真山仁のレビュー一覧
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ネタバレ感想
AD社がどこがモデル企業か気になる。GEかと思ったが??
あとは鷲津が目立つが、やはりリンの存在無くしては語れない。締めるところは締めるリン最高!
日本はアメリカを仲良しだと思っているが、アメリカでは中国の話題はあっても日本の話題なぞない。まさにその通りすぎて悲しくなる。どこまでお追従主義なのか。
いつも最後は勝ってきた鷲津が今回は、表面上は負けたが、実は勝つ!そんなパターンがあったんだ。しかも、大統領まで巻き込むなんて。
ハゲタカシリーズを読めば読むほど、自分の仕事のちっぽけさに打ちひしがれる。
あらすじ
リーマンの破綻のXデーは今か今かと騒がれていた。そんななかADのCPの償還日が来て、サムライ・キャピタルが救済に手をあげるも、別の投資家がADを助ける。彼は実は裏で鷲津と繋がっていた。
GCは資金調達に必死で混乱を極めていた。ジャッキーは、ストラスバーグの言いつけを守って鷲津に張り付く。ADの手助けも行う。CGは現CEOのマシューを辞任させて、経営陣を交代し、ADにTOBを行うことで資金を集めて困難を乗り切ろうとしていた。そんなADを鷲津は虎視眈々と狙っていた。
CGの救済は飯島にお願いしてUTB銀行を巻き込んで行い、AD陣はストラスバーグとアルバートまで引っ張り出して、アメリカを守る精神に訴えかけた。鷲津は追い込まれるが、実は全て彼が描いたシナリオ通りだった。アメリカ企業を日本人が買い叩くなどアメリカでは心情的に受け入れられないため、表向きはADに全て株を売却するが、実質の経営権は鷲津が握ることになった。今回もビックディールを成功させたのだった。 -
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ネタバレ感想
アメリカのプラザグループとの戦いで、鷲津はホライゾンをクビになるが、彼がこれまで築きあげてきた人脈で自分のファンドを立ち上げる!痺れる展開に。
鷲津が負けそうなところから不屈の精神で立ち上がり、最後に勝利。カッコいい!
個人的には、リンがアラン坊や、ママは嬉しいわ、っていうセリフが好きだったが、もうアランもいない。ラストで貴子からアランの婚約相手のことを聞かされ、続くって、次がとても気になる。
あらすじ
鈴紡の買収で敗北を喫した鷲津はガムシャラに働いていた。次に目をつけたのは曙電機。曙電機は芝野がCROとして赴任していた。アメリカのプラザグループが曙電機の軍事部門の買収に遮二無二乗り出したところを、鷲津の案でルネッサンス機構に就任したUTBの飯島に、軍事部門だけ切り離して引き受けてもらう。
鷲津はこのことがアメリカの国益を損害したとして、ホライゾングループの会長をクビになる。プラザの反撃は関係者全員に及び仕返しの嵐が吹き荒れた。
そんな中、鷲津はホライゾンを辞めてきたという仲間とGCを辞めたリンとサムライ・キャピタルを立ち上げる。
サムライキャピタルは、プラザ、シャイン連合と壮絶なTOB合戦を繰り広げるが、株がこれ以上買えないところまで行き、鷲津の旗色が悪くなる。
敗色濃厚になり、以前から自暴自棄だった鷲津は、プラザの将軍との会談とアランの死が週刊誌でもてはやされたことで、アランの死に向き合う覚悟をして、ボストンのアランの両親に会いにいく。そこでアランの父親から喝を入れられて、立ち直る。鷲津を立ち直らせるお膳立ては全てリンが仕組んだことだった。
鷲津は、日本の首相とアランの父親がプラザのスキャンダルを明らかにしたことで、見事に曙電機を買収することに成功する。 -
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ネタバレ感想
2000年代の初頭、会社は創業者のものだという経営者の時代についていけない放蕩経営の様子がよく分かる。経済の変遷も学べて面白い!
