春日武彦のレビュー一覧
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春日武彦"精神科医は腹の底で何を考えているか"を読む。
都立病院の精神科部長を務めた著者が豊富な臨床経験から、患者を通じて見た精神科医の内面に迫ったもの。身も蓋もない語り口がいっそいさぎよく、好感が持てます。
精神問題で倒れる人が続くような場合、その周囲にパーソナリティ障害の攻撃者が存在するように思います。
【精神障害の類型について】
◯パーソナリティ障害の一部、たとえば境界性パーソナリティ障害といったものの特徴のひとつとして、とにかく周囲を振り回し飜弄するといった行動様式がある。しかも、はっきりとした思惑などないまま、ひたすら他人を操り糸を引きたがる。他者を玩弄す -
Posted by ブクログ
内田樹と春日武彦の対談です。おおむね内田のほうが春日の専門領域にアクセスを図りつつみずからの思想を語っているという印象です。
精神の病に逃げ込むことで「低値安定」してしまう人びとが増えていることへの危惧が語られ、身体に基づく知の衰えを嘆くなど、かなり思いきった発言が飛び交っていて、刺激的な議論でした。
春日の著書にはかなり「とんがった」言葉が散見されるのですが、本書ではむしろ内田のラディカルさがストレートに出ている印象です。内田にしてはややバランスを欠いているような気もするのですが、こういう思いきった言葉が聞けるのも、対談本の醍醐味かもしれません。 -
Posted by ブクログ
内田先生の話は例によって基本的に同じです。
そして、それを求めて今日もまた読んでしまったのです。
対談本はそのテイストが相手によって変わるところが良い点ですね。
春日先生は精神科医なのに患者さんの悪口をばんばん言います。
精神科疾患という診断名をつけて、分け隔てるのとは対極的な立場とも言えますかね。
内田先生と対照的な点も多々あり面白かったですが、もうちょっとしゃべってもらいたかったです。
タイトルの「健全な肉体に狂気は宿る」という一節はおもしろいですね。
ユウェナレスが言いたかったのは「健全な精神は健全な肉体に宿れかし」だったかな。
ほんとにそうなんですよね。 -
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うつ病は結構ポピュラーな病気として取り上げられていますが、うつ病と相反する症状を呈する躁病や躁状態に光が当たることは少ない。‥ということで春日先生、躁に焦点を当てました。題名にもあるように精神の正常と異常を考える上で躁は興味深いということらしいです。
春日先生は、うつ病が「心の風邪」と表現されるなら、躁病は「心の脱臼」であるといったイメージを持つと述べておられます。心の箍(たが)が外れた状態とは躁病の人の行動を言い得て妙です。
この本には、数多く、実際の有名人や報道された事件の人物の行動を紹介しています。実際世間でお騒がせ的行動を起こしているこれらの人々が、躁病を伴っているであろうことを知ると -
Posted by ブクログ
ネタバレこの二人って本当に気が合っているのかなあ、という疑問が。
まあ終始穏やかで大人の対談なんだけど。
内田樹はあくまでフィジカルで、
且つ文学者、しかもフランス文学だから、
感覚的なものを信じている。
一方で春日武彦は闇を抱え、
冷静にロジカルに物事を捉えている、
といった印象。
全体的に推す内田樹に対し、
春日武彦は少し引いている。
職業柄そういう話の仕方が癖なのかもしれないけど。
『健全な肉体に狂気は宿る』というタイトルは実にアイキャッチで
私もタイトル買いをしたクチなのだが、
これには私が感じたような文学的意図はなく、
本当に読んだ字のままでした。
なので期待が裏切られたがっかり感も。