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衝撃的な事故シミュレーションを突きつけられた田嶋とドンは、徹底的な補強工事を決意し、最大の障壁である政府の実力者を失脚させることに成功する。不和を乗り越え、“希望”を手に突き進む二人の夢――世界最大の原発から、北京五輪開会式に光は届くのか? 中国の暗部と現実を描き、共に生きる希望を謳い上げる一大傑作エンターテインメント。
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Posted by ブクログ
工事人の質の問題や地元の権力者の横やりなどで遅々として進まぬ上巻に対し、下巻は北京五輪開会式に合わせた原発の稼働というクライマックスに向けて一気に盛り上がり、頁を繰る手が止まらなくなる。 が、最終の終わり方に消化不良の思いも少々。 紅陽核電の技術顧問田嶋、核電運転開始責任者鄧学耕、それに映画監督楊麗...続きを読む清のそれぞれの視点で話が進む。 記録映画のメインにしようと楊の企画により、この3人が一堂に会する場面がある。 そこで楊は二人を繋いだ絆は?と問うと、田嶋は「希望」と答える。 「紅陽核電から始まるエネルギー新時代への希望であり、中国人民が心を一つにしたいと願う希望」と。 中国での原発建設を描いたこの小説に通底する言葉は「希望」、その他の場面でも様々な人物により語られる。 「誇りと希望です。あなたは、人民にそれを与えることが出来るはずです」 「そうだ。希望とは結果じゃない。信じること、追い求めることなんだ」 二人の絆を謳いあげる一方で、巻末の参考文献に加え著者の綿密な取材に基づいたこの小説、現代中国の裏の姿をも記している。 「そもそも我々は、日本人を憎むように国家から教育されてきたんだ。ごく最近になってようやく、軌道修正しようとはしている。しかし、国家から指導された反日行動を、党の要人が否定するなんてことはあり得ないんだ。・・・」 「中国人は絶対に謝らないし、自己批判もしない」 北京五輪の開会式当日に原発の稼働を迎えるが、技術顧問の田嶋は一抹の不安を覚え、かんと化して稼働を止めようと図る。しかし、中国は彼の指摘を抑え込み、強引に稼働を進める。そして田嶋の不安は的中し、原発内での火事に爆発。まるで、福島第一原発の事故を予感させるような事態に。 過去の事故で命を落とした田嶋の親友の言葉として語られる「原発は、我々に素晴らしい恩恵を与えてくれる。だが、人間の心に隙が生まれた瞬間、神の火は、劫火に変わる」 東電関係者が、この小説をしっかりと読んで対策を怠らなかったら、あの事故は防げたのではと夢想してしまう。
ベイジン 真山仁 2008年の北京オリンピックに合わせて、中国が世界最大の原子力発電所の運開を目指す。そんな中で、日本の技術者と党本部規律検査委員会の役人が、それぞれの役割を全うしながら、想いを胸に同一のミッションに進んでいく。原子力発電所の光と闇に、3.11の前にこれだけ切り込んでいる真山仁の慧...続きを読む眼にさすがに舌を巻く。同時に、本書は他の真山仁の作品と比べても主人公が青臭く、セリフが熱い。何度も名シーンと呼ばれる部分があり、その度に感涙するほどの良いシーンがたくさんある。 また、本書とは関係が薄いが、真山仁は「関西人のおっちゃん」が好きなのだろうなと最近思う。ハゲタカシリーズの飯島、コラプティオや標的、売国の東條、そして今回の門田。門田は今回良い役柄ではなかったが、飯島と東條は毎回真山仁の小説に一癖二癖加えるトリックスターだ。どちらもコテコテの訛りと、とにかく品性の欠片もない物言い、それでいて勘が鋭く、頭はとにかくキレる。作中で、妖怪と呼ばれるような形で、幾度となく基本的なストーリーラインを邪魔するのだが、どうも完全な悪人ではない。だから恨めないという絶妙なキャラクター。元記者の真山仁にとって、東條のような人間は実際に近くにいたのかもしれないが、毎度、ストーリーに出てくるこうしたタイプのキャラクターに、真山仁の愛を感じる。
(上下巻合わせてのレビューです。) 真山さん久々の文庫本。 予想通りというか期待通りというか、 750ページを超える長編なのに 続きが気になって気になって仕方ない感じ。 寝る間を惜しんで、あっという間に読みきってしまった。 特に後半からのラストスパートはお見事! 話は、原子力発電開発を支える日本...続きを読む人技師と 中国人エリートの物語。 中国国内の腐敗の様子や気質等、 日本では味わえないことがたくさん疑似体験できる。 改めて、世界の価値観は多様性に富んでいると感じた。 中国に興味のある人、もっと知りたい人は 是非読んで下さい。
