真山仁のレビュー一覧
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そして、星の輝く夜がくる 真山仁
1.小説より
「人は大切なことは、決して忘れない。
けどな、過去に縛られたらあかん。
大切なのは、今日であり、未来やろ。」
多くの事件、事故がニュースで流れます。
そして、また、新しい報道で上書きされていく日常です。
それらに対して、私自身が何を感じ、何を考えているのか?
時間をつくることにより、少しだけ遠い未来を想うことにつながっています。
そんなことに気づかせてくれた作品です
2.購読動機
久しぶりの小説を読むにあたり、取材から掘り下げて執筆する真山さんをチョイスです。
ドラマ「ハゲタカ」のあと、バラ色の未来/カジノ誘致、虚像の砦/放送認可、マグマ/地下熱発電、オペレーションZ/国家財政、標的/女性首相、そして、雨にぬれている/東日本大震災と読んできました。
今回、前回に続き、東日本大震災がテーマの作品です。
3.読みながら
自然と頬を濡らしていました。
何に対してなのか?
震災のなか生活する子供たちの表情が見えてくるからです。
周りの大人たちが大変な状況をみて、「迷惑、心配をかけまい」とする心が読者の私たちに痛いほど伝わってきます。
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購入済み
主人公が渋い
ヒット作ハゲタカシリーズの3作目。シリーズ物がヒットし続ける最大の理由は主人公鷲津政彦の実話としても読め造形に尽きる。単なるスーパーマンではなく、弱さ 後ろ暗さ を秘めた人物設定のうまさに感心する。
ここ20年間続いている中国の台頭 膨張 傍若無人ぶりを見るにつけ、納得する作品。 -
購入済み
多面的な正義の話
各々の登場人物が自分たちが信じる正義を振りかざしてぶつかり戦う物語。
かつてバブル崩壊で世界経済は低迷し、今またコロナ蔓延で落ち込もうとしている。
再読して、今 日本や世界のあちこちでこの本の内容とよく似たことが起こっているのかもしれないと思うとゾッとする。
啓蒙的な意味合いも込めて読みごたえのある本。 -
Posted by ブクログ
友人に勧められた一冊。
真山作品はこれが初かな?
面白かったです。
震災復興を機にカリスマ的人気を集める総理大臣・宮藤。
物語は宮藤を支える側近の白石と新聞記者の神林、二人の視線で描かれています。
アフリカの途上国で起きたジェノサイドを伝える小さな記事からすべてが始まり、二人は政権の闇の部分を知ることになるー。
別の作家さんで私がとても好きな作品があるのですが
それもカリスマ的人気政治家が独裁者に変わる危うさ、流れに任せるのではなく「考える」ことの重要性を描いていたので私はこういったテーマが好きなのかもしれません。
ただし薄っぺらい内容になることは許されないテーマゆえ、作家さんの力量が問われると思います。
その点、この作品は最後まで読み応えのあるもので大変面白かったです。
また、権力欲について書かれた巻末の解説もとても興味深く、改めて考えることの重要性を痛感しました。
2017年13冊目。 -
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真山仁『当確師 十二歳の革命』光文社文庫。
当選確率99%を約束する選挙コンサルタントの聖達磨を主人公にした選挙小説のシリーズ第2弾。
今回、聖達磨は現職総理大臣の岳見を選挙区で落選させて欲しいというとんでもない依頼を受ける。
誰を対立候補として擁立させるのか、聖達磨はどんな驚愕の秘策を見せてくれるのか……
いや、驚愕の秘策などなかった。正しく生きてきた人間が正しい選挙戦を闘った結果は当然の如くなのだ。終盤の予想外の展開にハラハラし、12歳の少年の素直な正しい意見に胸が熱くなった。
この総理まで登り詰めた岳見という二世議員は、無能で厚顔無恥な安倍晋三と中身の無い軽い発言でお馴染みの下半身の緩い小泉進次郎とを掛け合わせたような馬鹿ぼっちゃまぶりなのが笑える。こういう政治家は私服を肥やしながら、国を駄目にしていくのだろう。
