
 結論から言えば、本書はそういった類いのことに科学的な答えを与えてくれるものではない。恐怖症など、当人でなければ分からないと思われるう恐怖感情のプロセスをうまく言語化し、読者に伝えてくれる。恐怖の言い表しにくい両面性に、著者の感性を忌憚なく切り込んでくれる部分が心地よい。
 本書について言えば、読者の視点や内心に寄り添ってくれる立ち位置であると思える。
 海外国内問わず、作品の引用も豊富であり、多様な言い知れない恐怖を味わえる点も踏まえ、おすすめしたい一冊だ。

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2025年06月03日

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面白かった。ただ、恐怖の正体がたちどころにわかるような本ではない。精神科医である作者がさまざまな恐怖を語るのに小説、詩、俳句、映画など様々なメディアの作品を使って紹介していく内容。たいそう博識な人でエッセイと捉えてもとても面白いし、読んだりしたい作品もたくさん出てきた。恐怖症についてはへーって感じで、読んだ。恐怖とは危機感、不条理感、精神的視野狭窄の三つが組み合わされる時に湧き起こる感情、って定義はまあ納得できる。自分にとっての恐怖とは何かと考えると、制御不能である状況、と言うのが当てはまる気がするし、これは危機感と不条理感の組み合わせとも解釈できるかもな。読み物としてなかなか面白かったし、面白い作家だなと思う。

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2025年04月09日

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ホラー作品とは、恐怖そのものではなく恐怖のカニカマなのだ。しかし自分の恐怖のツボが分かると、人生や社会の何を恐れているかが見えてくるのかもしれないね。
色んなホラー作品が例として紹介されているので片っ端からチェックしていきたい

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

予想最高気温29℃ですって
どうなっとんねん!
もう夏やん!インザサマーやん!ボンジョールノやん!

今年も30℃超えたらホラー小説を読もうと思ってるんですね
宮部みゆきさんや京極夏彦さんの続きとか小野不由美さんとかね
去年けっこう読みましたからね
今年はもうスティーブン・キングとか行っちゃおうかとも思ってます
すごいねスティーブン・キング、スティーブン・キングって書いた時点でもう怖いもの
ひと文字も読んでないのにもう怖いもの

そして今年こそはホラー小説完全克服を目指しますよ!

まずそのためには「恐怖」とはなんなのかを知るところから始めなければいけません
孔子も言ってます「カレーは一晩寝かしたほうが美味しいよ」って

そしてホラー小説の克服について再定義しておきましょう
それは決して「恐怖を感じなくなること」ではありません
恐怖をいかにエンターテイメントに昇華させることができるかってところです
ホラー小説を読んだ日の夜はトイレに行けなくなってるようではとてもエンターテイメントとは言えませんよ!(バンッ)

というわけで本書『恐怖の正体』です
「恐怖」と「娯楽」の関係性にも多分に触れていて非常にためになりましたよ

ただね…肝心の『恐怖の正体』ですが…よく分かりませんでしたw

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2024年05月05日

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大学の講義でおじいちゃん先生が喋る余談、みたいな感じの本。
科学的な分析を期待する人には向かないと思う。私は面白く読めた。「恐怖の正体」というタイトルはちょっと内容にそぐわないとは思う。

著者は精神科医ということだが、小説、詩、映画などに詳しく、それらの作品、あるいは実際の事件を次々と引用して恐怖について考察する形式。
紹介されているのが知らない作品ばかりで、非常に興味深く読めた。

私は何に恐怖を感じるだろう?何故恐怖を感じるのだろう?とか、考え出すと楽しい。

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2024年02月18日

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なかなか面白かった。色んな作品の恐怖を感じるポイントがピックアップしてあって、アレコレ摘み食いしながら楽しく読み進められた。自分の事となると、死と死体を切り離して考えちゃう節があるって言うのは妙に納得した。

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2024年02月06日

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精神科医が恐怖について、整理分類して解説を試みた本です。〇〇恐怖症な人たちにも言及しておりまして、自らも甲殻類恐怖という著者。著者がその恐怖を語っていますが、怖い思いをして書いているわけなので気の毒に思ったりして。
アカデミックに恐怖をとらえる試みはとても興味深く、引き寄せられました。

