春日武彦のレビュー一覧

  • 問題は、躁なんです~正常と異常のあいだ~
    DVTで小田原の病院に入院した時、縄ちゃんが差し入れてくれた本。読んでいなかったが、某クレージー野郎の事件で読んでみる。「うつ」は先が読めるし自覚症状もあるので治療しやすいが、「躁」と「人格障害」は自覚がないので治療に難渋するというのは、最近とても感じていたこと。プロである精神科医にとっても同じこと...続きを読む
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる
    亡きお母上の呪縛から逃れたい一心で形振り構わず占いに縋る、少々情けないご自身の姿を敢えて赤裸々に描いた意欲作。誠に天晴れな作家魂と言う他ありません。常にも増して自己憐憫の欠片も無い、皮肉たっぷりの文章も素晴らしいです。褒めております。念のため。
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか
    大変な仕事だなぁ。話題が次々と変わって読み物としても楽しい。たとえ話も的確。妄想想像も逞しい。エリザベス キューブラーロスも話題に。
  • 秘密と友情
    表紙の猫の可愛さで思わず手に取った一冊。
    精神科医の春日さんと、歌人の穂村さんとの対談。

    2人の知的で、かつ「普通」からは外れてしまったおかしな感覚・違和感が絶妙で、思わず吹き出してしまう箇所も。
    (特に穂村さんのヘタレ具合といったら!「めまい」には笑いました)

    大人になることってなんだろう、常...続きを読む
  • 秘密と友情
     精神科医の春日さんと歌人の穂村さんの「人生問答集」。似ているお二人の違った視点からの発言が噛み合ってテンポよく進むので面白かった。世間と自分とのズレに違和感を持つお二人の気持ちは分かるけど、その気持ちにある程度蓋をして無理矢理にでも納得して生きている私に対して、お二人はそのズレの正体にきちんと向き...続きを読む
  • 秘密と友情
    学生時代、私だけが先生の言っていることを理解できない、って瞬間を体験したことが何度かあるけど、
    この二人のように「世界に馴染めない」と強く感じるようなことはなかったのだけど、
    自分だけ理解できない、っていう感覚のもっと強いものなんだろうか?それとも少し違った感覚なんだろか。

    「生まれ直さない限り、...続きを読む
  • 秘密と友情
    関節はずし猫ダマシみたいな芸風の
    精神科医と歌人が
    《まっとう》な題材をを語ってみようの対談集。

    春日さんは存じ上げなかったのだが
    穂村さんいわく「あ、このひとは変」がじわじわ伝わってくる。変なんだけど、社会人として世界に溶け込んでいるように見えて変。

    《怒り》
    怒り方には人間の品性みたいなもの...続きを読む
  • 秘密と友情
    歌人と精神科医の対談集。さすが世界音痴の歌人(笑)共感する精神科医もなかなかの難あり(笑)自らを変人と認識しながらも社会性はあるもんだから苦悩すんのかね。ったく器が小さいんだか懐が深いんだか(笑)でも自分の心の奥底に封印していた思いをケロっとつらつらされるとありゃー私も世界音痴なのねーと改めて思い知...続きを読む
  • 健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体
    内田樹を活字で読んだのは初めてかもしれない。精神科医の春日武彦との対談(というか、春日のあとがきに書かれているように「話に花を咲かせた」、あるいは内田という独特の思想を持った患者を春日が医療面接している、というのが適切か)。話のテーマは色々と移り変わるが、普段から自分がぼんやりと抱いていた思いが言語...続きを読む
  • 様子を見ましょう、死が訪れるまで 精神科医・白旗慎之介の中野ブロードウェイ事件簿
    面白かった!!軽いテイストだけど、乱歩だの横溝だのを彷彿とさせる猟奇趣味が随所に見られるところがすご~く良かった。

