春日武彦のレビュー一覧
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ネタバレ精神科医の著者が読み、明確な“恐怖”以前の不穏さや不気味さ、不安、グロテスクさを覚えた各種文学作品17編を題材に、自身の体験と随想を加えつつ人間精神の不可解さと闇を覗き込む異貌の“恐怖”文学論。
全部で17編の小説が採り上げられ(文庫版で1編が新録)ているが、怪奇幻想色が濃厚なのはホーソーン、パトリック・.マグラア、HPLそれにブルーノ・シュルツの作品くらいで、後は純文学系の作品が占める(ブラッドベリ「目かくし運転」も彼の他作品に比べると幻想味は薄い)。が、どの作品も(紹介される内容だけでも)何かしら不穏さや不安、不気味さを覚えるもので、時に人間とはかくも醜悪なまでにグロテスクな存在ないしそ -
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「かけがえのない人物が死んだからと、後を追う者がいる。でも、生き続ける者のほうが多い。はるかに多い。にもかかわらず、我々は絶望や喪失や苦境が自殺への扉であると信じている。」
確かにそう思う。自殺は悲しみの果てにあり、どこかドラマティックさ、特別さ、ある意味で惹かれるものを感じている。
丸々一冊自殺について書かれている本書。自殺の分類や遺書紹介など盛りだくさんだが、自殺は精神的視野狭窄によって選択されているもので、「いじましい固執にこそ精神病理は求められるべきではないか」という冷静な発言に、読むほどに自殺のドラマティックさが薄れる。いい意味で自殺を遠くから見ることができる本だった。 -
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予想最高気温29℃ですって
どうなっとんねん!
もう夏やん!インザサマーやん!ボンジョールノやん!
今年も30℃超えたらホラー小説を読もうと思ってるんですね
宮部みゆきさんや京極夏彦さんの続きとか小野不由美さんとかね
去年けっこう読みましたからね
今年はもうスティーブン・キングとか行っちゃおうかとも思ってます
すごいねスティーブン・キング、スティーブン・キングって書いた時点でもう怖いもの
ひと文字も読んでないのにもう怖いもの
そして今年こそはホラー小説完全克服を目指しますよ!
まずそのためには「恐怖」とはなんなのかを知るところから始めなければいけません
孔子も言ってます「カレーは一晩寝か -
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ネタバレ「屋根裏に誰かが住み着いている、そしてそのヒトが時々部屋に侵入して悪さをしていくんです…。」
そんなことを訴える精神分裂症の患者は意外と多いという(驚いたことに、分裂症でも痴呆でもない老婦人にも同様の訴えをするヒトが多いという)。なぜ患者の妄想上の侵入者は共通して屋根裏にいるのか?筆者は本著の中で、屋根裏妄想の謎を解くヒントとして、実際に屋根裏妄想を抱えていた患者の例や本当に起きた屋根裏侵入事件などの事例を沢山紹介している。
以前、部屋のWifiの調子が悪くなり管理会社に連絡したところ「お風呂場の天井の一角を押し上げて通信機の元電源をオフにし再起動してみてください」と言われた。その通りに天井 -
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様々なシチュエーションの恐怖を作者の主観で語っていくという形式でした。
恐怖という感情についてより専門的に知りたいという人には物足りないかなと思いましたが、個人的にはわかりやすくて読めて面白かったです。
1番共感したのは、「鯉」の話です。あの状況を怖いと感じる人が他にもいたんだ!と読んでいて密かにテンションが上がりました。
専門書というより、自分が恐怖を感じるシチュエーションを作者はどう解釈しているのか楽しむ入門書に近いのかもと感じました。
ホラー小説、ホラー映画がいくつか例に挙げられているので、この本をきっかけに観てみたいものが見つかるかもしれません。 -
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面白かった。
どちらかといえば、エッセイ風味。
作者(50年代生まれの精神科の医師)の怖かった映画や小説の話が多い。
古い戦争系の映画と、2000年代の外国映画が多い。
小説は古めだけど、文だけでどう怖くなるか、がわかりやすくて面白かった。
怖いとはなにか、台所にでるあの虫や、ピエロ、高所閉所、集合体(←私もめちゃめちゃ苦手)、尖端など恐怖の望都は様々。
それがなぜ、どうして怖いのか、文にして明快に説明されるのはスッキリした。
しかしまあ、※個人の感想です、に由来する恐怖も多くて、なかなか面白いテーマだとわかった。
お化け屋敷やジェットコースターなど、なぜわざわざ恐怖を感じたいのか、などの話や -
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精神科医としてさまざまな自殺者と関わった作者が、過去の患者の自殺例や文学などを通して自殺について考察しているエッセイ本でした。
自殺の決定的な原因のようなものや自殺を止める方法とかは載ってなく、人々が抱く自殺に対するイメージに輪郭をつけようとしているのが本書の特徴かなと感じました。
自殺に対して普段抱くイメージって結構パターン化されてるなと読んでいて感じたし、自殺した人たちもこのパターンにあてはめると理解しやすいなと思いました。本書だとそのパターンによって自分たちが勝手に自殺者を物語化していることを思い知らされ、改めて自殺のわけのわからなさ、不可解さに打ちのめされました。
死にたいなと思うけど -
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乱歩の「屋根裏の散歩者」を再読する機会があり、これを読もうと思っていたが、なかなか時間が取れず、またまた医者に行った待ち合いで読んだ。
非常に興味深い話だった。何処か異常でなければ、ここに書かれるような訴えをすることはないのではあるとしても、沢山建ち並ぶ家々のどこかで、人知れず妄想に悩まされて生きている人々が、屋根裏の誰かを憎みながらも時に親しみすらいだいたりしながら生きているという事実。
つい最近、他の本の感想を書いた折に、様々な家の中で実は起きているかもしれぬ興味深い事象を空想することがあると書いたけれども、そんな空想が行き着いた一種の到達点が、屋根裏に誰かがいるのです、という心理なのかも -
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こんな本が出ていたのを全然知らなかったけど、ふと見つけて読んでみた。精神科医の春日武彦氏と歌人穂村弘、おふたり友達同士で「死」について語る、という。
わたし自身は本当に我ながら異常ではと思うほど「死」というものに対する恐怖が激しく、「死生観」みたいな話も苦手なので、この本を読んだらちょっとはなんとかならないかという思いもあったんだけど、仲のいい友人同士が笑いながらのんびり雑談する感じで、怖くもなく楽しく読めたのはよかったけど、わたしの死への恐怖は別に減りもしないし変らなかった……。でも、こんなふうにいろいろ語り合える友人がいるっていいなあと思った。テーマは死でも、温かいいい雰囲気だったんだよね