真山仁のレビュー一覧
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真山仁『それでも、陽は昇る』祥伝社文庫。
東日本大震災と阪神・淡路大震災の二つの被災地が抱える葛藤を描いた三部作の完結編。
早くも阪神・淡路大震災から28年、東日本大震災から12年の歳月が過ぎた。28年前の阪神・淡路大震災ではテレビに映し出された倒壊した阪神高速道路に衝撃を受けた。12年前の東日本大震災では建物の中で激しい揺れに掻き回されながら死を覚悟し、ワンセグで観た大津波と福島第一原発が爆発する光景に絶望を味わった。
未だに東日本大震災の津波による被災地は復興の途上にある。震災から数年後、当時の首相は『原発はアンダーコントロールだ』と大嘘を吐き、東京五輪の誘致に成功した。燃料デブリの -
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そして、星の輝く夜がくる 真山仁
1.小説より
「人は大切なことは、決して忘れない。
けどな、過去に縛られたらあかん。
大切なのは、今日であり、未来やろ。」
多くの事件、事故がニュースで流れます。
そして、また、新しい報道で上書きされていく日常です。
それらに対して、私自身が何を感じ、何を考えているのか?
時間をつくることにより、少しだけ遠い未来を想うことにつながっています。
そんなことに気づかせてくれた作品です
2.購読動機
久しぶりの小説を読むにあたり、取材から掘り下げて執筆する真山さんをチョイスです。
ドラマ「ハゲタカ」のあと、バラ色の未来/カジノ誘致、虚像の砦/放送認可 -
購入済み
主人公が渋い
ヒット作ハゲタカシリーズの3作目。シリーズ物がヒットし続ける最大の理由は主人公鷲津政彦の実話としても読め造形に尽きる。単なるスーパーマンではなく、弱さ 後ろ暗さ を秘めた人物設定のうまさに感心する。
ここ20年間続いている中国の台頭 膨張 傍若無人ぶりを見るにつけ、納得する作品。 -
購入済み
多面的な正義の話
各々の登場人物が自分たちが信じる正義を振りかざしてぶつかり戦う物語。
かつてバブル崩壊で世界経済は低迷し、今またコロナ蔓延で落ち込もうとしている。
再読して、今 日本や世界のあちこちでこの本の内容とよく似たことが起こっているのかもしれないと思うとゾッとする。
啓蒙的な意味合いも込めて読みごたえのある本。 -
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友人に勧められた一冊。
真山作品はこれが初かな?
面白かったです。
震災復興を機にカリスマ的人気を集める総理大臣・宮藤。
物語は宮藤を支える側近の白石と新聞記者の神林、二人の視線で描かれています。
アフリカの途上国で起きたジェノサイドを伝える小さな記事からすべてが始まり、二人は政権の闇の部分を知ることになるー。
別の作家さんで私がとても好きな作品があるのですが
それもカリスマ的人気政治家が独裁者に変わる危うさ、流れに任せるのではなく「考える」ことの重要性を描いていたので私はこういったテーマが好きなのかもしれません。
ただし薄っぺらい内容になることは許されないテーマゆえ、作家さんの力量が -
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真山仁『当確師 十二歳の革命』光文社文庫。
当選確率99%を約束する選挙コンサルタントの聖達磨を主人公にした選挙小説のシリーズ第2弾。
今回、聖達磨は現職総理大臣の岳見を選挙区で落選させて欲しいというとんでもない依頼を受ける。
誰を対立候補として擁立させるのか、聖達磨はどんな驚愕の秘策を見せてくれるのか……
いや、驚愕の秘策などなかった。正しく生きてきた人間が正しい選挙戦を闘った結果は当然の如くなのだ。終盤の予想外の展開にハラハラし、12歳の少年の素直な正しい意見に胸が熱くなった。
この総理まで登り詰めた岳見という二世議員は、無能で厚顔無恥な安倍晋三と中身の無い軽い発言でお馴染みの下 -
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真山仁『当確師』光文社文庫。
当選確率99%を約束する選挙コンサルタントの聖達磨を主人公にしたリアリティーあふれる選挙小説。
当選と落選とでは天国と地獄。選挙の時ばかりは平身低頭で有権者に御願いするのだが、当選するや手のひらを返したようにふんぞり返り、利権を貪る議員ばかり。今も昔もそれは同じで、そんな選挙にまつわる政治の裏側を面白可笑しくドラマチックに描いてみせた真山仁の手腕には感心する。
『当確師』を名乗る聖達磨という選挙コンサルタントはなかなかの策士で、過去に当選が危ぶまれる候補者を大逆転の大差で当選させるなどの奇跡を起こしてきた。
そんな聖達磨の元に来年秋に行われる高天市の次期市 -
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ネタバレ2021年3月20日記述
黙示(もくし)
真山仁氏による著作。
2013年(平成25年)2月に新潮社より刊行された。
2015年(平成27年)8月1日発行(新潮文庫)
ハゲタカや当確師などの著作を持つ真山仁氏の作品。
1962年大阪府生まれ
1987年同志社大学法学部政治学科卒
同年4月中部読売新聞(のち読売新聞中部支社)入社
1989年11月同社退職
1991年フリーライターに
2004年『ハゲタカ』(ダイヤモンド社)でデビュー
政治、経済を舞台とした作品が多いのだなと思った。
著者は同志社大学法学部政治学科卒とあるのでその経歴から来る元来の志向と
いうものも影響しているのだろう。
当 -
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登場人物が一気に絡み合い、周囲の思惑や時代の流れや、澱のようにたまっていた思惑や欲望が一気に渦のように終盤に向かって加速していきます。
一人ひとりの人物像がとても鮮やかに描かれていて、引き込まれる音が聞こえるほどです。気が付くと原発の建屋の中にいるような感覚に陥るかもしれません。
警鐘や警告は、いくら鳴らしても、現実に起きるまでは杞憂として扱われます。オオカミ少年なのか真実の語り部なのかは、大きな出来事があって初めてわかるです。
今もテレビで、ネットで語られるさまざまな言説の中に登場人物のような人々も、生きているのかもしれません。
その先がどうなるのか、続編のないラストシーン