民間会社は潰れるに任せるのではなく、変に国が介入してくる日本の社会で鷲津が抗う様子が分かる。
日の丸親方、銀行は国が助けてくれる。そういう日本の文化が経済をダメにしている。ある意味それが続いているので今の日本経済もダメなのかもしれない。
あらすじ
ハゲタカ鷲津が帰ってきた。前回の銀行のスキャンダルから1年、鷲津は海外で放浪生活を送っていたが、帰国することに。鷲津がいない間に、アランが事故死を遂げ、新たに社長になったポールによって、ミカドホテルへの投資は打ち切られ、料亭などの不動産も処分されそうになっていた。
鷲津はポールの行ったことを全て元に戻すように指示し、自分はアランのやりかけた鈴紡のMBOに乗り出す。
鈴紡の建て直しはUTB銀行系、独立系アイアン・オックスファンド、ホライゾン系と3つに分かれる。鷲津はマスコミと世論を味方につけ、鈴紡の役員も味方にして9割方、ホライゾンはMBOするところに漕ぎ着けるが、政府のルネッサンス機構によってどんでん返しを喰らう!下巻へ。 -
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ネタバレ経済小説ですが、日本経済の入門書だと強く感じました。同時に政治小説としても読めますし、エンターメントとしても抜群に面白い作品でした。文庫本で650ページにわたる大作ですが、一気に読んでしまいました。
日本の経済問題や財政問題にはとても疎く、漠然と借金が莫大であるという知識しかない私にとって、とても衝撃的な内容でした。フィクションでありながらとてもリアリティーを感じさせてくれたのは、巻末に示された圧倒的な量の参考文献です。
テーマは多岐に渡ります。財政赤字が1,000兆円の件、国会破綻(デフォルト)、IMFや海外の国家破綻の事例、アベノミクスの功罪、地方財政の破綻ー夕張市(作中は北海道の架空の市)の例、地方再生の取り組み等々、小説という手法に抜群のエンターテイメントを加味して読者に届けてくれました。著者の真山仁氏には感謝の気持ちで一杯です。上記の問題の入門書として、多くの人に読んでいただいて、自分たちの事として捉えて欲しいと思いました。
作品の大きなテーマは、日本がデフォルト回避のための政策として、歳出を現在の半分にするというとんでもない荒療治を実施するために、総理と若手の財務官僚が悪戦苦闘する物語です。
しかし、この極端なテーマの設定が、今の日本経済の問題をわかりやすく解説する手助けになっていると思いました。著者の意図や思いがとても伝わってくるように思いました。
作中作に『デフォルトピア』という作品が登場します。このネーミングもこれしかないというタイトルでだと思いました。
多くの登場人物に、それぞれの立場で主張を語らせますが、決して正解を提示するような内容ではありません。むしろ立場が変われば、主張が異なることは当然で、それを可能な限り可視化してくれたように思います。故に、我々読者に日本経済のことをしっかり考えてください、その材料は示しましたと言われているようです。
日本経済という難しい問題も、結局は私たち国民一人ひとりの問題で、無関心ではいられない点が明らかにされていたと思います。政治家や官僚に委託はしているけど、受託者達だけの責任ではなく、委託者である国民の責任もあると思いました。
要は政治に無関心であることは、まわり回って自分たちに返ってくるという当たり前の事に気づかされるのです。
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コミニュケーション論は初めから半分見落としているのがわかる。
SNSが普及した社会では、簡単に関係が切れる。安心を手軽に得られると同時に、社会から脅迫されている。関係性が意気投合のみだったら流動性を失って世界が閉じる。「それでいいんだよ」は危険な言葉だ。
「相手がなにを考えているのかを知ることからコミニュケーションが始まるのなら、文学がそれだと思う」と、読書中のメモに書いたがそのあとに著者もそのように書いていた。自分の考えをはっきり捉えるために、他者の考えに反応することが大事というところがよかった。
島国村社会だけでいられなくなった日本人に必要なのが文学小説だった。他者を疑うのではなく言葉を疑う力を持たなければならなかった。漱石などはこういった苦悩にさらされて、同時に対処しようとしてきた。現代では誰でもが開国に応じて生きていくために小説が重要だったのだ。
それによって僕自身がモリモリのアルゴリズムにならなければならないのだ。正解を作るという言い方だけでは嘘や口のうまさ、画像イメージが使われてしまいがちだからだ。
自作の解を作り上げられていないから、自信がないとか正さに依存してしまうとか、時代は狂ってしまう。 -
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ベイジン 真山仁
2008年の北京オリンピックに合わせて、中国が世界最大の原子力発電所の運開を目指す。そんな中で、日本の技術者と党本部規律検査委員会の役人が、それぞれの役割を全うしながら、想いを胸に同一のミッションに進んでいく。原子力発電所の光と闇に、3.11の前にこれだけ切り込んでいる真山仁の慧眼にさすがに舌を巻く。同時に、本書は他の真山仁の作品と比べても主人公が青臭く、セリフが熱い。何度も名シーンと呼ばれる部分があり、その度に感涙するほどの良いシーンがたくさんある。
また、本書とは関係が薄いが、真山仁は「関西人のおっちゃん」が好きなのだろうなと最近思う。ハゲタカシリーズの飯島、コラプティオや標的、売国の東條、そして今回の門田。門田は今回良い役柄ではなかったが、飯島と東條は毎回真山仁の小説に一癖二癖加えるトリックスターだ。どちらもコテコテの訛りと、とにかく品性の欠片もない物言い、それでいて勘が鋭く、頭はとにかくキレる。作中で、妖怪と呼ばれるような形で、幾度となく基本的なストーリーラインを邪魔するのだが、どうも完全な悪人ではない。だから恨めないという絶妙なキャラクター。元記者の真山仁にとって、東條のような人間は実際に近くにいたのかもしれないが、毎度、ストーリーに出てくるこうしたタイプのキャラクターに、真山仁の愛を感じる。 -