政治大学の設立のため、運悪く破綻が噂され出した海外ファンドに3億円を投資していた聖達磨は資金を回収するために、現職総理の岳見を選挙区での落選させるという高額報酬の依頼に手を出すことにした。
当の岳見総理は選挙区である長野県の芦原湖周辺に日米共同の宇宙開発研究所を作ろうとしており、施政報告会での12歳の小学生・南方誉の『ホタルの飛び交う里山を守って欲しい』という発言に、とんでもない失言をし、窮地に陥る。
対立候補を擁立させ、現職総理の落選を狙う達磨だったが、願わくば候補者にしたいと思うほど12歳の南方誉は逸材だった。しかし、小学生を立候補させる訳にもいかず、母親の晴美を立候補者に仕立てようとするのだが……
そして、岳見総理の日米共同の宇宙開発研究所設立の真の狙いは……
本体価格680円
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真山仁『当確師』光文社文庫。
当選確率99%を約束する選挙コンサルタントの聖達磨を主人公にしたリアリティーあふれる選挙小説。
当選と落選とでは天国と地獄。選挙の時ばかりは平身低頭で有権者に御願いするのだが、当選するや手のひらを返したようにふんぞり返り、利権を貪る議員ばかり。今も昔もそれは同じで、そんな選挙にまつわる政治の裏側を面白可笑しくドラマチックに描いてみせた真山仁の手腕には感心する。
『当確師』を名乗る聖達磨という選挙コンサルタントはなかなかの策士で、過去に当選が危ぶまれる候補者を大逆転の大差で当選させるなどの奇跡を起こしてきた。
そんな聖達磨の元に来年秋に行われる高天市の次期市長選で、圧勝が確実視される現職を倒して欲しいという無謀な依頼が持ち込まれる。聖は三人の候補者から一人の立候補者を選定し、圧倒的に不利な選挙戦を戦い、当選させることが出来るのか……
~蛇足~
特に地方選挙は選挙戦が身近で行われるためか、国政選挙には無い生々しさがある。かつて自分が在籍していた会社が市政選挙に候補者を擁立し、会社をあげて選挙戦を行ったことがある。
天の邪鬼でへそ曲がりな自分は選挙活動には一切関わらず、端目でお祭り騒ぎを眺めていた。後援会や励ます会だのと訳の解らぬ会費を徴収されたり、出陣式や演説会への参加や投票を強要されたりと当時はとんでもないことが罷り通っていた。
それらを完全に拒否した自分の人事評価は当然の如く最悪だった。議員を送り出せば会社の宣伝にはなるし、会社にとって優位な政策が実行されることを期待したのだろうが、全く意味が無かった。
立候補者に選定された方も気の毒なもので、何期か議員を務めた後に力尽きて落選すると、会社側は彼を管理職に昇進させ、非組合員にするや強制的に退職させるという荒業に出た。下手すると社長や役員よりも貫禄のある元議員の肩書きを持つ社員の扱いに相当困ったのだろう。
本体価格640円
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ネタバレ2021年3月20日記述
黙示(もくし)
真山仁氏による著作。
2013年(平成25年)2月に新潮社より刊行された。
2015年(平成27年)8月1日発行(新潮文庫)
ハゲタカや当確師などの著作を持つ真山仁氏の作品。
1962年大阪府生まれ
1987年同志社大学法学部政治学科卒
同年4月中部読売新聞(のち読売新聞中部支社)入社
1989年11月同社退職
1991年フリーライターに
2004年『ハゲタカ』(ダイヤモンド社)でデビュー
政治、経済を舞台とした作品が多いのだなと思った。
著者は同志社大学法学部政治学科卒とあるのでその経歴から来る元来の志向と
いうものも影響しているのだろう。
当確師は以前読んだ事があった。この黙示も農薬や遺伝子組み換え作物に関して
勉強になることが多かった。
youtuberのマコなり社長やもふもふ不動産も語っていたのだけれど
ハズレ回を上げては駄目だと。ただの数撃ちゃ当たるという作品発表は駄目。
それは小説でも同様だと思う。
同じ作者の作品を次読んでみようと思えるかどうか。
