真山仁のレビュー一覧
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坂東玉三郎の歌舞伎を見たのは、2020年10月のことだった。
演目は、夢枕獏作の楊貴妃。まさに、玉三郎は、楊貴妃になっていた。
その舞台を見ながら、美しいとは、こういうことだと思った。女形であるという境界を超えて、神々しいほどの美しさ。
楊貴妃の姿の凛々しさとキラキラと輝く髪飾りと伸びやかな黒髪が、しずしずと幻想的であり、繊細な動きを伴って歩き舞う。歩いているのと舞うことが混然一体となる。あぁ。玉三郎を見ておいてよかった。
本書は、真山仁が、1993年のインタビューの出会いから始まる。じっと、玉三郎をインタビューして、その中から本書が生まれた。確かに、星の王子様が言うように「大切なもの -
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これは面白かったです。読みながらメモをした本書の文章を少し加筆してつなげてみました。かなり変ですが。
新政権に就いた人たちとその支持者の方々に私は問いたいです。そこに正義はありますかと。
強さこそが力だなどと妄信し、国益優先という詭弁の下で自らの利益を優先していませんか。
国家権力の下では国民の命は1ドル札より軽いという事実を分かっていますか。
長期独裁政権により、我々国民は何も考えない愚民ばかりになってしまいましたがこのままで良いわけはありません。
暴君はいらない。No Crowns! No Kings!
独占は紛争の源です。分かち合うことがこれからの日本、世界にとって必要なことなのではな -
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ロッキード事件の謎を追う!
田中角栄は「本当に」悪人だったのか?
〜史実と新たな視点から紐解く
昭和の最大疑獄事件〜
真山仁氏『ロッキード』
【はじめに】
真山氏は、日本の現代史に大きな影響を与えたロッキード事件に新たな光を当て、多くの疑問を掘り下げています。
田中角栄は
①ロッキード社から、本当に5億円を受け取ったのか?
②総理の権限を乱用し、運輸省に圧力をかけ、ロッキード社に便益をはかったのか?
この二つの核心的な疑問を、史実と新たな視点から検証しています。
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1.『5億円』をめぐる検察の主張
検察は、田中角栄が航空機「L-1011トライスター」導入に便宜 -
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工事人の質の問題や地元の権力者の横やりなどで遅々として進まぬ上巻に対し、下巻は北京五輪開会式に合わせた原発の稼働というクライマックスに向けて一気に盛り上がり、頁を繰る手が止まらなくなる。
が、最終の終わり方に消化不良の思いも少々。
紅陽核電の技術顧問田嶋、核電運転開始責任者鄧学耕、それに映画監督楊麗清のそれぞれの視点で話が進む。
記録映画のメインにしようと楊の企画により、この3人が一堂に会する場面がある。
そこで楊は二人を繋いだ絆は?と問うと、田嶋は「希望」と答える。
「紅陽核電から始まるエネルギー新時代への希望であり、中国人民が心を一つにしたいと願う希望」と。
中国での原発建設を描いたこの小 -
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『当確師』
選挙戦の裏側を抉る真山仁の傑作
1.真山仁さんの小説
社会の仕組みや人間ドラマを鋭く描き出してくれます。
参院選が迫るこの時期に『当確師』を読んだことは、非常にタイムリーで、その魅力に強く惹きつけられました。
この小説は、単なる政治ドラマに留まらず、私たちの固定観念を打ち破る「逆転劇」の舞台裏を鮮やかに描いています。
2.下馬評を覆す選挙戦の醍醐味
『当確師』の最大の魅力は、まさに「下馬評を逆転させる」という点にあります。誰もが当選不可能だと思っていた候補者が、当確師の手腕によって勝利を収める過程は、読んでいて胸がすくようなカタルシスを感じさせます。
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