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大手生保会社が資金繰りのため国債を投げ売りする事態が発生、国債価格が暴落した。国債頼みの政治は、誰かが終わりにせねばならない……。国家予算を半減すべく、江島隆盛総理のもと若手財務官僚が集い、極秘作戦(オペレーション)が始動する。しかし他省庁や与党守旧派が抵抗し、世論も猛反発、メディアの攻撃が渦巻くなか、総理はついに国会を解散する大博打を打つ――。息もつかせぬ緊迫のメガ政治ドラマ!
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Posted by ブクログ
率直にとても勉強になるうえに小説としても面白いです。 当時の大手生命保険会社と銀行の関係がよく分かりました。流れの腰を折らないような金融についての解説が織り交ぜられ、学びながら小説としても読み進められます。 登場人物像もよく入ってくるので、どんどん惹き込まれます。 細かい部分はフィクションでしょう...続きを読むが、志しある登場人物に感情移入しますね。
「オペレーションZ」 真山仁さん 1.購読動機 取材、参考書籍の量をもとに、リアリティに小説の世界を投影しつづける真山さん。 「小説だからこそ、ありえないだろ?!が描ける。」 その志向を好きな読者が、真山さんの小説を読みつづけるのでしょう。 私も、そんなひとりの読者です。 2.オペレーションZと...続きを読むは? Z。アルファベットの最後も文字。そう、後ろがないということ。 プロジェクト名の由来は、ここにあります。 日本がデフォルト、企業でいえば倒産するまえに、財政の構造改革を目指すというもの。 具体的には、単年度で、日本全体の支出を半分にする、国の借金を減らす原資をつくるというもの。 3.本からの学び、面白さとは? ①国の財政構造 ②市町村と国の関係構造 ③政局と政策 ④政治家と官僚 ⑤財政構造を変化させた場合に起きうること ⑥国債の買い手と外交 巻末の参考書籍50冊。そこから著者真山さんの視点から材料か抜き出され、生み出された日本の財政を世に問う経済小説です。 関心をもつ意味でも意義ありの小説です。
オペレーションZ 最近読んだ小説で一番面白い小説であった。昨年から密かに個人的な真山仁ブームが来ているが、ハゲタカシリーズよりもテーマとしては面白い。 日本政府が赤字国債を発行し続けている現状へのアンチテーゼ。前職の総理大臣が体調不良でダウンし、急遽バトンタッチした内閣総理大臣・江島が日本の国債の...続きを読む問題を解決に導く為に、歳出を半減させるという政策を行うもの。半減の根拠としては、歳入と均衡させるというもので、これ以上赤字国債を増やさないための対応策である。歳出半減の計画を実行するにあたり、主に財務省官僚が特別チームと作り、オペレーションZと名付けられたこの政策の実行に奔走するというお話。 歳出半減の場合、社会保障費と地方交付税交付金をほぼ0円にすることでオペレーションZチームは実現を探るが、もちろん、厚生労働省や各方面からの非難に合う。財務省内部からもオペレーションZを快く思わないメンバーがメディアに情報を流すなど、妨害行為を企てる。 この物語の特徴的なところは、小説の章ごとに、作中に現れる作家・桃地実の『デフォルトピア』という小説の一部が挿入されている点である。『デフォルトピア』は日本がデフォルトし、福祉サービス等がすべてストップしてしまった日本で起こる悲劇的な状況を描写したものであり、完全なるディストピアが描かれている。まさしくオペレーションZはこのようなディストピアを防ぐために行われるのであるが、各章の最後にデフォルトピアが挿入されることで、最悪の未来をパラレルに描いており、これが物語に緊張感をもたらしている。 そして、もう一つの面白い点が、これは完全にネタバレになるのだが、この小説は完全なるバッドエンドで終わる。オペレーションZを断行する江島は最終的に与党内からも造反組が発生し、内閣不信任決議を提出される。