【感想・ネタバレ】バラ色の未来のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年01月18日

最近に国会議員が、IRを巡って収賄で逮捕された。
金額は、あまりにも小さく、なんとも微笑ましいなぁと思っていた。
中国人相手で、そのショボさは、日本の貧困を示している。
中国と日本の富裕層の富の格差が明らかになってきている。
小説になると、やはり賄賂の金額のスケールは大きくなる。
IR(カジノつき総...続きを読む合リゾート)の誘致を 青森県円山町のスズキイチロー町長が、熱心に、推進する。
IR誘致で、地方再生になるって、幻想で、誰がバラ色の夢になるわけでない。
結局 スズキ元町長は、ホームレスになって死体で発見される。
カジノつき総合リゾートが、起こす問題は、ギャンブル依存症だけでなく
その利権を巡っての、利益を貪る奴がいるのは明確で、
それを政治家が さらに貪っていく。貪りの構造である。
ここでは、山口県の出身の首相がIRを推進し、首相の嫁がギャンブル依存症になる。
東西新聞の結城洋子がチームを作り、スズキ町長の死から、
ギャンブル依存症夫妻の子供を巻き込んだ無理心中事件など
丹念に、調査して、新聞に アップしようとすると
山口県出身の首相は、憲法改正をぶち上げる。
新聞は、その記事が トップを飾ることに。
始末が悪いのは、新聞社のトップは、
首相のお友達で握りつぶそうとする。
この小説は、日本を支配する悪たちの悪巧みを暴き、
新聞記者は、「権力の監視」をすることが使命だという。

事実を隠蔽する仕組みや文書の改ざんなど平気で行い
マスコミや新聞社のトップをてなづけてしまう時代への警鐘である。
ギャンブル依存症の怖さが、もう少しリアルになるといいのだが。
真山仁らしい 本で、タイムリーな作品だった。
日本の未来は、薄汚れた色に彩られている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月01日

真山仁作品の好きなところは「必ず余韻を味わえる」というところなんじゃないかと思う。調査取材によってまとめられた記事が東西新聞の一面を飾るとき、そのときにどんなことが起こるのだろうか。ストーリーの中で読みたいような気持ちはありますが、そこを読者の想像に委ねてくれるところが、僕にはなんだかとても味わい深...続きを読むさをもたらしてくれているように思うのです。

現実の世界でもIRに踊っているバカどもはたくさんいるけれど、IRによってもたらされる世界が本当に「バラ色の未来」になるのかどうか?想像力を絞り出してよーく考えたらいい。それでも具体的に想像できないのなら…この作品をじっくり精読したらいい。馬鹿な政治家、バブル崩壊にこりていない守銭奴向けの良書です。

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Posted by ブクログ 2019年10月31日

かっこいい。ひたすらカッコ良い話です。
断片的な情報を繋げてストーリーを作る編集長。
そういうことできる人ってとても重要だと思います。

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Posted by ブクログ 2019年10月07日

IRを題材に、政治と金と地方再生の渦の中で、真実を追い求める記者の姿、心の動きが しっかりと描かれています。
どこにでもありそうで決して見えない闇に立ち向かう記者魂に感動しました。

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Posted by ブクログ 2020年01月03日

IRを巡って政治家と地方の町長、新聞記者、そしてビジネスとの交錯した攻防。
IRの問題点がよく浮き彫りにされている。いま、日本でもIR候補地が名乗りを挙げ、それに伴って国会議員への不正献金問題で揺れている最中。
2015−2016年に書かれた小説だが、2019年を予感していたかのようだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月28日

 今年(2020年)の初めの議員逮捕で、またぞろ世間の耳目を集めたカジノ法案(総合型リゾート/IR整備促進法)。候補地のどこに出来るかまだ未定ながら、例えば大阪にしても、開業は2024年とかなので、なかば忘却の彼方だったけど、そんな事件もあっての今、興味深く読むことができた。
 真山仁作品は『マグマ...続きを読む』に次いで二作目。経済誌の連載の『ハゲタカ』あたりは読んでいたけど、途中でFade outしてしまい結末はしらないが、どの作品も、緻密な取材を重ねた、多岐にわたる情報量に圧倒される感があるのが著者の特徴か。さすが元新聞記者。

 その著者が、IRにまつわる経済小説に、新聞記者の活躍という物語を交錯させて描く群像劇。群像劇なだけに、登場人物が多く(特に全国各地に居る記者たち)、最初とっつきにくいのだけど、個々の記者の取材が、有機的に絡んでくると読むスピードにドライブがかかる。後半は一気読みだ。

 話のモチーフは、カジノ誘致に政財界が絡む、コテコテのどちらかというと古典的なお話ではあるけど、主人公は“記者たち”というのが、ちょっと新鮮だった。
 若手記者に向けての社内研修のような場面から始まって、ベテラン記者からの教えや、新聞社における社内政治などに多くの頁を割いて描いている。帯にあるように“記者たちの矜持と執念が闇を照らす”とあるように、IRは題材に過ぎず、記者のあり方、マスコミの姿勢、調査報道の重要性を分からせてくれる物語かもしれない。
 表面的には、カジノ法案を地方再生の切り札として導入した現政権に対する批判が目につくが、マスゴミとも揶揄される、大勢に寄った報道が目立つ今のマスコミに、先輩として「喝っ!」を入れているようだ。

 これも帯に抜粋されているが、
「新聞記者の存在意義とは、すなわち、権力の監視 ― それに尽きる」
 というベテランの元特ダネ記者の言葉に尽きる。大本営発表を垂れ流すだけでなく、たとえ成立した法律に則ったものであろうと、その適法性を検証し、問題点、不備を指摘し、大衆に知らしめるのが報道機関の使命。偏重報道は困るが、積み上げた事実に裏付けられた全体像を示してくれれば、あとの判断は受け取る側、我々の責任だ。報道と、読み手の関係も改めて考えさせられた。 良書なり。

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