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2023年12月22日

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様々なシチュエーションの恐怖を作者の主観で語っていくという形式でした。
恐怖という感情についてより専門的に知りたいという人には物足りないかなと思いましたが、個人的にはわかりやすくて読めて面白かったです。

1番共感したのは、「鯉」の話です。あの状況を怖いと感じる人が他にもいたんだ!と読んでいて密かにテンションが上がりました。

専門書というより、自分が恐怖を感じるシチュエーションを作者はどう解釈しているのか楽しむ入門書に近いのかもと感じました。
ホラー小説、ホラー映画がいくつか例に挙げられているので、この本をきっかけに観てみたいものが見つかるかもしれません。

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2023年12月17日

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「恐怖」「怖い」とはなにか、を様々な事例と共に語る本。

列挙されている事象もそれぞれ興味深かったが、作者本人の甲殻類恐怖症と、作者の父の人間魚雷の話が一番面白かった。

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2025年09月27日

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人にはそれぞれ恐怖を感じる対象がある。怖がりという言葉が何に対してどの様な恐怖心を抱いているか、時には他人には理解できないこともある。大半の人は幽霊などの現実世界には無い様なものを恐れるだろうし、極端なスピードで高速や一般道までをも走る車、包丁を持って近づいてくる人がいれば、有無を言わさず恐怖するだろう。私は幼い頃に高い木から落ちた経験からか、高いところが苦手、所謂、高所恐怖症だ。今世の中を見れば恐怖で溢れ返っている。街中や通勤電車内で刃物を振り回したり、ビルから包丁や人が(歩行者を狙ったのか)落ちてるくる、強風で飛ばされた農業用テントやら看板が電車にぶつかって人が亡くなるなど、自分に降りかかった時のことを想像すれば、容易に恐怖に至るだろう。珍しいところでは(結構いるかもしれないが)、狭いところ、ぶつぶつした模様、すれ違う愛玩犬、食べ物などにも恐怖を感じる人も多いだろう。
この様な恐怖心を抱く原因や、その対象物となり得る例を多く挙げ、それを精神医学の見地から分析しているのが本書の内容である。筆者は甲殻類の恐怖症であるから、自身の経験・体験などからもその原因や、恐怖を抱くための要件、条件を示している。特にエンターテインメントとしての映画や文学作品などの例示は豊富で、その一つ一つに丁寧な原因分析が行われている。勿論そうした作品の多くは、製作者や筆者の感じる恐怖心が背景にあるだろうから、見事に本作の筆者や読者である私も、その恐怖の罠に見事にはまってしまっているに違いない。
以前何かの本で、人はそこにあるはずのものが無かった時より、無いはずのものがあった時に恐怖を感じると読んだことがある。そうした意外性や身の危険に対する抵抗心などが恐怖に結びつきやすいだろう。何より生存本能として、痛みや死に至る危険性や可能性への恐怖は避け難い。その様な恐怖の出どころを理解したとて、その恐怖を克服したり避けられるわけでは無いだろうが、知識として知っておく事で、何かそうした機会に偶然行き当たった場合にも、少し冷静に考えられるのではないかと思う。ただ、恐怖は軽減できても、それはあくまで身体や精神の危険に対する警告的なものであるから、あくまであることの方が正しいのではあるが。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

仕事柄、車を運転する機会が多くて、おかしな動きをする車がマジで怖いです。
初心者またはペーパードライバーなのか、公道でなんらかのチャレンジを行っているのか、もしかしたら脳に欠陥があって恐怖心を感じない人なのか知りませんけど、そういうのを見ると反射的に警戒モードになります。

恐怖は、人間が備えた防衛本能であると同時に、恐怖症や不安障害のように人間を追い詰めて弱らせる自滅システムのような一面もある。
あってもなくても困るし、人によって対象も程度も違う。
改めて複雑な感情だなぁと思いながら読みました。

この本は精神科医である著者が、小説や映画のワンシーンを引用しながら、様々な角度から恐怖という感情について考察しているものです。
学術的な要素はあまりなく、作家でもある著者の趣味嗜好が高じた感想文のような書籍で、想像していたのとはちょっと違いました。
ただ文章に独特の味があって、読み物として面白かったです。

