あらすじ
産業誘致、防災、オリンピック……真山仁が鋭く描きだす本物の“復興”とは? 東日本大震災から12年、阪神・淡路大震災から28年。ふたつの被災地がともに抱える葛藤を描く三部作、完結!――東日本大震災で被災した遠間第一小学校で応援教師として勤務した二年を経て、小野寺徹平は神戸へ戻る。自らも妻子を亡くした阪神・淡路大震災を語り継ぐNPO活動に奮闘する小野寺だが、復興の名の下に生じた歪み、けして癒えない傷と向き合う日々は続く。一方、遠間では復興五輪、産業誘致など新たな葛藤が生まれていた――。ふたつの“震災”をつなぐ感動の物語。解説・渋谷敦志
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Posted by ブクログ
真山仁『それでも、陽は昇る』祥伝社文庫。
東日本大震災と阪神・淡路大震災の二つの被災地が抱える葛藤を描いた三部作の完結編。
早くも阪神・淡路大震災から28年、東日本大震災から12年の歳月が過ぎた。28年前の阪神・淡路大震災ではテレビに映し出された倒壊した阪神高速道路に衝撃を受けた。12年前の東日本大震災では建物の中で激しい揺れに掻き回されながら死を覚悟し、ワンセグで観た大津波と福島第一原発が爆発する光景に絶望を味わった。
未だに東日本大震災の津波による被災地は復興の途上にある。震災から数年後、当時の首相は『原発はアンダーコントロールだ』と大嘘を吐き、東京五輪の誘致に成功した。燃料デブリの1つも取り出せず、早々とALPS処理水の海洋放出を決定しておいて何が復興五輪だ。被災地を見殺しにした挙げ句に、ふたを開ければ利権と不正に汚れた恥さらしの全く盛り上らない五輪だったではないか。
そんな東京五輪開催に新型コロナウイルス感染禍が待ったを掛けたように思うのは単なる思い過ごしか。さらには東京五輪を大嘘で誘致した当時の首相はカルト宗教団体の広告塔であったが故にテロリストの凶弾に倒れる。何かしら運命的な、神の力のようなものを感じる。
失敗から成功を学べ。自ら学び、行動すれば、陽は、また昇るのだ。
阪神・淡路大震災で妻子を亡くし、東日本大震災で被災した遠間第一小学校で応援教師として2年間勤務した小野寺徹平が神戸へと戻る。教師として復職する願いは叶わず、阪神・淡路大震災を語り継ぐNPO活動に奮闘する小野寺だったが、復興の名の下に生じた歪み、決して癒えない傷と向き合う日々が続く。
小野寺が何年か振りに遠間を訪れると、住人たちは復興五輪、大型商業施設が産み出した新たな葛藤の狭間にあった。生き残った者の悲しみと苦しみの果てに。
本体価格700円
★★★★★
Posted by ブクログ
「いのちを守るために自分はどう行動するか」
阪神淡路大震災で妻子を亡くした主人公・小野寺徹平。東日本大震災で被災した小学校の応援教師として東北の小学校へ出向。2年後彼は神戸へ帰る。
神戸でも東北でも復興の名の下に様々な葛藤がある。それらを描写しながら、災害での教訓をどう生かしていくのかを問うているのだと思う。
どうしていくか。人それぞれに思いや考えはあるでしょう。
冒頭の「いのちを守るために自分はどう行動するか」は本書の解説に書かれていた言葉。読み終えたばかりの今、まず思ったのはこのこと。
それで万全、ということはない。どんなに準備万端整えたとしても。
でも、「まさか」という事をほんのちょっとでも減らすためには大切なこと。
Posted by ブクログ
会社の先輩にお借りした一冊。
これが最終巻。
はぁ、、、今週も疲れたーーー。゚(゚´ω`゚)゚。
クタクタだ。
でも借りた本は返さねば。
頑張って読まねば。
一冊目はそこそこ面白かったのだが、二冊目からちょっと減速し、三冊目はうーん、、、、更に減速してしまい、字面を目で追っているだけ状態になってしまった。。。
仕事が忙しい上に、派遣さんに仕事を教えなくてはいけないからってのもあるのか?
本にのめり込むことが出来なかった(ToT)
言っておくが、派遣社員さんはとても良い人だ。人柄に一つの文句もない。素晴らしい人物だ。
なのに何でこんなに疲れるんだーーーー。
・゜・(ノД`)・゜・。
震災小説三冊目は、東日本大震災から12年後。阪神、淡路大震災から28年。
復興の為と謳う産業誘致やオリンピックについて言及している。
凄く分かるところもあるのだが、一編、一編が短編であるからか?その続きが知りたいのよ。。。と思ってしまう。
この辺は短編嫌いが出てしまっているかも(⌒-⌒; )
次はガッツリ長編が読みたいな。
Posted by ブクログ
『そして、星の輝く夜がくる』『海は見えているか』に続く東日本大震災を描いた三部作の完結編。
主人公は、阪神淡路大震災で妻子を亡くした教師小野寺徹平。
東日本大震災で被災した遠間小学校へ応援教師として勤務した彼は、本書では、神戸に戻り震災を語り継ぐNPO活動に奮闘している。
遠間と神戸が交互に綴られ、ふたつの震災の共通性と相違性を浮かび上がらせる。
全2冊を読んでから5年近く経過したゆえ、これまでのあらすじがあやふやとなり、やはり三部作はまとめて読んだ方が、小説内容により深化できたのではと、読後に思った。これから読むひとは、続けて読んでみてください。