Posted by ブクログ
2019年09月18日
【きっかけ・目的】
平成30年秋にハゲタカがテレビ朝日で制作放映された。NHK版とは違う演出だったがこれはこれで面白いと思った。
その影響で久しぶりに真山仁の著作をしかもハゲタカシリーズを読みたくなった。
平成最後の夏から始まる物語は失われた30年という日本経済の闇にフォーカスをあてて始まる。
長...続きを読む過ぎず短すぎず。そんな感じで手に取った。
【感想】
面白かった。東大阪を舞台に中小零細企業の様を生生しく描いている。日本の中小企業の技術力について描写しているが経営と運転資金の問題が浮き彫りにもなって勉強にもなる。知財等と軽く言うがそんな軽々しいものではないと「なにわのエジソン」をおって行くうちによくわかった。まさに日本経済の原動力だったのね。
会社は誰のものか。あるいは、「もの」なのか。今回のファンドに狙われ生き物のように逃げまくる泥臭さがたまらなく良かった。
また、村野が在籍していた信金組合の演出もピカイチ。不正の実態を押さえつつ中小企業の運転資金を支えている仕組みも理解できる。
エピローグでの村野が、逃亡しハワイに潜伏していたくだりはたぶん本当にあったであろうなと思わせる納得の描写であった。
【終わりに】
最後の最後に鷲津氏が出てきて浪花節です。これはたまらん展開でした。