真山仁のレビュー一覧

  • そして、星の輝く夜がくる

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    そして、星の輝く夜がくる 真山仁


    1.小説より
    「人は大切なことは、決して忘れない。
     けどな、過去に縛られたらあかん。
     大切なのは、今日であり、未来やろ。」

    多くの事件、事故がニュースで流れます。
    そして、また、新しい報道で上書きされていく日常です。
    それらに対して、私自身が何を感じ、何を考えているのか? 
    時間をつくることにより、少しだけ遠い未来を想うことにつながっています。
    そんなことに気づかせてくれた作品です

    2.購読動機
    久しぶりの小説を読むにあたり、取材から掘り下げて執筆する真山さんをチョイスです。

    ドラマ「ハゲタカ」のあと、バラ色の未来/カジノ誘致、虚像の砦/放送認可

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    2022年10月09日
  • レッドゾーン(上)

    購入済み

    主人公が渋い

    ヒット作ハゲタカシリーズの3作目。シリーズ物がヒットし続ける最大の理由は主人公鷲津政彦の実話としても読め造形に尽きる。単なるスーパーマンではなく、弱さ 後ろ暗さ を秘めた人物設定のうまさに感心する。
    ここ20年間続いている中国の台頭 膨張 傍若無人ぶりを見るにつけ、納得する作品。

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    2022年10月04日
  • 新装版 ハゲタカ(上)

    購入済み

    多面的な正義の話

    各々の登場人物が自分たちが信じる正義を振りかざしてぶつかり戦う物語。
    かつてバブル崩壊で世界経済は低迷し、今またコロナ蔓延で落ち込もうとしている。
    再読して、今 日本や世界のあちこちでこの本の内容とよく似たことが起こっているのかもしれないと思うとゾッとする。
    啓蒙的な意味合いも込めて読みごたえのある本。

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    2022年10月04日
  • コラプティオ

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    友人に勧められた一冊。
    真山作品はこれが初かな?

    面白かったです。
    震災復興を機にカリスマ的人気を集める総理大臣・宮藤。
    物語は宮藤を支える側近の白石と新聞記者の神林、二人の視線で描かれています。

    アフリカの途上国で起きたジェノサイドを伝える小さな記事からすべてが始まり、二人は政権の闇の部分を知ることになるー。

    別の作家さんで私がとても好きな作品があるのですが
    それもカリスマ的人気政治家が独裁者に変わる危うさ、流れに任せるのではなく「考える」ことの重要性を描いていたので私はこういったテーマが好きなのかもしれません。

    ただし薄っぺらい内容になることは許されないテーマゆえ、作家さんの力量が

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    2022年09月14日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(上)

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    ハゲタカシリーズのスピンオフ上巻。
    シリーズファンにとっては重要なキャラクターの一人である、松平貴子を取り巻くストーリー。
    鷲津が登場しないにも関わらずやっぱり面白い!
    下巻に期待。

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    2022年09月04日
  • 新装版 ハゲタカ2(下)

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    決着としては不毛な戦いだったのかもしれないが、企業買収をめぐる各登場人物に個性があり、面白く読み応えがある。
    冷酷なだけでなく人間味のある鷲津政彦に引き込まれてしまったが、全体として高度成長期と凋落期の日本を如実に現されてもおり自分の周囲環境に引き寄せて読むこともできた。

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    2022年08月24日
  • 当確師 十二歳の革命

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    真山仁『当確師 十二歳の革命』光文社文庫。

    当選確率99%を約束する選挙コンサルタントの聖達磨を主人公にした選挙小説のシリーズ第2弾。

    今回、聖達磨は現職総理大臣の岳見を選挙区で落選させて欲しいというとんでもない依頼を受ける。

    誰を対立候補として擁立させるのか、聖達磨はどんな驚愕の秘策を見せてくれるのか……

    いや、驚愕の秘策などなかった。正しく生きてきた人間が正しい選挙戦を闘った結果は当然の如くなのだ。終盤の予想外の展開にハラハラし、12歳の少年の素直な正しい意見に胸が熱くなった。

