春日武彦のレビュー一覧
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すっかり内田樹にハマッています。
内田氏の著書は、(勝間氏などの書く)ビジネス書及び自己啓発書と比較しながら読むととても面白い。結構正反対の事を言っていたりする。それなのに、双方に説得力があったりするのが不思議に感じる。
けれど、総じて感じるのは「内田氏のほうがより大人だ」ということ。なんだか懐が深い感じがする。勝間氏らの書くビジネス書が、分かりやすく明確に伝えるために切り捨てている(一見どうでも良さそうに見える)部分を、丁寧に掬ってあげているのが、内田氏の書なのではないか。
だから僕のように「若さをエネルギーにいろいろな自己啓発本を読んだけれど、大体同じことを言っているしもうそろそろ飽 -
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この本には世間にまぎれこんでしまったちょっと「グロテスク」な感覚、あるいはそれをもった人についての著者の考えが例を引いて述べられていて、いろいろな点でたいへん興味深かったです。扱う範囲はたぶん狂気とか精神病なんだけど、著者の書き方からまったく病的なものと境界にあるものとの見極めをだいぶ丁寧にやっているような印象を受けるので、けっこう説得力があるのですよ。個人的には文学への言説―「月並みなドラマチックなものがもたらす『判りやすさ』」が、グロテスクへの傾向がしばしば面倒くささとか呆気なさによるものと説明した上で、読者と作者の馴れ合いだという指摘に、はっとしました。それで「自虐指向と破滅願望」という
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定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。
牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
朝比奈秋『魚類譚』
春日武彦『パイナップルのある光景』
中山裕次郎『救いたくない命』
佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
久坂部羊『闇の論文』
遠野九重『言葉が消えるまえに』
南杏子『空中テント』
藤ノ木優『峠を超えてきた命』
それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近 -
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様々な角度から恐怖にアプローチしたエッセイ。
思索の材料になるのは著者自身の臨床経験、回想、本、映画など。
恐怖の定義として、危機感、不条理感、精神的視野狭窄を挙げている。
基本的に鈍感な自分にとって恐怖とはまず、足を踏み外して転落する、回転体に巻き込まれる等の身体的苦痛か、大勢の前で恥をかくような精神的苦痛かの、痛みの予感ともいうべきものであるように思う。もう一つは意思の疎通が不可能だったり、所以なく起きる現象など、対処しようもない謎に直面して己の無力を意識する場合に生じる。春日先生のいう危機感と不条理感にそれぞれ対応しているだろうか。
恐怖症はとくにない。高所や閉所は人並みに嫌いだし、集 -
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本書のタイトルに心惹かれた方は多いのではないだろうか。恐怖は現実として避けたいと思う反面、「怖いもの見たさ」、むしろ「楽しい」という理由で遊園地のお化け屋敷や絶叫マシンなどの列に並ぶということも珍しくないだろう。
結論から言えば、本書はそういった類いのことに科学的な答えを与えてくれるものではない。恐怖症など、当人でなければ分からないと思われるう恐怖感情のプロセスをうまく言語化し、読者に伝えてくれる。恐怖の言い表しにくい両面性に、著者の感性を忌憚なく切り込んでくれる部分が心地よい。
本書について言えば、読者の視点や内心に寄り添ってくれる立ち位置であると思える。
海外国内問わず、作品の引用 -
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