ただ現実には官僚機構でここまで主体的な動きを見せる人たちっているだろうか。
この日本で。第二次安倍晋三政権が出来て以降は恐ろしく主体性の無さが
目につくようになった。米野太郎や秋田のような動き方、働き方が必要だ。
あらすじ
農薬を散布していた一機のラジコンヘリが、小学生の集団に墜落した。高濃度の農薬を浴びた少年は意識不明の重体に。少年の父親の平井は、農薬の開発責任者だった。
事件の一部始終を目撃していた養蜂家でもあるカメラマンの代田は、テレビ番組で発言する。「農薬の恐怖は、放射能以上だと言っていいんじゃないでしょうか」。使われていた農薬は、ネオニコチノイド。ミツバチの集団失踪現象の犯人とも言われている薬剤だ。
同じ頃、農水省キャリアの秋田一恵は大臣直轄のセクションに抜擢される。命じられた課題は、農産物輸出のビジネス戦略だったが…。
女性キャリア官僚、農薬メーカーの開発者、カメラマン。3人の理想と現実、矛盾と葛藤、そして「危険な正義」。それぞれの戦いが交錯し、思いもよらぬ結末が待ち受ける。
印象に残った点
ラジコンヘリによる農薬散布では、人が散布するのに比べて濃度が100倍以上の
溶液が使用される。
農家が手塩に掛けて育てた農産物を出荷停止する痛手を、若森は理解していない。
我が子を殺せと言っているようなものだ
官僚とは、土だ。土は全ての実りの礎だが、土が痩せたり腐ってしまえば、
まともな作物などできはしない。今の官僚は、それを忘れかけている。
だから、おまえが身を挺して、コメのための土になれ。
1960年代にアメリカの生物学者レイチェル・カーソンが「沈黙の春」で
農薬の危険を訴えて、農薬に関する社会の関心は一気に高まった。
だがそのブームが収束した後は、それ以上の大きな関心事にならないまま
現在に至っている。
反対ばかりしていても、何も変わらない。
大切なのは前に進むことだと思う。
対立からは何も生まれない。異論がある時こそ、相手を納得させるように
話すのが大事だよ
ハチは未来のために生きている
種を守り、種の未来のためにプログラムされた生き方を貫くんだ。
その掟に対してけなげなほど忠実なハチを見ていると、人間って
なんて愚かな生き物なんだろうなあと反省する
とにかく農薬散布は、除草と並んで重労働だ。
散布回数が少なければ、それだけ農家の作業は楽になる。
扇情的なニュースで人を動かしても、それは一過性のブームで終わる。
感情を煽るようなやり方じゃ、結局は宗教論争みたいになってしまうでしょ
紛争地帯を取材する中で、独裁者の狡猾さをいやというほど見てきた。
彼らの多くはとにかく恐怖を煽って国民を混乱に陥れて、権力を握るのだ。
知性や教養が豊かな人でも、恐怖に取り憑かれると脆い。
そしてヒステリックな群集心理に同調していく。
テレビのワイドショーや週刊誌などから得た偏った情報だけで、
すべてを知った気になる賢いママの類だ。社会に対して問題意識を
持つべきだと思うが、手当り次第に批判するのがいいとは思わない。
問題を正しく理解した上で反応するならそれは素晴らしいのだが、
生半可な情報で早合点して、自分は正しいとか、騙されたなどと
騒ぎ立てるのは、知らないままでいるよりももっと不毛な気がする。
子どもにとって家庭円満は重要案件だからね。
どれだけ過酷な環境でも、生き残る生物がいる。
子孫の繁栄をおびやかす脅威に直面しても、時に自らの体質を変えてでも
生き抜こうとする。その強かさからすれば、農薬なんて所詮、
子供だましに過ぎない。その一方で、人間は生命力をどんどん失っている気がする。
農薬問題を知れば知るほど、農薬の無い社会は理想だが、現実的ではないかも
知れないと思えて仕方ない。狭い国土で、そのうちの7割が山林という
日本列島で、一億人以上が飢えずに生きるためには、農薬と賢く共生する
必要があるのではないか。
GMOを推奨する科学者達は、品種改良との最大の違いは「時間の短縮」だと
主張している。すなわち、人力ならば数年あるいは10年余りを費やす品種改良が
科学の力で瞬く間に行われるに過ぎないというのだ。