    この総理まで登り詰めた岳見という二世議員は、無能で厚顔無恥な安倍晋三と中身の無い軽い発言でお馴染みの下

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    2022年05月18日
  • 虚像の砦

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    何回読んだか分からない本。
    風見さんと黒岩さん、戦う舞台は違えど熱い思いを持った2人の葛藤が好き。
    ラストは毎回ニヤっとしてしまう。

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    2022年05月07日
  • タイムズ 「未来の分岐点」をどう生きるか

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    オリンピック前からコロナ前後までの連載に,事後の評価を加えた構成が,ここ数年の日本や世界を取り巻く状況の激動と鬱屈を浮き彫りにしている感じがする.改めて,何のための,誰のためのオリンピックだったのか?今,何のためのコロナ対策が行われているのか?見つめ直す良いきっかけになる一冊だと思う.
    小説に於ける真山ワールドに通底する「不確実な正義」の姿か,浮かび上がる様で,読んでいて大変楽しかったし,頭を使った.

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    2022年04月17日
  • 当確師

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    真山仁『当確師』光文社文庫。

    当選確率99%を約束する選挙コンサルタントの聖達磨を主人公にしたリアリティーあふれる選挙小説。

    当選と落選とでは天国と地獄。選挙の時ばかりは平身低頭で有権者に御願いするのだが、当選するや手のひらを返したようにふんぞり返り、利権を貪る議員ばかり。今も昔もそれは同じで、そんな選挙にまつわる政治の裏側を面白可笑しくドラマチックに描いてみせた真山仁の手腕には感心する。

    『当確師』を名乗る聖達磨という選挙コンサルタントはなかなかの策士で、過去に当選が危ぶまれる候補者を大逆転の大差で当選させるなどの奇跡を起こしてきた。

    そんな聖達磨の元に来年秋に行われる高天市の次期市

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    2022年04月15日
  • ハゲタカ 5 シンドローム(下)

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    ネタバレ

    ハゲタカシリーズ、電力会社買収編。全作品の中でも、最も主人公鷲津の人間味、というか人間らしからぬ部分と人間味との本心かどうかさえ読者にも読ませない展開が非常に面白く、また過去の登場人物が揃う点もファンにはたまらない展開。電力会社特有の構造と、政治、さらに未曾有の大震災とその対応など、現実ワールドで起きていたこともかなり想像される展開でシリアスさも経済小説ならではの面白さ。チャプターごとに読ませながら、接点を作っていく流れも面白くてどんどん先へ進みたくなっていく。二回目なのに、やっぱり面白い。

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    2022年01月02日
  • 黙示

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    ネタバレ

    2021年3月20日記述

    黙示(もくし)
    真山仁氏による著作。
    2013年(平成25年)2月に新潮社より刊行された。
    2015年(平成27年)8月1日発行(新潮文庫)

    ハゲタカや当確師などの著作を持つ真山仁氏の作品。
    1962年大阪府生まれ
    1987年同志社大学法学部政治学科卒
    同年4月中部読売新聞(のち読売新聞中部支社)入社
    1989年11月同社退職
    1991年フリーライターに
    2004年『ハゲタカ』(ダイヤモンド社)でデビュー

    政治、経済を舞台とした作品が多いのだなと思った。
    著者は同志社大学法学部政治学科卒とあるのでその経歴から来る元来の志向と
    いうものも影響しているのだろう。

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    2021年12月08日
  • ハゲタカ 5 シンドローム(上)

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    ネタバレ

    ハゲタカシリーズ。原発事故の前夜、鷲津が狙うのは電力会社。
    長い戦いの後でも痺れるような戦いを渇望するハゲタカの生き様と、垣間見せる人間らしさ、買収劇を繰り広げるタレントチームの動きなどがたまらない。また、懐かしのキャラクター達、芝野や記者の北村も出てくるということハゲタカシリーズのファンにはたまらない展開。ただ、いくつかの場所で起きている事象を、それぞれ時とともに描写してくれているので、最も落ち着きながらも、ページをくれる。一度、読んでいた話を再購入してしまったが、それでも下が楽しみだ。

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    2021年11月28日
  • ベイジン(下)

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     登場人物が一気に絡み合い、周囲の思惑や時代の流れや、澱のようにたまっていた思惑や欲望が一気に渦のように終盤に向かって加速していきます。