    何気にラノベっぽいキャラ設定。
    好き。これ好き。

    続編もちろんありますよねっっ??期待!!
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか
    「精神科医あるある本」なんだと思う。
    100人の精神科医(実在の場合も、イメージの場合もあり)を挙げながら、精神科医が仕事をしながらどんなことを考えているのかをつらつら紹介?していく本。

    この著者はいい意味でかっこよくないと言うか、「いいことを言おう」としてないので好きです。ちょっと卑屈すぎるきら...続きを読む
  • 不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅願望
    フォトリ20冊目。auブックパス。
    事故破滅的な人々の理解を試みる。許容範囲のプチ不幸や他者のには理解し難い儀式に頼ることで、死への欲動から自身を守りこの世に踏みとどまる。本格的狂気に駆り出される突き進まないように、わかりやすい神経症状を示す。狂気でさえ、生きるための本能的手段。
    シニカルな物言いの...続きを読む
  • 不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅願望
    非常に面白い。松沢病院の医長を務める著者が長年の臨床経験から気付かされたもの、それは無意識に自らの不幸を臨んでいる自虐的な患者が一定数以上存在することだった。犯罪報道等を通じてそうした人々の内面に迫った一冊。
  • 健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体
    僕の苦手な対談集だから、いくら好きな内田樹作品とはいえ、一度は読みかけてやめてしまってた。でも春日武彦もちょっと気にはなるし…って感じで再挑戦し、結果、やっぱり味わい深かった。こういう対談みたいな場面でも、やっぱり内田樹の存在感ってでかいな、って思ったり、根底に流れる部分がぶれないから心地いいんだな...続きを読む
  • しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人
    「しつこさ」に目がいって通読。
    著者の読みやすい文章にのっていってスラスラ読めた。
    テーマは「恨み」。
    いやいや、別に誰も恨んではございません。
    ただ、「恨み」という感情は誰にだってある。
    僕にもある。
    この「恨み」との付き合い方が知りたくてね。

    主に文学作品『恩讐の彼方に』などのテキストや実際に...続きを読む
  • 精神科医は腹の底で何を考えているか
    精神科医の日常の考えをストレートに書いた良書。精神科という医学の中でも判断が難しい、ともすると哲学や何かにも関連しそうな分野で処方を出す医師の考えを良い例、悪い例様々に紹介している。

    三ツ星レストランのシェフのレシピみたいな処方をする医師
    自信とステータスとで自在に患者を治してしまえる医師
  • 不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅願望
    タイトルに惹かれて読まずにはいられなかった一冊。
    不安に囚われて気付くと自滅に向かっていることもしばしばの私にとって、共感する部分が多くて少し泣きそうにもなった。
    「不幸や悲惨さを自分から選びとっているとしか思えない人たち」の、奇妙ではあるけれど当事者にとってはすがるほどに強烈でしかも素朴なロジック...続きを読む
  • 不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅願望
    長期的困難から目を逸らすために、
    奇妙な方策で敢えて不幸になろうとする人々の様態をレポート。
    「一体どうしてそんなことをするの?」と、
    首を傾げたくなってしまう自虐的エピソードの保持者は、
    逆説的だが、本人にとって最大限の不幸を回避するための
    魔除け・悪魔払い的行為として、
    おかしな真似をしでかして...続きを読む
  • 健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体
    だいたいおんなじいつものあの話。
    まーでも飽きない。

    賢いリスクヘッジをしたと思っている人は、
    無意識的にリスクの多い選択をしてしまうという例えに、
    中古車の話をしている。

    「ぶつけても大丈夫なように中古車を買ったら必ずぶつける、
    だってそうしないと中古車を買った意味がないんだもの。...続きを読む
  • しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人
    副題に"江戸の仇をアラスカでうつ人"とあります。仇討ちに代表されるような恨みつらみを晴らす行為はしつこさという、ともすれば病気の範疇に入りかねない危うさをはらんでいます。
    春日先生は臨床で見られる光景や報道された事件を引き合いに出しながら、登場する人物像を解説します。
    また豊富な読書量からあらすじを...続きを読む