真山仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ偶然というか、縁あって、自民党総裁選の時期にこの本を読むこととなった。
政治資金問題、派閥解散、ロシアのウクライナ攻撃など現実を小説の素材にするところがさすが真山さん。
現職内閣、国政を裏で操る重鎮、過去の総裁選の不正を執念で追うベテラン記者、日本初の女性総理を目指すシングルマザーの女性議員、主人公の旧友で本命の総理候補など、役者は揃いに揃っているが、話が壮大で、置いてけぼりになった感じだった。
結局、総裁選は党員の旧派閥、選挙後の保身やポジションを巡る駆け引きの結果だと思い知った。
日本の首相を有権者の1%未満の人間が決めていいのか、その1%は本当に国民の代弁者たる資質と信念を持っている -
Posted by ブクログ
ロッキード事件は50年近く前の話でマスコミはじめ世の中が大騒ぎしていたので印象に残っている。
自分が社会に出たての頃のことで、田中角栄総理が全日空の機種選定で丸紅経由でロッキード社から5億円を得たとする収賄事件である。
これは小説家の真山仁が初めて書いたノンフィクション作品である。彼の経済小説を何冊か読んだことがあり、馴染みやすい今風の話題をテーマにする作家なので軽い気持ちで読み始めた。
作者は時間の経過で関係する存命者が少ないなか、アメリカにも足をのばし丹念に関連当事者から聞き取りまとめたものである。
田中角栄はもとよりその近親者や児玉誉志男・吉永祐亮・若狭得治など主要人物については生い立 -
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ネタバレ小野寺徹平
神戸から遠間市立第一小学校に応援に来た先生。六年二組の担任。妻、娘を阪神大震災で亡くした。
遠藤悟朗
わんぱくそうな児童。妹のぜんそくがひどい。父は農協職員、母は市役所職員。
大谷幸夫
小柄な生徒。
松井奈緒美
長身で大人びた雰囲気の児童。父は漁師で、津波で家と船を失って避難所暮らしを続けている。副委員長。
千葉哲
学級委員長。
三輪明菜
三浦
被災死した元の担任。
友田太郎
震災でケガをしたせいて丸刈りになった。
田丸
地元で写真店をやっている。
冨田和代
六年一組の担任。
田窪洋一
六年一組の児童。
保科圭子
一組の児童。不登校。
福島智史
震災が原因で -
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正しいと思っている常識を今一度疑ってみよう、という内容。
第1章の「幸せ」と、第2章の「民主主義」は抽象的すぎるのと、定義自体も曖昧な概念なのでピンとこなかった。
第3章の「ミステリーを読むと、どんなタイプの人がどういう場面で嘘をつくのかが見えてくる」という考えには一理ありそうだと思った。
現実で経験できることは限られているので、経験値を小説で積んでおけば騙されることも少なくなる。
「世の中は嘘にまみれている」ことを知っていることは災難に巻き込まれないために大事。
噓をつく代わりに、何も語らず真実を隠すことも多い。
宗教団体との付き合いや裏金作りのことを「語らない」政治家は「都合の悪いこ -
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ネタバレ感想
エネルギー関係はほぼほぼ政治問題だな。小説に書いてある通り、奇しくも中東危機の真っ只中で、中東からの石油が止まると日本のエネルギー確保が瓦解する。何十年も前からずーっと同じ問題を抱えているから政治家もやる気ないんだろうな。
今やロシアからの資源確保も難しいから地熱とは言わないが、メタンハイドレートなど新しいエネルギーポテンシャルにも開発資金を投じていかないと戦時と同じ道を辿りそう。
あらすじ
東日本大震災が起こった後、原発行政が見直され、再生可能エネルギーに注目が集まっていた。中でも地熱発電はマイナーながら、ベースロード電源としての期待が大きい。日本は世界有数の火山国であり、地熱のポ