結局正体はわからないが、恐怖とうまく付き合って生きている人が一番幸せだと思います。

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

医者先生による、何がどうして怖いのか?参考文献を添えて解を述べる本。良くも悪くも「個人の感想」であり、体系的だとか学術的だとかいう内容ではない。独自の基準や定義を設定しがち。そのかわり合う部分は本当に合う。そう、私が言いたかったのはそれなの。G永遠(宇宙)と死についてがベネ。

それにしても先生怖いもの多いねえ

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2025年01月18日

Posted by ブクログ

「恐怖」に関する分析もさることながら、筆者の嗜好や生育、体験から生まれてくる恐怖に関する叙述が、本当に興味深く、面白く読むことができました。

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2024年09月15日

Posted by ブクログ

<目次>
第1章  恐怖の生々しさと定義について
第2章  恐怖症の人たち
第3章  恐怖の真っ最中
第4章  娯楽としての恐怖
第5章  グロテスクの宴
第6章  死と恐怖

<内容>
哲学書のような、文学書のような…。怖くはない…。著者は精神科医(元産婦人科医)。結局恐怖を描こうとすると、実際の患者を描くことはできず、自分と体験者(その多くは文学者の著書)から分析するしか無いし、専門的すぎないように書くとこんな感じになるのかな?映像の話が加わるのが具体性が増しているか?ただしそれを描写すれば、結局は文字なんだよね…

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

新書は学術的なエッセイだなとしみじみ感じた。恐怖というと動物的、本能的なものを連想していたけど、この本の中の「恐怖」はもうちょっと高次な感じだった。結構淡々としている。

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

著者が怖いと思っているもの(甲殻類、死自体)に対する恐怖が私にはあまりないので、そのあたりはあまりピンとこなかったけど、いろんな事件や映画、詩などについて知れたのは良かった。

特に印象に残ったのは映画『人間魚雷回天』について。
これはあとがきも合わせてかなりインパクトがあった。
あとは、亡くなったおじいさんを火葬したらお腹から胎児が飛び出してきた話もなかなかすごかった。

結局人間がやることの残酷さが私は一番怖い。

帯の文は京極夏彦。

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2024年06月29日

Posted by ブクログ

自分はビビリである。
世の中に、好んでジェットコースターに乗ったり、ホラー映画を喜んでみる人がいるというのが信じがたい。
そういうわけで、「恐怖の正体」に何らかの回答が得られるのではとの期待をして本書を読んだ。

この本では、恐怖を以下の三要素によって説明する。
・危機感
・不条理感
・精神的視野狭

しかし、単純には語り切れないらしい。
例えば「恐怖症」の人たちにとっては、実際には直面していないにも関わらず恐怖を感じる。
むしろ、漠然とした不安を、わかりやすいものによって形を与え、そこに恐怖を感じるメカニズムがあるらしい。

恐怖の最中にある人が、どんな風に時間を意識するかが語られるあたりまでは、ほお、そういうことがあるのか、と専門家のご意見拝聴モードで読み進める。

著者は最初から、ご自身の恐怖への嗜癖のようなものを、いくぶん自虐的なトーンで言及している。
だから、覚悟はしていたが、だんだん本書では筆者自身の恐怖体験や、映画・小説その他の中に含まれる恐怖エピソードをなぞり、腑分けしていく。
これがビビリたる自分には、なかなか苦痛を伴う。
これまで意識していなかったものに、改めて恐怖を感じるようになってしまうかもしれない、と真剣に思った。

ただ、なぜ人が恐怖に惹かれるのかについては、少しわかった気にはなれた。
死のような、「絶対的な無」への関心。
しかし、その領域に入ったら、戻ってこられない。
こうしたジレンマから、人は死に魅惑され、かつ恐怖するということらしい。

恐怖に隣接するグロテスクなものについても、本書は取り上げていく。
目を背けたいおぞましさに、くぎ付けになる。
それと同じ世界に生きる不条理に耐えられない気持ちになる。
しかも、なぜか時にそれは滑稽な感じさえ引き起こす。
これがグロテスクの要件だそうだ。
なるほど、不条理感は恐怖の要件に通じている。
滑稽さにつながってしまうというのは、理詰めには考えられないことだが、感覚的には分かる。
なるほど、「エロ・グロ・ナンセンス」と括られたわけだ。

