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坂東玉三郎とは、何者なのか? 稀代の女形、五代目坂東玉三郎。 歌舞伎の家の生まれではなく、芸養子として歌舞伎界に入り、どう修業を積んでいったのか―― その生い立ちは意外なほど知られていない。 玉三郎と30年の交遊を結ぶ、小説家・真山仁が長年の対話を元に小説形式で描いた第一部「秘すれば花」。 そして、玉三郎が傾倒する世阿弥の『風姿花伝』にちなみながら、玉三郎の哲学と美学の深淵に迫った第二部「その風を得て」。 現代人に大いなる知恵を示す玉三郎の言葉の数々と、貴重な写真を収録した完全保存版。
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Posted by ブクログ
私にとって玉三郎さんは泉鏡花の作品を演っている人だった(^^)でも歌舞伎は気楽に行けるものと聞いて公演へ行き、実際に玉三郎さんを観て一目で魅了された(,,゚Д゚)その玉三郎さんの一部を知れる嬉しい本(*^^*)私は人生の半ばを過ぎても極めたいものが見つからない(-_-;)けれど、玉三郎さんも真山さん...続きを読むも凄いな〜羨ましいな~(о´∀`о)と思うのもおこがましいか…
深い取材に基づいた良書。 取材者と対象の馴れ合いもない。 世阿弥の思想などもベースにあり AI時代に失われつつあるものを 感じさせる。
坂東玉三郎の歌舞伎を見たのは、2020年10月のことだった。 演目は、夢枕獏作の楊貴妃。まさに、玉三郎は、楊貴妃になっていた。 その舞台を見ながら、美しいとは、こういうことだと思った。女形であるという境界を超えて、神々しいほどの美しさ。 楊貴妃の姿の凛々しさとキラキラと輝く髪飾りと伸びやかな黒髪...続きを読むが、しずしずと幻想的であり、繊細な動きを伴って歩き舞う。歩いているのと舞うことが混然一体となる。あぁ。玉三郎を見ておいてよかった。 本書は、真山仁が、1993年のインタビューの出会いから始まる。じっと、玉三郎をインタビューして、その中から本書が生まれた。確かに、星の王子様が言うように「大切なものは、心でしか見えない」 真山仁は、玉三郎の見えないものを心で見ようとし、言語化する。言葉がもはや生れ出ないほどの苦闘の上での本書の構成。 真山仁はいう。 玉三郎の舞踊は、立ち姿から一挙手一投足に魂が籠もっている。肉体のみならず、衣裳の端々までが、生を得たようにその場を支配する。やがて、それは劇場を飲み込み、その時空をまるごと無我の境地に誘う。 玉三郎はいう 「美を感じる器は、魂だと私は思います。自らの醜さを自覚した上で、魂のあり方で美を感じる必要があります。」 真山仁は「美とは現象の一片を切り取って誇るものではない。もっと人間の根源的な部分=魂で感じ取ってこそ、美は輝きを放つ。 美を追求する人は、己の醜さを自覚している。 それは、辛いことではないのだろうか。 「辛いですね。だから、何かに憧れたり、ひととき、我を忘れる時間を作ろうとする。それによって、醜い自分や居心地の悪さから飛躍できる」 芸術家は、己の醜さからの解放を求め、結果的に美を生み出す。 自分自身の醜さを認め、自覚することで、美は解き放たれる。 「地球上の生物の中で、人間だけが醜い」と玉三郎は続ける。「自らが醜いから、美しいと感じる」のだという。 玉三郎は、「本当は、魂は自由なはずなんですが、日々の拘束によって魂も縛られていく。そこから一瞬飛躍するというか、飛ぶ、あるいは飛ぶことによって解放される。舞踊とは、ある種の引力からの解放なんです」 楊貴妃の美しさは、空間さえも変える。なんという所作なのだ。 確かに、引力から解放された無垢のままの美しさが、目に焼きついた。 見えているもの以上の何かが存在する。それは、恐れに近いものだ。 その静々と歩く姿、そして舞う姿。まさに、風を得て、解き放たれる。 玉三郎の魂を言語化した本だった。
「風」と書いて(ふう)と読む。 『風姿花伝』の「風」らしい。 玉三郎によれば、自分自身が自覚する生き方を『流儀』とするなら、その流儀は他人から見た形容とは必ずしも合致しない。そういう他者からの評価が『風』と呼ばれ、自分では変えようがない。それは本質だから。二つの姿のギャップを詰めていくことが芸道なの...続きを読むか。 役者や落語家がよく「化ける」と言うけど、あれが「風を得た」ってことなのかな?などと、勝手に腑に落ちる。 以前から理系脳の玉三郎の話はいつも豁然として気持ちが良いと思っていた。真山仁という絶好の相手を得て、引き出された言葉が満載だった。