所詮、農薬は道具です。上手に使えば、安価な農産物が手に入る。
安全性だって絶対ではないものの、ある程度は担保されている。
要は使い方なんですよね。なのに事故が起きると、全てを悪だと断じて
危ないものは使うなと叫ぶ。それは現実を知らない者の、
無責任なたわ言だと思うんです。
危険性を知るのは、大事ですよ。むしろ知らずに生活している方が、危険です。
だから、正しい知識を伝える人が必要なんです。
私達は、万能感の錯覚に陥っているんです。でも、人間なんて無力ですよ。
何より情けないのは、自分たちが生み出した流れすら止められないことです。
だったら、それに抗わず、どう向き合い折り合うかを考えるべきじゃないでしょうか -
Posted by ブクログ
「オペレーションZ」 真山仁さん
1.購読動機
取材、参考書籍の量をもとに、リアリティに小説の世界を投影しつづける真山さん。
「小説だからこそ、ありえないだろ?!が描ける。」
その志向を好きな読者が、真山さんの小説を読みつづけるのでしょう。
私も、そんなひとりの読者です。
2.オペレーションZとは?
Z。アルファベットの最後も文字。そう、後ろがないということ。
プロジェクト名の由来は、ここにあります。
日本がデフォルト、企業でいえば倒産するまえに、財政の構造改革を目指すというもの。
具体的には、単年度で、日本全体の支出を半分にする、国の借金を減らす原資をつくるというもの。
3.本からの学び、面白さとは?
①国の財政構造
②市町村と国の関係構造
③政局と政策
④政治家と官僚
⑤財政構造を変化させた場合に起きうること
⑥国債の買い手と外交
巻末の参考書籍50冊。そこから著者真山さんの視点から材料か抜き出され、生み出された日本の財政を世に問う経済小説です。
関心をもつ意味でも意義ありの小説です。
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Posted by ブクログ
『虚像の砦』真山 仁氏
0.本書より
「報道とは、道に報いるとかく。」
「報道にひとが関わる以上、ある程度の主観が入る
は当然である。
ただし、大切なのは、様々な角度から事件が取り
あげられることが必要である。」
「報道とは、闇に光をあてること。
闇をそのまま捨ておかないこと。」
1.虚像の砦の舞台
舞台は、民放キー局です。
本年度は5年に一度の免許申請の時期です。
向こう5年間の財務の安全を総務省に開示、説明が必要となります。
主人公は、報道部門の中堅と、バラエティ部門の中堅の2名です。
報道の彼は、時同じく起きた、海外渡航禁止区域での邦人誘拐事件に当たります。
バラエティの彼は、視聴率が下落する24時間テレビのテコ入れに当たります。
免許の承認は、総務省、国です。
報道、バラエティそして国が、それぞれの思惑で対峙しあいます。
2.読み終えて
記者であった真山さんの想いが垣間見えると感じるのは、わたしだけでしょうか?
真山さんを読みつづける読者ファンは、きっと真山さんの姿勢に惚れているのかもしれません。
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Posted by ブクログ
『バラ色の未来』真山 仁著
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
1.内容
国内のIR初誘致。
低迷する地方か?それとも総理のお膝元か?
①外資カジノ運営会社②政府③メディア④広告代理店。
この4者が、IR誘致というプロジェクトに対して対峙しあう。
2.真山さんのメディアに対する想い
真山さんは、記者経験のある作家さんです。
真山さんのメディアに対する想いを拝見することができます。
「取材なんて人に教わるもんじゃない。
事件が記者を鍛えるんだ。」
「記事。
社会に伝えるべき事実だと思えば、
躊躇してはならない。」
3.⭐️5この理由
IRがよい、悪いではなく、そのプロジェクトを何の目的でとらえるのか?
地方再生なのか?
インバウンドなのか?
税制面なのか?
小説を通じて、考えよ!の一石はありがたいです。