恐怖を覚えさせるものをこれでもか、と挙げていく本ではあるが、最後の最後に対処法を示してある。
本を途中で投げ出さずにいて、よかった。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

なぜ人は「それ」に恐怖を感じるの。虫の大群や集合体、先端恐怖症、閉所恐怖症などを精神科医である著者が分析している本
甲殻類恐怖症である著者のエッセイっぽい文章にもなっており、恐怖を感じることを因数分解して細かく刻んで「恐怖の正体」を解説していく。
おおむね、ほうほうと納得する内容のなかでも恐怖症のところではなぜピンポイントでその対象(高所恐怖症で言えば高いところ)だけがダメなのかという点については
単純な因果論だけでは説明が難しく心理学や精神病理学では扱いきれない領域で文学的な面からも取り扱うべきだと言っているところが目から鱗であった

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

恐怖について、小説や映画、産婦人科を経て精神科医になった著者の臨床経験などを踏まえ、幅広く論じてくれる。映画にしろ小説にしろ知らないものも多く、この作品は観てみたい、読んでみたいというものもあって刺激的だった。印象に残るのは、映画「人間魚雷回天」をめぐる父とのエピソード。著者はこの作品を子どもの頃、お父上とみて心底怖かったと思うが、父は平気な顔をしていたという。その謎解きが、本書の末尾で語られる。恐怖のような感情の体験は、自身の経験と密接につながる者なのかもしれない、と思ったね。俺が心底怖いと思うものは、なんだろう。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

ホラー物に目がないので興味津々で読んでみた。なるほどと思う部分もあり、ところどころ印象深いエピソードもある。猿を擦る話や光の吸収率がものすごい黒絵の具はゾゾっと来て良い。紹介されているホラー映画も参考になった。ただ、恐怖について体系的に何か掴めるといった内容ではなく、恐怖をテーマにしたエッセイを読んでいるような読後感ではあった。

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2024年04月19日

Posted by ブクログ

ホラー好きとして面白く読めた。ただ「恐怖の正体」というタイトルはやや仰々しい印象で、どちらかというエッセイテイスト。引用元がホラー小説や古い映画が多く、ホラー好きの人が読むと個々人のなかのホラーウィッシュリストが増えること間違いなし。ブログを読んでいる感覚で読める筆致でとてもよかった。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

恐怖の味噌汁。

咄嗟に浮かんだタイトルだったがもちろん関係はない。
精神科医師の、恐怖にまつわるエッセイみたいなもんだな。恐怖やグロテスクについての定義めいたものはあるが、それを評価軸として、筆者の感じる「恐怖」について語る感じ。
それだけつっちゃそれだけなのだが、小説や映画などに造詣が深く、具体的にあれやこれや触れてくれるのが面白いかな。

恐怖の瞬間には恐怖を感じない、と言うのはなるほどだな

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

ディテールが面白い。
ということは文章が面白いということ。
特にゴキブリに出遭ってしまったときの心理の詳述!



内容説明
うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、密集したブツブツの集合体、鋭い尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体―。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な謎に、精神科医・作家として活躍する著者が迫る。恐怖に駆られると、なぜ時間が止まったように感じるのか。グロテスクな描写から目が離せなくなる理由とは。自らの死を考えるときの恐ろしさ等々、「得体の知れない何か」の正体に肉薄する。

目次
第1章 恐怖の生々しさと定義について
第2章 恐怖症の人たち
第3章 恐怖の真っ最中
第4章 娯楽としての恐怖
第5章 グロテスクの宴
第6章 死と恐怖

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

ふとした瞬間に感じる、鳥肌が立つ程の恐怖や目を背けてしまう程の恐怖。
その正体を探るべくあらゆる切り口で考察する本書はなかなか興味深い。
私自身、想像できるからこそ怖い時と理解できないから怖いと感じる時がある。
でもまさか恐怖症やグロテスク、死について考える日が来ようとは。

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2023年11月24日

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