春日武彦のレビュー一覧

  • 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで

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    様々なシチュエーションの恐怖を作者の主観で語っていくという形式でした。
    恐怖という感情についてより専門的に知りたいという人には物足りないかなと思いましたが、個人的にはわかりやすくて読めて面白かったです。

    1番共感したのは、「鯉」の話です。あの状況を怖いと感じる人が他にもいたんだ!と読んでいて密かにテンションが上がりました。

    専門書というより、自分が恐怖を感じるシチュエーションを作者はどう解釈しているのか楽しむ入門書に近いのかもと感じました。
    ホラー小説、ホラー映画がいくつか例に挙げられているので、この本をきっかけに観てみたいものが見つかるかもしれません。

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    2023年12月17日
  • 自殺帳

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    精神科医としてさまざまな自殺者と関わった作者が、過去の患者の自殺例や文学などを通して自殺について考察しているエッセイ本でした。
    自殺の決定的な原因のようなものや自殺を止める方法とかは載ってなく、人々が抱く自殺に対するイメージに輪郭をつけようとしているのが本書の特徴かなと感じました。
    自殺に対して普段抱くイメージって結構パターン化されてるなと読んでいて感じたし、自殺した人たちもこのパターンにあてはめると理解しやすいなと思いました。本書だとそのパターンによって自分たちが勝手に自殺者を物語化していることを思い知らされ、改めて自殺のわけのわからなさ、不可解さに打ちのめされました。
    死にたいなと思うけど

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    2023年10月30日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    乱歩の「屋根裏の散歩者」を再読する機会があり、これを読もうと思っていたが、なかなか時間が取れず、またまた医者に行った待ち合いで読んだ。
    非常に興味深い話だった。何処か異常でなければ、ここに書かれるような訴えをすることはないのではあるとしても、沢山建ち並ぶ家々のどこかで、人知れず妄想に悩まされて生きている人々が、屋根裏の誰かを憎みながらも時に親しみすらいだいたりしながら生きているという事実。
    つい最近、他の本の感想を書いた折に、様々な家の中で実は起きているかもしれぬ興味深い事象を空想することがあると書いたけれども、そんな空想が行き着いた一種の到達点が、屋根裏に誰かがいるのです、という心理なのかも

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    2023年06月25日
  • 「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ

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    違和感になっとく。
    一見正しいことをいっている(字面にすると正しい)がやっぱり人としてこいつなあーみたいな人が最近多い気がする。とても愉快な対談でした。

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    2023年06月25日
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる

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    タイトルからして面白そうだったが、内容も面白かった。筆者の語り口調といい考え方といい、何だか読んでてニヤリとしてしまう。

    幼少期の木琴の話はなんだか近しいような体験をしたことがあり、忘れかけてたエピソードがフラッシュバックした。

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    2023年05月21日
  • あなたの隣の精神疾患(インターナショナル新書)

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    難しい言葉(古い言葉?)が多く使われていますが、読みにくくはなかったです。

    皮肉が効いているところも多く、所々でクスッと笑えました。

    身の回りのあらゆる精神疾患について、幅広く学ぶことができました。

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    2023年05月02日
  • 「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ

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    中間線があるとしたら、そこを跨ぐように激しく波打って動く放物線なんだけど、そこから大きく飛んでいかない。過激なようで、どこかまとも。この人たちがぶっ飛んでるのはフリなのか、いやフリではないけど、狂ってはいない。楽しく読めました!

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    2023年04月13日
  • 「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ

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    精神科医である春日武彦さんと、独特の小説を書く平山夢明さんの対談。狂気について考えている。人間という生物は、非合理的な行動をとるもので、その行動をとる時の心理は、どんな状態なのかを知ることができる本。
    精神科医の経験談を聞けるのは、とても興味深い。

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    2023年04月02日
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと

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    ネタバレ

    なんかコロナを抜けた今だと彼らの対談は結構違ったものになってそうな気もする。全く変わらないのかもしれない。どっといだろう。挿絵が結構好き。医者も詩人も大変だなあ。

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    2023年03月26日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    題名に惹かれて購入した。統合失調症や痴呆になると、稀に幻の同居人が現れることがあるらしい。不安を口にしつつもなんだか馴れ合っているのは意外でした。屋根裏を題材にした小説なども紹介していたが、精神科医として経験した実例の内容が興味深かった。

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    2023年03月07日
  • ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと

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    こんな本が出ていたのを全然知らなかったけど、ふと見つけて読んでみた。精神科医の春日武彦氏と歌人穂村弘、おふたり友達同士で「死」について語る、という。
    わたし自身は本当に我ながら異常ではと思うほど「死」というものに対する恐怖が激しく、「死生観」みたいな話も苦手なので、この本を読んだらちょっとはなんとかならないかという思いもあったんだけど、仲のいい友人同士が笑いながらのんびり雑談する感じで、怖くもなく楽しく読めたのはよかったけど、わたしの死への恐怖は別に減りもしないし変らなかった……。でも、こんなふうにいろいろ語り合える友人がいるっていいなあと思った。テーマは死でも、温かいいい雰囲気だったんだよね

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    2023年02月16日
  • 屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理

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    江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』の話をちりばめながら、「屋根裏に誰かがいる」という妄想に取り憑かれる人に対しての、精神科医である春日先生の考察など。
    「幻の同居人」という表現から、痴呆や妄想に取り憑かれた人の頭の中がよく想像できた。読後、天井裏が気になって仕方がありませんが、強いてそこを開けようとは思わないな。でもその存在を意識するようになったのは確か。それと、実家にも足を運んで両親で暮らす家に、外からの空気を積極的に入れ循環させようと思った。

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    2022年10月09日
  • 健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体

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    2022/05/12
    個人的にモヤモヤしてたことがそうか…って腑に落ちたりした。対談だから読みやすい。
    読んでよかったー。

    ・「常識は原理にならない」っていう文章が特にそうかぁと思ったしすごくよかった

    p.138 『規制力はあるけど攻撃力は小さいし、権力的になれない。これは人間を動かすときに非常に
    有効な手段なんですね。言いたいことは言えるけれど、相手の立場もちゃんと確保してある。
    常識的な人間というのは、だからすごくいいんですよ。人を徹底批判することがないし、罵倒したり愚弄したりすることもない。だって、そんなの「常識的じゃない」から。「そんなに人を責めるなんて、非常識じゃないか」と言えば

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    2022年05月12日
  • あなたの隣の精神疾患(インターナショナル新書)

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    パーソナリティ障害の章でクレーマーの対応についても書かれていた。
    一緒に困ってみるという姿勢をし、次善の策を提示することはやはり良いのだと再認識できた。

    歳をとり損ねる、幻の同居人についての件も興味深い話だった。

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    2021年09月29日
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる

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    「(母)親に認められたい」という思いは本人が年老いても親が亡くなっても消えないものなのか。だとしたら諦めることを諦めるしかなさそうだ。

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    2021年01月22日
  • 様子を見ましょう、死が訪れるまで 精神科医・白旗慎之介の中野ブロードウェイ事件簿

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    なんとなく手に取った小説だけど、これも当たり!
    現役の精神科医が書く、記憶喪失の男と精神科医の男の生活で遭遇したする様々な出来事というか事件というか。
    いろんな欲望を持つ人が登場するけど、何故に異常と呼ばれたり描かれたりする人にこんなに興味をかんじるんだろう?

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    2019年11月29日
  • 問題は、躁なんです~正常と異常のあいだ~

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    DVTで小田原の病院に入院した時、縄ちゃんが差し入れてくれた本。読んでいなかったが、某クレージー野郎の事件で読んでみる。「うつ」は先が読めるし自覚症状もあるので治療しやすいが、「躁」と「人格障害」は自覚がないので治療に難渋するというのは、最近とても感じていたこと。プロである精神科医にとっても同じことなのだと納得。

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    2018年10月13日
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる

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    亡きお母上の呪縛から逃れたい一心で形振り構わず占いに縋る、少々情けないご自身の姿を敢えて赤裸々に描いた意欲作。誠に天晴れな作家魂と言う他ありません。常にも増して自己憐憫の欠片も無い、皮肉たっぷりの文章も素晴らしいです。褒めております。念のため。

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    2018年09月06日
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか

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    大変な仕事だなぁ。話題が次々と変わって読み物としても楽しい。たとえ話も的確。妄想想像も逞しい。エリザベス キューブラーロスも話題に。

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    2017年08月02日
  • 秘密と友情

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    表紙の猫の可愛さで思わず手に取った一冊。
    精神科医の春日さんと、歌人の穂村さんとの対談。

    2人の知的で、かつ「普通」からは外れてしまったおかしな感覚・違和感が絶妙で、思わず吹き出してしまう箇所も。
    (特に穂村さんのヘタレ具合といったら!「めまい」には笑いました)

    大人になることってなんだろう、常識ってなんだろう?

    巻末にそれぞれの煩悩(気になる)108リストが載っていましたが、穂村さんの「ぬいぐるみの熊が踊る文明堂のCM」は、私も常々気になっています(笑)

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    2017年02月26日