国宝から玉三郎さんにきました。 玉三郎さんの本ってあまりないんですね。意外。 第二部の「その風を得て」が良かったです。 醜さを自覚してこその美。 自分が何者か理解してこその自分。 現代人への警鐘。スマホで何でもできる現代の危機感。 マツコさんとのテレビ番組でも話されていたけれど、「実」に話すことが大...続きを読む切。私も大切にしたい。 守破離については職場で上司の話で以前学んだ。 何ごともまずは先輩の型を真似るところから始める。 それを完璧に身につけたところで型を破ることができる。自己流。 さらに鍛錬と修行を重ねると新しい流れ、離となる。 こちらも大切なこと。
まずは、表紙の美しい写真に魅かれて手に取った本。 第一部の「秘すれば花」は知っている話もあったものの真山仁の文章に引き込まれて読ませる。 そして第二部は「その風(ふう)を得て」という題のもと「演」「闇」「老」「美」などについての玉三郎の想いが綴られる。 坂東玉三郎と筆者の真山仁との三十年にわたる交...続きを読む流があるからこそ、玉三郎は率直に深い思いを語り、その思いを聞き取った筆者が無駄のない研ぎ澄まされた文章にする。お互いが信頼し合い、筆者は坂東玉三郎を深く尊敬している。そんな姿がうかがわれる本書である。
玉三郎と真山仁の…、共鳴。 で、ものすごく読みやすくて。 じわり、と、伝わってきます。 第一部 生い立ち。家族。 歌舞伎の世界に入る時、その後。 厳しさ、興味深い。 第二部 それぞれ漢字一文字の章。 ぐっときます。どこまでも、深く、潔い。 そして、魂に繋がる漢字たち。 『醜』から始まります。 ...続きを読む〜自らが、醜いから、美しいと感じる〜 〜醜いも美しいも、見分けがつかない〜 『演』 〜自分からの逃避〜 『闇』 〜人は闇から生まれ、闇に死んでいく〜 『妖』『海』 〜自分自身の思考や感覚に海の存在〜 スキンダイビング⁉︎ 『情』 〜人間同士が対峙しないと生まれない〜 『粋』 ー東の粋。西の雅。ー ー粋が過ぎたら下品。雅が過ぎたら野暮。ー 〜粋を磨く〜 〜相手に恥をかかせない配慮〜 〜本質を探求する作業〜 『伝』 〜守破離〜 『花』 〜人を惹きつける存在〜 〜魂を揺さぶる力が色気〜 『風』 ー他者からの評価を風ふうと呼ぶー 世阿弥の風姿花伝ー風を得てー 『老』 ー死に向かって生きるー ー老いてこそ花ー 『桜』 〜花びらの色〜 『夕』『食』 〜自然なまま〜 『美』 〜移ろっていくものにこそ、美しさが宿る〜 ー羊にまつわる語源 美、善、義ー 終章 司馬遼太郎 ー街道をゆくー 真新しい気づきに、出逢い。 優しい言葉での導きを感じます。
シンイチは幼い頃から感受性豊かな子で、幼稚園も1日でやめてしまったくらいだった。幼少期にポリオにかかり、足の動きが悪くなる。両親は心配して日本舞踊を習わせた。5歳で初舞台。6歳で守田屋の内弟子になり、坂東喜を名乗る。次に坂東玉三郎を名乗る。坂東弥五郎と坂東田門が教育係としてつく。 光の魔術師である...続きを読む玉三郎は、何より照明に力を入れる。魂を孤立させないための道筋を照らすのが闇だ。 海に魅せられるのはそこに豊穣の無があるから。玉三郎にとって海は想念を存分に解放する世界なのではないだろうか。 東の粋、西の雅。粋が過ぎたら下品になる。雅が過ぎたら野暮になる。経験を積まないで無闇に粋になろうとすると、無礼になってしまう。無礼や下品になったら粋ではない。その塩梅が難しい。 玉三郎の食へのこだわりは独特で、いかに自然であるかを重視する。日本の食材は今やすっかり季節感を失った。農作物は工業生産物になった。 長年、日本像の探究を続け、国内外を歩いた司馬遼太郎さんの視点に共感している。自国を愛するというのはどういうことか、教わった気がする。
著者のフィルターを通した玉三郎さんの生き様が、趣き深かった。 漢字 一文字のテーマで話していく構成は、2人の人となり、人柄が、染みて見えるよう。
玉三郎の魅力や彼が積み重ねたり研ぎ澄ましたりてきたものを文章で表現したり理解したりするのは難しいに違いない。真山仁の目を通した玉三郎が語られていて興味深くはあるが、どちらかというと玉三郎色よりも真山色が強い印象の本だと感じた。
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玉三郎の「風を得て」
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