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『黙示』真山仁著
テーマ ★★★★★
問題提起 ★★★★★
現代社会とのつながり ★★★★★
(直近の輸入食品中心とする、為替も理由として食糧高騰。)
【A;購読動機】
ハゲタカの真山さん。好きな理由は、新聞記者出身でいらっしゃるため、参考文献が豊富なうえでの展開であることです。
過去、カジノ、地熱エネルギー、原発事故など社会性が高いテーマで展開されていました。
今回のテーマは「食糧問題」です。
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【B;テーマと登場人物】
テーマは食糧問題です。増え続ける世界人口と不足しはじめている食糧を彫り上げます。
日本は、自給率が低いです。
どのように国内外から食糧を調達していくのか?という社会問題に切り込みます。
登場人物は、農薬メーカー、養蜂家、そして農林水産省です。
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【C;統計情報ほか】
①世界人口
1986年50億、1998年60億、2010年70億、2022年80億人です。
②国内自給率/カロリーベース
1990年48%2000年40%2020年37%
③遺伝子許組み換え食料/国内
とうもろこし、大豆、菜種、じゃがいも
※すでに畜産の肥料として輸入されている。
④水耕市場
土をつかわない農作物の製造。㈱グローバルインフォメーション調べ。
世界2022年100億ドル。2030年301億ドル。
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【D;物語】
養蜂家では、最近、蜂が多く死んでしまう機会が増えました。農薬との因果関係が疑われますが、証明することができません。
そんな中、誤った農薬散布方法が原因で、住民が重傷を負う事件が発生しました。
農林水産省では、事件の原因が人為的なものであることとして処理します。
また、農薬メーカーでは、正しい散布方法をさらに認知させるべく、マニュアルの見直しを図ります。
農薬問題は、この段階でいったん沈静化します。
一方で、別次元の課題がたちあがります。
それは、温暖化よる干ばつ、そして農作物の大不況です。
世界レベルで不作となり、国家間で食糧の輸出・輸入交渉が始まります。
そこで、農林水産省は、自給率100%に近い米を中心に、生産ならびに輸出を強化するプロジェクトを立ち上げます。
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【E;読み終えて】
著者真山さんは、小説のなかで「知らないから怖い。だから(政策含めて)反対するのではなく、まず知ろうとする一歩目が大切」と記述しています。
・人口増加
・国内自給率
・減反よる減り続ける生産量
・遺伝子組み換え食品供給の世界的な状況
わたくしが関心をもった内容が水耕栽培です。
土をつかわず、工場内で農作物を生産するシステムです。
ここ最近では、都市部のオフィスビル内部でも同様の試みが見られます。
農家の後継者不足、天候による生産量の不安定さ、それが収入に直結することのリスク。こうした状況に対してのひとつの解決策になるのでは?と再認識できました。
真山さんファンにはぜひ読んでほしい作品です。 -
Posted by ブクログ
批判的思考力を身につけることや、氾濫する情報の中から「正確」なものを選び抜く能力、情報を受け取ったときの他人の反応を正しく予測し、「報道されない事実」に目を向けることで情報発信者の意図を想像すること、これらの力を身につけることが情報化社会を生きてゆくためには不可欠だと言われています。
国家間の戦争から、SNSで炎上する個人間の意見対立まで、その根本には「自分の主張が正しい」という信念や、「間違っている相手を正そう」とする(間違った)正義感があります。
世間にまん延する(自分にとって居心地の良い)「正しさ」を疑うためには、歴史的な背景を含めた正確な知識が必要だと言われますし、そのための「教養」をみにつけるための書籍もよく店頭で目にします。
しかし、筆者はその「正しいを疑う視点/能力」を身につけるための方法の一つとして、「小説をよむ」ということを紹介しています。
社会を見る目、人の発言や行動を分析する力、価値観の多様性、異なる文化が衝突する理由、その解決策など、様々なものを小説は教えてくれるというのです。
評論や教養書を読んだ方が良いんだろうな……と思いつつ、ついついエンタメ小説に手を伸ばしてしまうことが多い私にとってはとても慰めになる一冊でした。
小説の効能は
・想像力を豊かにする
・いろんな人生を疑似体験できる
・気になることがあれば立ち止まって考える余裕がある
・多様な価値観があることを実感できる
と盛りだくさんで、楽しみながら「力」を身につけることができます。
(本文p.140)
小説はフィクションですが、それは単に架空の筋立てであるということであって、人間とは何かを見つめ、様々な人間の生き方を読者に伝えるという意味では「人間の真実」を描いています。つまり、小説で起きる”正しさ”の衝突は、現実の社会でも起きるということです。
「読書って何の意味があるの?」と思っている人や、逆に「本ばっかり読んで!」と叱られている人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。