春日武彦のレビュー一覧
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定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。
牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
朝比奈秋『魚類譚』
春日武彦『パイナップルのある光景』
中山裕次郎『救いたくない命』
佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
久坂部羊『闇の論文』
遠野九重『言葉が消えるまえに』
南杏子『空中テント』
藤ノ木優『峠を超えてきた命』
それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近 -
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様々な角度から恐怖にアプローチしたエッセイ。
思索の材料になるのは著者自身の臨床経験、回想、本、映画など。
恐怖の定義として、危機感、不条理感、精神的視野狭窄を挙げている。
基本的に鈍感な自分にとって恐怖とはまず、足を踏み外して転落する、回転体に巻き込まれる等の身体的苦痛か、大勢の前で恥をかくような精神的苦痛かの、痛みの予感ともいうべきものであるように思う。もう一つは意思の疎通が不可能だったり、所以なく起きる現象など、対処しようもない謎に直面して己の無力を意識する場合に生じる。春日先生のいう危機感と不条理感にそれぞれ対応しているだろうか。
恐怖症はとくにない。高所や閉所は人並みに嫌いだし、集 -
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本書のタイトルに心惹かれた方は多いのではないだろうか。恐怖は現実として避けたいと思う反面、「怖いもの見たさ」、むしろ「楽しい」という理由で遊園地のお化け屋敷や絶叫マシンなどの列に並ぶということも珍しくないだろう。
結論から言えば、本書はそういった類いのことに科学的な答えを与えてくれるものではない。恐怖症など、当人でなければ分からないと思われるう恐怖感情のプロセスをうまく言語化し、読者に伝えてくれる。恐怖の言い表しにくい両面性に、著者の感性を忌憚なく切り込んでくれる部分が心地よい。
本書について言えば、読者の視点や内心に寄り添ってくれる立ち位置であると思える。
海外国内問わず、作品の引用 -
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何とも凄い本ではある。
どうしても忌避してしまう「死」に正面から向き合っている。
死のオムニバス、アラカルト、、いろんな話題。
何か全体を通してメッセージがある、というものではない。
副題の「人はなぜ(死に)好奇心を抱くのか」を、いろんな角度から探ってる。
答えはないのだと思う。いろんな本から引用している、鉄腕アトムも。
火の鳥じゃない。
まあ気軽に?死について考える新書になっている。
私にとっての最初の死は小2の時の地方に住む祖父だったが
あまりピンと来なかった。
ピンと来たのはその翌年の、ペットのセキセイインコの死。大泣きした。
なんといっても30歳で父に急死されたのはショックだった。
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面白かった。ただ、恐怖の正体がたちどころにわかるような本ではない。精神科医である作者がさまざまな恐怖を語るのに小説、詩、俳句、映画など様々なメディアの作品を使って紹介していく内容。たいそう博識な人でエッセイと捉えてもとても面白いし、読んだりしたい作品もたくさん出てきた。恐怖症についてはへーって感じで、読んだ。恐怖とは危機感、不条理感、精神的視野狭窄の三つが組み合わされる時に湧き起こる感情、って定義はまあ納得できる。自分にとっての恐怖とは何かと考えると、制御不能である状況、と言うのが当てはまる気がするし、これは危機感と不条理感の組み合わせとも解釈できるかもな。読み物としてなかなか面白かったし、面
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医師でありながら小説家でもある9人の短編小説が詰まった作品でした。あんなに忙しそうなのに、いつ小説書いてるんだろうって不思議に思う凄い方々。
医師であるからこそのリアルな感じが伝わってきて、とても面白かったです。
特に空中テントは、認知症の家族を介護したことある人なら誰しも共感出来る部分がたくさんあると思いました。施設の入所は、家族を見捨てることではなく、プロがみてくれる安全な場所にいれるという考えが広がったらいいな。
私も主人公のお母さんにとても同情しました。介護する人は、自由が奪われて当然なのか、当事者じゃない人達から見捨ててるなんて文句言われる筋合いはほんとにない。文句を言うなら1週 -
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死の瞬間は見逃されてしまうという話と、ある患者が息を引き取るときに漏らした「あー」という声がまるで湯に浸かったときに自然と出てしまう声のようだったという話がよかった。
著者がこれまで読み、見てきた多くの小説や映画から死について考察されるけれども、それよりも医師として患者と接してきた経験談の方に面白みを覚えた。去年読んだ『自殺帳』もそうだった。
自分、たまに深夜にふと目が覚めると自分がいつか死ぬってことを意識して猛烈な恐怖に襲われるのだが、この恐怖はたぶん存在の消滅に一人きりで対処することの孤独や寂しさに由来している、と思っている。この気持ちについて何か教示してもらえるかと思い本書を読んだの -
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この二人でこのタイトル!そりゃ読むでしょと思い手に取った。まとまりすぎていない友人同士のだらだら飲みのような感じが死というテーマにむしろ合っている。
ただ猫死するほどネコ好きの読者が手にするには漫画のネコの”ねごとちゃん”が擬人化されててあんまりかわいくないのがいまいちで、思い切りネコらしく描いてほしかったと思う。人物と背景はうまいなあと思ったので、この作者はおぶうの兄弟さんと真逆で本当は動物より人間が好きな人なのかもしれない。
カバーにもネコいないし勿体ないな・・・と思っていたら、最後のほうでタイトルの由来が会話されており、あ、そういう意図だったのかとわかる。しかしそうならば、単に図形と -
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医師でありながら作家でもある方々の医療小説9編。
私の知っている作家さん以外にこんなに多くの医師作家さんがいることに驚きました。どれも医師であるだけに小説の内容は臨場感が溢れていて迫力がありました。
中山祐次郎さんの『救いたくない命』は救急で運ばれてきた患者が犠牲者15人以上を出した通り魔事件の犯人と知り、葛藤をしながらも必死に命を救う姿に京アニ事件を思い出しました。
南杏子さんの『空中テント』は家族の介護の経験がある人は共感出来るはず。
どれも本当に良い作品ばかり。若手医師の過酷な労働時間、医療ミスの隠蔽、不都合な論文を闇に葬る等、医療小説が好きな人なら興味のある内容ばかり。でも朝比