     一人ひとりの人物像がとても鮮やかに描かれていて、引き込まれる音が聞こえるほどです。気が付くと原発の建屋の中にいるような感覚に陥るかもしれません。

     警鐘や警告は、いくら鳴らしても、現実に起きるまでは杞憂として扱われます。オオカミ少年なのか真実の語り部なのかは、大きな出来事があって初めてわかるです。

     今もテレビで、ネットで語られるさまざまな言説の中に登場人物のような人々も、生きているのかもしれません。

     その先がどうなるのか、続編のないラストシーン

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    2021年10月18日
  • ベイジン(上)

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    2008年の北京が舞台。

    もう忘れてしまった感じがありますが、オリンピックの前で高揚する中国の雰囲気を思い出しながら、そのあと日本で現実になる出来事と合わせてタイムマシンに乗ったかのような感覚が味わえます。

    小説にここまで描かれていたことが、なぜ、簡単に起こってしまったのか。

    喉元を過ぎ、原発に頼っていく「この道しかない」雰囲気になった今、もう一度あのときのことを思い出すのにいい時期なのかもしれません。

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    2021年10月18日
  • トリガー 下

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    面白かった!
    久々に真山仁の当たり作です。日米韓の陰謀とキム暗殺事件を許すまじと、立ち向かう主人公と仲間達の姿はカッコいいですね。思い通りに行き過ぎてる感はありますが、解決への爽快感が吹き飛ばしてくれます。
    著者も「このジャンルを書きたい」と語っていたらしく、作品にかける熱の入れようが良く伝わってきました。
    スパイ小説読みたいなら、オススメ出来る一冊です

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    2021年09月29日
  • オペレーションZ(新潮文庫)

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    「オペレーションZ」 真山仁さん

    1.購読動機
    取材、参考書籍の量をもとに、リアリティに小説の世界を投影しつづける真山さん。
    「小説だからこそ、ありえないだろ?!が描ける。」
    その志向を好きな読者が、真山さんの小説を読みつづけるのでしょう。
    私も、そんなひとりの読者です。

    2.オペレーションZとは?
    Z。アルファベットの最後も文字。そう、後ろがないということ。
    プロジェクト名の由来は、ここにあります。

    日本がデフォルト、企業でいえば倒産するまえに、財政の構造改革を目指すというもの。

    具体的には、単年度で、日本全体の支出を半分にする、国の借金を減らす原資をつくるというもの。

    3.本から

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    2021年08月29日
  • 虚像の砦

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    『虚像の砦』真山 仁氏

    0.本書より
    「報道とは、道に報いるとかく。」
    「報道にひとが関わる以上、ある程度の主観が入る  
     は当然である。
     ただし、大切なのは、様々な角度から事件が取り  
     あげられることが必要である。」
    「報道とは、闇に光をあてること。
     闇をそのまま捨ておかないこと。」

    1.虚像の砦の舞台
    舞台は、民放キー局です。
    本年度は5年に一度の免許申請の時期です。
    向こう5年間の財務の安全を総務省に開示、説明が必要となります。

    主人公は、報道部門の中堅と、バラエティ部門の中堅の2名です。
    報道の彼は、時同じく起きた、海外渡航禁止区域での邦人誘拐事件に当たります。
    バラエ

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    2021年08月08日
  • バラ色の未来

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    『バラ色の未来』真山 仁著
    ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

    1.内容
    国内のIR初誘致。
    低迷する地方か?それとも総理のお膝元か?
    ①外資カジノ運営会社②政府③メディア④広告代理店。
    この4者が、IR誘致というプロジェクトに対して対峙しあう。

    2.真山さんのメディアに対する想い
    真山さんは、記者経験のある作家さんです。
    真山さんのメディアに対する想いを拝見することができます。

    「取材なんて人に教わるもんじゃない。
     事件が記者を鍛えるんだ。」

    「記事。
     社会に伝えるべき事実だと思えば、
     躊躇してはならない。」

    3.⭐️5この理由
    IRがよい、悪いではなく、そのプロジェクトを何の目的でとらえ

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    2021年07月25日
  • プリンス

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    政治小説は普段読まないが、なぜか書店で目にして読んでみたくなり。結論、久しぶりに自分自身納得できる本に出会った感じ。テンポの良いストーリー展開も好感。

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    2021年07月08日