登場人物が一気に絡み合い、周囲の思惑や時代の流れや、澱のようにたまっていた思惑や欲望が一気に渦のように終盤に向かって加速していきます。 一人ひとりの人物像がとても鮮やかに描かれていて、引き込まれる音が聞こえるほどです。気が付くと原発の建屋の中にいるような感覚に陥るかもしれません。 警鐘や警...続きを読む告は、いくら鳴らしても、現実に起きるまでは杞憂として扱われます。オオカミ少年なのか真実の語り部なのかは、大きな出来事があって初めてわかるです。 今もテレビで、ネットで語られるさまざまな言説の中に登場人物のような人々も、生きているのかもしれません。 その先がどうなるのか、続編のないラストシーンならではの苦しさがたっぷりと味わえます。
東日本大震災の後の原発事故を予測していたかのような描写に驚きを隠せない。 中国人の考え方、行動が、今なおここに書かれたものの通りなら、原発を稼働させようとしているなら、こんなに怖いことはないと思う。 真山さんが背景をものすごく勉強されて書かれているのがよくわかって、臨場感溢れる書きぶりにページを捲る...続きを読む手が止まらなくなってしまった。
原発というものが神の火ではなく悪魔の火であることがよく理解できた。未だに電力会社に飼われている家畜やカネに目がくらみ放射能産業に群がるハイエナどもに読ませてやりたい。震災よりはるか以前にこの本を書かれた著者に敬意を表したい。この本が福島の原発大爆発よりも前に書かれていたということの意味を日本国民には...続きを読む考えてもらいたい。この本のタイトルはベイジンではなくフクシマでもおかしくはない。
中国で原子力発電所を舞台に、エンジニア、官僚、映画監督を主人公として展開される。3.11を予期しているかのような克明な描写があり、続きが読みたくなる。中国でのビジネスの難しさを読みながら考えることができる。
北京五輪開催式と同時に稼働させる予定だった世界最大の原発。 中国の闇と現実を描き、その中で「希望」を見いだし生きていこうと突き進む人たち。 全く違う場所で、違う環境で、違う目標に向かって生きていた3人の人たちが、交わり、共に突き進んでいく姿がとても自然に、上手に描かれていた。 やっぱり真山...続きを読む仁はすごい。 ベント、蒸気爆発など、福島第一原発を予言しているようなこの内容にも本当に驚きます。 真山さんは、二酸化炭素削減のために全世界が「原発推進」の姿勢を取り、原発建設ラッシュになっていることに不安を抱き、本作を作ったそう。 その不安が、悲しいことに的中してしまった。 真山さんは今、一体何を考えているんだろう。 「原発は、我々に素晴らしい恩恵を与えてくれる。だが、人間の心に隙が生まれた瞬間、神の火は、劫火に変わる。」
鄧学耕が 朱克明のもとに 組み込まれていく。 政治的な力学が つねに左右する。 中立や無関係は存在しない。 無口で余分なことを言わない鄧学耕。 『希望とは 自分たちが努力して 奪い取るものだ』 と 鄧学耕はいう。 希望とは 世界で最大級の紅陽原子力発電所を 稼働させることであるが、 ラジオが 発...続きを読む電所内に持ち込まれて、それが問題を起こす。 そのラジオは 大連市長が経営している会社のもので、 原子力発電所のスタッフにプレゼントされたものだった。 オリンピックの開会式に 発電を間に合わせることに 成功するが、そのあと ブラックアウトとなる。 一方で 大連市の市長をターゲットにして 中紀委が拘束しようとするが 中紀委の書記の寝返りで果たせなかった。 つぎつぎに 発電所内で 火災が発生し 爆発をおこす。 鄧学耕と 田嶋はこの危機を どうのりきるのか。 中国という国を 中紀委 という視点を入れて 眺めたことが この作品の特徴であり、優れたところである。 田嶋と言う 優れた日本人が 描かれているが 鄧学耕は スーパーエリートであるが,柔軟性もあり, このような中国人が本当にいるのか と疑わざるをえない。 あまりにも,日本人的な思考力である。 それでも,いい作品であることは確かだ。
ハゲタカシリーズの真山仁が週刊誌への連載に初挑戦した一冊。 原発事故の後の今読むとものすごくいろんなことがしっくり来るとともにいろんな空恐ろしさがやってくる。 舞台を日本にしたら書けなかったというのもすごい納得がいく上、中国を舞台にしているのもよいスパイスが効いている。 ハゲタカほどの勢いはないもの...続きを読むの、筆力が上がっているので読みごたえが十分。エネルギー系のほうがこの人、いい話書くんじゃない?とか思ってしまった。 今の日本の原発の話を知るにも、良い一冊だと思います。
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