真山仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
as isとかto beとかで語れる組織。でも人にはそれが必ずしも適用しない。結局、矜持とかモラルとかはas isの延長線上にあり、必ずしも夢=to beではない。
金銭的に成功する、社会的地位を持つ、世界を平和にするとか、世の中は目標を持っている人を賛辞するような風潮があるけれど、畳の上で死にたいとかも同じくらいの価値があって良いと思う。
現実的なのか、理想的なのか、青臭いのか、泥臭いのか、熱いのか、クールなのかは皆人それぞれで、大仰にいう必要も無いし、聞く必要も無い。何度も出てくる「自己責任」という言葉は、自分の行動に自分で責任を取れるか、責任を自覚して行動に移せるのかが問われているのだと思う。
「筋論」や「べき論」は本当はシンプルな関係性の中で問われるべきであり、そこに意図や思い込みが入るから生きづらくなってくる。
清廉潔白がいつの間にか、除菌や殺菌やらで逆に菌に弱くなる体。
綺麗にあることを求めすぎて、白いシャツにインクの染みが一つつくことを恐れ、逆に白いシャツが着れなくなる馬鹿馬鹿しさ。
あまりにも日本は、クリーンであることを求めすぎて、逆に強さを失っているのではないかと思う。手段と目的をわかって履き違える悪趣味はまだマシで、自分もその一人かもしれないが、無邪気な悪意や平気で屍を踏んで歩く、そんな人を見てみない振りをしていることにこの小説を通して気づかされる。
じゃぁどうすればよいか、はHow toだけど、そんなものは本屋で1,400円で買えるのではなくて、結局自分が失敗して恥をかいて、理不尽なことに怒って、ちょっとした優しさに感謝して、迷惑をかけて反省し、かけられて許し、as isな自分を少しずつ自分の思える「善」に対してすすめていくことが、死ぬ間際に「あぁ幸せだったなぁ」と思える僕の些細なTo beなんだと思う。じゃぁ「善」ってなんなのかはまだわからないけど。そんな本が1,400円で売っているなら誰か教えてください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ投資ファンドのトップを務める鷲津政彦。企業買収の攻防やその背景にある人間ドラマが非常に高く評価されたシリーズの第6弾。
8年ぶりに帰ってきた鷲津。今回のターゲットは、台湾にある世界最大の半導体企業で、描かれるテーマは「台湾有事」と「半導体覇権」。
微細な半導体製造で世界一の技術を誇る台湾企業をめぐり、米国と中国が触手を伸ばす。そして、半導体産業の復活を狙う日本。ぶつかり合う大国の思惑に巻き込まれた鷲津政彦は、この難題をどう解くのか、というお話。
現在進行形で議論されている地政学リスクに触れられているせいか、過去の作品と比べても政治と経済活動の歪な結びつき(政治都合で企業が不条理を突きつけられる図)が色濃く描かれています。一方で、実際に今世界で起きていることにも通じるため、考えさせられる作品でもありました。
ただ、鷲津も年を取り、後継者に多く託すようになるなど、全体的に鷲津の存在感が薄くなった印象があり少し寂しかったです。