与党内も造反している為、不信任案が可決される気配を察知し、解散総選挙を行うのだが、この選挙で江島を中心とする党は過半数が得られない状況となり、最終的には政権交代となり、オペレーションZは未完に終わる。将来的に爆発する爆弾を抱えながらも、人々はやはり今の自分の生活を守るという選択肢を取るのである。勿論、民主主義である限り、選挙の結果が一つの答えであり、国会議員は選挙に選ばれなければなれないし、政策も実行できない。しかしながら、ディストピアを避ける為に今身を切る政策を行う政権に対して、やはり国民は選挙でNOを突き付けてしまうというこの難しさをあえて描いているのは、この小説を単なるデフォルトピアへの警鐘に留めず、人間のある種の利己心や凡庸な醜さを炙り出す意味合いもあり、小説としての面白さが滲み出ている。 オペレーションZでは結局実現しなかったプランとして、相互扶助のネットワークを立ち上げることにより、医療費や介護費用なしで、これまでのサービスレベルを最低限維持するというものである。これまで、資本主義は消費単位を最小化することを心がけてきた。そして、その過程で自分らしさの追求という幻想と人々に植え付け、これまで現物でやりとりされていたサービスなどを商品化してきた。保険に携わって思うのは、保険商品は確かに人々に良い影響を与えることは十分理解しているのだが、同時に保険商品が不要な社会づくりもまた必要でないのかということである。無論、がんや医療費に関しては、専門家のサービスが必要であるが、例えば介護等に関しては、一定はコミュニティ内の現物ネットワークで補える部分もある。例えば、就業不能に関しても、面倒を見てくれる人や助けてくれる人が周りにいれば、何とか生き延びることもできるはずだ。これは、卵が先か鶏が先かという議論でもあるが、保険商品が確かに今の世の中にマッチしたものが多くあるが、やはり保険会社が需要を創り出している側面もあるだろう。私は、保険商品を販売しつつも、保険商品がなくても生き延びられるようなレジリエンスの高いコミュニティを復権を模索していきたい気持ちも強い。
日本の財政危機をテーマにした作品!話の展開にドキドキハラハラさせられ、とっても面白いと感じた!非常に読みやすく、さらに非常に重要なことを考えさせられる、良い作品だと思う!
日本の財政破綻を回避するべく立ち上がった江島内閣と、そのプロジェクトチーム、オペレーションZのメンバーたちが躍動する。 一筋縄ではいかない人間同士の政治の部分や、マスコミへの対策、与党内の分裂や、歳出半減という、そもそも困難なミッションと、問題が山積しているのに、それらを熱意で乗り越えていく主人公た...続きを読むちの姿が、今の日本に本当に必要な政治家のあるべき姿だと思った。 日本の財政破綻も、このままではそう遠くない未来に起こりうること、今現在が良ければそれでいい、という考えでなく、未来は子どもや孫のためのものであることを肝に命じて生きていかなければいけないと感じさせられる。
普段読まないジャンルだったが今の政治状況と被り、違和感なく読めた。 結末もリアリティ側に舵を切っており、クライマックスで最高潮となるようなエンタメ性は無く、現実社会への不安を抱いたまま終結。 政治家とは。官僚とは。国民とは。 考えさせられる。
「政治経済エンターテインメントドラマ」として単純に楽しめた。 しかし、現実の日本を描いていることは間違いない。 TVドラマがあるのは知らなかったので、いつかは視てみたい。
フィクションと割り切れない内容なので、読んだ後は現実はどうなの?につながりました いつまでも今のままではないのは確かなのかなと
日々ニュースで聞いても、何となく大変なんだなとしか思っていない、日本財政。明日からもう少し興味を持ってニュースが見れそう。
日本の財政問題。 深刻さは理解するも… …社会保障の改悪〈給付削減・負担増〉は困る。 読んでいると、現政策にも、腹が立ってくる。 まずは、政府の無駄使いと、そこに群がる輩を、取り締まるべきだろう… …などと、考えてしまう。
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